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不動産投資で黒字なのに現金が増えないのはなぜ?大家が見落とすキャッシュフローの仕組み

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月12日
  • 読了時間: 37分

不動産投資をしていると、

「決算では利益が出ている」

「満室で家賃も入っている」

「毎月きちんとローンも返済している」

それなのに、

なぜか銀行口座の現金が増えていない。

こんな状態になることがあります。

年間家賃収入800万円。

決算上の利益200万円。

それなら、

「少なくとも200万円くらい現金が増えているはず」

と思うかもしれません。

しかし実際には、

前年末の預金500万円。

今年末の預金450万円。

ということもあります。

利益が出ているのに現金は50万円減っている。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

理由は、

「利益」と「現金」はまったく同じものではないからです。

特に不動産投資では、

ローン元金返済。

物件購入。

リフォーム。

設備交換。

税金。

敷金。

減価償却。

などによって、帳簿上の利益と実際の現金が大きくズレることがあります。

そして2棟目、3棟目と資産を拡大したい大家にとって、この違いを理解することは非常に重要です。

今回は、

不動産投資で黒字なのに現金が増えない理由

を中心に、

PL。

BS。

キャッシュフロー。

ローン返済。

減価償却。

現預金。

そして次の融資まで詳しく解説します。


▪️まず「利益」と「現金」は別物と考える


例えば、

年間家賃収入1,000万円。

管理費・修繕費・税金などの経費700万円。

利益300万円。

だったとします。

単純に考えると、

「300万円儲かった」

ということになります。

しかし、

300万円利益が出た=銀行口座に300万円増える

とは限りません。

なぜなら、PLに計上される利益と実際のお金の動きにはタイミングや会計処理の違いがあるからです。


▪️PLは「儲かったか」を見るもの


PLとは、

損益計算書

のことです。

一定期間に、

いくら売上があったか。

いくら経費がかかったか。

最終的にいくら利益が出たか。

を確認するものです。

不動産賃貸業なら、

家賃収入。

駐車場収入。

その他収入。

から、

管理費。

修繕費。

固定資産税。

保険料。

減価償却費。

借入金利息。

その他経費。

などを差し引いて利益を計算します。

つまりPLは、

賃貸経営で利益が出ているかを見る重要な成績表

です。


▪️しかしPLだけでは現金残高は分からない


例えば、

PLでは利益300万円。

しかし銀行口座を見ると100万円しか増えていない。

このようなことがあります。

反対に、

PLでは赤字100万円。

でも銀行口座の現金は増えている。

というケースもあります。

だから、

PLだけ見ても資金繰りのすべては分かりません。

不動産投資では特に、

BS。

現預金。

借入残高。

キャッシュフロー。

まで確認する必要があります。


▪️BSは「今何を持ち、いくら借りているか」を見る


BSとは、

貸借対照表

です。

簡単にいえば、

ある時点で、

現金はいくらあるのか。

不動産はいくらあるのか。

借入はいくら残っているのか。

純資産はいくらあるのか。

を確認するものです。

不動産投資では、

PLが一年間の成績表なら、BSは現在の財務状態

と考えると分かりやすくなります。


▪️利益が出たお金はどこへ行ったのか?


