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不動産投資で現金を残すべき?繰上返済するべき?次の融資につながる資金戦略を徹底解説

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月10日
  • 読了時間: 13分

不動産投資で現金を残すべき?繰上返済するべき?次の融資につながる資金戦略を徹底解説


不動産投資を続けていると、ある程度の現金が手元に残るようになります。

そこで迷いやすいのが、

「現金をそのまま持っておくべきか」

「ローンを繰上返済した方がいいのか」

という問題です。

例えば500万円の現金がある場合、その500万円を繰上返済すれば借入残高は確実に減ります。

一方、その500万円を手元に残しておけば、修繕や空室への備えになるだけでなく、次の物件を購入するための自己資金として使える可能性があります。

つまり、不動産投資では単純に、

借金が少ない=正解

とは限りません。

特に複数物件を所有し、今後も買い増していきたい投資家にとって重要なのは、

「今の借金をどれだけ早く返すか」ではなく、「次の融資まで含めて資金をどう配置するか」

という考え方です。

今回は、現金保有と繰上返済の違いを、キャッシュフロー・決算書・金融機関評価・次の物件購入という視点から考えていきます。


▪️現金を残すか繰上返済するかは「目的」で変わる


最初に結論を言えば、万人に共通する正解はありません。

今後物件を増やす予定がなく、借入を減らして安定した賃貸経営をしたいのであれば、繰上返済には大きな意味があります。

反対に、

・今後も物件を買いたい


・金融機関から追加融資を受けたい


・築古物件を購入したい


・大規模修繕に備えたい


・法人の財務基盤を強くしたい

という場合は、現金を急いで返済に回さない方が有利になることもあります。

不動産投資は、物件を購入した瞬間だけで終わるものではありません。

購入後には固定資産税、火災保険、修繕費、設備交換、退去時の原状回復など、さまざまな支出が発生します。

そのため、借入残高だけを見て判断するのではなく、

「返済後にいくら現金が残るのか」

まで考える必要があります。


▪️繰上返済の最大のメリットは残債を減らせること


繰上返済のメリットは非常に分かりやすいです。

借入元金を早く返済すれば、その分だけ将来支払う利息を減らせます。

例えば、

借入残高3,000万円


金利2%


残存期間15年

というローンがあり、まとまった金額を繰上返済すれば、長期的な利息負担を圧縮できます。

さらに借入残高が減れば、

不動産価値-借入残高

で考えた場合の純資産も増えやすくなります。

長期間保有することを前提にした投資家にとって、借入元金が着実に減っていくことは非常に大きな強みです。

家賃収入からローンを返済し続けるだけでも、時間とともに残債は減っていきます。

その意味では不動産投資は、

家賃収入を得ながら、入居者から受け取った家賃によって借入元金を圧縮していける投資

とも考えられます。


▪️ただし「借金を減らすこと」だけを優先すると危険


ここが重要です。

500万円の現金を持っている人が、その500万円をすべて繰上返済したとします。

確かに借入は500万円減ります。

しかし、翌月に、

・給湯器交換


・外壁修繕


・屋根修繕


・退去


・漏水


・浄化槽トラブル

などが重なった場合、現金がなければ対応できません。

不動産は帳簿上で利益が出ていても、現金不足で経営が苦しくなることがあります。

だからこそ、

「借入金が多いこと」と「資金繰りが危険なこと」は同じではありません。

逆に借入が少なくても、手元資金がほとんどなければ、不測の支出に弱い経営になります。


▪️金融機関は手元資金も見ている


次の融資を考える場合、さらに重要になります。

金融機関が見るのは、所有物件数や家賃収入だけではありません。

預金残高、借入残高、利益、純資産、返済能力などを総合的に確認します。

特に現預金は、非常に分かりやすい財務余力の一つです。

例えば同じ1億円の不動産を所有している2社でも、

A社


現預金100万円

B社


現預金1,500万円

では、突発的な修繕や空室が発生した際の耐久力が違います。

もちろん現預金だけで融資可否が決まるわけではありません。

しかし、

「何か起きても返済を続けられるだけの余力があるか」

という点は、金融機関が融資を検討するうえで重要な材料になります。


▪️現金は「次の物件を買うための武器」にもなる


不動産投資を拡大したい人にとって、現金にはもう一つ重要な役割があります。

次の物件購入の自己資金です。

例えば2,000万円の収益物件を購入するとします。

金融機関から満額融資を受けられなければ、

・頭金


・仲介手数料


・登記費用


・融資手数料


・火災保険


・取得税


・購入直後の修繕費

などを現金で支払う必要があります。

ここで手元資金がほとんどなければ、良い物件が出てきても購入できません。

逆に現金を持っていれば、

「物件が出た瞬間に動ける」

という大きな強みになります。

地方不動産投資では、価格が比較的安く、高利回りを狙える物件が見つかることもあります。


地方不動産投資について詳しくはこちら。


▪️現金500万円ならどう考える?


