不動産投資の減価償却で融資が不利になる?節税と銀行評価を両立する考え方を徹底解説
- MIRAIU

- 8月10日
- 読了時間: 21分
不動産投資について勉強すると、かなり早い段階で出てくる言葉があります。
それが、
「減価償却」
です。
特に築古物件では、
「減価償却を大きく取れる」
「節税につながる」
といった話を聞くことがあります。
確かに、減価償却費は不動産投資の税金やキャッシュフローを考えるうえで重要です。
しかし、
「減価償却費は大きければ大きいほど得」
と考えてしまうのは注意が必要です。
なぜなら減価償却は、
税金。
利益。
貸借対照表。
建物の帳簿価額。
純資産。
将来の売却。
そして融資。
まで関係するからです。
特に、
2棟目。
3棟目。
5棟目。
と融資を使いながら物件を増やしたい場合は、
「今年いくら節税できるか」だけでなく、「決算書がどうなるか」
まで考える必要があります。
この記事では、不動産投資の減価償却について、基本的な仕組みから銀行融資との関係、築古物件で注意したいポイントまで分かりやすく解説します。
▪️前記事|債務超過と貸借対照表(BS)から読む
減価償却と融資の関係を理解するには、貸借対照表の考え方も重要です。
減価償却によって、
利益。
建物の帳簿価額。
純資産。
などに影響が出るためです。
先にBSと債務超過について確認したい方はこちらから読んでみてください。
不動産投資で債務超過になると融資はどうなる?貸借対照表(BS)の見方と改善方法を徹底解説
▪️決算書クラスター①|融資が続く決算書の全体像はこちら
そもそも銀行が、
PL。
BS。
現預金。
利益。
借入金。
キャッシュフロー。
などをどう見るのか確認したい方はこちらです。
不動産投資で融資が続く決算書とは?銀行が見るポイントと財務改善の考え方を徹底解説
▪️結論|減価償却は「節税」だけで判断しない
不動産投資で減価償却を考えるときに重要なのは、
税金だけを見ないこと
です。
減価償却費を計上すると、会計上の利益を減らす方向に働きます。
利益が小さくなれば、課税所得にも影響する場合があります。
そのため、
「減価償却=節税」
という部分が注目されやすいわけです。
しかし融資を使って不動産を増やしたいのであれば、
利益。
純資産。
現預金。
借入金。
返済能力。
なども重要です。
つまり、
税金を抑えることと、融資を受けやすい財務状態を作ることが、常に同じ方向になるとは限りません。
減価償却は、
今年だけではなく、
数年後まで含めて考える必要があります。
▪️そもそも減価償却とは?
例えば、
収益物件を2,000万円で購入した。
だから今年2,000万円すべてを経費にする。
というわけではありません。
土地は原則として減価償却の対象になりません。
一方、建物などの減価償却資産については、取得価額を一定の方法で使用可能期間にわたって費用化していきます。
例えば、
土地800万円。
建物1,200万円。
という物件なら、減価償却を考える中心になるのは建物部分です。
実際の計算は、
構造。
取得時期。
耐用年数。
取得価額。
償却方法。
などによって異なります。
▪️なぜ土地は減価償却しないのか?
建物は時間の経過によって、
設備が古くなる。
屋根が傷む。
外壁が劣化する。
水回りが古くなる。
など、物理的に劣化していきます。
一方、土地は建物と同じように時間経過によって消耗する資産として扱われないため、原則として減価償却の対象にはなりません。
そのため不動産を購入するときには、
売買価格のうち土地はいくら、建物はいくらなのか
も重要になります。
▪️減価償却の最大の特徴|現金支出と費用計上のタイミングが違う
減価償却を理解するうえで非常に重要なのがここです。
例えば建物を取得したときに1,000万円を支払ったとしても、税務・会計上はその建物部分を複数年にわたって費用化していきます。
つまり、
減価償却費100万円。
↓
その年に100万円を誰かへ支払った。
という意味ではありません。
過去に取得した資産の価値を一定のルールで費用配分しているためです。
これが、不動産投資で、
「利益とキャッシュフローは違う」
と言われる理由の一つです。
▪️減価償却が大きいと何が起こる?
