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不動産投資の利回りは何%あればいい?表面利回りだけで物件を選ぶと危険な理由

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月14日
  • 読了時間: 21分

■ 不動産投資で「利回り20%」を見つけてもすぐ買わない



不動産投資の物件を探していると、必ず目にする数字があります。

利回りです。

利回り8%。

利回り12%。

利回り20%。

数字が大きいほど、多くの家賃収入を得られるように見えます。

例えば500万円の物件を家賃5万円で貸せれば、年間家賃は60万円です。

表面利回りは12%になります。

一方、同じ500万円でも家賃8万円なら年間96万円。

表面利回りは19.2%です。

当然、後者の方が魅力的に見えます。

しかし不動産投資では、利回りが高い物件ほど必ず儲かるわけではありません。

購入後には修繕費、固定資産税、保険、管理費、空室などさまざまな支出が発生します。

そもそも掲載されている想定家賃で本当に入居者が決まるのかも確認する必要があります。

利回りは物件を比較するための重要な数字ですが、その数字だけで購入を決めるものではありません。


 

■ 表面利回りはどうやって計算する?



まず基本となる表面利回りを確認します。

計算方法はシンプルです。

年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

例えば物件価格500万円。

家賃5万円。

年間家賃60万円。

60万円 ÷ 500万円 × 100。

表面利回りは12%です。

物件価格300万円。

家賃5万円なら年間家賃60万円。

60万円 ÷ 300万円 × 100。

表面利回りは20%です。

この数字だけを見ると、300万円の物件の方が圧倒的に良く見えます。

しかし表面利回りには、購入後に発生する費用がほとんど入っていません。

ここが重要です。

表面利回りは「物件価格に対して年間家賃が何%あるか」を見る数字であり、最終的に手元へ残る利益率ではありません。


 

■ 300万円・利回り20%の物件でも総投資額は300万円とは限らない

 


例えば300万円の築古戸建があります。

家賃5万円。

年間家賃60万円。

表面利回り20%。

数字だけならかなり魅力的です。

しかし購入後に、

購入諸費用40万円。

内装工事50万円。

給湯器交換20万円。

水回り修繕40万円。

合計150万円必要だったとします。

物件価格300万円と合わせれば、実際に投じた資金は450万円です。

年間家賃60万円を450万円で考えると約13.3%です。

物件情報では20%だった利回りが、実際に貸せる状態までの費用を入れるだけで大きく変わりました。

さらに固定資産税や保険、空室、将来の修繕などもあります。

築古物件では販売価格だけで利回りを見るのではなく、貸し出せる状態になるまでの総投資額で考えることが重要です。


 

■ 利回りを見るなら「リフォーム後」で計算する


 

築古戸建では、購入後にリフォームが必要になることがあります。

例えば物件価格400万円。

想定家賃5万円。

年間家賃60万円。

表面利回り15%。

ここにリフォーム100万円が必要なら、総投資額は500万円です。

60万円 ÷ 500万円なら12%になります。

さらに購入諸費用が50万円なら総投資額550万円。

この場合、年間家賃60万円に対する割合は約10.9%です。

広告上では15%。

総投資額で見ると約10.9%。

かなり印象が変わります。

もちろんリフォームによって家賃を上げられる場合もあります。

100万円かけることで家賃5万円から6万円になれば、年間家賃は72万円です。

重要なのは、リフォーム費そのものを嫌うことではありません。

リフォーム後の総投資額と、その工事によって実際に取れる家賃をセットで計算します。

築古戸建のリフォーム費についてはこちらでも詳しく整理しています。

築古戸建はリフォームにいくらかける?高利回りを崩さない修繕費と家賃設定の考え方


 

■ 利回り20%でも半年空室なら数字は大きく変わる


 

