築古戸建はリフォームにいくらかける?高利回りを崩さない修繕費と家賃設定の考え方
- MIRAIU

- 8月13日
- 読了時間: 23分
▪️築古戸建投資は「安く買えた」だけでは成功しない
築古戸建投資の魅力は、比較的少ない金額から不動産投資を始められることです。
300万円。
500万円。
700万円。
地域や建物の状態によっては、さらに安い戸建が見つかることもあります。
しかし築古戸建投資で本当に重要なのは、
物件をいくらで買ったかではありません。
購入後に、
どれだけリフォーム費が必要なのか。
いくらの家賃で貸せるのか。
最終的な総投資額はいくらになるのか。
ここまで含めて考える必要があります。
例えば300万円で戸建を購入できても、リフォームに400万円かかれば、それだけで700万円です。
さらに、
仲介手数料。
登記費用。
不動産取得税。
火災保険。
入居募集費用。
その他の諸費用。
まで含めれば、実際に賃貸を開始するまでの投資額はさらに増えます。
「300万円で戸建を買えた」
ではなく、
「入居者から家賃を受け取れる状態まで、最終的にいくら必要だったか」
を見ることが重要です。
今回は築古戸建投資でリフォームにいくらかけるべきなのか、家賃から逆算する予算、優先して直したい場所、やりすぎを防ぐ考え方、DIYとの使い分け、追加工事への備えまで具体的に解説します。
▪️リフォーム費だけではなく総投資額で考える
まず築古戸建投資では、購入価格とリフォーム費を別々に考えすぎないことが重要です。
例えば、
物件価格300万円。
購入諸費用40万円。
リフォーム費200万円。
その他費用20万円。
なら、賃貸開始までの総投資額は560万円です。
この物件を家賃6万円で貸せた場合、
年間家賃収入は72万円。
表面上の計算では、
72万円÷560万円×100
約12.9%です。
一方、
「300万円で買ったから利回り24%」
と考えてしまうと、実際の投資内容と大きく離れます。
築古戸建投資では購入価格が安いほど、
物件価格だけを使った利回りが非常に高く見えやすい
という特徴があります。
だからこそ、
購入価格。
購入諸費用。
リフォーム費。
募集までに必要な費用。
を含めた総投資額を見る必要があります。
▪️リフォーム予算は「きれいにする金額」ではない
築古戸建を購入すると、
せっかくだから全部きれいにしたい。
新築のようにしたい。
水回りも全部交換したい。
床も全部張り替えたい。
という気持ちになることがあります。
もちろん自宅なら、自分が満足するまでリフォームする考え方もあります。
しかし賃貸物件は違います。
リフォームへ使ったお金は、基本的に家賃から回収していく必要があります。
そのため、
いくらかければきれいになるか
ではなく、
いくらまでなら投資として回収できるか
から考えます。
▪️家賃からリフォーム予算を逆算する
例えば購入を検討している築古戸建があります。
周辺の戸建賃貸を確認すると、現実的な家賃が6万円だったとします。
年間家賃収入は72万円です。
自分が総投資額に対して表面利回り12%程度を一つの目安として考えるなら、
72万円÷0.12=600万円。
総投資額600万円程度が一つの基準になります。
仮に、
物件価格300万円。
購入諸費用50万円。
その他費用20万円。
なら、
600万円-370万円=230万円。
単純計算では、リフォームへ使える金額は230万円程度です。
もちろん実際の投資判断では、
固定資産税。
火災保険。
管理費。
将来の修繕費。
空室期間。
募集費用。
なども考える必要があります。
それでも、
家賃から総投資額を逆算し、そこからリフォーム予算を考える
という順番は非常に重要です。
▪️購入してからリフォーム予算を決めると苦しくなりやすい
築古戸建投資で避けたいのが、
物件を購入する。
そのあと業者へ見てもらう。
見積りが出る。
思ったより高い。
でも買ってしまったので直すしかない。
という流れです。
例えば300万円で購入したあと、
屋根100万円。
水回り150万円。
内装100万円。
その他50万円。
合計400万円。
必要だと分かったとします。
購入諸費用まで含めれば、総投資額は700万円を大きく超える可能性があります。
家賃が6万円なら年間家賃72万円。
総投資額750万円なら表面利回りは約9.6%です。
購入時には、
「300万円の高利回り物件」