例えば非常に単純化して、
家賃収入600万円。
その他経費200万円。
減価償却前利益400万円。
減価償却費300万円。
なら、
会計上の利益は100万円になります。
一方、
減価償却費が100万円なら、
利益は300万円です。
同じ物件から同じ家賃収入が入っていても、減価償却費によって会計上の利益は変わります。
だから減価償却は、税金を考えるときに注目されます。
▪️「税金が減る=会社が強くなる」ではない
ここが融資を利用する大家にとって重要です。
利益400万円。
税金を支払う。
利益を会社へ残す。
という経営と、
減価償却などによって会計上の利益が非常に小さい。
という決算では、決算書上の見え方が変わります。
もちろん、
減価償却費が大きい=悪い決算。
という意味でもありません。
減価償却は実際の現金支出を伴わない費用であるため、金融機関がその性質を考慮して返済能力を見る場合もあります。
大切なのは、
「減価償却が大きいから銀行融資に有利・不利」と一つの数字だけで決めないこと
です。
▪️減価償却は貸借対照表(BS)にも影響する
減価償却はPLだけの話ではありません。
減価償却を進めると、建物の帳簿価額も減少していきます。
例えば、
建物簿価2,000万円。
↓
減価償却。
↓
1,800万円。
↓
さらに減価償却。
↓
1,600万円。
というように帳簿価額が減っていきます。
一方で借入金も毎月返済していきます。
そのため、
建物簿価が減る速度。
借入残高が減る速度。
利益を積み上げる速度。
などが法人全体のBSに関係します。
▪️減価償却と債務超過はセットで考える
例えば、
減価償却によって建物簿価が大きく減少。
さらに赤字も続いている。
借入残高はまだ大きい。
となれば、純資産が減少していく可能性があります。
だから前記事で解説した、
債務超過
とも関係してきます。
ただし、不動産の帳簿価額と実際の市場価格は同じではありません。
帳簿上の建物価額が低くても、
土地に価値がある。
市場価格が高い。
安定した家賃収入を生んでいる。
という場合もあります。
金融機関の評価方法も一律ではありません。
それでも、
自社の決算書で減価償却がどのように影響しているのか
は把握しておくべきです。
▪️築古物件で減価償却が注目される理由
不動産投資では、
築古木造。
中古アパート。
中古戸建。
などで減価償却の話がよく出てきます。
中古資産では、その資産の状況や税務上のルールに基づいて耐用年数を考える必要があるためです。
その結果、新築とは異なる期間で減価償却するケースがあります。
ここから、
「築古物件は短期間で減価償却できる」
という話につながります。
しかし、
短期間で減価償却できる=必ず得
ではありません。
▪️築古木造なら何でも4年で減価償却できる?
ここは特に注意したいポイントです。
インターネットでは、
「築古木造=4年償却」
という説明を見かけることがあります。
しかし中古資産の耐用年数には税務上のルールがあり、取得した資産の状況によって検討が必要です。
簡便法が使われるケースもありますが、
融資対策や節税目的で好きな年数を自由に設定できるわけではありません。
また、中古資産について使用可能期間を合理的に見積もれる場合の考え方などもあります。
実際の申告では、物件ごとの条件を税理士などへ確認しましょう。
▪️減価償却を短期間に集中させるメリット
適切な税務処理を前提として減価償却費が大きくなる場合、
課税所得を抑える方向に働く可能性があります。
そのため、
取得直後の税負担を抑えたい。
他の所得との関係を考えたい。
キャッシュを残したい。
という場面ではメリットになることがあります。
ただし法人と個人では税務上の考え方も異なります。
単純に、
「減価償却が大きいほど得」
とは考えない方がいいでしょう。
▪️減価償却を短期間に集中させるデメリット
減価償却を短期間で大きく計上すれば、
その期間が終わったあとに減価償却費が小さくなる、あるいはなくなる資産もあります。
すると、
同じ家賃収入。
同じ経費。
でも、
減価償却費が減ったことで利益が増える。
↓
税負担が増える。
ということがあります。
つまり、
減価償却は税金を永久になくす仕組みではありません。
いつ費用化するのか。
という時間軸も重要になります。
▪️売却時まで考えないと本当の損得は分からない
不動産投資では、購入して終わりではありません。
最終的に売却する可能性があります。
減価償却によって建物の帳簿価額が下がれば、売却時の損益計算にも関係します。
例えば、
高く売れた。
でも帳簿価額がかなり下がっていた。
その結果、売却益が大きくなる。
ということもあります。
だから、
購入時。
保有中。
売却時。
まで含めて考える必要があります。
「今年100万円税金が減った」だけでは、不動産投資全体の損得は判断できません。
▪️銀行は減価償却費をどう見る?