例えば、

年間利益300万円。

なのに、

現預金は50万円しか増えていない。

では残り250万円はどこへ行ったのでしょうか。

その答えを探すためにBSを確認します。

例えば、

借入残高が200万円減っている。

設備が50万円増えている。

なら、

利益によって生まれた現金が、

借入返済や資産購入に変わった

可能性があります。

つまり、

現金が消えたのではなく、

別の場所へ移動している

ということです。


▪️不動産投資で最も大きいのがローン元金返済


不動産投資で利益と現金がズレる代表的な原因が、

ローン元金返済

です。

例えば毎月のローン返済が30万円。

年間360万円。

だったとします。

しかし360万円すべてが経費になるわけではありません。

ローン返済は、

元金返済+利息

に分かれます。

例えば、

元金300万円。

利息60万円。

なら、

経費になるのは基本的に利息60万円。

元金300万円は経費ではありません。


▪️元金返済は現金が出るのに利益を減らさない


ここが非常に重要です。

年間利益300万円。

年間元金返済300万円。

なら、

PLでは300万円黒字でも、

単純化するとその利益分の現金が元金返済に使われることがあります。

だから、

黒字なのに現金が増えない。

という状態が起こります。

不動産投資では、

「利益はいくらか」

だけでなく、

「年間元金返済はいくらか」

を必ず確認します。


▪️元金返済は無駄に消えているわけではない


ここで、

「300万円も現金がなくなるなら損では?」

と思うかもしれません。

しかし元金返済によって、

借入残高が減っています。

例えば、

借入5,000万円。

1年後4,700万円。

なら、

300万円負債が減っています。

現金は300万円出ていますが、

その分、借金も300万円減っている

ということです。


▪️現金が増えなくても純資産が増えていることがある


例えば、

年間CFはほぼゼロ。

しかし、

年間元金返済300万円。

物件価値5,000万円を維持。

借入残高5,000万円。

4,700万円。

となれば、単純化すると物件価値と借入の差は、

0円。

300万円。

へ改善します。

つまり、

現金は増えていなくても純資産は増えている

可能性があります。


残債と純資産について詳しくはこちら。

不動産投資は「残債を減らすゲーム」?家賃でローンを返しながら純資産を増やす仕組みを徹底解説


▪️ただし純資産が増えても現金不足は起こる


ここが不動産投資で注意したいところです。

物件価値5,000万円。

借入4,000万円。

純資産相当1,000万円。

だったとしても、

銀行口座に現金50万円しかない。

ということはあります。

この状態で、

給湯器交換20万円。

退去修繕50万円。

外壁修繕200万円。

となれば、資金繰りが苦しくなります。

つまり、

純資産があることと、今支払える現金があることは別問題

です。


▪️「資産家なのに現金がない」は普通に起こる


不動産を1億円持っている。

借入7,000万円。

単純な差額3,000万円。

だから資産はある。

しかし、

現預金100万円。

という状態なら、急な支出への対応力は高くありません。

不動産は資産ですが、

税金や修繕費の支払いに、そのまま使えるわけではありません。

だから不動産投資では、

資産額と現預金を分けて考える

必要があります。


▪️黒字でも現金が減るもう一つの原因が物件購入


例えば、

年間利益500万円。

その年に新しい物件を購入。

自己資金400万円。

諸費用200万円。

合計600万円を現金で支払った。

この場合、

利益が出ていても現預金は減る可能性があります。

しかし、

600万円がすべて「消えた」わけではありません。

一部は、

不動産。

取得関連資産。

などへ形を変えています。

現金が資産へ変わった

という見方も必要です。


▪️次の物件を買うたびに現金が減ることもある


資産拡大期では、

1棟目。

現金を貯める。

2棟目購入。

現金が減る。

また貯める。

3棟目購入。

という流れになります。

そのため、

物件数。

家賃売上。

総資産。

は増えているのに、

銀行口座の現金はなかなか増えない

ということがあります。

これは必ずしも悪い状態ではありません。

重要なのは、

何に現金を使った結果、減っているのか

を把握していることです。


▪️良い現金減少と危険な現金減少を分ける


例えば、

現金500万円減少。

その理由が、

収益物件を購入した。

必要なリフォームをした。

借入元金を返済した。

という場合。

一方、

現金500万円減少。

その理由が、

空室赤字。

過剰な経費。

想定外の修繕。

生活費への流用。

という場合。

同じ500万円減少でも意味がまったく違います。

だから、

現金が減った=悪い

ではなく、

なぜ減ったのか

を見ることが重要です。


▪️リフォームでも利益と現金がズレることがある


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

例えば築古物件を購入し、

300万円リフォーム。

現金300万円支払い。

となれば、銀行口座からは300万円減ります。

しかし会計上、その300万円がすべてその年の経費になるとは限りません。

工事内容によっては、

修繕費。

資本的支出。

など取り扱いが異なる場合があります。

つまり、

現金300万円減少=利益300万円減少

とは限りません。


築古物件のリフォームを検討している方はこちら。


▪️設備を買ったときも現金と利益はズレる


例えば、

100万円の設備を現金で購入。

銀行口座から100万円減少。

しかし、その設備が固定資産として計上される場合、

購入した年に100万円全額が経費になるとは限りません。

数年間にわたって、

減価償却

によって費用化されることがあります。

そのため、

現金は100万円減った。

でもPL上の費用は20万円。

というようなズレが起こります。


▪️減価償却は逆方向のズレも生む


減価償却費は、

実際にその年に同額の現金を支払っていなくても費用になります。

例えば、

減価償却費200万円。

なら、

PLでは200万円費用になります。

