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原状回復費が高い?管理会社の見積もりで大家が確認したい工事費・手配費・負担範囲

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 1 日前
  • 読了時間: 14分

入居者が退去した。

管理会社から、

「原状回復の見積もりが出ました」

と連絡が来た。

確認すると、

クロス張替え。

床補修。

ハウスクリーニング。

エアコン交換。

水栓交換。

諸経費。

合計35万円。

「こんなにかかるの?」

と思った経験がある大家もいるでしょう。

さらに、

「管理会社が業者へ発注すると高くなる?」

「見積もりに上乗せされている?」

「全部入居者へ請求できない?」

「自分で別の業者を探してもいい?」

という疑問も出てきます。

ここで大切なのは、

管理会社の見積もりだから高い

と最初から決めつけることでも、

退去した入居者が全部払う

と考えることでもありません。

まず確認したいのは、

何の工事なのか。

なぜ必要なのか。

誰が負担するものなのか。

です。

この記事では、退去後に管理会社から原状回復・修繕見積もりが届いた大家が、承認する前に何を確認すればよいかを整理します。

賃貸管理会社へ何を任せられるのか、基本から確認したい場合はこちらをご覧ください。

空き家・相続・収益物件・売りにくい土地など、不動産全体の出口はこちらにまとめています。

※本記事には広告・PRを含みます。

▪️結論|総額を見る前に「原状回復・修繕・設備更新」を分ける

35万円。

50万円。

という合計金額だけを見ると、

高い。

安い。

と判断したくなります。

しかし、最初に見たいのは金額ではありません。

例えば見積もりの中に、

退去者が傷つけた壁の補修。

通常使用によって古くなったクロスの張替え。

故障した給湯器の交換。

次の募集力を上げるためのウォシュレット設置。

が一緒に入っていることがあります。

これらは全部同じ「原状回復」ではありません。

退去に伴って元へ戻す工事。

大家が負担する通常修繕。

次の入居募集のために行う設備更新。

を分けます。

ここが整理できるだけで、

「原状回復で50万円も取られた」

ではなく、

何へいくら使うのかが見えてきます。

▪️① 入居者負担と大家負担を最初に分ける

退去後の原状回復について、

「退去する人が部屋を新品に戻す」

という考え方ではありません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常使用による損耗や経年変化については、基本的に貸主側が負担する考え方が示されています。

