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不動産投資ローンの返済予定表の見方|元金・利息・残債を経営判断に使う方法

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月15日
  • 読了時間: 11分

更新日:8月19日

不動産投資ローンを借りると、金融機関から返済予定表や返済明細を受け取ることがあります。

しかし、

「数字がたくさん並んでいて、どこを見ればいいか分からない」

「毎月の返済額だけ確認して、そのまま保管している」

「今の残債を聞かれても、すぐ答えられない」

という方もいるでしょう。

返済予定表は、単に「毎月いくら銀行へ払うか」を確認する書類ではありません。

返済したお金のうち、いくらが元金を減らし、いくらが利息として消えているのか。

ここを確認できる資料です。

さらに不動産投資では、返済予定表の数字が、

・確定申告


・物件売却


・繰上返済


・借り換え


・次の物件購入

を考えるときの基礎資料にもなります。

この記事では、5年後・10年後の残債計算を何度も繰り返すのではなく、実際に返済予定表を開いたとき、どの数字をどう読むのかに絞って整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。



▪️返済予定表で最初に確認するのは6項目


金融機関によって書類の名称や表示方法は異なります。

三井住友銀行では住宅ローンの返済予定表を「ローンご明細書」として案内するなど、名称も統一されているわけではありません。(よくあるご質問 : 三井住友銀行)

ただし、基本的に確認したい内容は似ています。

・返済日


・毎月返済額


・元金返済額


・利息額


・返済後残高


・適用金利、最終返済日などの契約条件

最初から表のすべてを理解する必要はありません。

まず、**「今月いくら払うか」「そのうち元金はいくらか」「返済後いくら残るか」**の3つを見るところから始めます。



▪️返済予定表の1行はこう読む


一度だけ、具体的な数字で見てみます。

仮に、

借入額2,400万円。

金利年2.2%。

20年返済。

元利均等返済。

金利は変わらない。

という条件だったとします。

単純試算では、毎月返済額は約12万3,700円です。

最初の月なら利息は約4万4,000円、元金へ充てられるのは約7万9,700円です。

つまり、

12万3,700円支払っても、ローン残高が減るのは約7万9,700円。

という読み方になります。

返済後の残高は約2,392万円です。

三井住友銀行も、毎月返済額を元金返済額と利息返済額に分け、利息を直前の借入残高と金利から計算する仕組みを説明しています。(三井住友銀行)

ここが返済予定表の基本です。

銀行口座から出ていった金額と、借金が減った金額は同じではありません。



▪️元金と利息を分ける理由は「税金」でも重要


元金と利息を分けて見る意味は、残債を把握するためだけではありません。

確定申告でも意味が違います。

国税庁の「収支内訳書(不動産所得用)の書き方」では、賃貸している建物等を取得するための借入金利子を必要経費として記載する一方、借入金返済額のうち元本部分は必要経費にならないことが明記されています。(国税庁)

