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実家の査定は一社だけで決めていい?親が元気なうちに売却価格を比較しておく理由

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月29日
  • 読了時間: 16分

親の実家について家族で話していると、

「この家、今売ったらいくらくらい?」

「一回だけ不動産会社に見てもらおうか」

という話になることがあります。

そこで一社へ査定を依頼し、

「3,000万円くらいですね」

と言われると、その金額が実家の現在価値だと思ってしまうかもしれません。

しかし、不動産会社の査定額は、

その金額で必ず売れることを約束する数字ではありません。

また同じ実家でも、不動産会社によって査定額が違うことがあります。

だからといって、

一番高い会社が正解。

一番低い会社が悪い。

とも限りません。

大切なのは、

査定額。

査定根拠。

売出価格。

成約を想定する価格。

売却にかかる期間。

を分けて確認することです。

特に親が元気なうちの査定は、

今すぐ売る会社を決めるためだけのものではありません。

実家を生前に売るのか、相続後まで残すのかを家族で判断するために、現在価格を把握する作業

として使うこともできます。

この記事では、親の実家を査定するとき、一社だけで決めてよいのか、複数社を比較するなら何を見るべきなのかを整理します。

▪️結論|一社査定がダメなのではなく「その金額を比較できないこと」が問題

実家の査定を一社へ依頼すること自体が間違いではありません。

地域の取引に詳しく、

査定根拠も具体的。

売却方法も納得できる。

のであれば、その一社が良い会社である可能性もあります。

問題なのは、

一社から提示された査定額だけを見て、それが実家の正しい価格だと決めてしまうことです。

例えば、

A社 3,200万円。

B社 2,850万円。

という査定だったとします。

一社だけなら、

3,200万円が高いのか。

2,850万円が低いのか。

判断しにくくなります。

複数社を見る目的は、

最も高い査定額を探すこと

ではありません。

自分の実家について、どの価格帯なら現実的に売却できそうかを確認することです。

▪️① 査定額と実際の成約価格は同じとは限らない

まず一番大切な違いです。

不動産会社から、

「査定価格は3,000万円です」

と言われても、

3,000万円で必ず売れる。

という意味ではありません。

査定は、

周辺の取引事例。

土地の広さや形。

道路条件。

駅や生活施設との距離。

建物の築年数や状態。

現在の市場状況。

などを基に、売却できそうな価格を判断するものです。

宅地建物取引業者が売買すべき価格について意見を述べる場合には、その根拠を明らかにすることが求められています。

だから査定を受けたら、

「いくらですか?」だけではなく、「なぜその金額ですか?」まで聞く

ことが重要です。

▪️昔の購入価格や固定資産税評価額とも違う

親から、

「この家は4,000万円で買った」

と聞いていても、現在4,000万円で売れるとは限りません。

固定資産税の課税明細書に1,500万円と書いてあっても、売却価格が1,500万円になるわけでもありません。

実家には、

昔の購入価格。

固定資産税評価額。

相続税評価額。

不動産会社の査定価格。

実際の売出価格。

最終的な成約価格。

という複数の数字があります。

役割を分けて考えましょう。

詳しくはこちら

▪️② 査定額が会社によって違うのは不自然ではない

同じ家を査定して、

A社は3,200万円。

B社は2,900万円。

C社は2,600万円。

となることがあります。

この差を見て、

「誰かが間違っている」

と思うかもしれません。

しかし不動産には、スーパーの商品価格のような全国共通の定価がありません。

どの取引事例を参考にするか。

建物状態をどう評価するか。

現在の買主需要をどう見るか。

どの程度の期間で売る前提なのか。

によって査定結果が変わることがあります。

また会社によって、

この地域の戸建てに強い。

土地として売る方が得意。

築古住宅の買主を持っている。

といった違いもあります。

だから、

査定額に差があること自体より、その差を説明できるか

を確認します。

空き家一般の査定差についてはこちらでも整理しています。

詳しくはこちら

▪️③ 一番高い査定額を出した会社が正解とは限らない

例えば、

A社 3,500万円。

B社 3,100万円。

C社 2,950万円。

だったとします。

普通なら、

