不動産投資で空室率は何%まで耐えられる?家賃収入が減っても赤字にならない収支計算
- MIRAIU

- 8月14日
- 読了時間: 22分
■ 満室なら儲かる物件でも空室になれば収支は変わる
不動産投資の収支を計算するとき、最初に見る数字の一つが家賃収入です。
家賃5万円の戸建なら年間60万円。
家賃5万円の部屋が4戸あるアパートなら、満室時の年間家賃は240万円です。
ここからローン返済や管理費、固定資産税、保険、修繕費などを差し引いて利益を計算します。
しかし、この計算には大きな前提があります。
一年間ずっと満室であることです。
実際の賃貸経営では、入居者が退去することがあります。
退去後すぐに次の入居者が決まるとは限りません。
一か月。
三か月。
場合によっては半年以上空室になることもあります。
その間、家賃収入は減ります。
しかしローン返済や固定資産税などはなくなりません。
だから不動産投資では、
「満室ならいくら儲かるか」
だけではなく、
「どこまで空室になっても保有を続けられるか」
まで確認しておくことが重要です。
■ 空室率とは家賃が入らなかった期間の割合を見る数字
空室率にはいくつかの考え方がありますが、賃貸経営の収支を見る場合は、家賃が入らなかった期間を基準に考えると分かりやすくなります。
例えば一戸の戸建を一年間保有したとします。
12か月すべて入居。
空室期間0か月。
この場合、年間を通じて家賃が入ります。
一方で3か月空室なら、家賃が入るのは9か月です。
単純化すれば、一年間の25%が空室だったことになります。
6か月空室なら半分です。
一棟物件の場合は部屋数も加わります。
4戸のアパートなら、
4戸 × 12か月 = 48戸月
が年間の最大稼働量です。
そのうち合計6戸月が空室なら、約12.5%が空室だったことになります。
空室率を見る目的は数字そのものを競うことではなく、空室によって年間家賃がどれだけ減るのかを把握することです。
■ 家賃5万円の戸建が3か月空室になると15万円消える
家賃5万円の築古戸建を考えてみます。
満室なら、
月5万円。
年間60万円。
です。
しかし退去後、次の入居者が決まるまで3か月かかったとします。
家賃が入るのは9か月。
年間家賃収入は45万円です。
満室想定60万円との差は15万円。
さらに退去時には原状回復費が発生する可能性があります。
例えば原状回復に15万円必要なら、
家賃減少15万円。
原状回復15万円。
合計30万円の影響です。
満室時に年間30万円残る予定だった物件なら、その一年のキャッシュフローがほとんどなくなる可能性があります。
戸建投資では一戸が空室になると家賃収入が0円になるため、空室期間が収支へ与える影響は非常に大きくなります。
■ 空室率10%なら家賃収入も単純に約10%減る
満室想定の年間家賃収入が120万円の物件を考えてみます。
月平均なら10万円です。
空室率0%なら年間120万円。
空室による家賃減少はありません。
空室率10%なら、単純計算で家賃収入は約108万円。
12万円減ります。
空室率20%なら約96万円。
24万円減ります。
空室率30%なら約84万円。
36万円減ります。
ここで重要なのは、家賃収入が10%減ったから利益も10%減るとは限らないことです。
ローン返済。
固定資産税。
火災保険。
一定の管理費。
これらは家賃が減っても同じように発生します。
そのため、家賃収入が10%減っただけでも、最終的な手残りは10%以上減ることがあります。
■ 空室率20%でも黒字の物件と赤字になる物件がある
同じ年間家賃120万円の物件を二つ比較します。
A物件。
年間家賃120万円。
年間ローン返済50万円。
その他年間経費30万円。
満室時の手残り40万円。
B物件。
年間家賃120万円。
年間ローン返済70万円。
その他年間経費30万円。
満室時の手残り20万円。
ここで空室率20%になり、年間家賃が96万円になったとします。
A物件は、
96万円-50万円-30万円=16万円。
まだ黒字です。
B物件は、
96万円-70万円-30万円=-4万円。
赤字になります。
同じ家賃。
同じ空室率。
それでも結果は違います。
違いを生むのは、ローン返済や固定費を含めた物件全体の収支です。
