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不動産投資でキャッシュフローはいくら残ればいい?手残りの計算と判断基準

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月14日
  • 読了時間: 9分

更新日:8月19日

不動産投資を始めると、

「毎月3万円残れば成功?」

「一棟アパートなら月10万円くらい必要?」

「表面利回りは高いのに、なぜ現金が増えない?」

と疑問に感じることがあります。

最初に結論をいうと、「毎月○万円残れば合格」という共通の基準はありません。

300万円の築古戸建と3,000万円の一棟物件では、必要な自己資金も借入額も、将来の修繕リスクも違うからです。

だからキャッシュフローは、金額だけではなく、

・年間で本当に現金が増えているか


・空室や修繕があっても返済を続けられるか


・購入後も必要な現金を残せているか

という3つの視点で確認します。

この記事では、キャッシュフローの計算方法から、「いくら残ればいいのか」を判断する考え方まで整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|キャッシュフローは「月額」だけで合否を決めない


毎月1万円。

3万円。

5万円。

数字が大きいほど現金に余裕ができるのは確かです。

しかし、同じ月3万円でも意味は違います。

自己資金をほとんど使わず、購入後も十分な現金が残っている物件。

一方で、多額の自己資金を投入し、大きなローンを組んで月3万円しか残らない物件。

この2つを同じ評価にはできません。

そこで最初に見るのは、キャッシュフローの絶対額ではなく、その現金を残すためにどれくらい資金とリスクを負っているかです。

「毎月○万円」という目標は持っても構いません。

ただし、その数字だけで購入判断を完結させないことが重要です。



▪️不動産投資のキャッシュフローはどう計算する?


この記事では、実際の賃貸経営で手元に残る現金を見るため、

実際に入った家賃等 − 実際に支払った運営費 − ローン返済

を基本として考えます。

一度だけ数字で見てみます。

年間の家賃等収入が120万円。

そこから、

・固定資産税、保険、管理費など 25万円


・その年に実際に支払った修繕費 10万円


・年間ローン返済 55万円

だったとします。

この場合、

120万円 − 25万円 − 10万円 − 55万円。

年間キャッシュフローは30万円です。

月平均なら2万5,000円ですが、実際には固定資産税や修繕費は毎月同じように出ていくわけではありません。

そのため、不動産投資のキャッシュフローは月単位より年間で確認する方が実態を把握しやすくなります。



▪️「利益」と「キャッシュフロー」は同じではない


ここは非常に重要です。

確定申告や決算で計算する利益と、銀行口座に残る現金は同じ数字にならないことがあります。

例えばローン返済では、元金と利息を支払います。

元金返済は実際に現金が出ていきますが、その返済額がそのまま不動産所得の必要経費になるわけではありません。

一方、借入金利子は一定の条件のもとで必要経費になります。

さらに建物などには減価償却費があります。

国税庁の不動産所得用の収支内訳書でも、「借入金利子」と「減価償却費」は必要経費として区分されています。(国税庁)

つまり、

現金は出ていないが経費になるもの。

現金は出ているが、そのまま経費にならないもの。

の両方があります。

そのため、

帳簿上黒字だから現金も増えている。

キャッシュフローが30万円だから利益も30万円。

とは限りません。

税務上の利益と資金繰りは分けて確認します。



▪️「修繕積立」と実際のキャッシュフローも分ける


もう一つ混同しやすいのが、将来の修繕に備えるお金です。

例えば年間30万円のキャッシュフローが残り、

「そのうち15万円は将来の給湯器や外壁修繕のために残しておこう」

と決めたとします。

この15万円を別口座へ移しただけなら、修繕業者へ15万円を支払ったわけではありません。

したがって、

年間CF30万円 − 修繕積立15万円 = 本当のCF15万円

と必ず考える必要はありません。

整理すると、

キャッシュフロー=その年に実際に増減した現金。

修繕用の現金=残ったCFのうち自由に使わず確保しておく資金。

です。

この二つを分けると、同じ修繕費を二重に引くことを防ぎやすくなります。

手元現金をどこまで残すかについてはこちら。



▪️では、キャッシュフローはいくら残ればいい?