「A社が一番高く売ってくれそう」

と思います。

しかし確認したいのは、

3,500万円で売れる根拠。

その価格で売り出した場合の想定期間。

問い合わせが少なかった場合の価格調整。

近隣の成約事例。

です。

仮にA社が、

「とりあえず3,500万円から出しましょう」

だけで具体的な根拠を説明できないのであれば、数字だけで選ぶのは慎重になった方がよいでしょう。

反対にB社が、

近隣では最近この条件で成約している。

この実家は土地条件がここで有利。

建物はこの点を差し引いている。

3,100万円前後なら3〜6か月程度を想定している。

と説明しているなら、判断材料が増えます。

高い査定額より、価格までの説明を比較します。

▪️④ 「査定価格」「売出価格」「成約想定価格」を分ける

査定を比較するときに混同しやすいのが、この3つです。

査定価格は、不動産会社が現在の市場等から判断した価格です。

売出価格は、実際に市場へ出す価格です。

成約価格は、買主との交渉等を経て最終的に売買契約が成立した価格です。

例えば、

査定価格 2,800万円。

売出価格 3,080万円。

最終成約 2,850万円。

となることもあります。

反対に、需要が強い物件なら売出条件に近い価格で決まる場合もあります。

だから査定面談では、

「査定はいくらですか?」

だけでなく、

「いくらで売り出す想定ですか?」

「どの辺りで成約する想定ですか?」

まで分けて確認します。

▪️⑤ 仲介査定と買取価格も同じ数字として比べない

もう一つ重要なのが、

仲介。

買取。

の違いです。

仲介査定は、不動産会社が買主を探して市場で売却する場合の価格を検討するものです。

一方、不動産会社等による買取では、その会社自身が買主になるため、提示される価格の意味が異なります。

例えば、

仲介査定 3,000万円前後。

買取提示 2,300万円前後。

という差が出たとしても、

「買取会社が700万円も安く買い叩いている」

と数字だけでは判断できません。

買取では会社側が取得後の費用や再販売リスク等を負担するため、一般の買主へ仲介する場合とは価格条件が違います。

一方で、

売却までの期間。

家財の扱い。

建物状態。

引渡し条件。

などによって買取の方が合う家庭もあります。

仲介と買取については次の記事で詳しく比較します。

▪️⑥ 一社だけでは「実家の弱点」に気付かないことがある

複数社へ相談するメリットは、価格だけではありません。

例えばA社から、

「建物を残して中古住宅として売れます」

と言われる。

B社からは、

「この地域は土地を探している人が多いです」

と言われる。

C社からは、

「境界資料を確認した方がよいです」

と言われる。

ということがあります。

同じ実家でも、会社によって見るポイントが違います。

その結果、

家族が知らなかった問題。

売却前に確認した方がよい資料。

逆に先にお金をかけなくてよい部分。

が見えることがあります。

だから査定比較は、

価格競争をさせる作業

ではありません。

実家の売り方について複数の見方を集める作業

として考えます。

▪️親が元気なうちなら査定結果を本人と一緒に確認できる

生前整理で査定する大きな意味がここです。

親が元気なら、

「思っていたより高いな」

「この金額なら売って住み替えてもいい」

「この価格ならまだ住み続けたい」

と本人が考えることができます。

相続後では、

親はこの家を残したかったのか。

この価格なら売ってよかったのか。

家族が推測するしかありません。

だから現在価格を知ることは、

親へ売却を迫るためではなく、

親自身が実家の将来を判断するための材料を増やすこと

でもあります。

生前売却と相続後売却の比較はこちら。

詳しくはこちら

▪️⑦ 最初の比較では2〜3社程度でも十分判断材料になる

比較した方がいいと聞くと、

「10社くらい査定しないとダメ?」

と思うかもしれません。

必ずしも大量の会社へ依頼する必要はありません。

最初は複数社の査定を見て、

価格帯。

査定根拠。

販売方法。

担当者の説明。

を比較するだけでも、一社だけより判断材料が増えます。

重要なのは社数そのものではなく、

違う査定を比較できる状態を作ることです。

同じ3,000万円でも、

根拠がほぼ同じ。

ということもあれば、

A社は建物込み。

B社は土地価値中心。

のように見方が違うこともあります。

〖PR〗親の実家が現在どの程度の価格になりそうか確認したい場合、複数の不動産会社へ査定を依頼して比較する方法があります。査定額だけで会社を決めず、価格の根拠や想定する売却期間も確認してください。

