相続登記に必要な書類とは?戸籍・住民票・遺産分割協議書をケース別に整理

更新日:10月10日
親の不動産を相続して名義を変える際、戸籍だけ集めれば登記できると思って準備を始めると、住所を証明する資料や不動産の評価額に関する資料が必要となる場合があります。
相続登記に必要な書類は、法定相続分で登記するのか、遺産分割協議で取得者を決めるのか、遺言を利用するのかによって異なります。このページでは書類集めに絞って、申請方法ごとの違いを整理しましょう。
① 最初に登記方法と相続人を確認する
登記の方法には、法定相続分に応じて相続人が権利を取得する場合、相続人全員で遺産分割協議をする場合、遺言などで取得者が決まる場合があります。誰が所有者になるかによって準備する資料が変わります。
最初に不動産の登記事項証明書を取り、名義が被相続人のままか、別の名義人になっていないかを確認します。土地の地番と建物の家屋番号を整理しましょう。
数代前から未登記の場合や遺産分割で争いがある場合は、単純な一回の相続登記では済まないことがあります。
② 被相続人の出生から死亡までの戸籍を調べる
一般的な相続登記では、亡くなった人の出生から死亡までのつながりが分かる戸籍・除籍・改製原戸籍等を集め、誰が法定相続人か確認します。
結婚や本籍地の移動などで複数の市区町村に戸籍がまたがる場合があります。現在は戸籍証明書の広域交付が利用できる場合もありますが、対象と取得できる人・証明書の種類に制限があります。
相続人全員の戸籍が必要になる場面もあるため、一覧表を作って漏れがないか確かめましょう。
③ 住所を証明する書類と評価額の資料をそろえる
登記名義人である被相続人と、戸籍上の亡くなった人が同一人物であることを確認するため、住民票の除票や戸籍の附票などが必要になる場合があります。
登記を受ける相続人の住所を証明する住民票などの書類と、登録免許税の計算に使う固定資産の評価額資料も確認しましょう。
必要となる書類や省略できる資料はケースや申請方法によって異なるため、管轄法務局の最新の申請書類案内に合わせて準備します。
④ 遺産分割協議で取得者を決める場合
相続人間で『長男が実家を取得する』など協議して決めた場合、遺産分割協議書と相続人の印鑑証明書等の添付が必要になることがあります。共同相続人の範囲が確定していないまま作成しないことが重要です。
協議書にはどの不動産を誰が取得するか特定できる記載が必要です。住所や地番、家屋番号を登記事項証明書と照合しましょう。
相続人間の合意がまとまらない場合は、司法書士や弁護士に相談し、登記申請期限への対応も別途検討します。
⑤ 遺言による登記は遺言の種類で確認する
公正証書遺言、自筆証書遺言、法務局保管制度を利用した遺言など、遺言の形式によって必要な確認や書類が変わります。すべての自筆証書遺言で家庭裁判所の検認が必要というわけではありません。
遺言の内容によって相続による登記か遺贈による登記かなどが変わる場合があります。遺言があるから必ず相続人全員の協議書が必要とも限りません。
遺言の原本や証明書、死亡を示す戸籍など、法務局の該当する記載例を選んで準備しましょう。
⑥ 法定相続情報と申請期限を確認する
法定相続情報証明制度で交付された一覧図の写しなどを利用すると、一定の相続関係を証明する戸籍の束の添付を簡略化できる場合があります。ただしすべての登記資料が不要になるわけではありません。
相続登記は2024年4月に義務化され、原則として相続による取得を知った日などから3年以内が申請期限です。施行前の相続でも、条件によって2027年3月31日が期限となる場合があります。
法定相続分、協議、遺言のどれで登記するのかと、相続開始日・取得を知った日・協議成立日を区別して確認しましょう。
⑦ 必要書類を集める四つの順番
第一に登記事項証明書を取り、地番・家屋番号・被相続人の名義を確かめ、相続人の範囲を整理します。
第二に戸籍類と死亡を示す資料、住民票の除票・戸籍の附票など必要な住所証明を集めます。
第三に法定相続分・遺産分割・遺言の申請方法に合わせて、協議書・印鑑証明書や遺言関係の書類と評価額資料を確認します。
最後に法務局の2026年版様式と国籍等の申出事項も確認し、期限内に申請できるか、必要なら司法書士へ相談しましょう。
⑧ よくある質問
Q1. 亡くなった人の戸籍は死亡時の一通だけでいい?
一般的には出生から死亡までの相続人関係が分かる戸籍類が必要になります。
転籍や改製がある場合は前の戸籍もたどって確認しましょう。
Q2. 遺産分割協議書はすべての相続登記で必要?
法定相続分や遺言による登記では、遺産分割協議書が不要な場合があります。
取得の原因に合った法務局の申請例で確認しましょう。
Q3. 2024年より前の相続なら登記しなくていい?
義務化前に開始した相続も対象になる場合があり、2027年3月31日が期限となるケースがあります。
いつ取得したことを知ったか等を含め法務局の案内を確認しましょう。
⑨ まとめ
相続登記の書類は、戸籍・住所証明・評価額資料を基本に、法定相続分・遺産分割協議・遺言という登記方法の違いで追加書類が変わります。
相続人と不動産を正確に特定し、最新の法務局の様式と登記期限を確認しながら、漏れなく準備しましょう。

