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親の実家を相続する前に集めたい不動産書類|権利証・測量図・購入契約書・リフォーム履歴を整理

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月29日
  • 読了時間: 17分

親が高齢になってくると、

「実家の権利証ってどこにある?」

「この土地、境界の資料は残ってる?」

「昔リフォームしたときの書類は?」

と、不動産関係の書類が気になることがあります。

しかし今すぐ実家を売る予定がなければ、

「相続してから探せばいいか」

と後回しにしがちです。

実際には、親が元気なうちに一度だけ不動産書類を整理しておく意味があります。

なぜなら相続後には、

親がどこへ書類を保管したか分からない。

土地をいつ買ったのか分からない。

境界について誰と話したのか分からない。

どこの会社でリフォームしたのか分からない。

という状態から、家族が調べ直すことがあるからです。

しかも大切なのは、単に書類を集めることではありません。

親しか知らない実家の情報を、書類と一緒に残しておくことです。

例えば、

売買契約書。

権利証・登記識別情報。

建築確認関係資料。

測量図・境界資料。

リフォーム・修繕記録。

固定資産税資料。

住宅ローン関係資料。

賃貸している部分があれば賃貸借契約書。

などです。

ただし、これらすべてがすべての実家売却で必須になるわけではありません。

書類が一つないから売却できない、という意味でもありません。

この記事では、親が元気なうちに実家について何を集め、何を聞いておけばよいのかを、生前整理の順番で整理します。

▪️結論|「全部そろえる」より実家の情報を一か所へ集める

実家の生前整理というと、

権利証を探す。

契約書を探す。

測量図を探す。

と、書類探しそのものが目的になりやすくなります。

しかし、本当の目的は違います。

将来、親本人が説明できなくなっても、家族が実家の状況を確認できる状態にしておくことです。

例えば一つのファイルや箱へ、

登記関係。

購入関係。

建築関係。

境界関係。

税金関係。

修繕関係。

をまとめておくだけでも違います。

さらに、

この土地は○○さんから買った。

裏の境界は昔隣家と確認した。

屋根は10年前に直した。

住宅ローンは完済している。

という親の記憶もメモしておきます。

書類だけでは分からない情報を残せるのが、生前整理の強みです。

▪️① 最初に登記事項証明書で「誰の不動産か」を確認する

最初に確認したいのは、実家の現在の登記です。

親が、

「自分の家」

と言っていても、土地と建物の名義が同じとは限りません。

例えば、

土地は父名義。

建物は父母共有。

土地の一部だけ祖父名義のまま。

私道に共有持分がある。

というケースもあります。

そこで、

土地。

建物。

私道等があればその持分。

について登記事項証明書を確認します。

見るのは主に、

所在。

地番・家屋番号。

所有者。

持分。

抵当権等の登記。

です。

生前整理では、

「実家」という一つの物件名ではなく、登記上どの土地・建物で構成されているのか

を確認します。

▪️親の住所が登記上の住所と違っていないかも見る

親が実家を購入した後に転居していたり、住居表示が変わっていたりすることがあります。

2026年4月1日からは、不動産所有者の住所・氏名等に変更があった場合の変更登記も義務化されています。

そのため現在の住所・氏名と登記記録が一致しているかも確認します。

ただし家族だけで、

登記が古いから大変なことになっている。

と判断する必要はありません。

登記内容を確認し、必要な手続きがある場合は法務局や司法書士等へ相談します。

▪️② 権利証・登記識別情報は「ある場所」を確認する

次に探したいのが、昔の権利証や現在の登記識別情報通知です。

親世代の実家では、

権利証。

登記済証。

登記識別情報通知。

という違う名前の書類が出てくることがあります。

これらは将来、売買による所有権移転登記などを行う際の本人確認に関係する重要な資料です。

だから、

金庫。

銀行の貸金庫。

重要書類ケース。

昔の不動産契約ファイル。

などを確認します。

ただし、

権利証が見つからない=実家を売れない

ではありません。

紛失した権利証や登記識別情報は再発行できませんが、売却等の登記では別の本人確認方法を利用できる場合があります。

そのため生前整理で重要なのは、

見つからないから慌てて何か作り直す。

ではなく、

あるか、ないかを把握しておくことです。

見つからないことが分かった時点でメモを残しておけば、売却直前になって家族全員で実家を探し回ることを避けられます。

▪️③ 売買契約書・建築請負契約書は税金のためにも残す

実家の古い書類で特に捨てたくないのが、取得時の資料です。

例えば、

土地・建物の売買契約書。

建築請負契約書。

購入代金の領収書。

購入時の仲介手数料等の資料。

