戸建賃貸は自主管理できる?管理会社へ任せる範囲と大家が自分で見るべきポイント
- MIRAIU

- 8月13日
- 読了時間: 27分
▪️戸建一戸なら自主管理できる?
築古戸建投資を始めると、
「一戸だけなら自分で管理できるのでは?」
と考える人も多いでしょう。
家賃を確認する。
入居者から連絡があれば対応する。
壊れた設備があれば業者を呼ぶ。
退去したら次の入居者を募集する。
文字だけで見ると、それほど難しく感じないかもしれません。
また家賃6万円の戸建で管理料5%なら、月3,000円。
年間3万6,000円です。
一戸だけなら、
「年間3万6,000円を払うくらいなら自分でやろう」
と考えるのも自然です。
しかし賃貸管理は、
家賃を受け取るだけの仕事ではありません。
入居者対応。
修繕。
滞納。
更新。
退去。
原状回復。
募集。
現地確認。
契約内容の管理。
こうした業務が突然発生します。
自主管理が向いている物件もあります。
一方で、管理会社へ任せた方が結果として安定する物件もあります。
重要なのは、
「一戸だから自主管理できる」と戸数だけで決めないことです。
今回は築古戸建投資で自主管理できる範囲、管理会社へ任せる場合の考え方、管理料、自分の時間、遠方物件、修繕対応、退去・客付けまで具体的に整理します。
▪️まず戸建賃貸の管理業務を分解する
自主管理できるか考える前に、
そもそも大家が何を管理するのかを整理します。
主な業務には、
家賃入金の確認。
入居者からの問い合わせ。
設備故障への対応。
修繕業者の手配。
契約更新。
家賃滞納への対応。
退去受付。
原状回復。
退去後の清掃。
次の入居募集。
建物や庭の確認。
などがあります。
毎日すべて発生するわけではありません。
むしろ満室で設備故障もなければ、何か月も大きな対応がないこともあります。
そのため一戸だけ所有していると、
「ほとんど何もしていないのに管理料を払うのはもったいない」
と感じることがあります。
しかし管理会社へ支払う費用は、
毎日作業してもらう料金だけではありません。
何か起きたときに対応してもらえる体制への費用
という側面もあります。
▪️自主管理の最大のメリットは管理料を抑えられること
自主管理の分かりやすいメリットは、管理料を抑えられることです。
例えば家賃6万円。
管理料5%。
月3,000円。
年間3万6,000円。
10年間なら36万円です。
戸建3戸なら、
年間10万8,000円。
10年間で108万円。
戸数が増えるほど管理料も増えます。
自分で無理なく対応できるなら、この費用を抑えられる可能性があります。
特に、
自宅から近い。
一戸だけ。
入居者対応に時間を取れる。
修繕業者を知っている。
賃貸管理の経験がある。
といった場合は自主管理を検討しやすくなります。
▪️管理料を節約した金額がそのまま利益とは限らない
ここで注意したいのが、
年間3万6,000円の管理料を払わなかった。
だから3万6,000円利益が増えた。
と単純に考えないことです。
自主管理には自分の時間が必要です。
例えば年間で、
入居者対応3時間。
修繕手配5時間。
現地確認5時間。
更新・書類2時間。
その他3時間。
合計18時間。
年間管理料3万6,000円を18時間で割ると、
一時間あたり2,000円です。
もちろん実際の時間は物件によって違います。
しかし、
管理料を節約する代わりに自分が何時間働くのか
まで見る必要があります。
▪️何も起きない一年だけで判断しない
ある一年。
入居者から連絡なし。
設備故障なし。
滞納なし。
退去なし。
この場合、自主管理は非常に楽に感じます。
しかし翌年、
給湯器故障。
水漏れ。
家賃滞納。
退去。
原状回復。
新規募集。
が重なることもあります。
賃貸経営では毎年同じ管理量になるわけではありません。
だから、
一番楽だった一年ではなく、少し忙しい一年でも対応できるか
を考えます。
▪️入居者からの連絡へ自分で対応できるか
自主管理では、入居者から大家へ直接連絡が入る場合があります。
お湯が出ない。
水が漏れている。
エアコンが動かない。
鍵の調子が悪い。
トイレが流れない。
このような連絡です。
自分で修理できる必要はありません。
必要なのは、
状況を確認する。
緊急性を判断する。
業者へ連絡する。
入居者へ対応予定を伝える。
ことです。
ここで数日連絡を返さない。
業者を探すのに時間がかかる。
いつ直るか伝えない。
となれば、入居者の不満につながります。
自主管理では「自分で直せるか」より「自分で対応を進められるか」が重要です。
▪️本業中に連絡が来ても対応できる?
