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相続した不動産の名義変更を放置するとどうなる?相続登記義務化の7つの確認

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 9分

更新日:8月21日

親や祖父母が亡くなり、土地や実家を相続したものの、

「まだ売らないから名義変更は後でいい」

「固定資産税は払っているから問題ない」

「兄弟で話がまとまってから考えよう」

と、登記をそのままにしているケースがあります。

ここでいう「名義変更」は、正確には相続登記です。

2024年4月1日から相続登記は義務化されており、それ以前に発生した相続についても対象になる場合があります。

さらに、古い相続については2027年3月31日が重要な期限になるケースがあります。

ただし、

名義が亡くなった方のままだから、まだ相続されていない

という意味ではありません。

相続そのものと、不動産登記簿の名義を変更する手続きは分けて考える必要があります。

この記事では、相続した不動産の名義変更を放置している方が、今から確認したい7つのポイントを整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「相続」と「登記」を分けて考える


旧記事では、

「名義が被相続人のままなら、法律上まだその人のもの」

「名義変更していない不動産は実質未相続」

としていました。

ここは訂正します。

相続は、被相続人が亡くなって相続が開始した時点で発生します。

相続人が複数いる場合には、遺産分割が終わるまで相続財産が共同相続人の共有状態になることがあります。

一方、不動産登記簿の所有者情報は、所有者が亡くなっただけでは自動的に相続人へ変更されません。

つまり、

相続による権利承継は起きているが、登記簿がそれを反映していない状態

になるわけです。

そして現在は、この登記を一定期間内に行うこと自体が法律上の義務になっています。

空き家を相続した直後に何から確認するかはこちらです。



▪️判断①|自分の相続登記期限を確認する


2024年4月1日から、相続によって不動産を取得した相続人には相続登記の申請義務があります。

基本となる期限は、

自分のために相続が開始したことを知り、その不動産を取得したことを知った日から3年以内

です。

さらに、2024年4月1日より前に相続したことを知っていた不動産についても義務化の対象です。

このような以前から未登記だった不動産は、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。

一方、2024年4月以降になって初めて、その不動産を相続で取得したことを知った場合には、その知った日から3年以内という考え方になります。

そのため、

「親が亡くなった日から全員一律3年」

とだけ覚えない方が安全です。

相続時期、不動産を把握した時期、遺産分割の状況を整理して、自分に適用される期限を確認します。



▪️判断②|期限を過ぎたら自動で10万円払うわけではない


相続登記の義務化について、

「3年を過ぎたら10万円の罰金」

と説明されることがあります。

これも少し違います。

正当な理由なく相続登記の申請義務を怠った場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

期限を1日過ぎた瞬間に自動的に10万円を請求される制度ではありません。

だからといって、

どうせすぐ罰金にならないから放置してよい

という意味でもありません。

2027年3月31日の期限が関係する古い相続では、戸籍収集や相続人確認に時間がかかることがあります。

特に祖父母名義のままになっている土地や、相続人が全国に分かれているケースでは、期限直前に始めるより早めに整理した方が進めやすくなります。



▪️判断③|遺産分割が終わらないなら相続人申告登記を確認する


相続登記をしたくても、

「兄弟で誰が土地を取るか決まらない」

「相続人の一人と連絡がつかない」

「期限までに遺産分割が終わりそうにない」

というケースがあります。

このような場合に確認したいのが、2024年4月から始まった相続人申告登記です。

相続が開始したことと、自分が相続人であることを登記官へ申し出ることで、相続登記の基本的な申請義務を簡易に履行できる仕組みです。

相続人の一人から申し出ることもできます。

ただし、ここが重要です。

相続人申告登記は、誰がその不動産を最終的に取得したのかを登記する相続登記そのものではありません。

登記名義人も被相続人のままです。

そのため、相続した不動産を売却したり、抵当権を設定したりする場合には、別途正式な相続登記が必要です。

また、その後遺産分割が成立した場合には、その結果を登記へ反映する義務も確認します。

兄弟で実家を共有する場合はこちらも参考になります。



▪️判断④|売却すると決めてから相続登記を始めると間に合わないことがある


旧記事には、

「名義が動いていないと売れない」

という表現がありました。

方向性は近いですが、より正確に整理します。

登記名義が亡くなった方のままでも、不動産会社へ査定を依頼したり、売却方針を相談したりすることはできます。