金融機関によって審査方法は異なるため、
「銀行は必ずこう見る」
とは言えません。
ただし減価償却費は現金支出を伴わない費用であるため、融資審査でキャッシュフローや返済能力を分析するときに調整して考えられる場合があります。
そのため、
減価償却で赤字。
↓
即、融資不可。
と単純に考える必要はありません。
一方で、
純資産。
現預金。
借入金。
返済能力。
物件収益。
なども合わせて確認されます。
重要なのは、
減価償却による赤字なのか、本業そのものが赤字なのか
を説明できることです。
▪️次記事④|赤字決算と融資の関係はこちら
例えば、
減価償却で赤字になった。
大規模修繕で赤字になった。
空室増加で赤字になった。
この3つは同じ「赤字」でも内容が違います。
次の記事では、
赤字決算になった不動産法人を銀行がどう見るのか
をさらに深掘りします。
不動産賃貸業が赤字決算になったら融資は止まる?銀行への説明と決算書で確認したいポイント
▪️築古物件では「購入価格+リフォーム+減価償却」で考える
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築古不動産を購入するとき、
物件価格500万円。
利回り20%。
だけを見るのは危険です。
実際には、
物件価格。
購入諸費用。
リフォーム費用。
年間家賃。
維持費。
借入返済。
減価償却。
まで考える必要があります。
特に築古物件は、購入後の修繕費によって投資総額が大きく変わります。
購入前にリフォーム費用も確認し、実際にいくら投資することになるのか計算してみましょう。
▶ 中古住宅・収益物件のリフォーム費用を確認する
▪️不動産投資を始めるなら税金だけで物件を選ばない
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不動産投資では、
「節税になる物件」
という言葉に魅力を感じることがあります。
しかし本来、不動産投資で重要なのは、
安定して家賃が入る。
適切な価格で購入する。
修繕費を管理する。
借入を返済する。
最終的に利益を残す。
ことです。
税金は重要ですが、
税金を減らすために収益性の低い不動産を買う
となれば本末転倒です。
物件選び・融資・収支・出口まで含めて不動産投資を検討しましょう。
▶ 不動産投資について詳しく確認する
▪️節税と融資、どちらを優先するべき?