「空室率20%なら危険」と決めるのではなく、自分の物件が何%の空室まで耐えられるかを計算することが重要です。
■ 空室率より先に損益分岐点を知っておく
不動産投資では、
何%空室になったら赤字になるのか。
ここを購入前に確認しておくと判断しやすくなります。
例えば年間満室家賃120万円。
ローン返済60万円。
その他年間経費30万円。
年間支出は合計90万円です。
つまり年間家賃が90万円を下回ると、単純計算では赤字になります。
満室家賃120万円に対して90万円。
必要な家賃収入は満室時の75%です。
逆に考えれば、約25%家賃収入が減るところが一つの境目です。
ただし実際には、空室が出ると原状回復や募集費用などが追加で発生する場合があります。
そのためギリギリ25%まで大丈夫と考えるのではなく、さらに余裕を持たせます。
空室率の数字を見るより、「家賃収入がいくらまで減ったら赤字になるか」を把握する方が実際の賃貸経営では使いやすい考え方です。
■ ローン返済が大きいほど空室への耐久力は小さくなる
空室になってもローン返済は続きます。
家賃10万円。
ローン返済5万円。
家賃が7万円まで減っても、返済後に2万円あります。
しかし、
家賃10万円。
ローン返済8万円。
家賃が7万円まで減れば、ローン返済だけで1万円不足します。
ここに税金や修繕費などが加わります。
つまり空室への耐久力は、家賃だけでは決まりません。
毎月の返済負担が大きい物件ほど、家賃収入が少し減っただけで収支が悪化しやすくなります。
空室率とローン返済比率は別々に見るのではなく、組み合わせて確認する必要があります。
ローン返済についてはこちらでも詳しく整理しています。
不動産投資でローン返済比率は何%が安全?家賃収入が残る借入額と返済額の考え方
■ 一棟物件は一室空室でも家賃収入が0円にはならない
戸建と一棟物件では、空室の影響が違います。
例えば4戸アパート。
一戸あたり家賃5万円。
満室家賃20万円。
一室空室なら家賃15万円です。
二室空室なら10万円。
三室空室なら5万円。
四室すべて空室になれば0円です。
戸建の場合は一戸しかないため、
入居中なら5万円。
空室なら0円。
になります。
この違いは大きいです。
複数戸ある物件では、一室退去しても他の部屋から家賃が入ります。
一方で戸数が増えれば、退去や修繕が発生する回数も増える可能性があります。
戸建は空室一回の影響が大きく、一棟物件は空室が複数重なったときの収支を確認することが重要です。
■ 「平均空室率」だけで購入判断しない
物件を探していると、
この地域は入居率が高い。
空室率が低い。
という情報を見ることがあります。
参考にはなります。
しかし地域全体の平均と、自分が購入する一棟・一戸の結果が同じになるとは限りません。
駅からの距離。
間取り。
築年数。
家賃。
駐車場。
設備。
建物状態。
募集条件。
管理会社。
同じ地域でも物件ごとに競争力は違います。
さらに戸建一戸だけを所有している場合、地域の平均空室率が低くても、自分の一戸が半年空室なら自分の収支には大きな影響があります。
平均空室率は市場を見る参考数字として使い、購入判断ではその物件単体の空室シナリオを作ることが重要です。
■ 家賃を下げれば空室期間を短くできることもある
家賃5万円で募集。
三か月決まらない。
そこで4万8,000円へ下げる。
毎月2,000円の家賃減額です。
年間なら2万4,000円。
一方、5万円にこだわってさらに一か月空室が続けば、5万円の家賃を失います。
この場合、
年間2万4,000円家賃を下げて早く決める。
5万円の空室損失を受けながら家賃を維持する。
どちらが有利かを考える必要があります。
もちろん値下げすれば必ず決まるわけではありません。
物件そのものに原因がある場合もあります。
しかし賃貸経営では、
「高い家賃で貸すこと」より「年間でいくら家賃を受け取れるか」を考えることが重要です。
■ 空室期間だけでなく原状回復期間も家賃は入らない
入居者が退去した翌日に、新しい入居者が入れるとは限りません。
退去。
室内確認。
見積もり。
原状回復。
清掃。
募集。
内見。
申込み。
契約。
入居。