物件価格300万円。

家賃5万円。

年間家賃60万円。

表面利回り20%。

これは12か月すべて家賃が入った場合の数字です。

もし半年間空室なら、その年の家賃収入は30万円です。

単純に物件価格だけで計算すれば、その年の家賃収入は物件価格の10%になります。

さらに入居前に30万円の原状回復が必要だったらどうでしょうか。

家賃30万円。

原状回復30万円。

これだけで、その年に入った家賃分が修繕へ消える計算になります。

もちろん固定資産税や保険などもあります。

だから利回りを見るときには、満室状態だけで計算しません。

空室1か月。

空室3か月。

場合によっては半年。

複数のケースを作ります。

「満室なら利回り20%」より、「空室が発生しても現金を残せるか」を確認する方が実際の賃貸経営では重要です。



■ 想定家賃が高ければ表面利回りはいくらでも高く見える


 

利回り計算のもう一つの注意点が家賃です。

物件価格400万円。

想定家賃6万円。

年間72万円。

表面利回り18%。

しかし周辺相場を調べると、同程度の戸建は5万円前後だったとします。

実際に家賃5万円なら年間60万円。

表面利回りは15%です。

想定家賃が1万円違うだけで、利回りは3ポイント変わりました。

だから物件情報に書かれた利回りを見るときは、その計算に使われている家賃も確認します。

現在入居中なら実際の家賃はいくらなのか。

空室なら、その想定家賃に根拠があるのか。

周辺ではいくらで募集されているのか。

駐車場や間取りなどの条件は近いのか。

利回りの数字を確認する前に、その数字を作っている家賃が現実的なのかを確認します。

家賃設定についてはこちらでも詳しく整理しています。

戸建賃貸の家賃はいくらが正解?5万円と5.5万円で迷ったときの家賃設定と空室判断



■ 表面利回りと実際に残るお金は別物


 

例えば総投資額500万円。

年間家賃60万円。

総投資額に対する家賃収入は12%です。

しかし年間で、

固定資産税6万円。

火災保険2万円。

管理費3万円。

小規模修繕5万円。

空室による家賃減少5万円。

合計21万円の支出があったとします。

年間家賃60万円から21万円を引けば39万円です。

この39万円から、融資を利用していればローン返済もあります。

つまり表面利回り12%だから、毎年60万円がそのまま利益になるわけではありません。

だから物件を比較するときは、

年間家賃。

年間経費。

ローン返済。

年間で残る現金。

まで見ます。

利回りは入口の数字。最終的な判断では「一年間運営して現金がいくら残るのか」を確認します。


 

■ 高利回り物件には「なぜ高いのか」という理由がある


 

同じ地域の物件が利回り10%から12%程度。

その中に一つだけ利回り25%の物件がある。

こうした物件を見つけると気になります。

本当に割安な可能性もあります。

売主が早く現金化したい。

相続した物件なので安く売りたい。

長期間売れず価格が下がった。

こうした理由なら、購入機会になる場合があります。

しかし別の理由も考えられます。

建物の修繕が多い。

再建築が難しい。

接道に問題がある。

賃貸需要が弱い。

想定家賃が高すぎる。

土地として売りにくい。

高利回りだから危険なのではありません。

重要なのは「なぜ他の物件より利回りが高いのか」を説明できる状態で購入することです。


 

■ 利回りが低い物件の方が現金を残す場合もある


 

A物件。

総投資額400万円。

年間家賃72万円。

利回り18%。

ただし2年ごとに退去し、そのたびに30万円の原状回復と2か月の空室が発生する。

B物件。

総投資額500万円。

年間家賃60万円。

利回り12%。

しかし5年間同じ入居者が住み続け、大きな修繕もない。

5年間で考えれば、どちらが多く現金を残すかは単純な利回りだけでは判断できません。

退去回数。

空室期間。

原状回復。

募集費用。

設備交換。

こうした支出が実際の利益へ影響します。

特に戸建賃貸では、ファミリーが長期間入居することで安定した収益につながる場合があります。

最高利回りを狙うことより、長期間安定して家賃を受け取れる物件を選ぶ方が結果的に利益を残すこともあります。



■ 融資を使うなら利回りだけでなく返済後の現金を見る


 