不動産投資を続けていると、
「税金をできるだけ減らしたい」
という考えと、
「銀行から次の融資を受けたい」
という考えが同時に出てきます。
ここで難しいのが、
節税と融資対策が必ず同じ方向を向くとは限らない
という点です。
例えば、税負担だけを考えれば、適切な範囲で経費や減価償却費を計上し、課税所得を抑えたいと考えるでしょう。
しかし融資を使って規模を拡大したい場合、
毎年ほとんど利益が残っていない。
純資産も増えていない。
現預金も少ない。
という決算が続くことが、本当に自分の投資戦略に合っているのかは別問題です。
重要なのは、
「税金を最小化すること」ではなく、「税引後で資産を増やしていくこと」
です。
▪️税金を払うこと自体を失敗と考えない
不動産投資では、
税金100万円。
と聞くと、
「100万円も取られた」
と感じるかもしれません。
しかし、利益が出た結果として税金が発生しているのであれば、
税金だけを切り取って判断するべきではありません。
もちろん合法的・適切な節税を考えることは重要です。
ただ、
100万円の税金を減らすために、
収益性の低い物件を買う。
必要のない設備を購入する。
無理に経費を増やす。
となれば、本末転倒です。
税金を払ってでも会社に利益と現金が残る方が良いケースは当然あります。
▪️融資を使って拡大したいなら「利益を残す」という考え方も必要
金融機関が融資を検討するときには、
利益。
現預金。
借入金。
純資産。
返済能力。
所有不動産。
代表者の状況。
など、さまざまな情報を確認します。
だから、
「節税できたから今年の利益はほぼゼロです」
という決算を毎年繰り返すことが、自分の目指す経営と一致しているかは考える必要があります。
特に法人で、
5棟。
10棟。
20棟。
と増やしたいなら、
単年度の節税だけではなく、
3年後、5年後の貸借対照表まで意識する
ことが重要です。
▪️減価償却費と借入元本返済を混同しない
ここは不動産投資初心者が混乱しやすいところです。
減価償却費は、
会計上の費用。
一方、借入金の元本返済は、
原則として経費ではありません。
例えば毎月30万円のローン返済があったとしても、
30万円すべてが経費になるわけではありません。
返済額には、
元本。
利息。
が含まれています。
一般的に、利息部分は一定の要件のもと費用になりますが、元本返済は借りたお金を返しているため、費用ではなく負債が減少します。
▪️利益が出ているのに現金が減ることがある理由
例えば非常に単純化して、
家賃収入600万円。
経費200万円。
減価償却100万円。
会計上の利益300万円。
だったとします。
しかし年間の借入元本返済が350万円あれば、
利益300万円だから現金も300万円増える。
とはなりません。
さらに、
税金。
修繕。
設備投資。
などの支出もあります。
そのため、
PL上は黒字なのに通帳の現金が増えない
ということが起こります。
▪️逆に赤字でも現金が残ることがある
反対に、
減価償却費が非常に大きい。
↓
会計上は赤字。
しかし減価償却そのものでは、その年に同額の現金支出が発生していない。
というケースがあります。
だから、
赤字=現金が減っている。
黒字=現金が増えている。
とは限りません。
不動産投資では、
利益とキャッシュフローを別々に確認すること
が非常に重要です。
▪️減価償却後のキャッシュフローを見る
不動産経営で確認したいのは、
家賃収入はいくらか。
実際の運営経費はいくらか。
借入返済はいくらか。
税金はいくらか。
修繕はいくらか。
そして、
最終的に現金がいくら残ったのか
です。
例えば表面利回り15%でも、
返済期間が短い。
金利が高い。
修繕費が多い。
空室率が高い。
となれば、手元にほとんど現金が残らない可能性があります。
だから、
表面利回りだけで物件を判断しない
ことが大切です。
▪️減価償却が終わった後までシミュレーションする
築古物件を購入するときには、
購入直後の数年間だけを見るのではなく、
減価償却費が小さくなった後。
借入残高。
修繕。
売却。
まで考えてみましょう。
例えば、
購入後4年間は減価償却費が大きい。
5年目以降は大幅に小さくなる。
というケースなら、
5年目以降に課税所得が増える可能性があります。
一方で、その頃には借入元本も減っています。
家賃収入が維持できているかもしれません。
あるいは、
大規模修繕の時期が近づいているかもしれません。
だからこそ、
購入時点で5年後、10年後まで簡単な収支を作っておく
ことが重要です。
▪️「減価償却が終わったら売る」で本当にいい?