具体例で考えてみます。

現金500万円を保有していて、ローン残高が3,000万円あるとします。

選択肢は大きく3つです。

①500万円すべて繰上返済する

残債は2,500万円になります。

負債を大きく圧縮できますが、手元現金がほとんどなくなるのであれば、賃貸経営の安全性は下がります。

②500万円すべて残す

残債は3,000万円のままですが、修繕や次の物件購入に使える資金を確保できます。

規模拡大を狙う投資家にはこちらが有効なケースがあります。

③一部だけ繰上返済する

例えば200万円を繰上返済し、300万円を残す方法です。

借入圧縮と現金確保の両方を狙えます。

実際には、

金利・残存期間・物件の収益力・現預金・今後の購入計画

まで含めて判断する必要があります。

だから「現金が余ったら返済」という単純な考え方ではなく、

その現金に次の仕事をさせられないか

を考えることが重要です。


▪️不動産投資を拡大するなら「返済後の姿」を見る


例えば300万円を繰上返済するとします。

判断するときに見るべきなのは、

「300万円借金が減る」

だけではありません。

繰上返済後の現預金はいくらか?

年間返済額はいくら変わるか?

年間CFはいくら改善するか?

次の購入資金はいくら残るか?

金融機関から見た財務状態はどう変化するか?

ここまで見る必要があります。

不動産投資では、一つの数字を良くした結果、別の数字が悪くなることがあります。

だからこそ重要なのは、

B/Sとキャッシュフローをセットで考えること。

ここからさらに、

「現預金はいくら残しておくべきなのか」

という問題につながってきます。


▪️現預金はいくら残しておくべきなのか


では、不動産投資では具体的にどの程度の現預金を持っておけばいいのでしょうか。

これは所有物件数や借入額、毎月の家賃収入、物件の築年数などによって大きく異なるため、「必ず○万円」という正解はありません。

ただし重要なのは、

毎月の支払いだけではなく、突然発生する大きな支出まで想定することです。

築古物件を複数所有していれば、

・給湯器


・エアコン


・水回り


・屋根


・外壁


・配管


・退去時修繕

などが同じ時期に重なる可能性もあります。

そのため、現在の返済が問題なくできているからといって、余った現金をすべて繰上返済してしまうのは慎重に考える必要があります。

むしろ、

「半年後に大きな修繕が発生しても経営を続けられるか」

という視点から現預金を見ることが重要です。


▪️ローン返済が進めば純資産は増えていく


ここは不動産投資の非常に面白い部分です。

例えば3,000万円の不動産に対して2,500万円の借入があったとします。

単純化すれば、

不動産価値3,000万円


-借入2,500万円


=500万円

の資産余力があります。

その後、家賃収入からローンを返済し、残債が2,000万円まで減れば、

3,000万円


-2,000万円


=1,000万円

となります。

もちろん実際の不動産価格は変動しますし、会計上の簿価と実勢価格も異なります。

それでも、

家賃を受け取りながら借入元金を減らし、時間をかけて純資産を積み上げていく

というのが不動産投資の大きな特徴です。

だからこそ繰上返済だけを急ぐのではなく、

通常返済による残債減少も資産形成の一部

として考える必要があります。


不動産投資をこれから始めたい人や、次の物件を検討している人はこちらも参考にしてください。


▪️決算書では「利益」と「現金」を分けて考える


不動産賃貸業では、

利益が出ている=現金が増えている

とは限りません。

その理由の一つがローン返済です。

借入金の返済では、利息部分は原則として費用になりますが、元金返済部分は経費ではありません。

つまり、

利益が出て税金を支払っているのに、ローン返済によって手元現金はそれほど増えていない

ということも起こります。

逆に減価償却費は会計上の費用ですが、その年に同額の現金が出ていくわけではありません。

このため不動産投資では、

損益計算書だけではなく、現預金と借入残高まで見る

ことが非常に重要になります。


▪️繰上返済でB/Sはどう変わる?