しかし、その年に銀行口座から200万円出ていくわけではありません。

つまり、

利益は200万円減るのに現金は減らない

ということが起こります。


▪️不動産投資では減価償却と元金返済をセットで見る


不動産投資では、

減価償却費。

ローン元金返済。

の両方が大きいため、利益と現金が複雑になります。

例えば、

利益200万円。

減価償却費300万円。

元金返済400万円。

というケース。

単純化すると、

利益に減価償却費を戻した資金と、実際に支払う元金返済との差を見る必要があります。

だから、

PLだけでは実際の資金繰りを判断しにくい

のです。


減価償却と融資について詳しくはこちら。

不動産投資の減価償却で融資が不利になる?節税と銀行評価を両立する考え方を徹底解説


▪️減価償却が大きければ赤字でも現金が残ることがある


例えば、

PL上の利益▲100万円。

減価償却費300万円。

なら、

帳簿上は赤字でも、減価償却はその年に現金が出ていない費用です。

そのため、

赤字=現金が減っている

とは限りません。

これが不動産投資で、

利益だけでは経営状態を判断できない理由の一つです。


▪️逆に黒字でも元金返済が大きければ現金は残らない


例えば、

利益300万円。

減価償却100万円。

元金返済500万円。

なら、実際の現金余力は厳しくなる可能性があります。

特に、

融資期間が短い。

借入額が大きい。

元金返済が速い。

という物件では、

PLは黒字なのにCFが少ない

ということが起こります。


▪️高利回りでも現金が残るとは限らない


例えば、

表面利回り12%。

かなり高利回り。

しかし、

融資期間10年。

返済額が大きい。

修繕費も多い。

となれば、毎月の手残りがほとんどないことがあります。

だから物件選びでは、

利回りだけでなく、

年間返済後にいくら現金が残るのか

まで確認します。


詳しくはこちら。

不動産投資は利回りだけで選ぶと危険?銀行評価と出口から考える物件選び


▪️利益が出ていても税金で現金は減る


利益が出れば、

所得税。

住民税。

法人税等。

などの税負担が発生する場合があります。

さらに不動産では、

固定資産税。

不動産取得税。

などもあります。

決算時点では利益が出ている。

しかし数か月後に税金を支払う。

すると、

決算直後より現預金が大きく減る

ことがあります。

だから利益が出たからといって、すぐに現金を使わないことが重要です。


▪️税金を払う現金を先に確保する


例えば、

決算時現預金500万円。

税金100万円。

固定資産税50万円。

修繕予定100万円。

なら、

自由に使える現金は500万円ではありません。

最低でも250万円は支払い予定があります。

つまり、

銀行口座残高=使えるお金

ではありません。

▪️節税だけを優先すると現金が減ることもある

税金を減らしたい。

経費を使う。

利益が減る。

税金が減る。

これは一つの考え方です。

しかし、

100万円使って税金を30万円減らしたとしても、

現金は差し引き70万円減っています。

必要な支出なら問題ありません。

しかし、

税金を減らすためだけに現金を減らす

ことが資産拡大に有利とは限りません。

節税と融資について詳しくはこちら。

不動産投資で節税を優先すると融資が止まる?赤字・減価償却と銀行評価の注意点


▪️利益より先に「年間で現金がいくら増えたか」を見る


例えば、

前年末現預金500万円。

今年末現預金650万円。

なら、

年間で150万円増えています。

一方、

PL利益300万円。

でも現預金は、

500万円。

400万円。

なら100万円減っています。

この場合、

利益300万円なのになぜ現金が100万円減ったのか

を調べます。

その答えが、

元金返済。

物件取得。

修繕。

税金。

などにあります。


▪️銀行口座の増減は嘘をつかない


会計には、

減価償却。

未払金。

前払費用。

固定資産。

などさまざまな処理があります。

しかし銀行口座はシンプルです。

去年500万円。

今年700万円。

なら200万円増えた。

去年500万円。

今年300万円。

なら200万円減った。

まずこの事実を確認します。

そのうえで、

なぜ増えたのか、なぜ減ったのか

をPLとBSから確認します。


▪️現預金について詳しく確認する


次の物件を購入したい場合、

現預金は非常に重要です。

自己資金。

諸費用。

修繕予備費。

税金。

空室への備え。

などに現金が必要になります。

さらに金融機関へ次の融資を相談するときも、財務内容の一つとして現預金を確認されることがあります。

詳しくはこちら。

不動産投資で銀行が見る「現預金」はいくら必要?融資を受けやすい大家の決算書を徹底解説


▪️家賃収入が入ったからといって使い切らない


年間CF200万円。

これを全部生活費に使えば、翌年の現預金は増えません。

一方、

200万円を残す。

次の自己資金へ。

2棟目購入。

家賃収入増加。

という流れを作ることもできます。

資産拡大期では、

家賃収入をどう使うか

も重要な経営判断です。


詳しくはこちら。

不動産投資の家賃収入は使わない方がいい?現金を残して次の物件につなげる資金戦略


▪️黒字でも現預金が減り続けるなら原因を調べる


1年だけ現金が減った。

理由は新しい物件を購入したから。

なら説明できます。

しかし、

1年目▲100万円。

2年目▲200万円。

3年目▲300万円。

と毎年現金が減っている。

しかも物件取得もしていない。

となれば注意が必要です。

本業の賃貸経営で本当に現金を生み出せているのか

を確認する必要があります。


▪️満室でも資金繰りが悪いことはある


満室だから安心。

とも限りません。

例えば、

家賃50万円。

ローン35万円。

管理・経費10万円。

毎月5万円残る。

しかし、

年間固定資産税50万円。

年間修繕50万円。

なら、

毎月の5万円×12か月=60万円。

そこから100万円支出。

年間では▲40万円です。

つまり、

満室でも年間CFは赤字

ということがあります。


▪️月次ではなく年間で見る


不動産投資では、

毎月の家賃。

毎月の返済。

だけを見ると順調に見えることがあります。