築古不動産では、
「減価償却が終わったら売却する」
という戦略もあります。
しかし、これも税金だけで判断するべきではありません。
例えば、
減価償却は終わった。
でも満室。
家賃収入も安定。
残債もかなり減っている。
大規模修繕も済んでいる。
という物件なら、保有を続ける選択肢もあります。
反対に、
空室が増加。
修繕費が増加。
地域需要が低下。
高値で売却できるタイミング。
なら、売却を検討する価値があります。
重要なのは、
減価償却期間ではなく、物件そのものの収益性と将来性を見ること
です。
▪️減価償却と売却益の関係を忘れない
減価償却を進めれば、建物の帳簿価額は減少します。
その状態で物件を売却すると、売却価額と帳簿価額などとの差によって売却損益が発生します。
そのため、
「保有中に減価償却をたくさん取れた」
だけで投資全体の税負担を判断することはできません。
保有期間中。
売却時。
まで含めて考える必要があります。
特に高額な不動産を売却するときは、事前に税理士などへ相談し、売却後の手残りを確認しておきましょう。
▪️銀行へ減価償却についてどう説明する?
例えば決算書が赤字だったとします。
金融機関から、
「今期は赤字ですね」
と言われた。
そのとき、
「減価償却があるので赤字です」
だけでは十分ではありません。
自分で、
家賃収入はいくらだったのか。
実際の運営利益はいくらなのか。
減価償却費はいくらなのか。
借入返済はいくらなのか。
現預金はいくら増減したのか。
を説明できるようにしておきたいところです。
例えば、
「会計上は100万円の赤字ですが、減価償却費が300万円あります。家賃収入は前年より増えており、現預金も増加しています」
というように、
赤字の中身を説明する
ことが重要です。
▪️銀行が確認しやすい資料を準備する
決算書だけでは物件ごとの状況が分かりにくいことがあります。
そこで、
物件一覧。
家賃一覧。
入居率。
年間家賃収入。
借入一覧。
残債。
年間返済額。
修繕履歴。
などを整理しておくと、自分自身も経営状況を把握しやすくなります。
物件が増えてきたら、
「決算書+物件別収支+借入一覧」
をセットで管理すると便利です。
▪️やってはいけない考え方① 減価償却年数を自由に決める
融資を受けたいから長くする。
節税したいから短くする。
というように、都合だけで耐用年数を決めることはできません。
中古資産には税務上の取り扱いがあります。
物件の構造や状況などによっても検討が必要になるため、
「ネットで4年と書いてあった」
だけで申告するのは避けましょう。
税理士などへ確認し、適切な処理を行うことが前提です。
▪️やってはいけない考え方② 節税額だけで物件を買う
「この物件を買えば節税できます」
と言われると魅力的に感じます。
しかし、
空室だらけ。
修繕費が高い。
購入価格が高い。
売却しにくい。
借入返済が重い。
なら、節税以前に投資として問題があります。
不動産投資の基本は、
収益を生む資産を適切な価格で取得すること
です。
▪️やってはいけない考え方③ 赤字なら税金ゼロだから得だと思う
税金が少ない。
だから得。
とは限りません。
本業そのものが赤字なら、会社の現金や純資産が減少している可能性があります。
減価償却による会計上の赤字と、
家賃収入だけでは運営費・返済を賄えない赤字。
は全く意味が違います。
赤字の原因を必ず確認しましょう。
▪️やってはいけない考え方④ 税理士に全部任せる
税務申告を専門家へ依頼することと、
経営者が自社の数字を知らなくていいことは別です。
少なくとも、
年間家賃収入。
年間利益。
減価償却費。
現預金。
借入残高。
純資産。
年間元本返済。
くらいは把握しておきたいところです。
数字が分かれば、
次の物件を買っていいのか。
今は現金を貯めるべきなのか。
売却すべき物件はないか。
といった経営判断もしやすくなります。
▪️減価償却だけでなく資産全体のバランスを見る
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
資産形成では、
税金。
利回り。
だけを見るのではなく、
現預金。
不動産。
借入金。
純資産。
将来必要になる資金。
まで含めて考えることが重要です。
不動産投資は融資を利用できることが大きな特徴ですが、その分、資産と負債の両方が大きくなります。
自分が、
どれだけ資産を持っているのか。
どれだけ負債があるのか。
純資産はいくらなのか。
を定期的に確認してみましょう。
▶ 資産形成について詳しく確認する
▪️不動産投資で減価償却を考えるときのチェックポイント
物件購入前には、最低限、
・土地と建物の価格はどうなっているか
・建物の構造は何か
・築年数は何年か
・税務上どのような耐用年数になるのか
・年間減価償却費はいくらになる見込みか
・減価償却後の利益はいくらか
・借入元本返済はいくらか
・税引後に現金はいくら残るか
・減価償却が小さくなった後はどうなるか
・将来いくらで売却できそうか
・売却時の税負担はどうなるか
まで確認してみましょう。
「利回り20%だから買う」から、「税引後・返済後・修繕後にいくら残るから買う」へ。
ここまで考えられるようになると、物件を見る視点がかなり変わります。
▪️次記事④|赤字決算になったら融資は止まる?