例えば現預金500万円から300万円を使って繰上返済した場合、

現預金 ▲300万円


借入金 ▲300万円

となります。

借入は減りますが、同時に現預金も減ります。

つまり、

「借入が300万円減ったから純資産が300万円増える」わけではありません。

ここは間違えやすいポイントです。

通常の元金返済についても同じで、返済そのものが利益になるわけではありません。

純資産を厚くしていく基本は、

賃貸事業で利益を積み上げること。

そして利益を積み上げながら元金返済を進め、不動産に対する実質的な持分を増やしていく。

この両方を見る必要があります。


▪️「利益を出す」と「残債を減らす」は別の仕事


不動産投資を長期間続けるなら、この違いは非常に重要です。

家賃売上を伸ばす



空室や経費を適正化する



利益を残す



利益剰余金を積み上げる



純資産を厚くする

これが会社の決算書を強くしていく流れです。

一方、

家賃が入る



ローンを返済する



借入元金が減る



不動産に対する実質的な持分が増える

こちらも同時進行します。

つまり不動産賃貸業では、

「利益を積み上げる力」と「時間を使って残債を減らす力」の両方を利用できる

わけです。


▪️次の融資を考えるなら「使える現金」をなくさない


不動産投資を拡大したい人にとって特に重要なのがここです。

魅力的な物件は、自分の現金が貯まるまで待ってくれるとは限りません。

「これは買いたい」

という物件が突然出てくることがあります。

そのときに自己資金がなければ、金融機関が融資に前向きでも購入できない可能性があります。

だからこそ、

現金には「待機資金」という役割もあります。

何もしない現金に見えても、

修繕への備え



返済への備え



次の頭金



諸費用



金融機関への信用力

という複数の仕事をしています。


資産形成全体を考えながら資金の置き場所を検討したい場合はこちら。


▪️それでも繰上返済が有効なケース


もちろん、繰上返済を否定するわけではありません。

例えば、

・今後それほど物件を増やさない


・高金利の借入がある


・十分な現預金をすでに確保している


・返済比率を下げたい


・毎月のキャッシュフローを改善したい


・借入期間が長く利息削減効果が大きい

こうしたケースでは、繰上返済が有効になる可能性があります。

特に金利が高い借入では、繰上返済によって将来支払う利息を大きく減らせる場合があります。

重要なのは、

「借金が嫌だから返す」ではなく、返済した場合と現金を残した場合のどちらが経営に有利なのかを数字で比較することです。


▪️不動産投資は「借金をなくすゲーム」ではない


不動産投資を始めたばかりの頃は、借入額が大きいことに不安を感じるかもしれません。

しかし賃貸経営では、借入を利用することで自己資金だけでは購入できない不動産を取得し、そこから家賃収入を得ることができます。

もちろん過剰な借入は危険です。

だからといって、

借入ゼロを最優先する必要もありません。

重要なのは、

借入額


現預金


家賃収入


年間返済額


キャッシュフロー


純資産


物件価値

のバランスです。

これから不動産投資を検討する場合も、表面利回りだけではなく、購入後にどれだけ現金が残るのかまで確認しておきましょう。


不動産投資の選択肢を比較したい人はこちら。


▪️現金を使って物件価値を上げる選択肢もある


現金の使い道は、

「持っておく」か「返済する」か

だけではありません。

例えば300万円を繰上返済する代わりに、収益物件のリフォームへ投じる選択肢もあります。

その結果、

空室改善



入居率向上



家賃売上増加



利益改善



キャッシュフロー改善

につながるのであれば、単純な繰上返済より効果が大きくなる可能性があります。

特に築古不動産では、どこに修繕費を使うかによって収益性が大きく変わります。 


リフォームを検討する場合はこちら。


▪️最終的には「次の5年」で判断する


現金を残すべきか。

繰上返済するべきか。

この答えを出すときは、現在だけを見るのではなく、

5年後を想像してみてください。

5年間で、

いくら家賃が入るのか。

いくら利益を残せるのか。

残債はいくら減るのか。

現預金はいくら増えるのか。

何棟追加購入するのか。

純資産はいくらになるのか。

ここまで考えると、現在持っている500万円の使い方も変わってきます。

500万円をすぐ返済することが正解かもしれません。

300万円を残して200万円だけ返済する方がいいかもしれません。

あるいは500万円を次の物件取得に使った方が、5年後の資産形成につながる可能性もあります。

大切なのは、

「今、一番安心する方法」ではなく、「将来の財務を最も強くできる方法」を選ぶことです。


▪️まとめ|現金も借入も「経営の道具」として考える


不動産投資では、現金を残すことにも、繰上返済することにもメリットがあります。

重要なのは、どちらかを絶対的な正解にしないことです。

現金を残す。


利益を出す。


借入元金を返済する。


純資産を積み上げる。


次の融資につなげる。

この循環を作ることが、不動産賃貸業を長期的に成長させる基本になります。

そして規模を拡大するほど、

「物件を買う判断」だけでなく、「現金をどこに置くか」という判断が重要になる。

これが、不動産投資を単なる物件購入ではなく「経営」として考える第一歩です。


不動産投資をこれから始める人、次の一棟を検討している人はこちら。

資産形成全体から将来のお金について考えたい人はこちら。


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