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相続したマンションを放置するとどうなる?管理費・修繕積立金の滞納と売却前の確認順

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月18日
  • 読了時間: 12分

親が住んでいたマンションを相続したものの、

「自分は別に家を持っている」

「すぐ売るかまだ決められない」

「誰も住んでいないのに管理費を払い続けるの?」

と迷うことがあります。

戸建ての空き家とマンションで大きく違うのが、

誰も住んでいなくても、管理費や修繕積立金などの支払いが続くことです。

分譲マンションの区分所有者は、自分の部屋だけを所有しているわけではありません。

敷地や廊下、エレベーターなどの共用部分についても、他の区分所有者と一緒に管理していく立場になります。

そのため、

住む。

貸す。

売る。

しばらく保有する。

を決める前に、

毎月いくら出ていくのか。

すでに滞納がないか。

を確認することが重要です。

この記事では、相続したマンションについて、

相続関係。

管理費・修繕積立金。

管理組合。

建物全体の修繕状況。

売却。

の順番で整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️最初に「空室」と「管理費滞納」を分けて考える



親が亡くなり、マンションが空室になったからといって、すぐ大きな問題が発生するわけではありません。

問題になりやすいのは、

空室になったことではなく、所有者側の手続きや支払いまで止まることです。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、空室があるマンションは34.0%でした。

完成年次が古いマンションほど、空室がある割合が高くなる傾向も確認されています。 (国土交通省)

つまり、マンションに空室があること自体は珍しい現象ではありません。

相続した一室について大切なのは、

誰が所有者になるのか。

管理費等は支払われているか。

管理組合からの連絡を誰が受けるのか。

を止めないことです。

空き家900万戸の全体像はこちら。


▪️管理費と修繕積立金は役割が違う



毎月請求される金額を見ると、

管理費。

修繕積立金。

を一つの維持費として考えがちです。

しかし役割は違います。

管理費は、

共用部分の清掃。

管理員業務。

共用設備。

エレベーター。

共用部分の光熱費。

日常的な維持管理。

などに使われます。

修繕積立金は、将来の大規模修繕などに備えて積み立てるお金です。

国土交通省も、区分所有者の責務として管理費・修繕積立金の支払いを挙げています。 (マンション管理・再生ポータルサイト)

部屋を使っているかどうかと、マンション全体の維持管理は別の問題です。


▪️誰も住まなくても管理費等が自動的に止まるわけではない



相続後、

「空室だから管理費を止めてもらえるのでは」

と思うことがあります。

しかし、マンションの管理費や修繕積立金は、一般に区分所有者がマンション全体の管理・修繕のために負担するものです。

国土交通省のマンション標準管理規約でも、区分所有者が管理費・修繕積立金を管理組合へ納入する仕組みが示されています。 (国土交通省)

実際の金額や支払方法は、そのマンションの管理規約・総会決議などを確認します。

相続したら、

管理費。

修繕積立金。

駐車場等の使用料。

その他の負担。

を一覧にします。


▪️まず死亡前までの滞納額を確認する



親が高齢だった場合、

口座残高が不足していた。

引き落とし口座が凍結された。

入院中に郵便物を確認できていなかった。

などの理由で、相続前から支払いが止まっていることがあります。

そのため、

亡くなった時点で滞納があったか。

死亡後に何か月分発生しているか。

遅延損害金等があるか。

を管理会社・管理組合へ確認します。

「毎月2万円くらいだと思う」

という記憶ではなく、

現在の請求額を数字で確認する

ことが大切です。


▪️相続ではマンションだけでなく債務も確認する



相続では、預貯金や不動産などプラスの財産だけを見るわけではありません。

裁判所は、単純承認を選択した場合、被相続人の土地などの権利と借金等の義務をすべて受け継ぐと説明しています。 (裁判所)

つまり、

マンションの価格。

住宅ローン。

管理費等の未払い。

その他の借入。

を合わせて確認します。

マンションだけを見ると資産に見えても、未払い金や借入を含めると判断が変わる可能性があります。

相続財産全体をまだ把握できていない場合は、

売るか残すかより先に、資産と債務を整理します。

相続について専門家へ相談したい場合はこちら。


▪️相続放棄を考えるなら3か月の期間に注意する



預貯金より借入が多い。

売却が難しいマンションがある。

管理費等の滞納額も分からない。

という場合には、相続放棄や限定承認を検討することがあります。

相続放棄は、

マンションだけを放棄して預貯金は相続する

という制度ではありません。

裁判所によると、相続放棄をすると被相続人の権利・義務を一切引き継がず、原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。 (裁判所)

