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不動産投資で純資産が増えても現金不足になる理由|利益・返済・キャッシュフローの正しい見方

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月12日
  • 読了時間: 10分

不動産投資で純資産が増えても現金不足になる理由|利益・返済・キャッシュフローの正しい見方

不動産投資では、

「利益が出ている」

「ローン残高も減っている」

「純資産も増えている」

それなのに、

なぜか手元の現金が増えていない。

ということがあります。

これは決して珍しいことではありません。

むしろ物件数が増え、借入額が大きくなるほど、

利益と現金の違いを理解しているかどうか

が重要になってきます。

不動産投資では、

利益だけを見ても分かりません。

現預金だけを見ても分かりません。

借入残高だけを見ても分かりません。

この3つを一緒に見ることで、

初めて現在の資産状況が見えてきます。

不動産投資で「黒字なのに現金が増えない」という仕組みについては、こちらでも詳しく解説しています。


不動産投資で黒字なのに現金が増えないのはなぜ?大家が見落とすキャッシュフローの仕組み


▪️利益が出ている=同じ金額だけ現金が増える、ではない


まず最初に理解しておきたいのが、

利益とキャッシュフローは別物

ということです。

例えば、

年間家賃収入600万円。

経費300万円。

帳簿上の利益200万円。

だったとします。

数字だけを見ると、

「今年は200万円儲かった」

と考えたくなります。

しかし実際には、

ローンの元本返済があります。

年間の元本返済が150万円なら、

その150万円は現金として外へ出ていきます。

ところが、

借入金の元本返済は基本的に経費ではありません。

つまり、

利益200万円だからといって、

現金が200万円増えるわけではないのです。

不動産投資で利益より現金が重要になる理由については、こちらでも解説しています。


不動産投資で利益より現金が重要な理由|お金が残る大家と残らない大家の違い


▪️ローン返済によって現金は減るが、純資産は増えることがある


ここが不動産投資のおもしろいところです。

先ほどの例で、

ローン元本を年間150万円返済したとします。

現金だけを見ると、

150万円が出ていきます。

しかし、

借入残高も150万円減っています。

例えば、

物件価値5,000万円。

借入残高4,000万円。

だった場合、

単純化すると純資産は1,000万円です。

そこから元本を150万円返済して、

物件価値が変わらなければ、

借入残高は3,850万円。

純資産は、

1,150万円になります。

つまり、

現金は減っていても純資産は増えている

という状態が起こります。


ローン残高と純資産の関係についてはこちら。

不動産投資は「残債を減らすゲーム」?家賃でローンを返しながら純資産を増やす仕組みを徹底解説


▪️純資産が増えているから安心、でもない


では、

「純資産が増えているなら問題ない」

のでしょうか。

ここにも注意が必要です。

例えば、

物件評価5,000万円。

借入残高3,500万円。

純資産1,500万円。

数字だけなら、

かなり余裕があるように見えます。

しかし、

現預金が100万円しかなければどうでしょうか。

突然、

給湯器が故障する。

外壁修繕が必要になる。

退去が重なる。

固定資産税を支払う。

空室期間が長くなる。

こうしたことが重なれば、

資産はあるのに現金が足りない、

という状態になりかねません。

だから不動産投資では、

純資産と現預金を両方見る必要があります。


銀行が現預金をどのように見るのかについてはこちら。

不動産投資で銀行が見る「現預金」はいくら必要?融資を受けやすい大家の決算書を徹底解説


▪️現金を残しすぎればいいわけでもない


逆に、

「それならローンを返さず、現金を大量に持っておけばいい」

とも限りません。

現預金を残すことで、

突発的な修繕。

空室。

税金。

次の物件取得。

などに対応しやすくなります。

一方で、

借入残高が大きいままであれば、

毎月の返済負担も続きます。

そのため、

重要なのは、

現金を残すか、返済するかの二択ではありません。

物件の収益性。

借入金利。

残存期間。

修繕リスク。

次の物件購入計画。

金融機関との関係。

これらを見ながら、

適正な現金水準を考えていく必要があります。


借入と資産拡大のバランスについてはこちら。

不動産投資で借金を増やしすぎると危険?資産拡大と融資のバランスを考える


▪️利益・現預金・借入残高・純資産を毎年並べる


ここからが重要です。

不動産投資を長く続けるなら、

毎年の決算や確定申告が終わったタイミングで、

次の4つを確認します。

利益

今年いくら利益が出たのか。

現預金

前年より現金が増えたのか、減ったのか。

借入残高

1年間でローン元本がどれだけ減ったのか。

純資産

資産から負債を差し引いた実質的な資産がどう変化したのか。

これを毎年確認すると、

単に、

「今年は黒字だった」

だけでは見えなかったものが見えてきます。

例えば、

利益300万円。

現預金+50万円。

借入残高▲200万円。

純資産+250万円。

この場合、

現金の増加は50万円でも、

資産形成そのものは250万円進んでいる

と考えることができます。

反対に、

利益300万円。

現預金▲200万円。

借入残高▲50万円。

なら、

「利益が出ているから大丈夫」

だけでは済ませず、

なぜ現金が200万円減ったのか

を確認する必要があります。

不動産投資では、

一つの数字ではなく、

数字の動きをセットで見ることが重要です。


▪️純資産が増えても現金不足は起こる


ここまで見ると、

不動産投資では、

「現金が増えているか」

だけで資産形成を判断できないことが分かります。

家賃収入から経費を払い、

ローンを返済する。

その結果、

現預金の増加が小さくても、

借入残高が着実に減っていれば、

純資産は増えている可能性があります。

ただし、

ここで注意したいことがあります。

純資産が増えていることと、資金繰りに余裕があることは別です。

例えば、

物件評価6,000万円。

借入残高4,000万円。

純資産2,000万円。

これだけを見ると、

かなり資産があるように見えます。

しかし、

現預金が50万円しかなければ、

大規模修繕や複数戸の退去が重なっただけでも資金繰りが厳しくなる可能性があります。

不動産投資では、

「資産がある」

だけでは足りません。

すぐに使える現金をどれだけ持っているか

も非常に重要です。

 

