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不動産投資で純資産が増えても現金不足になるのはなぜ?元本返済・減価償却・設備投資の確認順

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
8月12日
読了時間: 6分

更新日:10月2日

不動産投資では、決算書上の純資産が増えているのに、普通預金の残高が思ったほど増えないことがあります。


ここで見る中心は貸借対照表側。利益、借入元本、減価償却、設備投資、手元現金を分けると原因が見えやすくなります。


※本記事には広告・PRを含みます。


決算書の建物・土地の帳簿価額と、現在の市場価格は同じものではありません。純資産を見るときは帳簿上の資産・負債を確認し、売却可能額や含み益とは別の数字として扱う必要があります。


▪️1 純資産と現金は同じ数字ではない

純資産は、資産から負債を差し引いた残りを見る考え方。普通預金だけを表す数字ではありません。


借入金の元本返済が進めば負債が減り、他の条件が同じなら純資産側は改善しやすくなります。その一方で返済には現金を使います。


だから「純資産が増えた=現金も同額増えた」とは考えないのが基本。



返還義務のある敷金や保証金を受け取ると、預金残高は増えても同時に返還義務を管理する必要があります。現金が増えたことと、自由に使える自己資金が増えたことを同じにしない整理が重要です。


▪️2 元本返済は現金を減らすが必要経費とは別

借入金の返済では、利息と元本を分ける必要があります。


国税庁は、借入金の利息は必要経費になり得る一方、返済額のうち元本相当部分は必要経費にならないと案内。



元本返済は現金を減らしながら負債も減らす動きです。損益計算書だけでは、この現金流出を十分につかめません。


年間返済額のうち元本部分を別集計すると、利益と手元資金の差を追いやすい形。


国税庁の案内では、土地は時の経過により価値が減少する減価償却資産には含まれません。建物と土地を同じように償却するのではなく、取得価額の内訳を分けて確認する形。


▪️3 減価償却は現金支出と時期がずれる

国税庁は、建物等の減価償却資産について、取得費を使用可能期間にわたり分割して必要経費へ配分する仕組みを案内しています。



購入時には大きな現金支出や借入が発生していても、会計上は減価償却費として複数年に分かれる構造。


減価償却費を「現金が増える費用」と考えるより、現金支出と費用計上の時期が異なる項目として整理する方が正確です。


大きな工事でも、内容によって税務上の処理は同じとは限りません。修繕費として処理するのか、資本的支出として資産計上するのかで利益の見え方が変わるため、資金繰りと税務処理を分けて記録するのが基本です。


▪️4 設備投資・大規模修繕で現金は先に減る

エアコン、給湯器、外壁、防水などへ支出すれば、預金残高はその時点で減ります。


支出内容によっては修繕費としてその年の必要経費になるものと、資産計上して減価償却するものに分かれる場合も。


税務処理と資金繰りは別に記録し、実際に現金をいくら使ったかを月次で追う方が分かりやすい形です。


利益が出た年は、その後に税金の支払いが来る点も資金繰りへ影響します。決算日時点の預金だけで余裕と判断せず、税額見込みを差し引いた後の現金を見る方が安全。


▪️5 利益を見る表と現金を見る表を分ける

国税庁は不動産所得を、総収入金額から必要経費を差し引いて計算すると案内しています。これは所得を見る計算。



一方、現金管理では、家賃入金、元本返済、設備投資、税金支払いなど実際の入出金を確認します。


利益表と資金繰り表を一つにしない方が、黒字でも資金が薄い原因を特定しやすくなります。



次の購入余力を見るなら、今日の預金残高だけでなく今後12か月の税金、保険、修繕、設備更新、ローン元本を予定表へ置く方法が有効。予定支出後にも現金が残るかを見れば、純資産と資金余力を分けて判断できます。


次の購入前には、複数戸の退去、設備交換、募集費が同じ月に重なるケースも置いてみます。平常月では黒字でも、空室と修繕が重なった月に現金が足りるかまで確認すれば、購入余力を過大評価しにくくなります。


▪️6 純資産だけで次の購入余力を決めない

純資産が増えていても、普通預金が少なければ、空室や修繕へ使える現金は限られます。


次の物件を買う前に、自己資金、諸費用、修繕予備費、税金支払い後の残高まで確認対象。


銀行評価を意識する場合も、純資産だけでなく返済実績や収支、手元流動性を合わせて説明できる状態が重要です。



▪️7 確認する順番

①純資産と普通預金を分ける、②年間返済額を元本と利息に分ける、③減価償却費を確認する、④設備投資・大規模修繕の現金支出を出す、⑤利益表と資金繰り表を分ける、⑥税金支払い後の現金残高を見る、⑦次の購入後も修繕・空室へ耐えられる現金を残す。この順なら、純資産が増えたことだけで資金余力を過大評価しにくくなります。


決算書では利益と資産・負債、通帳では実際の現金残高を確認します。同じ期間で並べると差の原因を追いやすい形です。


借入元本が大きく減った年は、純資産が改善しても現金が残りにくい場合があります。返済予定表と通帳を合わせて確認します。


設備投資が重なった年も同じです。翌年の税金や修繕予定まで入れて、余裕資金を判断します。


▪️⑧ Q&A

Q1. 純資産が増えていれば経営は安全ですか?


純資産は重要ですが、手元現金とは別です。空室や修繕へ使える預金残高も確認します。


Q2. ローン元本返済は経費にならないのですか?


国税庁は、借入金返済額のうち元本相当部分は必要経費にならないと案内しています。利息と元本を分けて確認します。


Q3. 減価償却費が多いと現金も増えますか?


減価償却費自体が現金を生むわけではありません。取得時の支出と費用計上の時期がずれる項目です。


▪️⑨ まとめ

不動産投資では、純資産が増えても現金不足になることがあります。元本返済、減価償却、設備投資が利益と現金の動きをずらすためです。


純資産・利益・手元現金を別々に確認すること。次の購入後も空室や修繕へ対応できる預金残高を残します。


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