top of page

二次相続で実家が空き家になる?一次相続との違いと相続税・売却の確認順

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月18日
  • 読了時間: 12分

父親が亡くなり、母親がそのまま実家に住み続ける。

この段階では、家に住む人がいるため空き家にはなりません。

しかし、その後に母親も亡くなると、

「子どもは全員自宅を持っている」

「誰も実家へ戻らない」

「相続税も気になる」

「売るか残すか決まっていない」

という問題が一気に出てくることがあります。

このように、一度目の相続後に残った配偶者が亡くなり、再び相続が発生することを一般に二次相続と呼びます。

二次相続で重要なのは、

一次相続と同じ条件で相続税や実家の扱いを考えないことです。

相続人の人数。

配偶者の税額軽減。

小規模宅地等の特例。

実家を使う人。

現在の売却価格。

などが変わる可能性があります。

この記事では、

一次相続 → 二次相続 → 相続税 → 実家の利用 → 売却

の順番で整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️まず一次相続と二次相続の違いを整理する



たとえば、

父。

母。

子ども2人。

の4人家族を考えます。

父が先に亡くなり、

母と子ども2人が相続する。

これが一次相続です。

その後、母が亡くなり、

子ども2人が母の財産を相続する。

これが二次相続です。

一次相続では、残された配偶者が実家へそのまま住み続けるケースがあります。

その場合、建物は空き家になりません。

しかし二次相続では、

子どもがすでに別の場所で生活しているため、実家を使う人がいなくなる

ことがあります。

空き家900万戸時代の背景はこちら。


▪️二次相続では「誰が実家に住むか」が変わる



一次相続では、

「母がそのまま住むから実家は残す」

という結論でも問題が表面化しないことがあります。

しかし二次相続では、

兄が住む。

妹が住む。

賃貸する。

売却する。

誰も使わず保有する。

など、新しい判断が必要になります。

ここで、

「親が大切にしていた家だから残そう」

だけで共有すると、

管理担当。

固定資産税。

草刈り。

修繕。

火災保険。

費用負担。

を後から決めることになります。

実家を残すことと、実家を管理できることは別です。


▪️二次相続では相続人の人数が減る場合がある



相続税には基礎控除があります。

基礎控除額は、

3,000万円+600万円×法定相続人の数

で計算します。

たとえば、

父が亡くなり、相続人が母と子ども2人なら3人です。

この場合の基礎控除は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

です。

その後、母が亡くなり、相続人が子ども2人なら、

3,000万円+600万円×2人=4,200万円

になります。

これはあくまで家族構成を単純化した例ですが、

二次相続では法定相続人が減り、基礎控除も小さくなる場合があります。

だから一次相続の税額だけを見て、二次相続も同じだとは考えません。


▪️一次相続では配偶者の税額軽減が大きい



一次相続には、配偶者の税額軽減があります。

配偶者が実際に取得した正味の遺産額について、

1億6,000万円。

または、

配偶者の法定相続分相当額。

のいずれか多い金額まで、配偶者に相続税がかからない仕組みです。

この制度があるため、

「とりあえず母に多く相続してもらえば、今回の相続税を抑えられる」

と考えることがあります。

確かに一次相続時の税額が小さくなる場合はあります。

しかし、

一次相続だけの税額が小さいことと、家族全体で二回分の相続税が小さいことは同じではありません。

母が多くの財産を取得すれば、その財産は将来、母の二次相続の対象になる可能性があります。


▪️二次相続では配偶者の税額軽減を同じ形で使えないことがある



典型的な、

父。

母。

子ども。

という家族で、

父の一次相続後に母が亡くなり、子どもが相続する場合を考えます。

二次相続では、財産を取得するのは子どもです。

そのため、一次相続で母が利用できた配偶者の税額軽減を、子どもが同じように使うことはできません。

ここが、

「一次相続では相続税がほとんどなかったのに、二次相続では税額が出た」

という結果につながる一つの要因になります。

ただし相続税は、

財産総額。

相続人。

債務。

生命保険。

不動産評価。

各種特例。

などで変わります。

二次相続なら必ず相続税が高くなる

という意味ではありません。

一次・二次を通した税額を確認したい場合はこちら。


▪️小規模宅地等の特例は「二次相続だから使えない」ではない



実家の土地について確認したい制度が、小規模宅地等の特例です。

被相続人などが住んでいた宅地について一定の要件を満たす場合、

特定居住用宅地等として、

330㎡まで80%の評価減

を受けられる場合があります。

ここで注意したいのが、

「一次相続なら使える」

「二次相続では使えない」

と単純化しないことです。

二次相続でも、取得者や居住状況など一定の要件を満たせば対象になる可能性があります。

一方、

子ども全員が別に自宅を持っている。

誰も親と同居していなかった。

相続後も実家へ住まない。

といった場合は、適用要件を個別に確認する必要があります。

実家があること自体ではなく、誰がどのような条件で取得するか