例えば毎月12万円返済しているからといって、

「年間144万円をローン経費として計上する」

という考え方にはなりません。

返済額には、

元金の返済

と、

利息の支払い

が含まれています。

実際の税務処理は取得時期や借入目的などによって確認が必要ですが、少なくとも「ローン返済額すべて=経費」ではないことは押さえておきたいところです。

返済予定表で利息部分を確認できるようになると、賃貸経営の現金収支と税務上の経費を混同しにくくなります。



▪️元金返済は経費ではないが、残債は減っている


ここは不動産投資で少し分かりにくい部分です。

元金返済は、銀行口座から現金が出ていきます。

しかし先ほどのとおり、通常その元金部分をそのまま必要経費として扱うわけではありません。

一方で、元金を返した分だけローン残高は減ります。

つまり不動産投資では、

現金は減った。

しかし、

負債も減った。

という動きが同時に起こります。

そのため、

「今年はキャッシュフローが100万円しか残らなかった」

という数字だけで、資産全体の変化を判断することもできません。

年間で元金をいくら返したのかも、別に確認する価値があります。

ただし、元金が100万円減ったから純資産が必ず100万円増えた、と単純に考えることもできません。

物件価格の変動、現金残高、その他の資産・負債も関係するためです。

キャッシュフローそのものについてはこちら。



▪️返済予定表の「残高」は売却判断の基準になる


物件を売却するとき、

「3,000万円で買った物件だから、2,500万円で売れれば大丈夫」

とは判断できません。

重要なのは、その時点でいくらローンが残っているかです。

返済予定表を見れば、現在の返済条件を前提とした残高推移を確認できます。

その数字を想定売却価格と比較すれば、

「売却代金でローンを返済できそうか」

を考える材料になります。

ただし、実際に全額返済するときの必要額を、返済予定表の残高だけで確定しないことも大切です。

完済日までの利息や手数料などが関係する場合があるため、売却が具体化した段階では金融機関へ完済予定額を確認します。

返済期間によって残債がどう変わるかは、こちらの記事へ分けています。



▪️変動金利の返済予定表は「完済まで確定した数字」とは限らない


変動金利を利用している場合は、返済予定表の読み方にも注意します。

現在表示されている将来の返済内容が、完済まで絶対に続くとは限りません。

金利が見直されれば、

・支払利息


・元金へ充てられる金額


・毎月返済額


・その後の残高推移

が変わる可能性があります。

また、返済予定をどこまで表示するかも金融機関・商品によって異なります。

例えばりそな銀行では、変動金利型の返済予定照会について、最大2年分の範囲内で次回金利変更時まで表示すると案内しています。(レゾナバンク)

さらにりそな銀行の住宅ローンでは、金利見直しと返済額見直しのタイミングが同一とは限らず、金利が変わっても元金と利息の割合だけが先に変化する場合があると説明されています。(レゾナバンク)

これはすべての不動産投資ローンへ共通するルールではありません。

自分が利用している金融機関・融資商品の契約条件を確認することが前提です。

固定金利・変動金利の違いはこちら。



▪️返済額が同じでも「元金の減り」が変わることがある


毎月口座から引き落とされる金額が変わっていないと、

「ローン条件も変わっていない」

と感じやすくなります。

しかし、変動金利などでは金利条件が変わることによって、同じ返済額の中でも利息の割合が増え、元金返済部分が小さくなる場合があります。

そこで金利変更後は、

返済額だけを見るのではなく、元金と利息の内訳をもう一度確認する。

これが重要です。

以前は毎月8万円ずつ元金が減っていたのに、現在は6万円程度しか減っていない。

このような変化があれば、将来の残債にも影響します。

「毎月の支払いに耐えられるか」と「ローンがどの速度で減っているか」は別々に確認します。



▪️返済予定表と残高証明書は同じ書類ではない


ローン関係では「残高証明書」という書類もあります。

似ていますが、役割は違います。

返済予定表は、

これからの返済予定や残高推移を見る資料。

残高証明書は、

特定時点の借入残高を証明する資料。

と考えると分かりやすいでしょう。

住宅金融支援機構でも、返済内容の確認と融資額残高証明書を別の手続きとして扱っています。(JHF)

普段の賃貸経営では返済予定表を使いながら、正式な残高証明が必要な場面では金融機関へ必要書類を確認します。



▪️繰上返済をしたら古い返済予定表を使い続けない


一部繰上返済を行えば、ローン元金が減ります。

その結果、その後の返済計画も変わります。

例えば、

期間短縮型なら完済時期が早まる方向。

返済額軽減型なら毎月返済額を下げる方向。

という違いがあります。

住宅金融支援機構も、一部繰上返済後の返済額・返済期間を確認するシミュレーションを提供しています。(シミュレーションサイト)