に見えていたものが、リフォーム後には全く違う投資になります。
築古戸建は、買ってからリフォーム費を考えるのではなく、購入前から修繕費を想定することが重要です。
▪️リフォームは「入居に必要か」で優先順位を決める
築古戸建のリフォームでは、工事を大きく3つに分けて考えると判断しやすくなります。
1つ目は、
入居するために必要な工事。
2つ目は、
入居者に選ばれやすくする工事。
3つ目は、
あれば魅力的だが必須ではない工事。
この順番を崩さないことが重要です。
例えば、
雨漏りしている。
給湯器が使えない。
トイレが使えない。
床が危険な状態。
電気設備に問題がある。
こうした部分は、見た目より先に対応する必要があります。
一方、
アクセントクロス。
高級な設備。
デザイン性の高い照明。
必要以上に高価なキッチン。
などは、家賃や入居ターゲットとのバランスを考えます。
▪️まず「住める状態」を作る
築古戸建投資で最優先するのは、入居者が安心して生活できる状態です。
例えば、
雨漏り。
給排水。
電気。
給湯設備。
トイレ。
浴室。
床。
建具。
鍵。
などです。
ここに問題がある状態で、
壁紙だけきれい。
照明だけおしゃれ。
床材だけ高級。
にしても、本質的な改善にはなりません。
特に築年数が古い戸建では、
見える部分より見えない部分へ費用が必要になることがあります。
▪️水回りは「全部新品」が正解とは限らない
築古戸建を見ると、
キッチンが古い。
浴室が古い。
洗面台も古い。
トイレも古い。
という物件があります。
そこで、
全部新品に交換しよう。
と考えると、一気にリフォーム費が膨らみます。
重要なのは、
正常に使用できるのか。
清掃で改善できるのか。
部品交換で対応できるのか。
表面の補修で印象が変わるのか。
設備そのものを交換する必要があるのか。
を分けることです。
例えばキッチン本体は使える。
扉の見た目だけ古い。
なら、全交換以外の方法を検討できる場合があります。
反対に給湯器が故障しているなら、見た目とは関係なく対応が必要です。
「古いから交換」ではなく「賃貸として問題なく使えるか」で判断します。
▪️浴室は費用が大きくなりやすい
築古戸建では浴室の状態によって大きな費用が必要になる場合があります。
古いタイル浴室。
設備の劣化。
給湯設備の問題。
水漏れ。
下地の傷み。
ここで全面的な改修が必要になると、リフォーム予算へ大きく影響します。
そのため物件購入前から、
浴室をそのまま使えるのか。
部分補修でいけるのか。
設備交換が必要なのか。
大規模な改修になるのか。
を確認します。
物件価格が50万円安くても、浴室工事で100万円余計に必要なら、単純には得ではありません。
▪️トイレは入居者の印象に影響しやすい
戸建賃貸ではトイレも確認したい場所です。
使用できるか。
清掃で改善できるか。
便座交換だけで対応できるか。
便器そのものを交換する必要があるか。
壁や床まで直す必要があるか。
新品へ交換すれば印象は良くなります。
しかし、
家賃5万円の物件。
家賃10万円の物件。
では、リフォームへかけられる予算も違います。
設備のグレードではなく、
その家賃帯の入居者が不満を感じにくい状態
を目指します。
▪️キッチンは家賃とのバランスを見る
キッチンも費用差が大きい設備です。
安価なものから高額なものまで幅があります。
築古戸建投資では、
高級なキッチンを入れたから家賃が1万円上がる。
とは限りません。
例えばキッチンへ50万円追加しても、家賃が月2,000円しか変わらないなら、
年間増収は2万4,000円。
単純回収には約21年かかります。
一方、古すぎるキッチンが原因で内見時の印象が大きく悪くなるなら、交換する意味があります。
設備投資は「きれいになるか」ではなく「家賃・入居率・回収期間にどう影響するか」で考えます。
▪️内装は費用対効果を出しやすい
壁紙や床などの内装は、比較的印象を変えやすい部分です。
築年数が古くても、
壁。
床。
照明。
建具。
清掃。
などを整えることで、室内の印象が大きく変わることがあります。
ただし、ここでも全面交換ありきではありません。
使える部分は残す。
傷みの大きい場所だけ直す。
部屋によって施工方法を変える。
こうした方法で予算を調整します。
▪️すべての部屋を同じグレードにする必要はない
例えば4LDKの戸建があります。
LDKは内見時の印象に影響しやすい。