物件価格1,000万円。

年間家賃120万円。

表面利回り12%。

融資を使って購入したとします。

年間ローン返済80万円。

単純に家賃120万円から返済80万円を引けば40万円です。

しかしここから固定資産税、保険、管理費、修繕などが発生します。

年間経費が30万円なら、残る現金は10万円です。

表面利回り12%でも、年間の手残りは10万円ということがあります。

逆に表面利回り10%でも、融資条件が良く返済額が小さければ、より多く現金が残る場合があります。

だから融資物件では、

金利。

返済期間。

毎月返済額。

年間経費。

空室時の返済。

まで確認します。

融資を使う不動産投資では「利回り何%か」だけでなく、ローン返済後に現金が残るかが重要です。


 

■ 利回りだけで物件を探すと「買った後」が抜けやすい


 

利回り15%以上で検索。

利回り20%以上で検索。

この探し方自体が悪いわけではありません。

候補物件を絞る方法として使えます。

ただし利回りだけで検索すると、

修繕費。

空室。

管理方法。

土地価値。

出口。

こうした条件が後回しになりやすくなります。

最初は「利回り20%だから見てみよう」で構いません。

その次に、

総投資額はいくらか。

本当にその家賃で貸せるか。

どこを修繕するか。

購入後に現金はいくら残るか。

最後にどう売るか。

まで確認します。

利回りは物件を見つける条件の一つであって、購入を決める条件のすべてではありません。

物件購入前のチェックポイントはこちらでも詳しく整理しています。

不動産投資で失敗する人は物件購入前に何を見落とす?初心者が確認したい7つのチェックポイント


 

■ 「利回り何%なら正解」という数字は一つではない


 

では、不動産投資では利回り何%あればいいのでしょうか。

10%。

15%。

20%。

一つの数字だけで正解を決めることはできません。

都市部と地方では物件価格も家賃も違います。

築浅と築古でも違います。

戸建、区分マンション、一棟アパートでも必要な経費やリスクが違います。

融資条件によっても手残りは変わります。

例えば利回り10%でも、賃貸需要が強く修繕が少ない物件。

利回り20%でも、大規模修繕が必要で空室期間が長い物件。

数字だけなら後者が上ですが、実際にどちらが多く利益を残すかは分かりません。

「何%なら買う」ではなく、その利回りがどのような条件から作られているのかを見ることが重要です。


 

■ 自分の投資方法によって必要な利回りも変わる


 

築古戸建を現金で購入する。

一棟アパートを融資で購入する。

区分マンションを長期融資で購入する。

同じ不動産投資でも資金の使い方は大きく違います。

築古戸建なら修繕費を厚めに見る必要があるかもしれません。

一棟アパートなら複数室から家賃が入る一方、外壁や屋根など大規模修繕も考える必要があります。

区分マンションなら管理費や修繕積立金が毎月発生します。

そのため、単純にすべての投資方法を同じ利回りで比較することはできません。

自分の自己資金、融資条件、目標とする家賃収入、使える時間によって選択肢は変わります。

自分に合った不動産投資の方法を比較したい方はこちら



■ 高利回りより「購入後に現金が残る物件」を探す


 

利回りは高い。

でも購入時に自己資金を使い切る。

購入直後に修繕が発生する。

空室が長引く。

こうなると、数字上は高利回りでも賃貸経営は苦しくなります。

反対に利回りは少し低くても、

購入後に十分な現金が残る。

修繕箇所を把握できている。

現実的な家賃で入居者が決まる。

毎月安定して現金が積み上がる。

このような物件なら次の投資へつながりやすくなります。

一戸目だけで最大利益を狙うのではなく、二戸目、三戸目へ進める余力を残す。

長く不動産投資を続けるなら、最高利回りより「現金が残り続ける仕組み」を作ることが重要です。

現金を残す考え方についてはこちらで詳しく整理しています。

不動産投資で現金を残すべき理由とは?空室・修繕に強い資金管理


■ 利回りは「購入時」だけでなく毎年変わる


 