が重要です。


▪️「誰も住まないなら特例は絶対使えない」とも決めない



小規模宅地等の特例は要件が細かく、

同居していた親族。

配偶者。

一定の要件を満たす別居親族。

など、取得者によって条件が異なります。

また、親が亡くなる直前に老人ホームなどへ入居していた場合でも、一定の要件を満たせば対象となる場合があります。

そのため、

親が施設へ入った。

実家は空室だった。

小規模宅地等の特例は使えない。

と一気に決めないことが重要です。

ここは個別事情による差が大きいため、相続税が関係しそうなら税理士などへ確認します。


▪️10年以内の二次相続なら「相次相続控除」も確認する



二次相続には、もう一つ確認したい制度があります。

相次相続控除です。

今回亡くなった人が、

今回の相続開始前10年以内に別の相続で財産を取得し、そのとき相続税を負担していた場合

には、一定額を今回の相続税から控除できることがあります。

たとえば、

父の相続で母が財産を取得し、母自身が相続税を支払った。

その後10年以内に母が亡くなった。

というようなケースです。

ただし、

一次相続で配偶者の税額軽減などにより母の相続税が0円だった場合など、前提条件によって扱いは変わります。

「短期間に二回相続したから自動的に控除される」制度ではありません。

条件を確認します。


▪️一次相続の遺産分割を「今回の税金だけ」で決めない



一次相続では、

配偶者の税額軽減を使えば税金が小さくなる。

実家は母が住むから母名義にする。

という判断が自然な場合があります。

しかし、財産のほとんどを配偶者へ集中させると、

二次相続時には、

預貯金。

実家。

その他の不動産。

がまとまって子どもへ移る可能性があります。

だからといって、

一次相続で子どもへ多く渡した方が必ず得

という意味でもありません。

配偶者の生活資金。

住む場所。

介護費。

今後の資産利用。

なども重要です。

税額だけで遺産分割を決めず、残された配偶者の生活と二次相続を一緒に確認する

という考え方になります。


▪️実家の相続税評価額と売却価格は同じではない



二次相続で、

「相続税の評価額が3,000万円だったから3,000万円で売れる」

と考えるのも注意が必要です。

相続税を計算するときの不動産評価と、

市場で実際に売却できる価格は別です。

売却価格には、

土地の場所。

接道。

建物状態。

築年数。

周辺需要。

再建築条件。

市場の取引状況。

などが関係します。

反対に、

親が昔5,000万円で買ったから現在も5,000万円の価値がある

とも限りません。

相続税評価と現在の市場価格を分けて確認します。


▪️二次相続前でも実家の現在価格を知っておく意味がある



まだ親が実家に住んでいる段階では、

「売る予定もないのに査定する必要ある?」

と思うことがあります。

しかし、現在価格を知る目的は売却を決めることだけではありません。

実家がおおよそ、

3,000万円なのか。

1,500万円なのか。

500万円なのか。

によって、

将来の相続。

管理。

売却。

遺産分割。

の考え方は変わります。

査定価格は将来の売値を保証するものではありません。

それでも、

昔の購入価格ではなく現在の市場情報を持つ

ことは、二次相続を考える材料になります。


▪️二次相続後に誰も住まないなら保有費を確認する



母親が亡くなり、実家を子ども2人で相続したとします。

誰も住まなくても、

固定資産税。

火災保険。

草刈り。

庭木管理。

建物点検。

修繕。

などが続く可能性があります。

さらに兄弟共有なら、

誰が管理するか。

誰が費用を払うか。

売却するとき誰が対応するか。

も決める必要があります。

実家を残すなら、

思い出があるから残す

だけではなく、

管理方法と費用負担までセットにします。

相続した空き家の選択肢はこちら。


▪️売る可能性があるなら大きな修繕より先に査定する



相続した実家が古いと、

外壁を直す。

水回りを交換する。

残置物を全部処分する。

解体する。

と考えることがあります。

しかし、売却前にすべて実施する必要があるとは限りません。

まず、

現状の査定額。

建物付きで売る場合。

修繕する場合。

解体する場合。

を比較します。

数百万円を使ってから売却価格を確認するのではなく、

現在の状態で市場価値を確認してから費用をかける

順番です。

現在の売却価格を確認したい場合はこちら。


▪️共有相続にする前に「誰が実家を欲しいか」を確認する



二次相続では、

兄弟だから半分ずつ。

と実家を共有名義にするケースがあります。

共有自体が悪いわけではありません。

ただ、

兄は売りたい。

妹は残したい。

兄は県外。

妹は管理しない。

という状態になると、その後の意思決定が複雑になります。

実家について、

誰か取得したい人がいるか。

売却する可能性が高いか。

管理できる人がいるか。

他の相続財産との調整が可能か。

を遺産分割時に確認します。

公平=すべての財産を同じ割合で共有すること

とは限りません。


▪️相続登記と実家の方針を別々に放置しない



不動産を相続した場合は、相続登記の手続きも必要になります。

現在は、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する制度になっています。

ただし、

登記をした。

実家問題は終わった。

ではありません。