一方、収納内部や使用頻度の低い場所まで同じ予算を使う必要があるのか。
ここを考えます。
玄関。
LDK。
水回り。
など、入居希望者が特に見る場所へ優先的に予算を使う方法があります。
反対に、
収納内部。
納戸。
目立たない場所。
まで必要以上に仕上げると、総投資額だけが増える場合があります。
▪️外観は「豪華」より「管理されている状態」を目指す
戸建賃貸では外観も重要です。
ただし新築のようにする必要はありません。
伸びた草。
放置された庭木。
大量の残置物。
壊れた設備。
汚れた玄関周辺。
こうした状態を整えるだけでも印象は変わります。
外壁全面塗装に大きなお金を使う前に、
本当に塗装が必要なのか。
部分補修では難しいのか。
賃料へ反映できるのか。
を確認します。
▪️屋根・外壁は見た目だけで判断しない
築古戸建では、
屋根が古い。
外壁が色あせている。
という理由だけで全面改修を考えることがあります。
しかし屋根や外壁は金額が大きくなりやすい工事です。
重要なのは、
雨漏りがあるのか。
破損しているのか。
修繕が必要な状態なのか。
将来的にどの程度の修繕を想定するのか。
です。
見た目だけを理由に大規模工事をすると、利回りを大きく下げる可能性があります。
一方、必要な修繕を先送りして雨漏りなどが悪化すれば、さらに大きな費用につながる可能性があります。
直さないことと、必要な修繕を先送りすることは別です。
▪️残置物処分もリフォーム予算に入れる
築古戸建では前所有者の家具や家財道具が残っている場合があります。
タンス。
ベッド。
冷蔵庫。
食器。
布団。
物置内部。
庭の不用品。
これらの処分費も、賃貸開始までに必要なお金です。
物件価格と工事費だけを計算して、
残置物処分。
清掃。
庭の整備。
募集準備。
などを忘れると、最終的な投資額が想定より膨らみます。
▪️庭の草刈りや庭木管理も最初に確認する
戸建ではアパートと違い、庭が付いている物件があります。
草が伸びている。
庭木が大きくなっている。
物置が壊れている。
フェンスが傷んでいる。
これらも入居募集前に対応が必要になる場合があります。
特に敷地が広い物件では、建物だけを見てリフォーム予算を決めないことが重要です。
▪️DIYは安くできるが「自分の時間」もコスト
築古戸建投資ではDIYを活用する大家もいます。
壁を塗る。
床を施工する。
清掃する。
庭を整える。
簡単な補修をする。
業者へ依頼するより費用を抑えられる可能性があります。
しかしDIYには時間が必要です。
例えば業者なら10万円。
DIYなら材料費3万円。
一見7万円節約です。
しかし作業に丸4日かかる。
移動も必要。
道具も購入する。
募集開始が遅れる。
となれば、本当に7万円得したのか考える必要があります。
DIYは材料費だけではなく、自分の時間と空室期間まで含めて判断します。
▪️DIYで募集開始が1か月遅れたらどうなる?
家賃6万円の戸建を考えてみます。
DIYで工事費を5万円節約できた。
しかし完成が1か月遅れた。
その結果、募集開始も1か月遅れた。
単純に考えれば、家賃6万円を受け取れる可能性があった期間を失っています。
もちろん募集開始した瞬間に入居が決まるとは限りません。
それでも、
工事費を安くすることだけが利益ではない
ということです。
早く完成させる。
早く募集する。
早く家賃が発生する。
これも投資では重要です。
▪️業者へ任せる場所とDIYする場所を分ける
DIYする場合も、すべて自分で行う必要はありません。
専門性が高い工事。
安全性に関係する工事。
資格が必要な工事。
大規模な工事。
は専門業者へ依頼します。
一方、自分で対応できる範囲をDIYする。
この組み合わせなら、費用と時間のバランスを取りやすくなります。
▪️リフォーム見積りは「一式」だけで判断しない
見積りを取ったら、
リフォーム工事一式200万円。
だけではなく、可能な範囲で内容を確認します。
どの工事にいくらかかるのか。
絶対必要な工事はどれか。
入居率を高めるための工事はどれか。
なくても募集できる工事はどれか。
これを分けます。
例えば200万円の見積りでも、
絶対必要100万円。
できれば実施50万円。
見た目中心50万円。
なら、予算に応じて判断できます。
▪️見積りが予算を超えたら物件価格へ戻って考える
購入前にリフォーム見積りを取った結果、予算を大きく超えた。
この場合、
リフォーム費を無理に削る。