一律の月額ではなく、次の3段階で判断します。

①平常時に現金が残るか

通常の入居状況と想定される年間経費を入れても、ローン返済後に現金が残る状態が基本です。

②少し条件を悪くしても資金繰りが止まらないか

空室が発生した。

小規模な設備交換があった。

金利や保険料などの負担が増えた。

こうしたことが一つ起きただけで、すぐ生活費や別事業の現金を投入する状態では余裕が小さいと考えます。

③残った現金が積み上がっているか

1年目に30万円。

2年目にも現金が増える。

修繕した年には減る。

それでも数年間で見ると物件口座の現金が増えている。

この状態なら、賃貸経営の耐久力も高まりやすくなります。

だから「月3万円だから安全」ではなく、平常年・悪化時・手元現金の3つを見る方が実務的です。

自己資金や融資条件に合う不動産投資を比較したい方はこちら。



▪️表面利回りが高くてもキャッシュフローが多いとは限らない


表面利回りとキャッシュフローは役割が違います。

表面利回りは、物件価格に対して年間家賃がどの程度あるのかを見る入口の数字です。

一方、キャッシュフローでは、

・実際の空室


・固定資産税


・保険


・管理費


・修繕


・ローン返済

まで入れます。

そのため利回り20%の物件でも、修繕費やローン返済が大きければ現金がほとんど残らないことがあります。

反対に、表面利回りは少し低くても、空室が少なく返済負担が軽ければ安定して現金を残せる場合があります。

ここでは利回りの説明を繰り返しません。

詳しい計算方法はこちら。



▪️融資物件では「家賃」よりローン返済後を見る


融資を使う場合、キャッシュフローを大きく左右するのが返済額です。

同じ家賃収入でも、

金利。

返済期間。

借入額。

によって年間返済額は変わります。

そのため、

「年間家賃120万円だから十分」

ではなく、年間経費とローン返済を差し引いた後に現金が残るかを確認します。

返済負担そのものを判断したい場合はこちら。

さらに現在のローンで、

「毎月いくらが元金で、いくらが利息なのか」

「現在残債はいくらなのか」

を確認するなら返済予定表を使います。

キャッシュフローを見る記事と、返済比率・返済予定表の記事の役割はここで分けます。



▪️修繕した年だけ赤字でも、すぐ失敗とは判断しない


キャッシュフローは毎年同じにはなりません。

ある年に給湯器や屋根などへまとまった費用を使えば、その年だけCFが大きく減ることがあります。

ここで見たいのが、

実績キャッシュフロー

と、

平常時のキャッシュフロー

です。

今年のCFがマイナス20万円でも、40万円の一時的な修繕を行った結果なら、通常運営部分まで赤字とは限りません。

反対に、ほとんど修繕していないのに毎年現金が残らないなら、

・ローン返済が重い


・空室が長い


・家賃設定が合っていない


・固定経費が高い

など、収支構造そのものを確認する必要があります。

単年度の赤字だけで物件を評価せず、なぜその数字になったのかを見る。

これが重要です。



▪️キャッシュフローが黒字でも手元現金ゼロなら余裕は小さい


年間30万円のキャッシュフローが出る物件でも、購入時に現金をほとんど使い切っていれば安心とはいえません。

購入直後に設備故障や空室が重なれば、まだCFが積み上がる前に支払いが発生するからです。

だから物件購入では、

購入後いくらCFが残るか

だけでなく、

購入直後に現金をいくら残せるか

も見ます。

キャッシュフローは時間をかけて現金を増やします。

しかし購入直後の修繕には、将来入ってくるCFを先に使うことはできません。

初めての1戸で何を優先するかはこちら。



▪️2戸目以降は「物件ごと」と「全体」のCFを分ける


所有物件が増えたら、キャッシュフローも2つに分けます。

物件ごとのCF。

所有物件全体のCF。

です。

A物件は順調でも、B物件で大規模修繕があれば、会社・個人全体では現金が減る場合があります。

逆に1物件だけを見ると一時的な赤字でも、ポートフォリオ全体では十分な現金が残っていることもあります。

だから2戸目、3戸目へ進むほど、

・年間の総家賃


・年間の総返済


・物件ごとのCF


・全体CF


・現在の現預金

をまとめて確認します。

次の融資余力についてはこちら。

物件数を増やすこと自体が目的ではありません。

物件が増えても現金を残せる状態を作れるかが重要です。



▪️購入前は5つの数字だけでも必ず出す


購入候補を見つけたら、細かな収支表を作る前でも、最低限これだけは確認します。

・満室想定ではなく現実的な年間家賃


・年間の固定経費


・想定する修繕・空室


・年間ローン返済


・購入後に残る現金

そして、

年間家賃 − 運営支出 − ローン返済

で、まず平常時のCFを確認します。

その後に空室や修繕を少し厳しくしたケースも見ます。

満室時だけ黒字なのか。

多少条件が悪化しても現金が残るのか。

ここで物件の余裕が見えてきます。

購入前に複数の投資方法・物件を比較したい方はこちら。



▪️まとめ|「月3万円」より現金が増え続ける構造を見る


不動産投資でキャッシュフローはいくら残ればいいのか。

一つの金額で答えることはできません。

見るべきなのは、

平常時にCFが黒字か。

空室や修繕があっても資金繰りを維持できるか。

残った現金が数年間で積み上がっているか。

この3つです。

また、利益とキャッシュフローは同じではありません。

ローン元金返済は現金を減らします。

減価償却費は税務上の所得計算に影響します。

修繕用に確保した現金は、実際に支払うまでは「これから使うために残した現金」です。

これらを混同しなければ、

「年間30万円しか残らなかった」

という数字だけで良し悪しを判断しなくなります。

大切なのは、家賃収入の大きさではありません。

運営費と返済を支払った後にも現金が残り、その現金が次の空室・修繕・投資へつながっていくこと。

これが不動産投資でキャッシュフローを見る意味です。



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