会社員として働きながら不動産投資をしている場合、入居者からの連絡は休日だけとは限りません。
平日の午前。
会議中。
移動中。
夜。
こうした時間に連絡が来る可能性があります。
すぐ現地へ行く必要がない内容なら、あとで対応できる場合もあります。
しかし、
大量の水漏れ。
玄関の鍵。
生活に大きく関わる設備故障。
など、早めの対応が必要なケースもあります。
本業の状況を考え、
入居者対応を継続できる生活なのか
を確認します。
▪️修繕業者を毎回ゼロから探すと負担が大きい
築古戸建では修繕が発生する可能性があります。
給湯器。
水道。
電気。
エアコン。
屋根。
建具。
設備。
そのたびに、
インターネットで業者検索。
電話。
見積り。
日程調整。
現地立会い。
を行うと時間がかかります。
自主管理するなら、
水道。
電気。
設備。
内装。
など、必要になったときに相談できる業者を少しずつ作っておくと管理しやすくなります。
大家業では物件だけでなく、修繕を頼める人や会社も資産になります。
▪️リフォーム業者と入居後の修繕業者は同じとは限らない
購入時に大規模リフォームを依頼した会社がある。
だから入居後もすべてそこへ頼めばいい。
という方法もあります。
一方で、
小さな水漏れ。
建具調整。
設備交換。
などは別の業者の方が対応しやすい場合もあります。
工事内容によって、
大規模改修が得意な会社。
小修繕へすぐ来てくれる会社。
設備専門業者。
を使い分けます。
築古戸建では購入時のリフォームだけでなく、その後の修繕費も収支へ影響します。
築古戸建はリフォームにいくらかける?高利回りを崩さない修繕費と家賃設定の考え方
▪️修繕費を抑えるために対応を遅らせない
管理費を節約したい。
修繕費もできるだけ使いたくない。
その気持ちは分かります。
しかし小さな不具合を長期間放置すると、修理範囲が広がる場合があります。
例えば小さな水漏れ。
そのまま使い続ける。
周辺の床や下地まで傷む。
最初なら数万円で済んだものが、大きな工事になる可能性もあります。
自主管理でも管理会社でも、
必要な修繕を早めに確認することが長期的な支出を抑えることにつながります。
▪️入居者対応をケチると長期入居を失う可能性がある
戸建賃貸では長期入居が収益へ大きく影響する場合があります。
設備故障を放置する。
連絡を返さない。
必要な修繕をしない。
これが続けば、物件そのものに大きな問題がなくても退去理由になる可能性があります。
一方、
必要な対応を行う。
生活に支障がある不具合を早めに修繕する。
連絡を放置しない。
こうした基本を続けることで、長く住みやすい環境を維持できます。
戸建賃貸の長期入居については、前回④で詳しく解説しています。
戸建賃貸はなぜ長期入居になりやすい?地方で選ばれる物件と空室を減らす大家の戦略
▪️家賃入金の確認は自主管理でも難しくない
管理業務の中でも比較的自分で行いやすいのが家賃入金の確認です。
毎月決められた日に入金されているか確認する。
未入金なら状況を確認する。
これだけなら、それほど時間はかかりません。
ただし、
一日遅れ。
一週間遅れ。
一か月遅れ。
数か月滞納。
と状況によって対応は変わります。
「毎月少し遅れるけど入るからいいか」
と放置すると、滞納額が大きくなる場合があります。
自主管理では、入金確認だけでなく未入金時の対応ルールまで決めておきます。
▪️家賃滞納は大家自身だけで抱え込まない
家賃が入らない。
電話しても出ない。
約束した日にも入金されない。
このようなケースでは、精神的な負担も大きくなります。
保証会社を利用している場合は、契約内容に応じて対応を確認します。
管理会社へ任せている場合は、管理会社を通じて対応する方法もあります。
自主管理であっても、
すべて大家一人で解決しなければならないわけではありません。
必要に応じて保証会社や専門家へ確認します。
▪️自主管理するなら契約内容を理解しておく
賃貸借契約には、
家賃。
契約期間。
更新。
解約。
修繕。
禁止事項。
退去。
などさまざまな内容があります。
入居者から、
「これは大家負担ですか?」
「この設備は交換してもらえますか?」
「退去するときはいくら必要ですか?」
と聞かれる場合があります。
そのとき、
「たぶんこうだと思う」
ではなく契約内容を確認します。
契約書の作成や重要な手続きについては、不動産会社や専門家へ依頼する方法があります。
▪️完全自主管理・部分委託・管理会社でどれくらい違う?