▪️物件を増やすほどキャッシュ管理が重要になる


1戸だけを所有している段階では、

多少資金管理が甘くても、

給与などから補填できるケースがあります。

しかし、

5戸。

10戸。

20戸。

さらに1棟、2棟と増えていけば、

動く金額そのものが大きくなります。

家賃収入が増える一方で、

ローン返済。

固定資産税。

修繕費。

保険料。

管理費。

原状回復費。

なども大きくなります。

つまり、

規模が大きくなるほど「利益」ではなく「資金繰り」の重要性が増していく

ということです。

資産拡大と借入のバランスについてはこちら。

不動産投資で借金を増やしすぎると危険?資産拡大と融資のバランスを考える


▪️銀行も利益だけを見ているわけではない

 

これは融資にも関係します。

決算書に利益が出ている。

それ自体はもちろん重要です。

しかし、

金融機関が確認するのは利益だけではありません。

現預金はいくらあるのか。

借入金はいくら残っているのか。

毎年どれだけ返済しているのか。

自己資本は積み上がっているのか。

債務超過になっていないか。

こうした数字も確認されます。

例えば、

毎年300万円の利益が出ていても、

現預金がほとんど残っていなければ、

「利益は出ているのに、なぜ現金がないのか」

という疑問が生まれます。

反対に、

利益を確保しながら、

現預金も増え、

借入残高も減り、

純資産も積み上がっている。

この状態なら、

次の融資を検討する際にも説明しやすくなります。

銀行が見る現預金についてはこちら。

不動産投資で銀行が見る「現預金」はいくら必要?融資を受けやすい大家の決算書を徹底解説

 

▪️ローン返済は「現金を純資産へ移している」と考える


不動産投資のローン返済は、

単純な支出として考えるだけでは不十分です。

例えば、

年間200万円の元本を返済したとします。

現金だけを見ると、

200万円減っています。

しかし、

同時に借入残高も200万円減っています。

物件価値が変わらなければ、

その分だけ純資産は増えます。

つまり、

ローン元本返済は、

現金という資産を使って、負債を減らしている

とも考えられます。

この感覚が分かってくると、

毎月のキャッシュフローだけで不動産投資を判断しなくなります。

残債と純資産の関係はこちらでも詳しく解説しています。


不動産投資は「残債を減らすゲーム」?家賃でローンを返しながら純資産を増やす仕組みを徹底解説


▪️それでも現金を軽視してはいけない


ここで、

「それなら現金が増えなくても、ローンが減っていれば問題ない」

と考えるのも危険です。

不動産は、

純資産が増えたからといって、

必要なときにすぐ現金化できるとは限りません。

売却には時間がかかります。

希望する価格で売れるとも限りません。

一方、

税金や修繕費、

ローン返済は待ってくれません。

だからこそ、

資産拡大を目指す場合でも、

一定の現預金を残しながら純資産を増やしていく

ことが重要になります。

利益。

現預金。

借入残高。

純資産。

この4つのバランスを見ることが、

長く不動産を保有していくための基本になります。


▪️次の物件を買える大家は現金と純資産の両方を育てる

 

不動産投資で規模を拡大していくなら、

目指したいのは、

単純に物件数を増やすことではありません。

1棟目から利益を残す。

現預金を積み上げる。

家賃でローンを返す。

借入残高を減らす。

純資産を増やす。

そして、

その状態で次の物件を取得する。

この繰り返しによって、

財務基盤が少しずつ強くなっていきます。

反対に、

物件数だけを増やして、

現金がほとんど残らない状態になれば、

一度の大きな修繕や空室で資金繰りが苦しくなる可能性があります。

不動産投資では、

「何棟持っているか」より「どんな財務状態で持っているか」

の方が重要です。

 

▪️まとめ|利益ではなく「お金と資産がどう動いたか」を見る

 

不動産投資では、

利益が出ているのに現金が増えないことがあります。

しかし、

それだけで投資が失敗しているとは判断できません。

ローン元本の返済によって、

現金が減る一方で、

借入残高が減り、

純資産が増えていることもあるからです。

一方で、

純資産が増えているからといって、

現預金を減らしすぎるのも危険です。

大切なのは、

利益だけを見ることでも、

現金だけを見ることでもありません。

利益

現預金

借入残高

純資産

この4つを毎年確認する。

そして、

前年より財務状態がどう変化したのかを見る。

不動産投資で長期的に資産を増やしていくなら、

この習慣が非常に重要になります。

「今年はいくら儲かったか」

だけではなく、

「今年1年間で自分の純資産はいくら増えたのか」

まで確認する。

この視点を持つことで、

不動産投資の見え方は大きく変わってきます。

 

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