▪️⑧ 査定では6つの項目を同じ条件で聞く

複数社を比較するなら、質問もそろえます。

確認したいのは次の6つです。

・① 査定価格はいくらか

・② その価格の根拠は何か

・③ いくらで売り出す想定か

・④ どの価格帯での成約を想定しているか

・⑤ 売却までどの程度の期間を想定しているか

・⑥ 売却前に必要だと考える対応は何か

これなら、

A社は高い。

B社は安い。

で終わりません。

例えばB社だけ、

確定測量してください。

解体してください。

リフォームしてください。

と言っているなら、

なぜ必要なのか。

売却価格へどの程度影響するのか。

まで確認できます。

▪️査定前に測量・解体・リフォームを急がない

実家を少しでも高く見せようとして、

外壁を塗り直す。

設備を交換する。

家財を全部処分する。

確定測量をする。

解体する。

と先に費用をかけることがあります。

しかし、売却方法が決まる前なら慎重に考えます。

買主が古家付き土地として購入するかもしれません。

買取会社なら残置物のある状態で相談できる場合があります。

測量も売買条件によって必要性が変わります。

まず現況で査定してもらい、

本当に費用をかけた方が手残りが増えるのか

を確認してから実施します。

詳しくはこちら

▪️⑨ 親の実家なら「いくら」だけでなく「いつまでに」も重要

一般の不動産売却以上に、生前整理では時間条件が重要です。

例えば、

親が半年後に施設へ移る。

住み替え費用が必要。

遠方の子どもが管理できない。

来年から空き家になる予定。

という家庭があります。

この場合、

3,000万円なら1年かかる可能性がある。

2,800万円なら比較的早く動けそう。

買取ならさらに条件が違う。

という情報も判断材料になります。

だから、

最高価格はいくらか

だけではなく、

いつまでに、どの程度の価格で売れる可能性があるのか

を聞きます。

売却期限がない家庭なら時間をかける方法もあります。

親の生活上期限があるなら、価格とのバランスを考えます。

▪️⑩ 査定結果は家族だけで決めず所有者本人の意向を確認する

子どもが、

「実家を売るなら今のうちに査定しよう」

と思うことがあります。

情報収集として査定価格を調べることはできますが、実際に売却するのは所有者です。

親名義の実家なら、

親自身が売却を希望しているのか。

今後も住みたいのか。

住み替える予定なのか。

を確認します。

査定額が高かったからといって、

「今売らないともったいない」

と売却を急がせる必要はありません。

生前整理の目的は、

親の家を早く処分することではなく、親が判断できるうちに選択肢を見える状態にすることです。

親の判断能力に不安が出てから売却を考える場合は、確認内容が変わります。

詳しくはこちら

▪️⑪ 査定前に不動産書類をまとめると話が早い

査定では、

登記名義。

土地面積。

建物面積。

築年数。

増改築。

境界資料。

修繕履歴。

などを確認することがあります。

だから親が元気なうちに、

権利証・登記識別情報。

売買契約書。

測量図。

リフォーム資料。

固定資産税資料。

などをまとめておくと、その後の売却相談もしやすくなります。

ただし、

全部そろわないと査定できない。

という意味ではありません。

まず手元にある資料を確認して、足りないものは必要になった段階で対応します。

詳しくはこちら

▪️⑫ 築古・荷物が多い実家は通常査定以外の出口も確認する

築40年、50年の実家では、

建物が古い。

家財が大量にある。

設備もそのまま。

雨漏り等がある。

ということがあります。

この場合も、

価値がない。

解体しないと売れない。

と最初から決めません。

仲介で古家付き土地として売る方法。

現況のまま中古住宅として売る方法。

買取を比較する方法。

などがあります。

特に、

親の施設費用などで売却期限がある。

遠方で家財整理が難しい。

相続後に空き家管理を続けたくない。

という家庭では、価格だけでなく条件を比較する意味が大きくなります。

〖PR〗築古・荷物が残っている実家でも、先に高額な片付けや解体を行わず、現在の状態で売却可能性を確認する方法があります。対応できる物件条件は会社によって異なるため、実家の現況を伝えたうえで相談してください。