ここからは、戸建一戸を管理する場合を具体的な数字で比較してみます。
条件は、
家賃6万円。
年間満室家賃72万円。
として考えます。
管理方法は、
完全自主管理。
客付けなど必要な部分だけ不動産会社へ依頼。
日常管理を管理会社へ委託。
の3パターンです。
もちろん実際の管理料や委託内容は会社によって違います。
ここでは管理方法による考え方の違いを見るための一例として考えます。
▪️パターン①完全自主管理
まず完全自主管理です。
毎月の家賃確認。
入居者対応。
修繕手配。
現地確認。
退去対応。
募集手配。
などを基本的に大家自身で行います。
管理会社へ支払う毎月の管理料はありません。
家賃6万円。
年間家賃72万円。
管理料0円。
数字だけを見ると最も多く家賃を残せます。
しかし実際には、
現地までの交通費。
電話。
修繕業者との調整。
入居者対応。
退去時の立会いや確認。
などに自分の時間を使います。
例えば年間20時間使ったとします。
管理料として支払う現金は0円でも、
年間20時間という自分の時間を管理へ投資している
と考えることができます。
▪️自主管理で年間3万6,000円節約できても時給で考えると変わる
家賃6万円。
管理料5%なら月3,000円。
年間3万6,000円。
自主管理によってこの3万6,000円を節約できたとします。
年間管理時間が10時間なら、
3万6,000円÷10時間。
一時間あたり3,600円。
年間20時間なら、
一時間あたり1,800円。
年間40時間なら、
一時間あたり900円。
もちろん大家業を時給だけで判断する必要はありません。
一戸目なら経験そのものに価値があります。
しかし戸数が増えてきたら、
管理料を節約するために、自分がどれだけ時間を使っているのか
を一度計算してみる価値があります。
▪️パターン②日常管理は自分、客付けは不動産会社
次は部分的に不動産会社の力を借りる方法です。
普段は自主管理。
家賃確認も自分。
修繕手配も自分。
ただし空室になったら、
募集。
内見対応。
契約手続き。
などを不動産会社へ依頼します。
戸建一戸から始める大家にとって、比較的取り入れやすい方法です。
毎月の管理料を抑えながら、
自分では難しい客付け部分を専門業者へ任せることができます。
ただし入居後の連絡窓口が大家になる場合は、
入居者対応を自分で継続する必要があります。
▪️部分委託なら「苦手なところだけ任せる」という考え方ができる
大家によって得意不得意は違います。
入居者との連絡はできる。
修繕業者も知っている。
でも客付けは分からない。
あるいは、
物件写真や募集は得意。
でも契約関係は不安。
すべて自分でやる必要はありません。
自分でできる業務と専門家へ任せる業務を分ける。
これも立派な管理方法です。
自主管理か管理会社か。
完全な二択で考えないことが重要です。
▪️パターン③管理会社へ日常管理を委託する
次に管理会社へ委託します。
例えば管理料5%。
家賃6万円なら月3,000円。
年間3万6,000円。
管理会社によって業務内容は異なりますが、
家賃管理。
入居者対応。
修繕受付。
滞納時の連絡。
退去対応。
などを任せられる場合があります。
大家側は管理会社から報告を受け、必要な判断をします。
つまり、
大家が何もしなくていいのではなく、実務の窓口を管理会社へ任せる
というイメージです。
▪️年間3万6,000円で何を任せられるかを見る
管理料だけを見ると、
年間3万6,000円。
10年間36万円。
高く感じるかもしれません。
しかし重要なのは、
その36万円で何を任せられるのかです。
例えば10年間で、
設備故障5回。
退去2回。
家賃遅延。
入居者からの問い合わせ。
修繕業者との調整。
があったとします。
これらの窓口を管理会社へ任せられるなら、自分の時間を大きく減らせる可能性があります。
逆に10年間ほとんど何も起きなければ、
「自主管理でもよかった」
と感じるかもしれません。
だから管理会社の価値は、
何も起きなかった年だけでは判断できません。
▪️一か月の空室で年間管理料を超えることもある