しかし、

固定資産税。

保険。

退去修繕。

設備交換。

税金。

などは毎月均等に発生しません。

だから、

1年間で最終的にいくら現金が増えたのか

を見る必要があります。


▪️さらに3年間で見る


不動産では修繕時期によって年間CFが大きく変わります。

1年目+200万円。

2年目+180万円。

3年目▲300万円。

3年目に外壁修繕。

ということもあります。

1年だけを見ると判断を誤る可能性があります。

そのため、

複数年で現金が増えているか

を見ることも重要です。


▪️黒字でも現金がない状態が一番怖い


決算書では黒字。

物件もある。

家賃も入っている。

しかし現預金がほとんどない。

この状態で、

大規模修繕。

複数退去。

税金。

金利上昇。

などが重なると、資金繰りが急激に悪化する可能性があります。

不動産賃貸業では、

利益を出すことと現金を残すことの両方

が重要です。


▪️利益・現金・純資産を3つに分けて考える


不動産投資では、

利益

PL上でどれだけ儲かったか。

現金

今すぐ使える資金がいくらあるか。

純資産

資産から負債を差し引いてどれだけ価値が残っているか。

この3つを分けて考えます。

理想は、

利益が出る。

現金が増える。

残債が減る。

純資産が増える。

という状態です。


▪️ただし毎年すべて増える必要はない


物件を購入した年なら現金が減る。

大規模修繕した年なら利益や現金が減る。

繰上返済した年なら現金が減って借入も減る。

このように、戦略的に数字が動くことがあります。

だから、

数字が減ったことではなく、その理由を説明できるか

が重要です。


▪️次の融資では「黒字です」だけでは足りない


金融機関へ次の融資を相談するとき、

「うちは黒字です」

だけでは会社の状態すべてを説明できません。

例えば、

利益300万円。

現預金1,500万円。

借入残高が順調に減少。

純資産も増加。

という会社と、

利益300万円。

現預金50万円。

借入残高が大きい。

では状況が違います。

金融機関によって審査基準は異なりますが、

PL・BS・借入・現預金などを総合的に見られる

と考えておく必要があります。


▪️決算書を「税金を計算する書類」だけにしない


大家にとって決算書は、

税理士が作るもの。

税金を計算するもの。

銀行に提出するもの。

だけではありません。

自分自身が、

どれだけ儲かったか。

現金は増えたか。

借金は減ったか。

純資産は増えたか。

を確認する経営資料です。

決算書を読めるようになると、不動産投資の見え方が変わります。


▪️PLだけでなくBSを見る習慣をつける


例えば毎年決算後に、

売上。

営業利益。

経常利益。

現預金。

不動産。

借入残高。

純資産。

を前年と比較します。

これだけでも、

「今年は売上が増えた」

だけではなく、

会社そのものが強くなったのか

を確認できます。


▪️借入が増えても悪いとは限らない


例えば、

借入5,000万円。

1億円。

一見すると借金が5,000万円増えています。

しかし、

その借入によって収益不動産を購入。

家賃売上が増加。

利益も増加。

現預金も確保。

となれば、事業規模が拡大しています。

重要なのは、

借入だけを見るのではなく、その借入で何を増やしたか

です。


借入と資産拡大について詳しくはこちら。

不動産投資で借入を増やすのは危険?融資を活用して資産を拡大する貸借対照表の考え方


▪️借入を減らしすぎて現金不足になることもある

借金を減らしたい。

という考えから、

現預金1,000万円。

800万円繰上返済。

現預金200万円。

となれば、借入は減ります。

しかし急な修繕に使える現金も減ります。

だから、

借入を減らすことと現金を残すことのバランス

が重要です。


詳しくはこちら。

不動産投資で現金を残すべき?繰上返済するべき?次の融資につながる資金戦略を徹底解説


▪️資金繰りでは「現金が何か月持つか」を考える


例えば、

現預金600万円。

毎月ローン返済30万円。

その他固定支出10万円。

なら、

家賃収入が一時的に減っても一定期間耐えられます。

一方、

現預金50万円。

毎月固定支出40万円。

なら、少しのトラブルでも資金繰りに影響します。

だから、

現預金の金額だけでなく固定支出との比率

を見ることが重要です。


▪️現金は次の投資機会を掴むためにも必要


良い物件が出た。

銀行も融資可能。

でも自己資金がない。

これでは購入できません。

つまり現金は、

守り。

だけではなく、

次の物件を買うための攻めの資金

でもあります。

だから資産拡大期では、利益を出すだけでなく現預金を積み上げることが重要になります。


▪️1棟目の資金繰りが2棟目につながる


1棟目を購入。

家賃収入。

利益。

現金を残す。

返済実績を作る。

残債を減らす。

次の融資相談。

この流れを作ります。

1棟目で現金を生み出せなければ、2棟目の自己資金を作るスピードも遅くなる可能性があります。


1棟目の考え方について詳しくはこちら。

不動産投資は1棟目で決まる?次の融資につながる物件選びと資産拡大の考え方


▪️資産拡大では「利益が出た」で終わらない


不動産投資で確認したいのは、

利益が出た。

だけではありません。

その利益によって、

現預金はいくら増えたのか。

借入はいくら減ったのか。

純資産はいくら増えたのか。

次の投資余力はいくら増えたのか。

まで確認します。

つまり、

利益を資産へ変えていくところまでが資産形成

です。


▪️黒字なのに現金が増えないときは原因を一つずつ探す


まず、

前年の現預金。

今年の現預金。

を比較します。

次に、

利益。

元金返済。

設備購入。

物件購入。

リフォーム。

税金。

その他大きな支出。

を確認します。

すると、

現金がどこへ移動したのか

が見えてきます。

「なんとなくお金が減った」

という状態をなくすことが、資金繰り改善の第一歩です。


▪️黒字でも現金が減っているならキャッシュフローを見る


ここまで、

PL。

BS。

現預金。

借入残高。

を見てきました。

さらに資金の流れを詳しく確認するなら、

キャッシュフロー

という考え方が重要になります。