相続財産を調査しても判断できない場合には、熟慮期間の伸長を申し立てられる制度もあります。 (裁判所)

ここは個別事情で判断が変わるため、放棄を検討している段階なら早めに専門家へ確認します。


▪️管理会社・管理組合からの連絡を放置しない



相続直後は、

葬儀。

銀行。

保険。

相続登記。

遺産分割。

など手続きが重なります。

その中で、マンション管理会社からの郵便を後回しにしてしまうことがあります。

しかし管理組合側から見ると、

区分所有者が亡くなった。

誰が承継するか分からない。

請求先が分からない。

総会資料を送れない。

という状態になります。

まず死亡したことを伝え、

今後必要となる届出。

連絡先。

請求方法。

管理規約上の手続き。

を確認します。

遺産分割が終わるまで何も連絡しない

という状態は避けた方がよいでしょう。


▪️「滞納したまま売れば消える」と考えない



管理費等を数か月滞納したあと、

「売却代金から払えばいい」

「買主が変わればリセットされる」

と考えるのは注意が必要です。

区分所有法では、管理組合等が区分所有者に対して有する一定の債権について、特定承継人にも請求できる仕組みがあります。 (e-Gov 法令検索)

また、国土交通省の標準管理委託契約書でも、売却時に宅地建物取引業者から求められた場合、管理費・修繕積立金等の月額や滞納額などを開示する仕組みが示されています。 (国土交通省)

つまり、

滞納は売却時にも確認される重要情報です。

実際の清算方法は、管理規約・売買契約・滞納状況を確認して進めます。


▪️相続した一室だけでなくマンション全体の財務も見る



マンションを売るか残すか判断するときは、自分の部屋だけを見ても足りません。

確認したいのは、

長期修繕計画。

修繕積立金残高。

積立方式。

今後の値上げ予定。

大規模修繕の予定。

管理組合全体の滞納状況。

です。

令和5年度マンション総合調査では、長期修繕計画上の予定額に対して、現在の修繕積立金が不足しているマンションは36.6%でした。 (国土交通省)

これは、

36.6%のマンションが危険

という意味ではありません。

工事費や積立計画、今後の増額方法などはマンションごとに異なります。

だからこそ、

今の修繕積立金月額だけではなく、これから増える予定があるか

まで確認します。


▪️築年数が古いマンションほど相続を意識した確認が重要になる



マンションでは、建物と居住者の両方の高齢化が進んでいます。

国土交通省調査では、区分所有者の世帯主が70歳以上の割合は25.9%。

1984年以前に完成したマンションでは55.9%でした。 (国土交通省)

高齢者が多いこと自体が問題なのではありません。

ただ、

所有者が亡くなったときに相続人の連絡先が分からない。

相続登記が進まない。

空室になる。

管理組合活動へ参加する人が減る。

といった問題につながる可能性があります。

相続したマンションでは、

自分の一室の価値だけでなく、建物全体がどう管理されているか

も確認します。


▪️管理計画認定を取っているかも確認材料になる



マンションの管理状態を判断する材料の一つに、管理計画認定制度があります。

認定基準には、

総会の定期開催。

管理規約。

管理費と修繕積立金の区分経理。

長期修繕計画。

修繕積立金の滞納状況。

などが含まれています。 (マンション管理・再生ポータルサイト)