家賃6万円。
管理料年間3万6,000円。
管理料を節約するために完全自主管理した。
しかし募集開始が遅れた。
写真が弱かった。
仲介会社との連携ができていなかった。
その結果、空室が一か月長くなったとします。
失う家賃は6万円です。
年間管理料3万6,000円より大きくなります。
もちろん管理会社へ任せれば必ず一か月早く決まるわけではありません。
重要なのは、
管理料だけをコストと考えないことです。
空室期間も大きなコストです。
▪️空室期間を短くできるなら管理料以上の価値が出る場合がある
例えば、
自主管理では平均3か月空室。
管理会社へ任せることで平均2か月。
仮にこの差が生まれたとします。
家賃6万円なら、
一か月分6万円。
年間管理料3万6,000円を上回ります。
もちろん物件条件や地域によって結果は変わります。
しかし、
管理会社を比較するときは「何%か」だけでなく、客付けまで含めた総合力を見る
ことが重要です。
▪️逆に管理会社へ任せても空室が長いなら確認する
管理会社へ任せた。
だから安心。
ではありません。
一か月。
二か月。
三か月。
問い合わせがない。
この場合は、
家賃が高すぎないか。
写真は十分か。
募集条件に問題がないか。
広告は出ているか。
仲介会社へ情報が届いているか。
物件そのものに問題がないか。
を確認します。
大家自身が、
「管理会社に任せています」
だけで終わらせないことが重要です。
築古戸建一戸では、空室期間がそのまま家賃収入ゼロの期間になります。
▪️管理会社を変えるだけで空室が解決するとは限らない
なかなか入居者が決まらない。
そこで、
「管理会社が悪い」
と考えることがあります。
もちろん募集力や対応に差がある場合はあります。
しかし原因が、
相場より家賃が高い。
駐車場がない。
室内状態が悪い。
写真が弱い。
ペット不可など募集条件が厳しい。
地域需要に合っていない。
なら、管理会社を変更するだけでは解決しない可能性があります。
空室の原因と管理会社の問題を分けて考えることが重要です。
▪️管理会社を変更する判断はどこでする?
管理会社へ不満がある場合でも、感情だけですぐ変更するのではなく具体的な問題を整理します。
連絡が極端に遅い。
修繕報告がない。
募集状況が分からない。
入金管理に問題がある。
問い合わせへの対応が不十分。
募集活動に疑問がある。
こうした問題が継続するなら、変更を検討する理由になります。
一方、
一度空室になった。
一度修繕費が高かった。
だけで即変更するのではなく、内容を確認します。
管理会社を変える場合は、現在の管理契約の解約条件や入居者への連絡方法なども確認します。
▪️管理会社へ任せても大家が最終判断する場面はある
給湯器が壊れました。
交換費用15万円です。
管理会社から連絡が来た。
ここで最終的に支出を判断するのは大家になる場合があります。
家賃を下げた方がいい。
設備を追加した方がいい。
原状回復にいくらかける。
こうした判断も同じです。
管理会社は管理を支援してくれますが、
物件の経営者は大家です。
管理会社へ委託しても、
収支。
修繕。
家賃。
募集条件。
を理解しておく必要があります。
▪️修繕提案は「高い・安い」だけで判断しない
修繕見積り10万円。
高い。
だから断る。
これでは適切な判断とは限りません。
何の修繕なのか。
今すぐ必要なのか。
放置するとどうなるのか。
修理で済むのか。
交換が必要なのか。
他の方法はあるのか。
内容を確認します。
反対に、
管理会社が言うなら全部やる。
でもありません。
築古戸建は修繕費が収益を大きく左右するため、
必要な修繕と過剰な工事を見分ける視点
を持つことが重要です。
築古戸建のリフォーム費用については、こちらで詳しく解説しています。
築古戸建はリフォームにいくらかける?高利回りを崩さない修繕費と家賃設定の考え方
▪️管理会社へ任せるほど現金管理が不要になるわけではない
委託管理だから安心。
しかし修繕費を支払うのは大家です。
例えば、
家賃6万円。
管理料3,000円。