物件を購入したときに利回り15%だった。

だから5年後も15%。

そうとは限りません。

家賃が下がれば年間家賃収入は減ります。

逆にリフォームによって家賃を上げられれば、収入は増える可能性があります。

修繕費が多い年もあれば、ほとんど修繕がない年もあります。

例えば家賃5万円で購入した物件。

年間家賃60万円。

数年後に周辺相場が変わり、家賃4万5,000円になれば年間家賃は54万円です。

年間6万円の差になります。

一方、設備を更新して家賃5万5,000円で決まれば年間66万円です。

購入時の利回りは、あくまで購入時点の数字です。

不動産投資では購入時の利回りだけを覚えておくのではなく、実際の家賃収入と支出から毎年の収益を確認することが重要です。


 

■ 家賃を上げるために100万円使えば得とは限らない


 

利回りを高くしたいと考えると、リフォームによって家賃を上げたくなることがあります。

例えば現在の想定家賃5万円。

100万円のリフォームをすれば、家賃5万5,000円で貸せそうだとします。

家賃差は月5,000円。

年間6万円です。

100万円を追加して年間家賃が6万円増えるなら、その投資額を家賃差だけで回収するには単純計算で約16.7年かかります。

もちろんリフォームによって入居が早く決まる。

長期入居につながる。

将来の修繕を先に終わらせられる。

こうした効果もあります。

だから家賃差だけですべてを判断することはできません。

それでも「きれいにすれば高く貸せる」という理由だけで工事を増やすのは注意が必要です。

リフォームでは工事金額だけでなく、その費用によって家賃・空室期間・入居期間がどれくらい改善するのかまで考えます。


 

■ 利回りを上げる方法は家賃を上げるだけではない


 

利回りを改善するというと、家賃を高くする方法を考えやすくなります。

しかし収益を改善する方法はそれだけではありません。

購入価格を抑える。

不要なリフォームを減らす。

管理費を見直す。

空室期間を短くする。

長期入居につなげる。

修繕費を適正化する。

こうした方法でも手元に残る現金は変わります。

例えば家賃5万円を5万5,000円へ上げても、半年間空室になれば30万円の家賃を受け取れません。

反対に家賃5万円のままでも、募集開始からすぐ入居が決まり、その後5年間住んでもらえれば安定した家賃収入になります。

利回りを上げる目的は数字を大きく見せることではなく、実際に残る現金を増やすことです。



■ 長期入居は実際の収益を安定させる


 

戸建賃貸では、ファミリーが長期間入居するケースがあります。

長期入居になれば、

空室期間が減る。

原状回復の回数が減る。

入居募集の回数が減る。

家賃収入が安定する。

こうしたメリットがあります。

例えば5年間で一度も退去しない物件と、5年間で3回退去する物件。

同じ年間家賃でも、実際に残る現金には差が出る可能性があります。

退去するたびに原状回復20万円。

空室2か月。

家賃5万円なら、一度の退去だけでも30万円程度の影響があります。

これが3回なら90万円です。

もちろん実際の金額は物件ごとに異なります。

しかし表面利回りには、この退去頻度まで表示されません。

長期入居につながりやすい物件を選ぶことも、実際の利回りを安定させる方法の一つです。

戸建賃貸の長期入居についてはこちらでも詳しく整理しています。

戸建賃貸はなぜ長期入居になりやすい?地方で選ばれる物件と空室を減らす大家の戦略


 

■ 利回りが高くても出口で損をする可能性がある


 

購入価格300万円。

年間家賃60万円。

表面利回り20%。

10年間家賃を受け取れば、単純計算では600万円の家賃収入です。

非常に良く見えます。

しかし10年後に建物が大きく傷み、売却が難しくなったらどうでしょうか。

解体費が必要。

土地としての需要も弱い。

接道条件にも問題がある。

こうした物件では、保有中の利回りが高くても最後の売却で苦労する可能性があります。

一方、表面利回り12%でも土地として一定の需要があり、将来売却できる可能性が高い物件もあります。

不動産投資の結果は、保有中の家賃だけで決まるわけではありません。

購入。

保有。

売却。

この全体で考える必要があります。

高利回り物件ほど「何年間家賃を得られるか」だけでなく「最後にどう手放せるか」まで確認します。

出口戦略についてはこちらでも詳しく整理しています。

築古戸建投資の出口戦略|10年後に売る・貸し続ける・解体する判断基準



■ 価格交渉で利回りは変わる


 