簡単にいえば、

「実際に現金がどこから入って、どこへ出ていったのか」

を見るものです。

利益が300万円出ている。

それなのに現金が100万円減っている。

この400万円の差がどこで生まれたのか。

それを把握できるようになると、不動産賃貸業の資金繰りがかなり見えやすくなります。


▪️キャッシュフローは大きく3つに分けて考える


会社の現金の動きは、大きく、

営業による現金の動き

投資による現金の動き

財務による現金の動き

に分けて考えることができます。

不動産賃貸業に置き換えると分かりやすくなります。


▪️営業キャッシュフローは「本業で現金を稼げているか」


不動産賃貸業なら、

家賃収入。

駐車場収入。

管理費収入。

などから現金が入ります。

一方で、

管理費。

清掃費。

修繕費。

保険料。

税金。

その他運営費。

などが出ていきます。

ここで重要なのは、

物件を普通に運営して、本業から現金を生み出せているか

ということです。


▪️営業キャッシュフローが安定してプラスなら強い


例えば、

年間家賃収入1,000万円。

実際の現金支出700万円。

本業から300万円の現金を生み出している。

この状態なら、その300万円を、

修繕。

借入返済。

次の物件取得。

現預金の積み増し。

などに使えます。

資産拡大を続けるなら、

まず本業で現金を生み出す力を作る

ことが基本になります。


▪️投資キャッシュフローがマイナスでも悪いとは限らない



不動産を購入すれば、多額の現金が出ていきます。

例えば、

自己資金500万円。

諸費用300万円。

リフォーム200万円。

合計1,000万円。

現金が減ります。

しかし、

その1,000万円によって新しい収益物件を取得し、翌年から家賃収入が増えるのであれば、

将来の収益を作るための現金流出

とも考えられます。


▪️資産拡大期は現金が大きく動く



例えば、

1棟目で年間300万円現金を作る。

3年間で900万円。

2棟目購入で800万円使う。

すると、

3年間順調に現金を貯めていたのに、一気に銀行口座残高が減ります。

しかし、

2棟目から年間200万円のCFが増える。

なら、

1棟目300万円。

2棟目200万円。

=年間500万円。

と、将来の現金創出力が大きくなる可能性があります。

つまり、

現金残高だけを一時点で見るのではなく、現金を使って何を作ったのか

を見ることが重要です。


▪️財務キャッシュフローでは借入と返済を見る


不動産投資では金融機関から融資を受けます。

例えば、

新規借入5,000万円。

なら、会社の銀行口座に大きな現金が入ります。

しかしこれは、

利益ではありません。

借入によって現金と負債が同時に増えています。

反対に、

元金返済300万円。

なら、

現金300万円減少。

借入300万円減少。

となります。

これもPL上の利益とは別の動きです。


▪️融資を受けた年に現金が増えても儲かったわけではない


例えば、

前年現預金500万円。

今年現預金3,000万円。

2,500万円増加。

だけを見ると、かなり儲かったように見えます。

しかし、

新規借入3,000万円。

だったとしたら話は違います。

現金は増えましたが、

同時に借金も増えています。

だから、

現預金だけでも会社の状態は判断できません。



▪️PL・BS・キャッシュフローをつなげて考える


不動産投資では、

PLだけを見る。

BSだけを見る。

現預金だけを見る。

のではなく、それぞれをつなげます。

PLでは、

今年いくら利益を出したか。

BSでは、

今いくら資産と負債があるか。

キャッシュフローでは、

現金がどこから入り、どこへ出ていったか。

を見る。

この3つを組み合わせることで、賃貸経営の状態がかなり分かりやすくなります。


▪️利益500万円でも現金が減る具体例


例えば、

年間利益500万円。

減価償却費300万円。

ローン元金返済500万円。

新規設備購入200万円。

税金150万円。

だったとします。

PL上では500万円利益があります。

しかし実際には、

元金返済。

設備購入。

税金。

などによって多額の現金が出ています。

だから、

「500万円黒字なのに、なぜ現金が増えない?」

ということが起こります。

数字を一つだけ見るのではなく、現金の流れ全体を見る必要があります。


▪️反対に赤字でも現金が増えるケースがある


例えば、

帳簿上▲100万円。

しかし、

減価償却費400万円。

さらに新規借入500万円。

という場合。

PLだけなら赤字です。

しかし現金残高は増えている可能性があります。

もちろん、

現金が増えた=経営が良い

とも限りません。

借入によって増えただけかもしれないからです。


▪️「現金が増えた理由」まで見る


現預金が、

500万円。

1,000万円。

になった。

素晴らしい。

で終わらせません。

その500万円は、

本業の利益から増えたのか。

物件売却で増えたのか。

新規借入で増えたのか。

出資で増えたのか。

まで確認します。

同じ500万円増加でも意味が違います。


▪️大家にとって理想的な現金の増え方


資産拡大期なら、

家賃収入から現金を生み出す。

現預金を積み上げる。

融資を活用する。

次の収益不動産を購入する。

家賃収入を増やす。

さらに現金を生み出す。

という循環を作ります。

利益→現金→自己資金→物件→家賃→利益

という流れです。


▪️ただ物件数を増やすだけでは意味がない


1棟。

3棟。

5棟。

と増えても、

現金が減り続ける。

借入だけ増える。

利益が残らない。

修繕資金もない。

という状態なら、資産拡大とは言いにくいでしょう。

見るべきなのは物件数ではなく、

総資産・借入・現預金・利益・純資産がどう変化しているか

です。


▪️売上が増えても安心しない


年間家賃収入500万円。

1,000万円。

2,000万円。

売上が増えると事業が大きくなった実感があります。

しかし同時に、

借入。

修繕。

管理費。

固定資産税。

保険。

空室リスク。

も増えます。

だから、

売上の増加と一緒に現金が残る仕組みを作る

必要があります。


▪️規模が大きくなるほど現金管理が重要になる


1戸なら、