などです。

これらは単に、

昔この家を買った証拠

というだけではありません。

将来実家を売却した場合、譲渡所得を計算するための取得費を確認する資料になる可能性があります。

相続した不動産を売る場合も、原則として親など被相続人が取得したときの購入代金等を基に取得費を考えます。

だから、

40年前の契約書だからもういらない。

と処分しない方がよいでしょう。

詳しくはこちら

▪️購入価格だけでなく「どう取得した家か」を親に聞く

書類が見つからなくても、親が元気なら聞けることがあります。

例えば、

土地と家を一緒に買った。

土地だけ先に買って後から家を建てた。

祖父から相続した。

建売住宅を購入した。

増築して現在の形になった。

などです。

同じ実家でも取得経緯によって、探す資料が変わります。

だから生前整理では、

契約書があるか。

だけではなく、

この家をどうやって取得したのか

まで一緒に残します。

▪️④ 測量図・境界確認書・昔の杭の資料を探す

土地を売るときには、境界が問題になることがあります。

そこで、

地積測量図。

確定測量図。

境界確認書。

筆界確認に関する資料。

境界杭についての図面や写真。

などが残っていないか確認します。

特に親から、

「昔、隣の人と境界を決めた」

「家を建てたときに測量した」

と聞いたら、そのときの資料がないか探します。

ただし、

測量図がない。

相続前に今すぐ確定測量する。

という順番ではありません。

将来、

一筆全体を売るのか。

分筆するのか。

買主が境界確定を求めるのか。

によって必要性は変わります。

生前整理では、まず既存資料があるか確認するだけでも十分です。

▪️親しか知らない「境界の話」をメモしておく

書面になっていなくても重要な情報があります。

例えば親が、

「裏のブロック塀は隣の家のもの」

「東側の杭は昔○○さんと確認した」

「この細い道はうちの土地ではない」

と話すことがあります。

その情報だけで法的な境界が確定するわけではありません。

しかし将来、土地家屋調査士等が資料や現地を確認するときの手掛かりになることがあります。

できれば、

誰と。

いつ頃。

どの場所について。

話したのか。

まで残します。

親の記憶を正式な境界資料の代わりにするのではなく、将来調査する人へ渡す情報として残す考え方です。

▪️⑤ 建築確認・図面・間取り関係の資料もまとめる

建物関係では、

建築確認関係資料。

検査関係資料。

設計図。

平面図。

仕様書。

設備資料。

保証書。

などが残っていることがあります。

築年数が古い実家では、すべてそろっているとは限りません。

それでも残っているものは一か所へまとめます。

特に、

増築。

減築。

車庫の増設。

離れの建築。

などをしている場合は、現在の登記や建物状況と資料が一致しているか確認するきっかけになります。

「古い図面だから売却には関係ない」

と家族だけで判断せず、まず残します。

▪️⑥ リフォーム・修繕履歴は「いつ・どこを直したか」を残す

実家では長年の間に、

外壁塗装。

屋根修繕。

給湯器交換。

キッチン交換。

浴室改修。

耐震工事。

シロアリ対策。

などを行っていることがあります。

ところが親へ、

「屋根いつ直した?」

と聞いても、

「10年くらい前かな」

となることがあります。

そこで残っていれば、

工事請負契約書。

見積書。

領収書。

保証書。

施工会社の名刺。

工事写真。

などをまとめます。

これは、

リフォームしたから必ず査定額が上がる。

という意味ではありません。

しかし買主や不動産会社へ建物の履歴を説明するときの材料になります。

また取得費の確認では、工事内容によって税務上の扱いが異なる場合もあるため、古い工事資料を最初から捨てない方が安全です。

▪️「リフォーム済み」と「建物状態が良い」は同じではない

例えば、

15年前に屋根を直した。

20年前にキッチンを交換した。

という記録が見つかったとします。

これだけで、

建物は問題ない。

高く売れる。

とは判断しません。

今の状態は別に確認します。

リフォーム履歴は、

現在状態を保証する資料ではなく、これまで何をしてきたかを説明する資料

として考えます。

▪️⑦ 固定資産税の課税明細書も毎年の最新版を残す

比較的見つけやすいのが、固定資産税の納税通知書や課税明細書です。

ここから、

土地。

建物。

地番。

家屋番号。

地積・床面積。

評価額。

などを確認できる場合があります。

複数の土地を所有している親なら、

実家以外にも土地が載っている。

ということもあります。

ただし固定資産税資料だけで、現在のすべての権利関係が分かるわけではありません。

最終的には登記情報と合わせて確認します。

また、

固定資産税評価額=実際の売却価格

でもありません。

実家の価格についてはこちらで整理しています。

詳しくはこちら

▪️⑧ 住宅ローンが残っているなら借入先と残高を確認する