そのため、

「300万円繰上返済した」

だけで終わらず、

・現在残高


・新しい毎月返済額


・完済予定日


・今後の利息

がどう変わったのかまで確認します。

繰上返済についてはこちら。



▪️借り換えでは「新しい金利」より先に現在の返済予定表を見る


別の金融機関から、

「今より低い金利で借り換えられる可能性があります」

と言われた場合にも返済予定表を使います。

まず現在のローンについて、

・残債


・金利


・毎月返済額


・残り返済期間


・完済予定日

を確認します。

そのうえで、新しい融資条件と比較します。

金利だけが下がっても、返済期間や諸費用が変われば、最終的な負担は単純比較できません。

つまり返済予定表は、今のローンを正確に把握するための比較元になります。

借り換えについては専用記事で詳しく整理しています。



▪️2棟目・3棟目へ進むなら「借入一覧」を作る


物件が1棟なら、返済予定表を一枚見れば状況を把握できます。

しかし2棟、3棟と増えると、

「どの銀行にいくら残っているのか」

が分かりにくくなります。

そこで各返済予定表から、

・金融機関名


・現在残高


・現在金利


・年間返済額


・年間で減る元金の目安


・最終返済日

だけを抜き出し、一覧にしておくと管理しやすくなります。

これを見ると、

ローン総額はいくらか。

年間で元金はいくら減っているか。

どのローンの金利が高いか。

どの物件が早く完済するか。

が一度に確認できます。

次の融資が受けられるかは返済予定表だけで決まるわけではありませんが、既存借入は融資判断を考えるうえで重要な情報の一つです。

2棟目・3棟目へ進むときの融資余力についてはこちら。



▪️返済予定表が見つからない場合は金融機関へ確認する


購入から数年たち、

「返済予定表をどこへ置いたか分からない」

ということもあります。

この場合、昔の契約書類だけから自分で残債を推測する必要はありません。

金融機関によっては、

インターネットバンキング。

アプリ。

郵送。

窓口での再発行。

などで返済内容を確認できる場合があります。

ただし、確認方法や発行手数料は金融機関・商品によって異なります。

例えばりそな銀行では、返済予定表の発行について所定の手数料を案内しています。(レゾナバンク)

分からなければ、

「現在の残高と、今後の返済予定を確認したい」

と金融機関へ問い合わせれば十分です。



▪️返済予定表は年1回でも見直す価値がある


返済予定表を毎月細かく見る必要はありません。

ただ、不動産投資では少なくとも定期的に、

現在の残債。

年間で減った元金。

年間で支払った利息。

現在の金利。

を確認しておくと、ローンの状態を把握しやすくなります。

特に、

金利が変更された。

繰上返済した。

借り換えを検討している。

物件を売却したい。

次の物件を購入したい。

というタイミングでは、古い数字のまま判断しないことが重要です。

不動産投資の物件・融資条件をまとめて比較したい方はこちら。



▪️まとめ|返済予定表は「借金の表」ではなく賃貸経営の資料


不動産投資ローンの返済予定表を開いたら、最初に見るのは難しい計算式ではありません。

確認するのは、

・毎月返済額


・元金返済額


・利息


・返済後残高


・金利


・完済予定時期

です。

特に重要なのは、

返済額と元金返済額を同じものとして見ないこと。

毎月銀行へ支払っている金額の中には、ローン残高を減らす元金と、借入コストである利息が含まれています。

この二つを分けて見ることで、

確定申告では利息を確認する。

売却では残債を確認する。

金利変更後は元金の減り方を確認する。

繰上返済後は新しい返済計画を見る。

借り換えでは現在のローン条件と比較する。

という使い方ができます。

返済予定表は、銀行から送られてきた書類を保管しておくためだけのものではありません。

「今いくら借りていて、毎年どれだけ減り、今後どう経営するのか」を確認する資料です。

まず自分の返済予定表を一枚開いて、

現在残高・元金・利息。

この3つだけ確認してみてください。

そこから、不動産投資ローンの見え方はかなり変わります。



▪️関連記事


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