給湯器交換20万円。

でも、

20戸。

50戸。

100戸。

となれば、同じ時期に複数の設備交換が発生する可能性があります。

さらに、

外壁。

屋根。

給排水。

消防設備。

共用部。

など、大きな修繕も増えます。

資産が大きくなるほど、

現預金を厚く持つ意味も大きくなる

と考えられます。


▪️物件ごとのCFを把握する


複数物件を持っている場合、

法人全体では黒字。

だけではなく、

物件A。

物件B。

物件C。

それぞれがどれだけ現金を生み出しているか確認します。

例えば、

A物件+300万円。

B物件+200万円。

C物件▲250万円。

法人全体+250万円。

なら、

C物件が全体のCFを大きく圧迫しています。

物件単位で数字を見ると改善ポイントが見えます。


▪️赤字物件を黒字物件が支えていないか


全体では現金が増えている。

でも実は、

優良物件の利益を別の物件の赤字補填に使っている。

ということがあります。

この状態が長期間続けば、資産拡大のスピードは落ちます。

C物件について、

家賃改善。

空室対策。

リフォーム。

管理変更。

売却。

などを検討する必要があります。


▪️空室対策も資金繰り対策になる


空室が1戸。

家賃5万円。

なら、

年間60万円の家賃収入が失われます。

2戸なら年間120万円。

その一方で、

固定資産税。

保険。

共用部費用。

ローン返済。

などは続きます。

つまり、

空室を埋めることは売上対策であると同時にキャッシュフロー対策

でもあります。


▪️リフォームは回収期間まで考える


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

例えば、

リフォーム100万円。

家賃が月1万円上がる。

年間12万円増収。

単純計算なら回収に約8.3年かかります。

一方、

50万円のリフォームによって半年空室だった部屋が決まり、

年間60万円の家賃を確保できる。

なら意味は大きく変わります。

重要なのは、

いくら使ったかではなく、何年で回収できるのか

を見ることです。

築古物件のリフォームを検討している方はこちら。


▪️修繕費を削りすぎるのも危険


現金を残したいから、

必要な修繕をしない。

というのも長期的には危険です。

小さな雨漏り。

放置。

下地まで腐食。

大規模修繕。

となれば、結果的に支出が大きくなる可能性があります。

現金を守ることと必要な投資を止めることは別

です。


▪️現金を使うなら「将来何が増えるか」を考える


例えば100万円使う。

その100万円によって、

家賃が増える。

空室期間が短くなる。

修繕リスクが減る。

物件価値が上がる。

売却しやすくなる。

のであれば、意味のある支出になる可能性があります。

反対に、

何も生まない100万円。

なら慎重に考えます。


▪️利益を全部使わない


利益500万円。

税金を払った。

残った現金を全部使う。

これでは次の投資余力が増えません。

資産拡大期では、

利益の一部を、

現預金。

修繕準備。

次の自己資金。

として残すことが重要になります。


▪️現金を残すことが銀行評価にもつながる


金融機関によって審査基準は異なりますが、

現預金。

利益。

借入残高。

純資産。

返済実績。

などは融資判断で確認される要素になり得ます。

特に、

毎年利益を出している。

現預金も増えている。

借入も正常に返済している。

という実績は、次の融資相談をするときの材料になります。

現預金と融資について詳しくはこちら。

不動産投資で銀行が見る「現預金」はいくら必要?融資を受けやすい大家の決算書を徹底解説


▪️黒字を作るだけでなく「銀行に説明できる決算」にする


例えば、

今年利益300万円。

現金は100万円減少。

だけを見ると疑問が残ります。

しかし、

「新規物件取得の自己資金に400万円使いました」

「その結果、年間家賃が240万円増えました」

と説明できれば、現金減少の意味は変わります。

大切なのは、

数字が動いた理由を自分で理解していること

です。


▪️決算前だけ数字を整えるのではなく毎月見る


年に1回。

税理士から決算書を受け取る。

そのとき初めて、

「こんなに現金減ってた?」

では遅い場合があります。

毎月、

家賃収入。

ローン返済。

現預金。

大きな修繕。

税金予定。

を確認するだけでも、資金繰りは把握しやすくなります。


▪️毎月見る数字は難しくなくていい


最低限、

①現預金

②家賃入金

③ローン返済

④管理・修繕費

⑤今後の大きな支払い

を確認します。

複雑な会計知識がなくても、

「今いくら現金があるか」

「来月いくら出るか」

が分かれば、資金繰りの事故を減らしやすくなります。


▪️半年先の現金残高を予測する


例えば、

現在現金500万円。

毎月CF+20万円。

3か月後に固定資産税100万円。

6か月後に外壁修繕200万円。

なら、

半年後の現金がどうなるかを予測します。

現金が足りなくなるなら、

修繕時期。

借入。

売却。

経費。

などを早めに検討できます。

資金繰りは現金がなくなってから考えるのではなく、なくなる前に考える

ことが重要です。


▪️年間の資金繰り表を作る


1月。

2月。

3月。

と月ごとに、

家賃収入。

ローン返済。

固定資産税。

保険。

修繕予定。

税金。

その他支出。

を書くだけでも十分です。

すると、

「6月に大きく現金が減る」

「12月は余裕がある」

などが見えてきます。


▪️繰上返済は現金余力を見ながら判断する


借入を早く減らしたい。

これは悪い考えではありません。

しかし、

現金1,000万円。

800万円繰上返済。

残り200万円。

という状態で大規模修繕が発生すれば、再び借入が必要になる可能性があります。

だから、

繰上返済前に手元流動性を確認する

ことが重要です。


詳しくはこちら。

不動産投資で現金を残すべき?繰上返済するべき?次の融資につながる資金戦略を徹底解説


▪️ローン返済期間も資金繰りに影響する


同じ5,000万円借入でも、

10年返済。

20年返済。

30年返済。

では年間返済額が変わります。

短期間なら元金は早く減ります。