だけではありません。
物件価格が高すぎないか。
この価格で購入するべきなのか。
別の物件を探した方がいいのか。
という購入判断へ戻ります。
例えば、
想定家賃6万円。
目標総投資額600万円。
リフォーム費300万円。
諸費用50万円。
なら、物件価格として使えるのは250万円です。
売値が400万円なら、
150万円高い。
という考え方ができます。
築古戸建では、リフォーム費から購入価格を逆算することも重要です。
▪️追加工事の予備費を残しておく
築古戸建では、工事を始めてから問題が分かることがあります。
床を剥がしたら下地が傷んでいた。
設備を確認したら交換が必要だった。
給排水に問題が見つかった。
想定していない補修が必要になった。
すべてを購入前に把握できるとは限りません。
そのため、
見積り200万円だから現金200万円だけ用意する。
という資金計画は余裕がありません。
一定の予備費を残しておきます。
▪️リフォームへ現金を使い切らない
例えば手元資金500万円。
300万円で戸建を購入。
200万円をリフォーム。
残金0円。
この状態で賃貸経営を始めるのは危険です。
入居後に給湯器が故障する。
エアコンが故障する。
雨漏りが発生する。
退去する。
次の入居募集に費用が必要になる。
こうしたことがあります。
築古戸建では、
完成させるためのお金と、所有し続けるためのお金を分ける
ことが重要です。
前回の記事で解説したように、戸建賃貸は空室になると、その一戸からの家賃収入がゼロになります。
そのためリフォームへ資金を使い切らず、空室や修繕に備えた現金を残します。
▪️家賃を上げるためのリフォームは回収年数を見る
例えば追加30万円で設備をグレードアップするとします。
その結果、家賃を月3,000円高くできると仮定します。
年間増収は3万6,000円。
30万円÷3万6,000円。
単純回収は約8.3年です。
追加50万円で家賃2,000円アップなら、
年間増収2万4,000円。
単純回収は約20.8年です。
もちろんリフォームには、
入居を決まりやすくする。
空室期間を短くする。
長く住んでもらう。
など家賃以外の効果もあります。
それでも、
追加投資した金額を何年で回収できるのか
を見る習慣は重要です。
▪️家賃相場を無視したリフォームは回収しにくい
周辺の戸建家賃が5万円から6万円。
そこへ500万円かけて豪華なリフォームをする。
だから家賃8万円で貸したい。
貸主としてはそう考えたくなります。
しかし家賃は、
自分がリフォームにいくら使ったか。
だけでは決まりません。
立地。
広さ。
築年数。
駐車場。
設備。
周辺の競合物件。
地域の賃貸需要。
などから決まります。
リフォーム費を回収するために家賃を決めるのではなく、現実的な家賃からリフォーム予算を決めます。
▪️家賃6万円の物件に500万円リフォームするとどうなる?
具体的に考えてみます。
物件価格300万円。
購入諸費用50万円。
リフォーム500万円。
その他20万円。
総投資額870万円。
家賃6万円。
年間家賃72万円。
表面利回りは約8.3%です。
同じ物件を、
リフォーム200万円。
総投資額570万円。
で完成させられたなら、
72万円÷570万円。
表面利回りは約12.6%です。
差は大きくなります。
もちろん200万円のリフォームで十分な状態になることが前提です。
必要な修繕まで削ってはいけません。
しかし、
どこまで直せば入居者に選ばれる状態になるのか
を考えず、全部新品にしてしまうと築古戸建投資の強みである低い総投資額を失う可能性があります。
▪️逆にリフォーム費を削りすぎるのも危険
では安ければ安いほどいいのか。
そうではありません。
壁が汚れている。
設備が壊れている。
清掃されていない。
床が傷んでいる。
水回りの印象が悪い。
この状態で募集して、
「家賃を安くすれば決まるだろう」
と考えると、長期空室になる可能性があります。
例えば10万円の追加工事を節約した結果、空室が3か月長くなった。
家賃6万円なら18万円分の家賃収入に相当します。
単純比較では、10万円節約するために18万円分の家賃機会を失ったことになります。
リフォーム費は削ることが目的ではなく、必要な場所へ適切に使うことが重要です。
▪️築古戸建では「最低限+選ばれる理由」を作る
築古戸建のリフォームで考えやすいのが、
最低限住める状態+一つか二つの選ばれる理由