そこからさらに、
給湯器20万円。
原状回復15万円。
火災保険。
固定資産税。
などが発生する可能性があります。
そのため管理会社へ任せていても、
修繕用の現金を残す必要があります。
前回⑤で解説した現金購入と融資の考え方も、管理費や修繕費とつながっています。
築古戸建投資は現金購入と融資どちらがいい?自己資金を残して次の物件につなげる資金戦略
▪️戸数が増えるほど自主管理の時間も増える
一戸。
二戸。
三戸。
戸数が増えれば家賃収入も増える可能性があります。
同時に、
入居者。
設備。
修繕。
退去。
契約。
も増えます。
例えば一戸あたり年間10時間の管理時間でも、
一戸なら10時間。
5戸なら50時間。
10戸なら100時間。
実際には物件ごとに管理時間は違いますが、
戸数が増えるほど大家自身の時間が使われます。
不動産投資を拡大するなら、自分の時間にも上限があることを考えます。
▪️何戸まで自主管理できる?
これは一律に、
3戸まで。
5戸まで。
10戸まで。
とは決められません。
自宅から近い戸建5戸。
長期入居。
修繕業者も確保。
なら自主管理できる人もいるでしょう。
一方、
県外に戸建2戸。
本業が忙しい。
頻繁に入退去がある。
なら2戸でも負担になる可能性があります。
見るべきなのは戸数ではなく、
距離。
本業。
入居者数。
物件状態。
修繕頻度。
自分が使える時間。
です。
▪️一戸目と十戸目で最適な管理方法は変わっていい
最初の一戸は自主管理。
大家業を経験する。
修繕業者を作る。
募集方法を学ぶ。
そして物件が増えてきたら、
一部を管理会社へ任せる。
遠方物件だけ委託する。
すべて委託へ切り替える。
という方法もあります。
最初に決めた管理方法を一生続ける必要はありません。
資産規模や生活状況に合わせて変えていきます。
▪️近い物件だけ自主管理する方法もある
例えば5戸所有。
自宅から15分以内が3戸。
県外が2戸。
近い3戸は自主管理。
遠方2戸は管理会社。
こうした分け方もできます。
物件ごとに、
距離。
家賃。
管理料。
入居者。
建物状態。
を見て判断します。
大家単位ではなく、物件単位で管理方法を決める
という考え方です。
▪️遠方の高利回り物件は管理費まで入れて判断する
地方に安い戸建を発見。
価格300万円。
家賃5万円。
年間60万円。
表面利回り20%。
非常に魅力的に見えます。
しかし自宅から3時間。
管理会社へ委託。
修繕時の現地対応。
庭の管理。
交通費。
こうした費用を含めると、実際の収益は変わります。
遠方物件では表面利回りだけでなく、遠隔管理するためのコストまで総投資額として考えることが重要です。
▪️庭付き戸建は建物以外の管理もある
戸建賃貸では、
庭。
植木。
雑草。
外構。
側溝。
など、集合住宅とは違う管理が発生する場合があります。
特に空室期間が長くなると、
草が伸びる。
植木が道路へ出る。
外観が悪くなる。
近隣へ影響する。
ということがあります。
入居中に誰が庭を管理するのかについても、契約内容や物件条件を確認しておきます。
戸建管理は室内だけ見ればいいわけではありません。
▪️空室中こそ現地確認が重要になる
入居中は入居者が生活しています。
一方、空室になると誰も建物を日常的に見ません。
郵便物。
雑草。
雨漏り。
設備。
害虫。
外部の破損。
こうした問題に気付くのが遅れる可能性があります。
遠方物件を自主管理するなら、
空室期間中に誰が現地確認するのか。
まで決めておきます。
▪️自主管理でも管理会社でも火災保険は確認する
築古戸建では、
火災。
風災。
水災。
その他の事故。
などへの備えも必要です。
自主管理だから保険が不要。
管理会社がいるから安心。
ということではありません。
補償内容。
保険料。
自己負担。
対象となる事故。
などを確認します。
築古戸建の火災保険については、このクラスター⑦で詳しく解説します。
▪️大家自身ができない修繕は専門業者へ任せる
自主管理だから、
水道も自分で直す。
電気も自分で直す。
屋根も自分で直す。
という意味ではありません。