家賃だけではなく、購入価格によっても利回りは変わります。

家賃5万円。

年間家賃60万円。

販売価格500万円なら表面利回り12%です。

もし450万円で購入できれば約13.3%。

400万円なら15%になります。

家賃を上げなくても、購入価格が変われば利回りは変わります。

ただし価格交渉は必ず成功するものではありません。

売主にも事情があります。

相場より十分安い物件なら、無理な価格交渉をしている間に別の買主へ売れる可能性もあります。

だから「必ず値引きする」ではなく、修繕費や周辺相場を確認したうえで、自分が購入できる価格を決めます。

価格交渉の目的は安く買うことそのものではなく、自分の購入基準に合う総投資額へ近づけることです。


 

■ 現金購入なら利回りがそのまま手残りになるわけではない


 

ローンを使わず現金で購入すれば、毎月の返済はありません。

そのため融資物件より収支が分かりやすくなります。

しかし現金購入でも、

固定資産税。

火災保険。

管理費。

修繕費。

空室。

こうした支出は発生します。

さらに500万円持っていて500万円すべてを物件購入へ使えば、購入後の現金がなくなります。

利回りが高くても、給湯器交換や退去が重なったときに追加資金が必要になります。

だから現金購入では、利回りと同時に「購入後にいくら現金が残るか」を確認します。

現金購入の強みは返済がないことですが、その強みを生かすためにも手元資金を使い切らないことが重要です。


 

■ 融資なら自己資金に対する効率も見る


 

例えば1,000万円の物件をすべて現金で購入する場合と、融資を使って自己資金300万円で購入する場合では、資金の使い方が違います。

融資を使えば、残った自己資金を修繕予備費として持つこともできます。

次の物件へ使える可能性もあります。

一方で毎月ローン返済が発生します。

金利上昇の影響を受ける可能性もあります。

だから「融資を使えば得」「現金なら安全」と単純には決められません。

見るべきなのは、

自己資金をいくら入れるのか。

購入後に現金はいくら残るのか。

返済後に毎月いくら残るのか。

空室になっても返済できるのか。

こうした全体の資金バランスです。

不動産投資では物件そのものの利回りだけでなく、自分が投入する自己資金に対してどのように現金が増えるかも確認します。


 

■ 利回りより「何年で自己資金を回収できるか」で見る方法もある


 

例えば自己資金300万円を使って物件を購入したとします。

年間で実際に残る現金が30万円。

単純計算なら、10年間で300万円です。

年間50万円残るなら6年間。

もちろん途中で修繕や空室が発生するため、毎年同じ金額が残るとは限りません。

それでも「何年くらいで投入した自己資金を家賃収入から回収できそうか」という視点を持つと、表面利回りとは違う比較ができます。

例えば利回り20%でも、リフォームへ多額の自己資金が必要なら回収期間が長くなる可能性があります。

逆に利回り12%でも、少ない自己資金で融資を利用し、安定したキャッシュフローが残れば資金効率が良い場合があります。

利回りだけで判断しにくいときは「自分が出した現金を何年で戻せるか」という見方も一つの判断材料になります。



■ 高利回りを狙いすぎて現金を使い切らない


 

利回り25%の物件を見つけた。

ただし購入後に200万円のリフォームが必要。

自己資金をほぼすべて使えば購入できる。

この場合、利回りだけなら魅力があります。

しかし購入後の現金がほとんど残らなければ、追加修繕や空室に弱くなります。

一方、利回り15%でも購入後に150万円残せる物件なら、予想外の支出へ対応できます。

そして運営が安定すれば、その現金と家賃収入を次の物件購入へ使える可能性があります。

一戸目の利回りを最大化することと、長期的に資産を増やすことは必ずしも同じではありません。

物件数を増やしたい人ほど、一つの高利回り物件へ自己資金を集中させすぎないことも重要です。



■ 利回りの高い物件と安全な物件を二択にしない


 