この流れには時間がかかります。
例えば次の入居者自体は早く決まっても、原状回復に3週間必要なら、その期間は家賃を受け取れません。
築古物件では、
床。
クロス。
水回り。
給湯器。
エアコン。
などの修繕が重なり、募集開始まで時間がかかる場合もあります。
だから空室対策では募集力だけでなく、退去後どれだけ早く次の募集を始められるかも重要です。
空室期間を短くするには、退去してから考えるのではなく、退去前から修繕・募集・家賃設定の準備をしておくことが有効です。
■ 空室が長引いたときに手元現金が物件を守る
家賃5万円。
ローン返済2万5,000円。
6か月空室。
家賃収入は0円でも、ローン返済だけで15万円必要です。
さらに固定資産税。
保険。
原状回復。
募集費用。
これらが重なる可能性があります。
例えば手元現金が100万円あれば、空室が長引いても対応できる余地があります。
しかし購入時に自己資金を使い切り、現金がほとんど残っていなければ、数か月の空室でも資金繰りが苦しくなる可能性があります。
だから物件購入時には、
頭金をいくら入れるか。
だけではなく、
購入後に現金をいくら残すか。
まで考えます。
現金を残す考え方についてはこちらでも詳しく整理しています。
不動産投資で現金を残すべき理由とは?空室・修繕に強い資金管理
■ 空室率0%を目指すより空室が出ても崩れない収支を作る
理想は常に満室です。
しかし長期間賃貸経営を続ければ、退去が一度も起こらないとは限りません。
だから、
空室を絶対に出さない。
ではなく、
空室が出ても経営が崩れない。
という考え方も必要です。
満室時に毎月1万円しか残らない物件。
満室時に毎月5万円残る物件。
同じ一か月の空室でも影響は違います。
さらに手元現金50万円の大家と、300万円残している大家でも耐久力は違います。
強い賃貸経営とは空室がない状態だけではなく、空室が発生しても次の入居まで持ちこたえられる状態です。
■ 利回りが高くても空室期間が長ければ実際の収益は下がる
表面利回り15%。
数字だけなら魅力的に見えます。
しかし一年のうち三か月空室なら、受け取れる家賃は想定より減ります。
さらに原状回復や募集費用が必要になれば、実際の手残りはさらに小さくなります。
逆に表面利回り12%でも、
賃貸需要が安定している。
退去後すぐに次が決まる。
修繕負担が小さい。
このような物件なら、年間の実収入では差が縮まる可能性があります。
利回りは満室想定だけで見るのではなく、空室を入れた年間家賃から考えることで現実の収益に近づきます。
利回りについてはこちらでも詳しく整理しています。
不動産投資の利回りは何%あればいい?表面利回りだけで物件を選ぶと危険な理由
■ 空室率を入れるとキャッシュフローの見え方が変わる
年間満室家賃120万円。
年間ローン返済50万円。
その他経費30万円。
満室なら40万円残ります。
しかし空室によって年間家賃が108万円になれば、手残りは28万円。
96万円なら16万円。
84万円なら4万円。
家賃収入が減っても、ローン返済と多くの固定費は残ります。
そのため空室率が上がるほど、キャッシュフローは急速に小さくなります。
キャッシュフローを計算するときは、満室時だけではなく空室率を変えた複数パターンを作っておくと安全性を判断しやすくなります。
キャッシュフローについてはこちらでも詳しく整理しています。
不動産投資でキャッシュフローはいくら残ればいい?家賃収入より大切な手残りの考え方
■ 購入前に最低でも3つの空室シナリオを作る
物件を購入する前に、一つの収支表だけを見るのではなく複数のケースを作ります。
例えば、
満室の場合。
空室率10%の場合。
空室率20%の場合。
さらに築古戸建なら、
3か月空室。
6か月空室。
修繕30万円が同時発生。
というケースも考えます。
そこで赤字になるなら、
その赤字はいくらか。
手元現金で何年耐えられるか。
家賃を下げても募集できるか。
売却という選択肢があるか。
まで確認します。
購入前に悪いケースを数字にしておけば、実際に空室が発生したときにも慌てず判断しやすくなります。
■ 空室を怖がるより「何か月なら耐えられるか」を知っておく
空室は不動産投資の代表的なリスクです。