専門知識や資格が必要な工事もあります。
無理に自分で施工して、
事故。
漏水。
漏電。
建物損傷。
につながれば、節約どころではありません。
自主管理とは「自分で全部工事すること」ではなく、「必要な人へ適切につなぐこと」です。
▪️DIYで管理費や修繕費を下げるなら時間も計算する
壁を塗る。
庭を整える。
簡単な補修をする。
自分でできる範囲なら、費用を抑えられる場合があります。
例えば業者なら5万円。
DIYなら材料費1万5,000円。
3万5,000円節約。
しかし作業に二日必要。
移動も必要。
道具も必要。
それでも自分でやりたいのか。
その二日を別の物件探しや本業へ使った方がいいのか。
ここも投資家によって答えは違います。
お金だけでなく時間も投資資源です。
▪️管理を外注することは利益を捨てることではない
管理料を払う。
修繕を業者へ頼む。
清掃を頼む。
すべて経費になります。
しかし、
外注することで自分の時間が空く。
その時間で次の物件を探す。
本業で収入を得る。
家族との時間を確保する。
という考え方もあります。
不動産投資の目的は、
すべて自分でやって経費を0円にすることではありません。
必要なところへ費用を使い、最終的に利益と資産を残すことです。
▪️管理会社を使うなら「管理料込み」で物件を買う
物件購入時に、
自主管理なら利益が出る。
管理会社へ任せると利益が出ない。
この状態には注意が必要です。
将来、
本業が忙しくなる。
遠方へ引っ越す。
戸数が増える。
自主管理が難しくなる。
という可能性があります。
そのとき管理会社へ切り替えた瞬間に収支が崩れる物件では、選択肢が狭くなります。
できれば購入時から、
管理料を払っても一定のキャッシュフローが残るか
を確認しておきます。
▪️管理費を払える物件は拡大しやすい
一戸なら自主管理できる。
しかし10戸、20戸と増えれば、すべて自分で対応するのは難しくなる場合があります。
最初から管理費を収支へ入れても利益が残る物件なら、
管理会社へ任せながら物件数を増やす選択肢があります。
反対に、
自分が無料で管理することを前提にしか利益が出ない。
となれば、自分の時間が事業拡大の上限になる可能性があります。
▪️管理会社へ任せても物件選びの責任は大家にある
入居者が決まらない。
修繕が多い。
家賃が下がった。
管理会社へ任せていると、
管理会社の責任にしたくなることがあります。
しかし、
需要の弱い場所。
状態の悪い建物。
高すぎる購入価格。
過剰なリフォーム。
無理な家賃設定。
を選んだのが大家なら、管理会社だけでは解決できません。
良い管理会社でも、悪い投資判断をすべて救えるわけではありません。
だから管理方法より前に物件選びが重要です。
▪️安い築古戸建ほど管理まで考えて購入する
価格100万円。
200万円。
300万円。
安い戸建には魅力があります。
しかし、
建物状態が悪い。
庭が広い。
遠方。
修繕業者が少ない。
賃貸需要が弱い。
という物件なら、購入後の管理負担が大きくなる可能性があります。
購入価格が安くても、
年間の管理。
修繕。
移動。
空室。
へお金がかかれば、投資全体の収益は下がります。
クラスター⑧では、安い築古戸建を購入するときに確認したい再建築・接道・土地価値まで詳しく整理します。
▪️自主管理でも出口戦略は考えておく
自主管理で10年間運営。
その後、
売却。
賃貸継続。
建て替え。
解体。
土地活用。
いずれ何らかの判断をする時期が来ます。
日常管理だけに集中していると、
「この物件を最後にどうするのか」
が後回しになりがちです。
管理中も、
建物状態。
土地価値。
周辺需要。
売却可能性。
を定期的に考えておきます。
出口についてはクラスター⑩で詳しく解説します。
▪️管理会社へ任せるか迷ったら年間金額に直す
管理料5%。
数字だけでは判断しにくい場合があります。
家賃6万円なら、
月3,000円。
年間3万6,000円。
家賃8万円なら、
月4,000円。
年間4万8,000円。
この年間金額に対して、
何をしてもらえるのか。