しかし毎月の返済負担は大きくなります。

長期間なら毎月返済は抑えやすくなりますが、総支払利息なども考える必要があります。

つまり、

元金返済スピードと手元CFのバランス

を見る必要があります。


▪️「返済できる」と「現金が残る」は違う


家賃50万円。

返済40万円。

返済できている。

だから大丈夫。

ではありません。

残り10万円から、

管理費。

税金。

修繕。

保険。

空室。

を負担します。

重要なのは、

ローンを返せるかではなく、すべて払った後に現金が残るか

です。


▪️借入は現金を守るために使う考え方もある


例えば、

大規模修繕500万円。

現金1,000万円。

全額現金で払えば残り500万円。

一方、条件によっては修繕資金を金融機関へ相談する方法もあります。

借入には利息が発生します。

しかし、

現金を厚く残せる。

次の投資機会を逃しにくい。

という側面もあります。

借入は単純に、

少ないほど良い

とは限りません。


▪️借入を使って資産を増やすならBSを見る


不動産投資では借入を活用して資産を購入できます。

しかし、

借入だけ増える。

現金が減る。

利益が出ない。

では財務が弱くなります。

一方、

借入増加。

資産増加。

家賃増加。

利益増加。

現預金増加。

純資産増加。

という流れなら、事業として拡大しています。


詳しくはこちら。

不動産投資で借入を増やすのは危険?融資を活用して資産を拡大する貸借対照表の考え方


▪️物件売却で現金を作る方法もある


不動産投資では、

家賃を貯める。

だけが現金を増やす方法ではありません。

保有物件を売却して、

残債を返済。

売却費用や税金を支払い。

残った現金を次の物件へ。

という方法もあります。

そのため購入時から、

将来いくらで売れる可能性があるか

を考えておくことが重要です。


▪️売却すると一気に現金が増えることがある


例えば、

売却価格5,000万円。

残債3,000万円。

売却関連費用等を差し引く前なら差額2,000万円。

保有中は年間CF100万円だった物件でも、売却によって大きな現金を作れる可能性があります。

その現金を次の自己資金へ回せば、資産を入れ替えながら拡大できます。

出口戦略について詳しくはこちら。

不動産投資は利回りだけで選ぶと危険?銀行評価と出口から考える物件選び


▪️売却した方がいいとは限らない


残債が減っている。

家賃も安定。

修繕も少ない。

CFも十分。

という物件なら、長期保有する選択もあります。

売却。

保有。

どちらが正解ということではありません。

重要なのは、

今の物件に資金を置き続けることが最も効率的なのか

を定期的に確認することです。


▪️空き家や売却しにくい物件は早めに出口を考える


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

空き家。

築古。

再建築に制限がある。

共有持分。

その他事情のある不動産。

などは、保有しているだけで、

固定資産税。

管理。

草刈り。

修繕。

などの現金が出ていく場合があります。

家賃を生まない資産を長期間保有すると、資金繰りを圧迫することもあります。


活用が難しい空き家・訳あり不動産の売却を検討している方はこちら。


▪️「利益が出ているから大丈夫」が危険な理由


利益は重要です。

しかし、

利益500万円。

現預金50万円。

来月返済100万円。

税金200万円。

なら、利益が出ていても資金繰りは厳しくなります。

だから経営では、

利益と支払能力を分けて考える

必要があります。


▪️不動産賃貸業でも資金ショートは起こり得る


家賃収入があるから安心。

不動産があるから安心。

黒字だから安心。

とは限りません。

現金が不足すれば、

税金。

修繕。

ローン。

業者への支払い。

などが難しくなります。

不動産という大きな資産を持っていても、すぐ現金化できるとは限りません。

だから、

現預金は経営を継続するための生命線

になります。


▪️資産拡大を急ぎすぎない


良い物件が出た。

買う。

また出た。

買う。

と急速に拡大すると、自己資金や諸費用で現金が減ります。

総資産は増えていても、

現預金がギリギリ。

という状態になることがあります。

だから、

買えるかどうかだけでなく、買った後にいくら残るか

を見る必要があります。


▪️1棟買った後の現金残高をシミュレーションする


例えば、

現在現預金2,000万円。

次の物件で、

自己資金700万円。

諸費用300万円。

リフォーム200万円。

合計1,200万円。

購入後残高800万円。

ここから、

税金。

修繕予備費。

運転資金。

を考えます。

この800万円で十分なのか。

購入前に確認しておくことが重要です。


▪️次の物件より現金を優先する時期もある


物件を増やしたい。

でも、

現預金が少ない。

大規模修繕予定がある。

借入返済が重い。

という場合。

半年。

1年。

現金を貯める。

という判断もあります。

買わない期間も資産拡大戦略の一部

です。


▪️法人なら会社のお金と個人のお金を分ける


法人で不動産を保有している場合、

会社の現金。

個人の現金。

は別です。

会社の口座から私的な支出を繰り返すと、会計処理が複雑になり、法人の現預金も減ります。

資産管理法人では特に、

会社に利益と現金を残す

という意識が重要になります。


▪️法人化は税金だけで判断しない


不動産投資で法人を作る目的を、

節税だけ。

と考える必要はありません。

長期的には、

利益をどこへ残すか。

借入をどこへ積むか。

誰が物件を所有するか。

次の融資をどう受けるか。

という資産拡大戦略にも関係します。


詳しくはこちら。

不動産投資は個人と法人どちらで始める?将来の融資と資産拡大から考える名義の選び方


▪️利益・現金・借入・純資産を毎年並べる

例えば



年1年目

利益200万円

預金500万円

借入残高5,000万円

じょ300万円

2年目

300万円

700万円

4,700万円

600万円

3年目

400万円

1,000万円

4,400万円

1,000万円

このように並べると、

利益が増えている。

現金が増えている。

借入が減っている。