しかし空室があるから不動産投資ができないわけではありません。
重要なのは、自分の物件で空室が発生した場合の影響を把握していることです。
一か月なら問題ない。
三か月でも現金は残る。
半年になると資金計画を見直す必要がある。
このように、自分の基準を作ります。
空室になった瞬間に不安になるのではなく、事前に数字を出しておく。
「空室率は何%なら安全か」より、「自分の物件は何か月・何%まで耐えられるか」を知ることが重要です。
■ 空室が出たときは家賃を下げる前に原因を分けて考える
空室が続くと、
「家賃を下げた方がいいのではないか」
と考えやすくなります。
しかし空室の原因が家賃とは限りません。
問い合わせ自体が少ない。
問い合わせはあるが内見にならない。
内見はあるが申込みにならない。
申込みはあるが条件面でまとまらない。
それぞれ原因が違います。
問い合わせが少ないなら、募集条件や写真、掲載状況に問題があるかもしれません。
内見後に決まらないなら、室内状態や設備、家賃とのバランスを確認します。
駐車場が必要な地域なのに駐車場がないなど、物件そのものの条件が影響している場合もあります。
原因を確認せず家賃だけ下げると、本来5万円で決まる物件を4万5,000円で貸してしまう可能性があります。
空室対策では「決まらない=値下げ」と考えず、入居までのどこで止まっているのかを確認することが重要です。
■ 家賃5,000円の値下げと1か月の空室を比較する
家賃5万円で募集している物件。
なかなか決まらないため4万5,000円へ下げるとします。
毎月5,000円の減額です。
一年なら6万円。
二年なら12万円。
一方、家賃5万円のまま一か月空室が延びれば、失う家賃は5万円です。
ここだけを見ると、5,000円下げて早く決めた方が良い場合があります。
しかし5万円でも一週間後に決まる可能性があるなら、急いで値下げする必要はありません。
逆に相場より明らかに高く、三か月以上決まらないなら、家賃を維持することで失う金額の方が大きくなることがあります。
重要なのは月額家賃だけではありません。
一年間で実際に受け取れる家賃総額から判断することです。
■ 空室対策にお金を使った方が家賃を下げるより有利な場合もある
家賃を毎月3,000円下げる。
年間では3万6,000円。
三年間なら10万8,000円です。
それなら10万円を使って、
クロスを交換する。
照明を変える。
水栓を交換する。
清掃を徹底する。
古い設備を一部更新する。
といった改善を行い、現在の家賃を維持した方が有利な場合があります。
もちろん10万円使えば必ず入居が決まるわけではありません。
過剰なリフォームをしても家賃で回収できないことがあります。
だから、
いくら使うか。
家賃をいくら維持できるか。
空室期間をどれだけ短縮できそうか。
を比較します。
空室対策は値下げだけではなく、少額の改善によって物件の競争力を上げる方法も含めて考えます。
■ 退去が決まった時点から次の入居募集を考える
空室期間を短くするためには、退去してから動き始めるより早く準備することが重要です。
退去予定日を確認する。
現在の家賃を確認する。
周辺募集物件を見る。
必要な修繕を想定する。
管理会社と募集条件を相談する。
写真を準備する。
募集開始できる時期を確認する。
これらを早めに進めます。
退去してから修繕内容を考え、見積もりを取り、工事を発注していると、その間にも空室期間は延びます。
一か月の空室が5万円なら、二週間の遅れでも収益への影響があります。
空室期間を短くするには、退去後の募集ではなく「退去が分かった瞬間」から次の入居を考えることが重要です。
■ 空室損失は家賃だけではない
家賃5万円の物件が三か月空室。
家賃損失は15万円です。
しかし実際には、それだけではない場合があります。
原状回復費。
清掃費。
広告料。
仲介会社への費用。
設備交換。
募集期間中の水道・電気代。
ローン返済。
空室が発生すると、家賃が入らないだけでなく次の入居者を迎えるための支出も発生します。
例えば、
家賃損失15万円。
原状回復15万円。
募集関連費用5万円。
合計35万円。
年間30万円のキャッシュフローを想定していた物件なら、一度の退去で一年分以上の利益がなくなる可能性があります。