です。
例えば、
駐車場が使いやすい。
室内が清潔。
水回りの印象がいい。
ペット相談可能。
庭が使える。
収納が多い。
戸建ならではの独立性がある。
物件によって強みは違います。
全部を豪華にするのではなく、
その戸建を借りる理由になる部分を残す・作る
ことを考えます。
▪️入居ターゲットによってお金を使う場所を変える
誰に貸すのかによって、リフォームの優先順位も変わります。
ファミリー。
夫婦。
単身。
高齢者。
ペットを飼う世帯。
例えばファミリーを想定するなら、
部屋数。
収納。
駐車場。
水回り。
などが重要になる場合があります。
ペット相談可能物件なら、床や壁の維持管理まで考える必要があります。
誰にでも好かれる家を作ろうとすると、リフォーム費が膨らみやすくなります。
誰に貸す物件なのかを決め、その入居者が重視する場所へ予算を使います。
▪️長期入居を考えるなら「壊れにくさ」も重要
築古戸建投資では初期費用を安くすることに意識が向きやすくなります。
しかし賃貸開始後に何度も修理が必要になれば、結果的に費用が増えます。
例えば安い設備を選んだ結果、
短期間で故障する。
部品が手に入りにくい。
交換が必要になる。
となれば、入居者対応も増えます。
そのため、
初期費用。
耐久性。
交換しやすさ。
メンテナンス性。
をバランスよく考えます。
▪️リフォーム費は「退去後」まで考える
現在の入居者募集だけを考えてリフォームするのではなく、次の退去も想定します。
例えば特殊な内装。
高価な設備。
補修しにくい材料。
を多く使えば、退去後の原状回復費が高くなる場合があります。
一方、
交換しやすい。
補修しやすい。
一般的な材料を使う。
ことで、次回募集時の修繕費を抑えやすくなります。
一回目のリフォーム費だけではなく、10年間の修繕費を見ることが重要です。
▪️10年間で考えるとリフォームの見え方が変わる
例えば初期リフォーム200万円。
その後10年間で修繕100万円。
合計300万円。
別の方法では、
初期リフォーム300万円。
その後10年間で修繕40万円。
合計340万円。
初期費用だけなら200万円の方が安い。
しかし10年間では差は40万円です。
さらに、
空室期間。
家賃。
入居期間。
まで違えば結果は変わります。
築古戸建投資では、
最初にいくら使ったかだけではなく、保有期間全体でいくら必要だったか
を見ることが重要です。
▪️高利回りを守るために「やらない工事」を決める
リフォーム業者から提案を受けると、
これも直した方がいい。
ここもきれいにした方がいい。
これも交換した方がいい。
と工事項目が増えていくことがあります。
そこで必要なのが、
やる工事だけではなく、やらない工事を決めることです。
安全性に問題がない。
使用に問題がない。
家賃へほとんど影響しない。
入居判断にも大きく影響しない。
こうした部分まで全部新品にする必要があるのかを考えます。
ただし、
雨漏り。
構造上の問題。
給排水。
電気。
その他安全性に関係する部分。
など、必要な工事を利回りのために削ることとは違います。
▪️「利回りを守る」と「ボロいまま貸す」は全く違う
築古戸建投資で、
リフォーム費を抑える。
というと、
何も直さない。
古いまま貸す。
という意味に聞こえることがあります。
しかし本来は違います。
必要な修繕はする。
清潔にする。
安心して生活できる状態にする。
入居者に選ばれる最低限の魅力を作る。
そのうえで、
家賃に反映しにくい過剰な工事をしない。
という考え方です。
お金をかけない物件ではなく、お金をかける場所を選ぶ物件にします。
▪️購入前に最低3つの金額を出しておく
築古戸建を購入する前に、最低限確認したい金額があります。
1つ目。
想定家賃。
2つ目。
購入から募集開始までの総投資額。
3つ目。
購入後も残しておく現金。
例えば、
想定家賃6万円。
総投資額600万円。
残しておく現金150万円。
ここまで決めてから物件価格とリフォーム予算を調整します。
物件を買ってから、
「残ったお金でリフォームしよう」
ではありません。
▪️リフォーム費が高すぎるなら「買わない」も正解
築古戸建投資では、
せっかく見つけた物件だから買いたい。
安いから逃したくない。
という気持ちになることがあります。
しかし、
購入価格300万円。
想定リフォーム400万円。
諸費用50万円。
総投資額750万円。