親の実家に住宅ローンが残っている場合は、

金融機関。

ローン残高。

返済予定。

抵当権の状況。

を確認します。

完済している場合でも、登記上の抵当権抹消が済んでいるか確認することがあります。

一方、

昔ローンを組んでいた。

必ず今も抵当権が残っている。

とは限りません。

まず登記事項証明書で現在の登記を確認します。

生前整理で大切なのは、

どこの銀行で借りていたか親しか分からない状態を残さないことです。

▪️⑨ 実家の一部を貸しているなら賃貸関係資料も残す

実家そのものを第三者へ貸していたり、

敷地の一部を駐車場として貸している。

離れを賃貸している。

土地を近所の人に使ってもらっている。

という場合があります。

このようなときは、

賃貸借契約書。

使用貸借等の取り決め。

賃料の入金記録。

敷金等の記録。

相手方の連絡先。

を確認します。

特に、

「昔から隣の人に使わせているだけ」

という関係は、相続後の家族には分かりません。

契約書がない場合でも、

誰が。

どこを。

どのような条件で。

使っているのか。

を親から聞いておきます。

▪️⑩ 実家以外の不動産がないかも一度確認する

生前整理をしていると、

「実は山もある」

「昔買った小さい土地がある」

「駐車場の持分がある」

と別の不動産が出てくることがあります。

2026年2月2日からは、登記官が特定の人について登記名義人となっている不動産を一覧化して証明する、所有不動産記録証明制度も始まっています。

ただし制度を使えば、

家族が何も確認しなくても大丈夫。

という意味ではありません。

親が元気なら、

実家以外に土地はないか。

共有名義の土地はないか。

昔相続した土地はないか。

を一度聞いておきます。

農地について生前に確認する場合はこちら。

詳しくはこちら

▪️⑪ 書類を集めたら「今いくらの実家か」も別に確認する

ここまで書類を整理すると、

昔の購入価格。

固定資産税評価額。

工事費。

など、いろいろな金額が出てきます。

しかし、それだけでは現在いくらで売れるかは分かりません。

将来、

生前に売る。

相続後に売る。

残す。

という判断をするなら、現在の査定価格は別に確認します。

例えば、

昔3,500万円で買った。

現在の固定資産税評価額は1,200万円。

不動産会社の査定は2,300万円。

というように数字が違うことがあります。

生前整理では、

昔の資料を残す作業と、現在価格を知る作業を分ける

ことがポイントです。

〖PR〗親の実家を今すぐ売る予定がなくても、現在どの程度の価格になりそうか確認しておくと、生前売却・相続後売却・保有を比較する材料になります。査定額は実際の成約価格を保証するものではないため、査定根拠も確認してください。

▪️査定を受ける前に家を完璧に片付けなくてもよい

親の実家を査定すると聞くと、

家財を全部捨てる。

庭をきれいにする。

古い設備を交換する。

と準備したくなるかもしれません。

しかし査定前に高額な片付けやリフォームを行う必要があるとは限りません。

まず現在の状態を見てもらい、

このままならどの程度か。

何か対応した場合に価格が変わる可能性があるか。

を確認します。

特に親がまだ住んでいる実家なら、査定のために生活環境を大きく変える必要はありません。

査定は売却決定ではなく、家族が判断するための情報収集として使うこともできます。

▪️⑫ 「書類がないから売れない」と親を不安にさせない

生前整理を始めると、

権利証がない。

測量図もない。

建築図面も見つからない。

ということがあります。

すると親が、

「もうこの家は売れないんか」

と不安になるかもしれません。

しかし、書類によって対応は違います。

権利証・登記識別情報を紛失していても、別の本人確認方法で登記を進められる場合があります。

測量図がなくても、すべての売却で今すぐ確定測量が必要とは限りません。

建物資料が不足している場合も、現在の状況を確認しながら売却方法を検討します。

だから、

不足している書類を発見することも生前整理の成果

です。

今のうちに分かれば、必要になったとき何を相談すればいいか把握できます。

▪️売却しにくい実家ほど「今の状態で相談できるか」を先に確認する

築年数が古い。

荷物が多い。

境界資料がない。

未登記部分が気になる。

遠方にある。

という実家では、

全部直してから査定しよう。

と思うことがあります。

しかし、費用をかけた後に希望条件で売れない可能性もあります。

まず現況で相談し、

仲介で売却できそうなのか。

買取も比較した方がよいのか。

測量・片付け等をどこまで行うべきか。

を確認します。

生前整理は、

家を売れる状態まで完成させること

ではありません。

将来選択できる状態を作ることです。

〖PR〗築古・空き家になる可能性がある実家について、片付け・測量・修繕などへ費用をかける前に、現在の状態で売却相談できる会社があるか確認する方法もあります。物件条件によって対応範囲が異なるため、現況を伝えて確認してください。