一方、

入居者の故意・過失。

通常の使用を超える使い方。

善管注意義務違反など。

によって生じた損傷は、入居者負担となる可能性があります。

例えば、

家具を普通に置いてできた床のへこみ。

日照によるクロスの変色。

設備の経年劣化。

などと、

タバコによる著しいヤニ汚れ。

不注意で開けた壁の大きな穴。

清掃を怠ったことによる通常を超える汚損。

では考え方が違います。

大家としては、

工事費総額のうち、入居者負担はいくらで、大家負担はいくらなのか

を分けて確認します。

「原状回復30万円です」

だけでは、大家が実際に負担する金額はまだ分かりません。

▪️② 「クロス一式」ではなく数量と単価を見る

見積もりで確認しにくいのが、

クロス張替え 一式 12万円。

床補修 一式 8万円。

清掃 一式 5万円。

という書き方です。

もちろん工事内容によって一式表記が適切な場合もあります。

ただ、金額が大きいと感じたら、

どの部屋なのか。

何㎡なのか。

単価はいくらなのか。

全面施工なのか部分補修なのか。

を確認すると比較しやすくなります。

例えば、

6畳洋室だけなのか。

LDKまで全面なのか。

天井も含むのか。

によってクロス工事費は変わります。

写真も確認します。

大家が現地へ行けなくても、

「この箇所を直すための見積もりです」

という写真があれば必要性を判断しやすくなります。

金額だけで高いと判断するより、工事範囲を見える状態にする。

これが先です。

▪️③ 経年劣化まで入居者負担になっていないか確認する

例えば長期間入居していた部屋で、クロスが古くなっていたとします。

そこに入居者による傷があったからといって、

新品クロスへ全面張替えした費用を、そのまま全額入居者へ請求できるとは限りません。

原状回復では、部材によって経過年数などを考慮する考え方があります。

そのため、

「入居者が傷つけたから全部入居者負担」

とは単純に整理しない方がよいでしょう。

大家側からすると、

入居者へ多く請求できれば得。

と思うかもしれません。

しかし、不適切な精算は退去者とのトラブルにつながる可能性があります。

管理会社から精算案が出たら、

工事金額

と、

入居者へ請求する金額

を別々に確認します。

ここを分けることが重要です。

▪️④ 原状回復と「次の入居のためのリフォーム」を混ぜない

退去後は、部屋が空になっているため工事しやすいタイミングです。

そこで、

古いエアコンを交換。

温水洗浄便座を追加。

照明を交換。

古い水栓を交換。

アクセントクロスを入れる。

という提案が出ることがあります。

これ自体は悪いことではありません。

空室対策として設備更新した方がよい物件もあります。

ただし、それをすべて、

「原状回復費」

として見ると判断しにくくなります。

例えば、

原状回復 12万円。

設備交換 8万円。

募集改善リフォーム 10万円。

なら、

大家が考えるべきことがそれぞれ違います。

原状回復は必要な復旧。

設備交換は故障や老朽化への対応。

募集改善は投資判断です。

特に募集改善リフォームなら、

10万円使うことで家賃を上げられるのか。

空室期間を短くできそうなのか。

を見ます。

リフォーム費用をかける前に、募集条件そのものを確認することも重要です。

▪️⑤ 管理会社の手配費・事務費があるか確認する

今回のクラスターで一番気になる人が多いのがここでしょう。

管理会社から見積もりが来ると、

「業者価格に管理会社が上乗せしている?」

と考えることがあります。

実際には管理会社によって契約・料金体系が違います。

修繕業者の手配。

見積もり調整。

現地確認。

工事完了確認。

退去者との精算。

などについて、管理会社側の業務費用や手配費が設定されていることがあります。

また、管理会社自身や関連会社が工事を請け負う場合もあります。

そのため、

利益が含まれている=おかしい

と考える必要はありません。

管理会社も業務として工事を手配しています。

一方で大家として、

何にいくら払っているか分からないまま承認する必要もありません。

例えば、

「この見積もりには御社の手配費も含まれていますか?」

「工事代とは別に管理会社さんへ支払う費用はありますか?」

と普通に聞けば十分です。

管理会社を責める質問ではありません。

自分の物件の経費を確認する質問です。

▪️見積もりが高いと思ったら相見積もりしてもいい?