自分なら何時間必要か。
現地まで何時間かかるか。
本業への影響はあるか。
を比較します。
割合ではなく実際の金額へ直すと判断しやすくなります。
▪️自主管理が向いている人
自主管理を検討しやすいのは、
物件が自宅から近い。
所有戸数が少ない。
入居者対応が苦にならない。
本業中でもある程度連絡できる。
修繕業者を手配できる。
賃貸経営を自分で経験したい。
管理料を抑えたい。
といった人です。
特に一戸目では、管理を経験することで大家業の仕組みを理解できるメリットがあります。
ただし、
管理料を払いたくないという理由だけで自主管理を選ばないこと
が重要です。
▪️管理会社への委託が向いている人
管理会社へ任せる意味が大きいのは、
物件が遠方。
本業が忙しい。
複数戸所有している。
入居者対応へ時間を使いたくない。
修繕業者の手配が難しい。
今後さらに物件を増やしたい。
といった人です。
年間数万円の管理料を支払っても、
時間。
対応。
現地確認。
を減らせるなら、その費用に価値がある場合があります。
▪️迷ったら「自分が一週間動けない」と考える
自主管理できるか判断するときは、
普段の何も起きていない状態ではなく、
自分が一週間動けないときにトラブルが起きたらどうするか
を考えてみます。
仕事が忙しい。
旅行中。
県外にいる。
そのとき、
入居者から水漏れの連絡。
誰へ電話するのか。
誰が現地へ行くのか。
業者を手配できるのか。
ここまで決まっているなら、自主管理でも対応しやすくなります。
逆に、
「自分が行くしかない」
しか選択肢がなければ、管理体制を考える必要があります。
▪️管理方法を決める前に不動産投資全体を見る
築古戸建は、
少額から始めやすい。
一戸単位で所有できる。
自主管理しやすい場合がある。
という特徴があります。
一方で、
一戸空室なら家賃収入0円。
修繕。
管理。
客付け。
出口。
まで大家が考える必要があります。
戸建だけでなく、さまざまな不動産投資の特徴を比較したうえで、自分に合う方法を考えることも重要です。
不動産投資の選択肢を詳しく確認したい方はこちら
▪️まとめ|自主管理か管理会社かではなく「自分がどこまでやるか」を決める
戸建賃貸は、一戸であれば自主管理できる場合があります。
家賃確認。
入居者対応。
修繕手配。
現地確認。
これらを自分で行えば、毎月の管理料を抑えられます。
家賃6万円。
管理料5%なら、
月3,000円。
年間3万6,000円。
10年間36万円。
この費用を節約できることは、自主管理のメリットです。
しかし、
自分の時間。
現地までの移動。
入居者対応。
修繕業者の手配。
滞納対応。
退去。
客付け。
まで考えると、管理料だけでは比較できません。
特に遠方物件では、
年間3万6,000円を節約するために何十時間も使う。
ということもあり得ます。
反対に、
自宅から10分。
一戸だけ。
長期入居。
信頼できる修繕業者がいる。
なら、自主管理が非常に効率的な場合もあります。
だから、
自主管理が正解。
管理会社が正解。
という一つの答えはありません。
完全自主管理。
部分委託。
管理会社へ委託。
自分の状況に合わせて選びます。
そして物件が増えたら管理方法を変えても構いません。
一戸目は自主管理。
三戸目から一部委託。
遠方物件だけ管理会社。
十戸になったら全面委託。
このように変えていくこともできます。
最も避けたいのは、
管理料を払いたくないから、すべて自分で抱え込むことです。
大家の時間にも限界があります。
物件を探す時間。
本業。
家族。
休む時間。
これらも含めて考える必要があります。
不動産投資で残したいのは、
管理料数千円だけではありません。
家賃収入。
時間。
現金。
資産。
そして次の投資へ進める余力です。
そのためには、
「何を自分でやるのか」
「何をお金を払って任せるのか」
を決める。
それが、築古戸建投資で長く賃貸経営を続けるための管理戦略です。
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