減価償却を理解したら、次に確認したいのが、
赤字決算と融資
です。
赤字といっても、
減価償却による赤字。
大規模修繕による一時的な赤字。
空室による赤字。
そもそも物件収益が悪い赤字。
では意味が違います。
金融機関へ何を説明するべきなのかまで、次の記事で詳しく解説します。
不動産賃貸業が赤字決算になったら融資は止まる?銀行への説明と決算書で確認したいポイント
▪️よくある質問
Q. 減価償却をすると現金が減りますか?
減価償却費そのものは、その年に同額の現金を支払う費用ではありません。
ただし物件取得時には当然購入資金が必要です。
会計上の費用と実際の現金支出を分けて考えましょう。
Q. 減価償却が大きいと融資に不利ですか?
一概にはいえません。
金融機関によって審査方法は異なり、減価償却費だけでなく、現預金、純資産、借入金、物件収益、返済能力なども含めて判断されます。
Q. 減価償却で赤字になったら融資は受けられませんか?
赤字だから必ず融資不可とは限りません。
重要なのは、なぜ赤字になっているのかを説明できることです。
赤字決算と融資についてはこちらで詳しく解説します。
不動産賃貸業が赤字決算になったら融資は止まる?銀行への説明と決算書で確認したいポイント
Q. 築古木造なら必ず4年で減価償却できますか?
必ずとは限りません。
中古資産の耐用年数には税務上のルールがあります。
個別物件の取り扱いは税理士などへ確認してください。
Q. 減価償却が終わったら物件を売った方がいいですか?
減価償却が終わったことだけで売却を決める必要はありません。
家賃収入、修繕、残債、市場価格、将来需要、売却後の手残りなどを総合的に判断しましょう。
Q. 減価償却とローン元本はどちらも経費ですか?
違います。
減価償却費は会計上の費用ですが、借入金の元本返済は原則として経費ではありません。
この違いが、利益とキャッシュフローが一致しない大きな理由の一つです。
Q. 節税と融資ならどちらを優先するべきですか?
今後の投資方針によって変わります。
特に融資を利用して物件を増やしたい場合は、単年度の税負担だけではなく、利益、現預金、純資産、借入残高などを含めた中長期的な財務状態を見ることが重要です。
▪️まとめ|減価償却は「節税テクニック」ではなく経営の数字として考える
不動産投資では、
減価償却=節税。
という部分が注目されがちです。
しかし実際には、
利益。
税金。
キャッシュフロー。
貸借対照表。
純資産。
融資。
そして売却。
までつながっています。
だから、
「今年いくら税金が減るか」だけで減価償却を判断しないこと。
が重要です。
特に融資を使って物件を増やしたいなら、
減価償却後の利益はいくらか。
現金はいくら残るのか。
元本返済はいくらか。
純資産は増えているか。
減価償却が小さくなった後はどうなるか。
売却したらいくら残るのか。
まで考える。
そして、
適切な税務処理をする。
本業で利益を出す。
現金を残す。
借入を返済する。
純資産を積み上げる。
という経営を続けていく。
節税できる物件を探すのではなく、税引後でも資産が増えていく物件を探す。
この視点が、不動産投資を長く続けていくうえで重要になります。
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