空室リスクを考えるときは、家賃が入らない期間と退去時に発生する費用をセットで計算します。
■ 空室率が高くなった年だけを見て物件を失敗と判断しない
長期間賃貸経営をしていると、収支の悪い年が出ることがあります。
一年目は満室。
二年目に退去。
三か月空室。
原状回復20万円。
その年だけ見れば、利益がほとんど残らないかもしれません。
しかし次の入居者が5年間住めば、その後は安定して家賃が入る可能性があります。
不動産投資は一か月、一年だけで結果を見るものではありません。
もちろん毎年空室が長期化しているなら原因を改善する必要があります。
しかし一度退去が発生しただけで、
「この物件は失敗だった」
と判断するのも早い場合があります。
空室は単年だけでなく、数年間の家賃収入と修繕費を含めて評価することが重要です。
■ 長期入居は空室率だけでなく修繕・募集費も抑えやすい
同じ家賃5万円でも、
一年ごとに入居者が変わる物件。
五年間同じ入居者が住む物件。
大家側の収支は変わる可能性があります。
退去のたびに、
原状回復。
清掃。
募集。
広告。
空室期間。
が発生するからです。
長期入居なら、その回数を減らせます。
だから空室対策は、新しい入居者を見つけることだけではありません。
現在の入居者に長く住んでもらえる管理も重要です。
設備故障へ早く対応する。
共用部分を清潔にする。
必要な修繕を放置しない。
管理会社との連携を取る。
こうした日常管理も結果的に空室率へ影響します。
空室率を下げるには「早く決める」だけでなく「長く住んでもらう」という二つの視点が必要です。
■ 複数物件を持つと一戸の空室を他の家賃で吸収できることがある
戸建を一戸だけ所有。
その一戸が空室。
家賃収入は0円です。
一方、家賃5万円の戸建を5戸所有しているとします。
満室なら月25万円。
一戸空室なら20万円。
家賃収入全体では20%減りますが、他の4戸から家賃が入ります。
複数戸を所有することで、一戸の空室リスクを分散できる場合があります。
ただし物件数が増えれば、
ローン返済。
固定資産税。
修繕。
退去。
管理。
も増えます。
そのため戸数を増やせば自動的に安全になるわけではありません。
複数物件を持つ場合は、一戸の収支だけでなく所有物件全体で何戸まで空室に耐えられるかを確認します。
■ 2戸目を買う前に1戸目が空室になったケースを計算する
一戸目が満室で毎月2万円残っている。
その状態で二戸目を購入する。
二戸目も毎月2万円残れば、合計4万円です。
しかし二戸目を購入した直後に一戸目が空室になる可能性もあります。
さらに二戸目で修繕が発生することもあります。
物件を増やす前には、
全戸満室。
一戸空室。
複数戸空室。
空室と修繕が同時発生。
それぞれのケースで資金が回るか確認します。
物件を増やすほど家賃収入は増えますが、同時に固定費とリスクも増えます。
2戸目以降を購入するときは「家賃が増えた場合」だけではなく「既存物件の家賃が止まった場合」まで計算することが重要です。
■ 空室が長期化したら売却という選択肢もある
すべての物件を永久に持ち続ける必要はありません。
何度募集しても決まらない。
家賃を下げても決まらない。
大規模修繕が必要。
周辺の賃貸需要が弱くなっている。
ローン返済が重い。
このような状態なら、保有を続ける以外の選択肢も検討します。
売却する。
用途を変える。
リフォームする。
建物を解体して土地として活用する。
物件によって選択肢は違います。
空室だからすぐ売る必要はありません。
しかし、
「いつか決まるだろう」
と赤字のまま何年も保有することにもリスクがあります。
空室が長期化した場合は、募集条件の変更だけでなく、その不動産を今後どう持つかという出口まで考えます。
■ Q&A|不動産投資の空室率でよくある疑問
Q. 空室率は何%以下なら安全ですか?
一律に何%以下なら安全とは言えません。
ローン返済額、固定費、修繕費、手元現金によって耐えられる空室率は違います。
重要なのは平均的な空室率ではなく、自分の物件で家賃収入が何%減ると赤字になるかを確認することです。
Q. 戸建投資は空室リスクが高いですか?