▪️親が元気なうちに作る「実家ファイル」は8項目でいい

不動産書類を整理するときは、次の8項目に分けると分かりやすくなります。

・① 登記関係|登記事項証明書・権利証・登記識別情報

・② 取得関係|売買契約書・建築請負契約書・領収書

・③ 土地関係|公図・測量図・境界確認資料

・④ 建物関係|建築確認関係・設計図・仕様書

・⑤ 修繕関係|リフォーム・修繕・保証書

・⑥ 税金関係|固定資産税資料

・⑦ 借入関係|住宅ローン・抵当権関係

・⑧ 利用関係|賃貸借・駐車場・第三者利用の資料

すべて完璧にそろっている必要はありません。

ない資料には、

なし。

不明。

○○に確認予定。

とメモしておけば十分です。

そしてファイルの最初に、

親が今後実家をどうしたいのか

も書いておきます。

それだけで単なる書類箱から、将来の判断資料へ変わります。

▪️よくある質問|親の実家を相続する前の書類整理

Q.権利証が見つからないと実家は売れませんか?

権利証・登記識別情報を紛失していても、それだけで売却できなくなるわけではありません。

再発行はできませんが、所有権移転登記では別の本人確認方法を利用できる場合があります。

まず紛失していることを把握し、売却時に司法書士等へ相談します。

Q.測量図がありません。今のうちに測量した方がいいですか?

必ずしも先に確定測量する必要はありません。

土地の状況、売却方法、買主の条件、分筆の有無などによって判断します。

まず既存資料と境界状況を確認します。

Q.古い売買契約書は残す意味がありますか?

あります。

将来不動産を売却した際、取得費を確認する資料になる可能性があります。

古いという理由だけで処分しない方がよいでしょう。

Q.固定資産税の納税通知書だけあれば十分ですか?

固定資産税資料は重要ですが、それだけですべての権利関係や購入価格、現在価格まで分かるわけではありません。

登記資料や取得時資料等と分けて保管します。

Q.リフォームの領収書も必要ですか?

工事履歴を説明する資料になります。

また税務上の扱いを確認する材料になる場合もあるため、工事内容が分かる契約書・領収書等はまとめて残しておく方がよいでしょう。

Q.今すぐ売る予定がなくても査定していいですか?

できます。

現在価格を知ることで、生前売却・相続後売却・保有を比較する材料になります。

査定を受けたから売却しなければならないわけではありません。

Q.親が書類の場所を覚えていません。どうすればいいですか?

まず一緒に重要書類の保管場所を確認します。

全部見つからなくても、実家の取得時期、購入した会社、住宅ローンの金融機関、境界に関する記憶など、親しか分からない情報を聞いて残します。

▪️まとめ|生前整理で残すのは「紙」ではなく実家を判断できる情報

親の実家について、

「相続したらそのとき書類を探せばいい」

と思うことがあります。

しかし相続後では、親本人へ聞けない情報があります。

だから親が元気なうちに、

登記関係。

権利証・登記識別情報。

購入時の契約書。

建築関係資料。

測量・境界資料。

リフォーム履歴。

固定資産税資料。

住宅ローン関係。

などを一度整理しておく意味があります。

ただし、

全部そろえなければいけない。

ではありません。

権利証がなければ売れない。

測量図がなければ今すぐ測量。

建築資料がなければ売却不可。

とも決めません。

まず、

何があるのか。

何がないのか。

親は何を覚えているのか。

を確認します。

さらに、

現在誰の名義なのか。

実家以外に不動産はないか。

境界で気になることはないか。

第三者へ貸している部分はないか。

親は将来どうしたいのか。

まで残します。

ここまでできれば、相続後の家族は、

「何も分からない実家」

からスタートせずに済みます。

そして大切なのは、書類を集めたあとです。

今の実家はいくらくらいなのか。

親は住み続けたいのか。

生前に売る可能性があるのか。

相続後に誰かが使うのか。

を家族で考えます。

生前整理は、

相続前に家を処分すること

ではありません。

親本人が説明できるうちに、将来家族が判断するための材料を残しておくことです。

権利証を一枚探すことより、

「この土地はこういう土地や」

「この家はこうやって買った」

「将来はこうしてほしい」

という親の情報を残す。

その情報と書類を一つの実家ファイルへまとめておくことが、相続後の負担を減らす現実的な生前整理になります。

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