もちろん、

認定がない=管理が悪い

とは言えません。

自治体で制度を実施しているかなども関係します。

それでも売却前に、

管理計画認定の有無。

長期修繕計画。

総会議事録。

管理費等の変更予定。

を確認することは、マンション全体を把握する材料になります。


▪️「管理費が高いから売る」だけでは判断しない



相続したマンションの管理費・修繕積立金が月3万円なら、

「高すぎるからすぐ売りたい」

と思うことがあります。

しかし月額だけでは判断できません。

たとえば仮に、

管理費・修繕積立金が月3万円なら年間36万円。

固定資産税が年10万円なら、単純合計で年間46万円です。

これはあくまで仮定ですが、

年間いくら出ていくか

に直すと保有負担を比較しやすくなります。

一方、月額が低すぎても、将来の修繕積立金増額や一時金の可能性を確認した方がよい場合があります。

「高い・安い」ではなく、

現在額+今後の計画

で見ます。


▪️貸すなら管理規約と手取り収支を確認する



売るのが惜しい場合、

賃貸へ出す

という選択肢があります。

ただし、

家賃8万円で貸せる。

毎月8万円残る。

ではありません。

管理費。

修繕積立金。

固定資産税。

賃貸管理費。

室内修繕。

空室期間。

募集費。

などが関係します。

さらに、マンションの管理規約や使用細則も確認します。

売却価格と賃貸した場合の手取りを比較してから判断する

ことが重要です。


▪️売却するなら先に現在価格を確認する



相続したマンションを、

古い。

郊外。

空室。

という理由だけで安く処分する必要はありません。

反対に、

親が高額で買ったから今も高く売れる

とも限りません。

確認するのは、

同じマンションの成約事例。

階数。

方角。

広さ。

室内状態。

管理状態。

修繕計画。

毎月の固定費。

などです。

まず現在価格を確認し、

保有した場合の年間負担と売却価格を並べます。

現在の売却価格を確認したい場合はこちら。


▪️仲介と買取はマンションでも比較する



売却方法には、

一般の購入希望者を探す仲介。

不動産会社が直接買う買取。

があります。

築年数が古い。

室内に荷物が残っている。

修繕が必要。

早く相続財産を整理したい。

といった事情によって、合う方法は変わります。

仲介なら必ず高く売れる。

買取なら必ず安くなる。

という一言だけでは判断できません。

価格。

期間。

片付け。

契約条件。

を比較します。

仲介と買取の違いはこちら。


▪️売ると決める前に室内を全部リフォームしない



親が長く住んだマンションでは、

壁紙。

床。

キッチン。

浴室。

給湯器。

などが古くなっていることがあります。

そこで、

「300万円かけてきれいにすれば高く売れる」

と考えることがあります。

しかし、投入したリフォーム費用と同額以上、売却価格が上がる保証はありません。

買主が購入後に自分で改修する可能性もあります。

そのため、

現在のままの査定。

リフォーム後の想定価格。

改修費。

を比較してから工事を決めます。


▪️相続したマンションは6項目で整理する



迷った場合は、順番を固定します。

①相続関係

相続人。

遺産分割。

相続放棄を検討する必要があるか。

を確認します。

②現在の未払い

管理費。

修繕積立金。

ローン。

税金。

その他の請求。

を確認します。

③毎月・毎年の固定費

管理費等。

固定資産税。

保険。

その他費用。

を確認します。

④マンション全体の管理状態

長期修繕計画。

積立額。

値上げ予定。

大規模修繕。

を確認します。

⑤使い道

住む。

貸す。

保有。

売る。

を比較します。

⑥売却価格

現在の査定額を確認します。

この順番なら、

「親が残したマンションだから、とりあえずそのまま」

という状態を避けやすくなります。


▪️よくある質問



Q. 親が亡くなって誰も住んでいなくても管理費は必要ですか?



一般に管理費・修繕積立金はマンション全体の維持管理のため区分所有者が負担します。実際の金額・支払方法はそのマンションの管理規約等を確認します。


Q. 親が管理費を滞納していたら相続人は払う必要がありますか?



相続では被相続人の債務も確認する必要があります。相続放棄等を含めた個別判断が関係する場合は、滞納額を確認したうえで専門家へ相談します。


Q. 管理費滞納があってもマンションを売れますか?



滞納があることだけで一律に売却不可ではありません。ただし売却時に滞納額等が確認されるため、管理組合・不動産会社と清算方法を整理します。


Q. 古いマンションなら早く売った方がいいですか?



築年数だけでは決まりません。現在価格、管理状態、修繕計画、年間保有費、今後の利用予定を確認して判断します。


Q. 相続したマンションを貸すか売るか迷っています。



賃貸した場合の手取り収支と現在の売却価格を比較します。管理規約や修繕予定も含めて判断します。


▪️まとめ|相続マンションは「空室」より固定費と管理状態を先に確認する



相続したマンションに誰も住まなくなっても、

管理費。

修繕積立金。

固定資産税。

などの負担が自動的になくなるわけではありません。

だから最初に確認するのは、

このマンションを売るべきか

ではありません。

まず、

相続前の滞納。

相続後の請求額。

住宅ローン等の債務。

毎年の保有費。

を確認します。

その次に、

長期修繕計画。

修繕積立金。

値上げ予定。

大規模修繕。

など、マンション全体の管理状態を見ます。

そこまで分かれば、

住む。

貸す。

保有する。

売る。

を数字で比較できます。

相続したマンションで避けたいのは、

誰も使っていないのに、何を払っているのか分からないまま数年過ぎることです。

空室そのものではなく、

所有関係。

固定費。

管理状態。

出口。

を整理する。

これが、相続したマンションを放置状態にしないための基本です。


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