純資産が増えている。

という流れが見えます。

これが、

賃貸経営によって財務が強くなっている状態

の一例です。


▪️物件を買った年は別の動きになる


4年目に新しい物件を購入した場合、

利益500万円。

現預金600万円。

借入9,000万円。

純資産1,200万円。

というように、現金が減って借入が増えることもあります。

しかし、

新規物件を取得した結果なら理由があります。

翌年以降、

売上。

利益。

現預金。

純資産。

がどう変化するかを見ていきます。


▪️重要なのは数字の「方向」


単年だけで、

黒字。

赤字。

現金増加。

現金減少。

と判断するのではなく、

3年。

5年。

10年。

で、

会社の財務がどちらへ向かっているか

を見ることが重要です。


▪️利益が増えても現金が減り続けるなら要注意


利益、

200万円。

300万円。

400万円。

と増えている。

でも現預金は、

800万円。

600万円。

300万円。

と減っている。

なら、

何かに現金が流れ続けています。

それが、

物件取得。

元金返済。

必要な設備投資。

なら説明できます。

理由が分からないなら、資金の流れを確認する必要があります。


▪️現金が増えても借入だけ増えているなら確認する


反対に、

現預金500万円。

2,000万円。

でも、

借入5,000万円。

1億円。

なら、借入によって現金が増えている可能性があります。

その借入によって、

どれだけ収益資産が増えたか。

どれだけ家賃が増えたか。

どれだけ利益が増えたか。

まで確認します。


▪️資産形成では純資産の増加も見る


家賃収入でローンを返す。

残債が減る。

物件価値が維持される。

資産と負債の差が広がる。

この流れが続けば、現金だけでなく純資産も積み上がっていきます。


詳しくはこちら。

不動産投資は「残債を減らすゲーム」?家賃でローンを返しながら純資産を増やす仕組みを徹底解説


▪️最終的には「現金も純資産も増える状態」を目指す


不動産投資では、

CFだけ出ればいい。

純資産だけ増えればいい。

という単純なものではありません。

長期的には、

家賃収入から現金が残る。

残債も減る。

物件価値を維持する。

現預金を積み上げる。

次の投資へ再投資する。

という状態を作ることが理想です。


▪️黒字なのに現金が増えないときのチェック項目


決算で利益が出たのに現金が増えていない場合は、

①ローン元金をいくら返済したか

②物件を購入したか

③リフォーム・設備投資をしたか

④税金をいくら支払ったか

⑤大規模修繕がなかったか

⑥現預金以外の資産が増えていないか

⑦借入残高はいくら減ったか

⑧純資産は増えているか

を確認します。

これだけでも、

利益がどこへ行ったのか

かなり見えやすくなります。


▪️逆に現金が増えたときのチェック項目


現預金が増えた場合も、

①本業から増えたのか

②新規借入で増えたのか

③物件売却で増えたのか

④個人から法人へ資金を入れたのか

を確認します。

現金が増えた理由によって、会社の状態は大きく違います。


▪️不動産投資の決算は「点」ではなく「流れ」で見る


今年の利益300万円。

という一点だけではなく、

去年200万円。

今年300万円。

来年400万円。

現預金も増加。

残債も減少。

純資産も増加。

というように、

数字の流れを見る

ことが重要です。


▪️よくある質問


Q. 不動産投資で黒字なのに現金が増えないのはおかしいですか?

必ずしもおかしくありません。

ローン元金返済、物件取得、設備投資、修繕、税金などによって、利益が出ていても現金が増えないことがあります。


Q. ローン返済はすべて経費になりますか?

一般的に元金返済部分は経費ではなく、利息部分が必要経費・損金の対象となります。具体的な税務処理については税理士等の専門家へ確認してください。


Q. 減価償却費は現金が出ていく経費ですか?

減価償却は取得した資産の価額を一定期間に配分して費用化する会計処理のため、その年の減価償却費と同額の現金がその年に出ていくわけではありません。


Q. 黒字なら融資を受けやすくなりますか?

黒字は重要な要素の一つですが、金融機関の融資判断はそれだけではありません。

現預金、借入状況、純資産、物件評価、返済実績などさまざまな要素が確認されます。


Q. 現金はいくら残せばいいですか?

物件規模、借入、修繕リスク、税金、空室状況などによって異なるため、一律には決められません。

少なくとも、急な修繕や空室が発生しても運営を続けられる余力を考える必要があります。


Q. 元金返済で現金が減るのは悪いことですか?

元金返済によって借入残高も減るため、単純に悪いとはいえません。

ただし、返済によって現預金が不足し、日常の支払いが難しくなる状態には注意が必要です。


▪️まとめ|不動産投資は「利益」と「現金」を分けて考える


不動産投資で、

黒字なのに現金が増えない。

これは珍しいことではありません。

その大きな理由は、

利益と現金の動きが一致しないからです。

特に不動産投資では、

ローン元金返済。

減価償却。

物件購入。

リフォーム。

設備投資。

税金。

などによって大きなズレが生まれます。

だから、

「今年300万円黒字だった」

だけで終わらせない。

その300万円によって、

現金はいくら増えたのか。

借入はいくら減ったのか。

資産はいくら増えたのか。

純資産はいくら増えたのか。

を確認します。

そして、

PLで利益を見る。

BSで資産・負債・現預金を見る。

キャッシュフローで現金の流れを見る。

この3方向から確認することで、賃貸経営の状態が見えやすくなります。

不動産投資で重要なのは、

帳簿上で儲かっていることだけではありません。

家賃収入から現金を残す。

必要な修繕に備える。

借入を返す。

純資産を増やす。

次の物件を購入できる現金を作る。

この循環を続けることが、長期的な資産拡大につながります。

利益は成績。

現金は体力。

純資産は積み上げた資産。

3つを一緒に見る。

これが、

「黒字なのになぜお金がない?」

という状態を理解するための基本です。


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