しかし実際に買主へ所有権を移転するには、被相続人名義から相続人名義への相続登記を行う必要があります。

亡くなった方の名義から買主へ直接、売買による所有権移転登記をすることはできません。

そのため、

「買主が決まってから名義を変えればいい」

と考えていると、相続人調査や戸籍収集で売買スケジュールに影響する可能性があります。

売却するか残すか決めていなくても、

登記を整理することと、売却を決断することは別

と考えます。

相続した空き家の売却全体はこちらです。



▪️判断⑤|次の相続が起きると「人が増える」だけではなく調査が長くなる


相続登記を長期間放置すると、その間に相続人の一人が亡くなることがあります。

いわゆる数次相続が発生するケースです。

例えば祖父名義の土地を父の世代で登記せず、その父も亡くなれば、祖父の相続関係と父の相続関係を順番に確認する必要が出てきます。

その結果、

・確認する戸籍が増える


・関係する相続人が増えることがある


・住所を追う必要が出る


・遺産分割の経緯を確認しにくくなる


・過去の書類が見つかりにくくなる

といった負担が大きくなります。

ただし、

一代飛ばすと必ず共有者が倍になる

といった固定的な増え方ではありません。

遺言、相続放棄、過去の遺産分割などによって権利関係は変わります。

重要なのは、

時間が経つほど相続関係を確認する工程が増えやすい

ということです。

すでに相続人が多く話合いが難しい場合には、司法書士や弁護士など専門家への相談も検討します。

相続について相談先を探したい場合はこちらです。



▪️判断⑥|亡くなった親の不動産が分からないなら2026年開始の制度も使う


古い相続では、

「実家は分かるけど、山林や畑も持っていたらしい」

「固定資産税の通知に見覚えのない土地がある」

「全国のどこに不動産があるのか把握できていない」

というケースがあります。

2026年2月2日からは、所有不動産記録証明制度が始まっています。

これは、特定の被相続人が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧化し、証明書として交付してもらえる制度です。

従来は不動産ごとに登記記録を調べる必要がありましたが、この制度によって相続人が被相続人名義の不動産を把握しやすくなりました。

特に、

どの不動産を相続登記すればよいか分からない

というケースでは確認する価値があります。

ただし登記記録を基に確認する制度なので、未登記建物など別途調査が必要な財産まで何でも自動で見つかると考えないようにします。



▪️判断⑦|費用だけ見て後回しにせず、まず必要書類と登記方法を確認する


相続登記では、戸籍、住民票、遺産分割協議書、固定資産評価に関する資料など、相続方法によって必要書類が変わります。

相続人が少なく権利関係も単純なら、自分で申請できるケースもあります。

一方、

・何世代も相続登記をしていない


・相続人が多い


・遺産分割協議がまとまっていない


・過去の相続関係が分からない


・売却期限が迫っている

といった場合には、司法書士などへ依頼する方が進めやすいことがあります。

必要書類はこちらで整理しています。

自分で行う場合と司法書士へ依頼する場合の違いはこちらです。

また2026年時点では、一定の土地について相続登記の登録免許税が免税になる措置もあります。

例えば、一定の条件を満たす不動産価額100万円以下の土地などについて、2027年3月31日まで免税措置が設けられています。

すべての不動産が無料になる制度ではないため、自分の土地が対象になるか個別に確認します。



▪️まとめ|「売るか決めていない」と「登記しなくていい」は別


相続した不動産の名義を放置している場合、

亡くなった方がまだ法律上の所有者だから相続できていない

という理解は正しくありません。

相続による権利承継と、不動産登記簿の名義変更は別です。

現在確認したいのは、

・いつ相続したのか


・いつその不動産を取得したことを知ったのか


・登記簿は誰の名義なのか


・遺産分割は終わっているのか


・相続人申告登記が必要なのか


・数次相続になっていないか


・他にも被相続人名義の不動産がないか

です。

特に2024年4月より前から未登記だった相続では、2027年3月31日が重要な期限になるケースがあります。

また正当な理由なく義務を怠った場合には、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

一方で、期限内に遺産分割が終わらない場合には相続人申告登記という制度もあります。

そして2026年からは、被相続人名義の不動産を探しやすくする所有不動産記録証明制度も始まっています。

旧記事のように、

名義変更していない


→ 使えない


→ 売れない


→ 詰む

と怖がる必要はありません。

必要なのは、

現在の権利関係を確認し、期限までに必要な登記を選ぶこと。

売る、残す、貸す、国庫帰属を検討するといった不動産の出口は、その後に判断できます。

相続登記は売却を決めるための手続きではなく、

将来どの出口を選んでも動ける状態へ整理する手続き

として考えると分かりやすくなります。



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