想定家賃5万円。
年間家賃60万円。
この条件なら表面利回りは8%です。
さらに固定資産税、保険、修繕、空室などがあります。
自分が求める投資条件に合わないのであれば、
値段交渉する。
工事内容を見直す。
別の物件を探す。
という判断があります。
安い物件を見つけることより、数字の合う物件を買うことの方が重要です。
▪️リフォーム費を抑えても現金は残す
例えば700万円の自己資金があります。
物件購入300万円。
諸費用50万円。
リフォーム200万円。
合計550万円。
残金150万円。
この150万円は、
次の物件を買うためだけのお金ではありません。
空室。
設備故障。
退去。
募集費用。
突発修繕。
などに対応するための資金でもあります。
特に一戸だけ所有している段階では、その戸建が空室になれば家賃収入はゼロです。
リフォームを豪華にして現金をゼロにするより、必要な工事を行ったうえで現金を残すことも賃貸経営の一部です。
▪️リフォームローンを使えば解決するとは限らない
リフォーム費を融資でまかなえる場合もあります。
そうすれば自己資金を残せる可能性があります。
しかし借入には返済があります。
例えば200万円を借りて毎月返済が増えれば、家賃から残るキャッシュフローは減ります。
現金で払う。
融資を使う。
どちらが正解ということではありません。
重要なのは、
総投資額。
毎月返済額。
手元現金。
家賃。
修繕余力。
次の物件購入計画。
をまとめて考えることです。
この資金調達については、築古戸建投資クラスターの「現金購入と融資」の記事で詳しく整理します。
▪️築古戸建投資のリフォーム予算に絶対額の正解はない
結局、
築古戸建のリフォームはいくらまで?
という質問に、
100万円。
200万円。
300万円。
という共通の答えはありません。
物件価格300万円・家賃6万円の戸建。
物件価格800万円・家賃10万円の戸建。
では使える金額が違います。
さらに、
建物状態。
地域。
入居需要。
保有期間。
出口戦略。
自己資金。
によっても変わります。
だから、
「築古戸建ならリフォーム200万円以内」
のような絶対額だけで判断しないことが重要です。
▪️リフォーム予算の答えは家賃と総投資額の間にある
築古戸建投資では、
安く買う。
安く直す。
高く貸す。
だけを考えると判断を誤りやすくなります。
実際には、
その地域で現実的にいくらで貸せるのか。
その家賃なら総投資額はいくらまで許容できるのか。
そこから購入価格と諸費用を引くと、リフォームへいくら使えるのか。
この順番です。
家賃 → 総投資額 → 購入価格 → リフォーム予算。
物件を先に買って、残った金額を考えるのではありません。
▪️まとめ|築古戸建のリフォームは家賃から逆算する
築古戸建投資では、物件を安く購入できてもリフォーム費が膨らめば高利回りではなくなります。
例えば、
物件価格300万円。
リフォーム400万円。
諸費用50万円。
総投資額750万円。
家賃6万円。
なら年間家賃72万円。
表面利回りは約9.6%です。
一方、
物件価格300万円。
リフォーム200万円。
諸費用50万円。
総投資額550万円。
同じ家賃6万円。
なら表面利回りは約13.1%です。
ただし200万円に抑えるために必要な修繕まで削れば、入居後に問題が起きたり、空室が長引いたりする可能性があります。
だから、
安く直す。
ではありません。
必要な修繕は行う。
安全性を確保する。
清潔にする。
入居者に選ばれる状態を作る。
過剰な設備投資は避ける。
DIYと業者を使い分ける。
追加工事の予備費を残す。
完成後も現金を残す。
そして何より、
現実的な家賃から総投資額を逆算する。
これが重要です。
築古戸建は物件価格が安いため、
「300万円で買えた」
という購入価格に目が向きやすくなります。
しかし大家として本当に見るべきなのは、
その家から最初の家賃を受け取るまでに、合計いくら使ったのか。
そして、
その投資額を何年間の家賃で回収できるのか。
です。
リフォーム費を削りすぎてもいけない。
かけすぎてもいけない。
築古戸建投資のリフォーム予算は、「きれいさ」ではなく「家賃と回収できる総投資額」から決める。
この考え方が、高利回りを崩さず長く賃貸経営を続けるための基本になります。
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