高利回り物件は危険。

低利回り物件は安全。

このように単純に分けることもできません。

高利回りでも、安く購入できた理由が明確で、修繕費も把握でき、賃貸需要もある物件なら良い投資になる可能性があります。

反対に利回りが低くても、購入価格が相場より高かったり、毎月の固定費が大きかったりすれば安全とは限りません。

重要なのは利回りの高さそのものではなく、

なぜその価格なのか。

なぜその家賃なのか。

どんな支出があるのか。

どんなリスクがあるのか。

を理解することです。

利回りはリスクの大きさを直接示す数字ではなく、物件を調べ始めるための一つの指標として使います。



■ 自分の購入基準と利回りをセットで見る


 

利回り15%以上なら買う。

これだけでは購入基準として十分とは言えません。

例えば、

総投資額500万円以内。

購入後に現金100万円以上残す。

家賃5万円以上。

修繕100万円以内。

自宅から1時間以内。

再建築可能。

そのうえで総投資額に対する家賃収入が一定以上ある。

このように複数の条件と利回りを組み合わせます。

すると利回り20%でも、自分の条件から外れる物件は見送れます。

逆に利回り13%でも、他の条件が非常に良ければ検討できます。

利回りだけで購入基準を作るのではなく、自分の資金・管理・空室・出口まで含めた基準の中に利回りを入れます。

物件探しの購入基準についてはこちらでも詳しく整理しています。

不動産投資の物件探しは何から始める?初心者が最初に決める7つの購入基準


 

■ 不動産投資全体から自分に合う方法を考える


 

利回りを比較するときには、同じ種類の物件だけを見る必要はありません。

築古戸建。

区分マンション。

一棟アパート。

それぞれ価格、家賃、管理方法、修繕リスクが違います。

表面利回りだけを横並びにしても、投資条件が違えば単純比較はできません。

自己資金をどれくらい使えるのか。

融資を利用するのか。

自主管理するのか。

どれくらいの期間保有するのか。

将来何戸まで増やしたいのか。

こうした条件から、自分に合う投資方法を考えます。

自分の資金や目的に合った不動産投資の選択肢を確認したい方はこちら


 

■ 不動産投資は利回り以外の判断もつながっている


 

不動産投資では、利回りだけを理解しても十分ではありません。

購入。

融資。

修繕。

空室。

管理。

売却。

土地。

相続。

さまざまな判断がつながっています。

例えば相続した空き家なら、すでに物件を所有しているため購入価格はありません。

その場合は、いくら修繕して、いくらで貸せるのか。

売却した方がいいのか。

そのまま所有するのか。

通常の物件購入とは違う判断になります。

MIRAIUでは、不動産投資だけでなく、空き家、土地、相続、売却など、不動産を所有する中で発生する判断をまとめています。

空き家・土地・相続・不動産投資など、不動産の判断をまとめて確認したい方はこちら


 

■ まとめ|利回りは「何%か」より「その数字がどう作られているか」を見る


 

不動産投資では、利回りは重要な数字です。

しかし高ければ高いほど良いとは限りません。

物件価格300万円。

家賃5万円。

表面利回り20%。

この数字だけでは、その物件が本当に利益を残すかは分かりません。

購入諸費用はいくらか。

リフォームはいくら必要か。

本当に家賃5万円で貸せるのか。

空室はどれくらい発生するのか。

固定資産税や保険はいくらか。

管理費はいくらか。

将来どんな修繕が必要か。

融資を使うなら返済後にいくら残るのか。

そして最後にいくらで売れる可能性があるのか。

ここまで見て初めて、利回りの数字に意味が出てきます。

表面利回りは、物件を探す入口として非常に分かりやすい指標です。

だから使わないのではありません。

表面利回りで候補を探し、総投資額・空室・修繕・管理・融資・出口まで確認して購入を判断する。

そして最終的には、利回りの数字より実際に現金が残っているかを確認します。

年間家賃がいくら入ったのか。

年間でいくら支出したのか。

ローン返済後にいくら残ったのか。

前年より現金が増えたのか。

不動産投資で本当に見るべき数字は「広告に書かれた利回り」ではなく、自分の口座に残った現金です。


 

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