▪️一社だけで決める前に確認したい7項目

親の実家を査定したら、最終的に次の7項目を確認します。

・① 査定額だけでなく根拠が説明されているか

・② 近隣の取引事例と大きく離れていないか

・③ 売出価格と成約想定価格を分けているか

・④ 想定する売却期間が説明されているか

・⑤ 売却前に必要な費用を具体的に説明しているか

・⑥ 仲介と買取を同じ価格として比較していないか

・⑦ 親本人の希望と売却方法が合っているか

ここまで確認できれば、

一番高かったからA社。

という選び方から離れられます。

査定は数字を競わせるためではなく、

家族が実家の現在位置を知るために使うものです。

▪️よくある質問|実家の査定は一社だけでいい?

Q.実家の査定は一社だけではダメですか?

一社だけでも査定はできます。

ただし他社との比較がないため、その査定額や販売方針が妥当か判断しにくい場合があります。

複数社の価格と根拠を比較すると判断材料が増えます。

Q.一番高い査定会社へ依頼すれば高く売れますか?

必ずしもそうとは限りません。

査定額は成約価格を保証するものではないため、高い査定額の根拠や販売計画まで確認します。

Q.査定価格でそのまま売り出すのですか?

査定価格と売出価格は同じとは限りません。

売主の希望や販売戦略などを踏まえ、売出価格を決めます。

Q.査定したらその会社と契約しないといけませんか?

査定を依頼したことだけで媒介契約を締結したことになるわけではありません。

査定内容を比較したうえで、売却するか、どの会社へ依頼するかを判断します。

Q.今すぐ売らなくても査定していいですか?

できます。

生前売却・相続後売却・保有を比較するため、現在価格の確認だけ行う考え方もあります。

Q.親の家を子どもだけで売却できますか?

親名義の不動産なら、原則として所有者本人の意思に基づいて売却します。

査定を家族で検討する場合も、実際の売却については親本人の意向を確認することが重要です。

Q.買取価格が仲介査定より安い会社は悪い会社ですか?

価格の意味が違うため、数字だけでは判断できません。

買取では会社自身が取得するため、仲介による市場売却とは価格条件や売却期間等が異なります。

▪️まとめ|実家の査定は「最高額探し」ではなく家族の判断材料を集める

親が元気なうちに実家の査定をすると、

「A社は3,000万円」

「B社は3,300万円」

という数字が出てくることがあります。

そこで、

一番高い会社に任せればいい。

とは決めません。

査定額は、その価格で必ず売れることを保証する金額ではありません。

確認したいのは、

査定価格。

査定根拠。

売出価格。

成約を想定する価格。

売却期間。

売却前に必要な費用。

です。

そして仲介による査定と、不動産会社等が直接買い取る場合の価格も分けます。

複数社へ査定を依頼する目的は、

会社同士を競わせて一番高い数字を出させること

ではありません。

実家について複数の見方を集め、現在どの価格帯で、どのような方法なら売れそうか確認することです。

親が元気なら、その結果を本人とも話せます。

この金額なら売りたい。

まだ住み続けたい。

施設へ移ったら売ってほしい。

相続後に子どもたちで判断してほしい。

という希望も確認できます。

だから生前整理での査定は、

売却活動のスタート

とは限りません。

取得費資料を残す。

重要書類を整理する。

現在価格を把握する。

売却時期を考える。

そのための一つの判断材料です。

一社の査定額を、

実家の絶対的な価値

にしない。

一番高い査定額を、

そのまま将来受け取れる金額

とも考えない。

「いくら?」の次に「なぜ?」「いつまでに?」「どんな条件で?」まで聞く。

これが、親の実家を査定するときに家族が確認しておきたい基本です。

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