一戸だけ所有している場合、その一戸が空室になると家賃収入は0円になります。
その意味では一回の空室による影響は大きくなります。
一方、長期入居になれば数年間退去が発生しない可能性もあります。
戸建では特に、数か月家賃が0円でも耐えられる現金を残しておくことが重要です。
Q. 空室になったらすぐ家賃を下げるべきですか?
必ずしもそうではありません。
問い合わせ数、内見数、周辺家賃、室内状態、設備、募集条件などを確認し、どこに原因があるかを考えます。
家賃が原因なら値下げも選択肢ですが、写真や修繕、募集方法の改善で決まる場合もあります。
Q. 空室期間は何か月を想定しておけばいいですか?
地域や物件によって異なるため、一律には決められません。
購入前の収支では、少なくとも満室だけではなく、3か月空室や6か月空室など複数のケースを作っておくと資金耐久力を確認しやすくなります。
Q. 空室が続く物件は売った方がいいですか?
空室だけで判断する必要はありません。
家賃設定、募集方法、修繕、管理会社など改善できる部分を確認します。
それでも長期的に収支改善が難しい場合は、売却や別の活用方法を含めて検討します。
■ 空室率を見る目的は「怖がること」ではなく準備すること
不動産投資では空室を完全になくすことはできません。
退去は起こります。
募集に時間がかかることもあります。
修繕が重なることもあります。
だから重要なのは、空室を怖がって物件を買わないことではありません。
空室が起きたとき、
何か月耐えられるか。
毎月いくら現金が減るか。
どこまで家賃を下げられるか。
修繕へいくら使えるか。
いつ売却を検討するか。
を事前に決めておくことです。
空室リスクは予測して消すものではなく、数字を把握して備えるものです。
■ 空室まで含めて不動産投資の選択肢を比較する
築古戸建。
一棟アパート。
区分マンション。
それぞれ空室の影響は違います。
戸建なら一戸空室で家賃0円。
一棟物件なら一室空室でも他室から家賃が入る可能性があります。
しかし必要な自己資金や融資額、修繕規模も違います。
だから表面利回りだけではなく、
空室時の家賃収入。
ローン返済。
年間経費。
必要な手元現金。
空室から回復するまでの資金。
まで比較します。
満室時の利回りだけではなく、空室・返済・手元資金まで含めて自分に合う不動産投資を比較したい方はこちら
■ 不動産投資から空き家・土地・相続まで不動産全体を考える
空室問題は賃貸物件だけに限りません。
相続した空き家。
使っていない土地。
長期間入居者が決まらない住宅。
活用方法が決まらない不動産。
所有しているだけでも固定資産税や維持管理が必要になる場合があります。
貸す。
売る。
修繕する。
活用する。
そのまま保有する。
不動産によって正解は違います。
MIRAIUでは、不動産投資だけでなく、空き家、土地、相続、売却など、不動産を所有する中で発生するさまざまな判断をまとめています。
■ まとめ|空室率ではなく「どこまで耐えられるか」を知る
不動産投資では、満室時の家賃収入だけを見ると収支を良く見積もりすぎることがあります。
年間家賃120万円。
空室率10%なら約108万円。
20%なら約96万円。
30%なら約84万円。
家賃収入は減っても、ローン返済や固定資産税などは残ります。
だから確認したいのは、
空室率が何%か。
だけではありません。
満室ならいくら残るか。
一室空室ならいくら残るか。
3か月空室ならどうなるか。
6か月ならどうなるか。
修繕が重なったらどうなるか。
どこから赤字になるか。
手元現金で何か月耐えられるか。
ここまで確認します。
そして空室が発生したら、
募集条件を確認する。
家賃を見直す。
必要な修繕をする。
管理会社と相談する。
長期化するなら出口も考える。
状況に合わせて判断します。
強い不動産投資とは、空室が一度も起きない投資ではありません。
空室が起きてもローンを返し、必要な修繕を行い、次の入居者が決まるまで保有を続けられる投資です。
購入前から空室を数字に入れておくことが、長く賃貸経営を続けるための重要な資金管理になります。
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