名義を変更したあとも、

誰が使うのか。

誰が管理するのか。

いつ売却を再検討するのか。

を決めます。

登記は所有関係を整理する手続き、実家の出口は別の判断です。


▪️二次相続は6つの順番で確認する



実家の二次相続が気になったら、次の順番で整理します。

①家族構成

一次相続。

二次相続。

それぞれの相続人を確認します。

②財産

預貯金。

実家。

その他の不動産。

保険。

債務。

を確認します。

③相続税

基礎控除。

配偶者の税額軽減。

小規模宅地等の特例。

相次相続控除。

など、該当する制度を確認します。

④実家を使う人

残された配偶者。

子ども。

賃借人。

の誰かが使う予定があるか確認します。

⑤現在価格と維持費

売却価格。

固定資産税。

管理費。

修繕費。

を確認します。

⑥出口

住む。

貸す。

保有。

売却。

を比較します。

この順番なら、

「二次相続は税金が高いらしい」

だけで結論を出さずに済みます。


▪️よくある質問



Q. 二次相続では必ず相続税が高くなりますか?



必ずではありません。法定相続人の数、財産額、一次相続の分け方、各種特例などによって変わります。


Q. 一次相続では全部母に相続してもらった方が得ですか?



一次相続の税額だけでは判断できません。残された配偶者の生活と、将来の二次相続まで含めて比較します。


Q. 二次相続では小規模宅地等の特例は使えませんか?



二次相続でも一定の要件を満たせば適用できる可能性があります。取得する人や居住状況によって条件が変わります。


Q. 二次相続で誰も実家へ住まない場合は売った方がいいですか?



一律には決まりません。利用予定、年間管理費、現在価格、家族の意向を確認して保有と売却を比較します。


Q. 二次相続が起きる前に実家を査定してもいいですか?



売却を決めていなくても現在価格を知ることはできます。査定を相続や遺産分割を考えるための情報として使う方法があります。


▪️まとめ|二次相続は「税金」だけでなく実家の次の所有者まで考える



一次相続では、

残された配偶者が実家へ住み続ける。

配偶者の税額軽減を利用する。

という形で、実家問題が表面化しないことがあります。

しかし二次相続になると、

相続人の人数が変わる。

配偶者の税額軽減を同じ形で使えなくなる。

実家へ住む人がいなくなる。

子どもがすでに自宅を持っている。

という変化が起こることがあります。

一方、

小規模宅地等の特例。

相次相続控除。

など、条件によって確認できる制度もあります。

だから、

二次相続=相続税が高い。

二次相続=実家をすぐ売る。

と決める必要はありません。

確認するのは、

財産。

相続税。

実家の現在価格。

使う人。

管理費。

家族の意向。

です。

そして、

一次相続で実家をどう残すかを考えるときから、二次相続後に誰がその家を持つのかまで見る。

ここまで整理できれば、

親が亡くなったあとに初めて、

「この家、誰もいらんやん……」

となる可能性を減らせます。

二次相続対策の目的は、税金だけを最小化することではありません。

家族の財産と実家の出口を、二回の相続を通して整理することです。


▪️関連記事



空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代の相続問題


相続したマンションを放置するとどうなる?


相続した空き家をどうする?


相続した空き家を売る方法


空き家を売るなら仲介と買取どちら?


空き家を解体する前に査定する理由


空き家を解体せず古家付きで売る方法


現状売却とリフォーム後売却を比較


空き家を売る前に片付けは必要?

最新記事

すべて表示
相続したマンションを放置するとどうなる?管理費・修繕積立金の滞納と売却前の確認順

親が住んでいたマンションを相続したものの、 「自分は別に家を持っている」 「すぐ売るかまだ決められない」 「誰も住んでいないのに管理費を払い続けるの?」 と迷うことがあります。 戸建ての空き家とマンションで大きく違うのが、 誰も住んでいなくても、管理費や修繕積立金などの支払いが続くことです。 分譲マンションの区分所有者は、自分の部屋だけを所有しているわけではありません。 敷地や廊下、エレベーターな

 
 
遺言書があると相続登記はどう変わる?手続きがスムーズになる理由を解説

遺言書があると相続登記はどう変わる?手続きがスムーズになる理由を解説 「遺言書があれば相続登記は簡単になるの?」 「遺産分割協議は必要ない?」 「生前に遺言書を作るメリットを知りたい」 相続登記を行う際、このような疑問を持つ方は多くいます。 遺言書がある場合は、相続登記の手続きがスムーズになるケースがあります。 一方で、遺言書の内容や種類によっては注意すべき点もあるため、正しく理解しておくことが大

 
 
相続登記は自分でできる?司法書士に依頼する場合との違いを比較

相続登記は自分でできる?司法書士に依頼する場合との違いを比較 「相続登記は自分でもできるの?」 「司法書士に依頼した方がいい?」 「費用を少しでも抑えたい」 相続登記を行う際、このような疑問を持つ方は多くいます。 相続登記は自分で申請することも可能ですが、相続内容によっては専門家へ依頼した方がスムーズに進むケースもあります。 この記事では、自分で手続きを行う場合と司法書士へ依頼する場合の違いについ

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page