金額が大きければ、別の業者へ見積もりを依頼したくなることがあります。

例えば、

クロス・床・設備交換で60万円。

という見積もりなら、別会社へ同じ工事内容で確認すると比較しやすくなります。

ただし注意点もあります。

安い業者へ変更した結果、

工事開始が3週間遅れる。

募集開始も3週間遅れる。

ということがあります。

家賃6万円なら、空室が1か月長引けば6万円の機会損失です。

例えば、

管理会社手配 30万円、1週間で完了。

別業者 25万円、1か月後から着工。

なら、

単純に5万円安い方が得とは限りません。

だから比較するのは、

工事価格だけではありません。

完成までの日数。

募集開始時期。

仕上がり。

保証。

管理会社との連携。

まで含めます。

〖PR〗原状回復と設備交換が重なり見積もり金額が大きくなった場合は、工事内容を整理したうえで別のリフォーム会社へ相談し、価格や施工内容を比較する方法があります。

▪️安い工事を選んで空室が長引けば逆効果になる

大家としては修繕費を抑えたいものです。

しかし、

原状回復費を抑えること。

賃貸経営の利益を増やすこと。

は必ずしも同じではありません。

例えば家賃5万円の部屋で、

A社 原状回復25万円、10日で完了。

B社 原状回復20万円、40日で完了。

とします。

B社は5万円安い。

しかし工事待ちで1か月募集が遅れるなら、家賃5万円分の差が生じます。

結果として総合的な差は小さくなる可能性があります。

逆に急いで高額な工事をしたものの、

募集開始後も3か月決まらない。

なら、修繕費以外の原因も確認する必要があります。

原状回復では、

いくら安く直したかではなく、いくら使っていつ募集へ戻せたか

まで見ると賃貸経営として判断しやすくなります。

▪️「全部交換」より部分補修できないか確認する

見積もり金額が大きくなる理由の一つが、施工範囲です。

例えば、

一部だけ傷のある床。

一面だけ汚れた壁。

一部だけ破損した設備。

であっても、商品や施工方法によって全面交換になる場合があります。

一方、部分補修できるケースもあります。

だから、

「全面交換が必要ですか?」

「部分補修だと見た目にどの程度差が出ますか?」

と聞いてみる意味があります。

ただし、何でも部分補修すればいいわけでもありません。

補修跡が目立ち、

内見時の印象が悪くなる。

数か月後に再度修繕が必要になる。

という場合には、最初から交換した方がよいこともあります。

最安工事ではなく、次の入居期間まで含めて合理的な工事を選ぶ。

この視点が重要です。

▪️築古物件は「直す・交換する・そのまま募集」を分ける

築古アパートでは退去のたび、

エアコン。

給湯器。

キッチン。

洗面台。

照明。

水栓。

など古い設備が目につきます。

全部交換すれば部屋はきれいになります。

しかし一室へ100万円使っても、その100万円を家賃で回収できるとは限りません。

例えば、

家賃4万円。

リフォーム費80万円。

家賃アップ2,000円。

なら、家賃アップだけで80万円を回収するにはかなり長い期間が必要です。

一方で設備が古いことが原因で内見後に選ばれていないなら、交換する意味があります。

そこで、

壊れているから直す。

募集上必要だから交換する。

まだ使えるので今回は残す。

を分けます。

管理会社から、

「古いので全部交換しましょう」

と言われた場合も、

今回交換する理由を聞く

だけで判断しやすくなります。

▪️原状回復見積もりは「次の家賃」とセットで見る

退去後の工事費を考えるとき、次の募集家賃も確認します。

例えば、

旧家賃5万円。

原状回復20万円。

次回募集5万円。

なら、現在家賃を維持する工事です。

一方、

設備更新を追加して工事40万円。

次回家賃5万5,000円。

なら、

追加20万円を使って月5,000円上げる計画になります。

単純化すると年間家賃増加は6万円です。

これが合理的かは、

入居期間。

周辺相場。

空室期間。

設備耐用期間。

などによって変わります。

だから、

工事費だけを見る。

家賃だけを見る。

ではなく、

この部屋をいくらかけて、いくらで再募集するのか

をセットで考えます。

空室募集の反応を管理会社と確認する方法はこちらで詳しく整理しています。

▪️管理会社へ聞くなら「高くないですか?」よりこの聞き方

30万円の見積もりが来たとき、

「これ高くないですか?」

と聞いても、

「今は材料費も上がっています」

という話だけで終わることがあります。

それより、

「どこが入居者負担で、どこが大家負担ですか?」

「交換ではなく補修できる箇所はありますか?」

「次の募集のために追加している工事はどれですか?」

「この見積もりに手配費などは含まれていますか?」

と聞いた方が具体的です。

これなら、

負担区分。

施工範囲。

募集改善費。

管理会社側の費用。

が整理できます。

管理会社と価格交渉することが目的ではありません。

何にお金を使うのか理解してから承認すること

が目的です。

▪️毎回原状回復費が高いなら1室ではなく年間総額を見る

8戸アパートなら、一年に複数室退去することがあります。

例えば、

1室目 原状回復25万円。

2室目 30万円。

3室目 20万円。

なら年間75万円です。

これに、

AD。

空室期間。

管理料。

設備故障。

が加わります。

一室ごとに、

「今回は25万円か」

と処理していると、年間でいくら修繕へ使ったか分からなくなることがあります。

退去が多い物件なら、

年間家賃収入。

年間原状回復費。

年間修繕費。

年間募集費。

をまとめます。

これで、

管理会社の見積もりが高いのか。

退去頻度が高いのか。

築年数による設備更新期なのか。

物件全体として収支が悪化しているのか。

を分けやすくなります。

管理料だけではなく管理会社へ支払う費用全体はこちらで整理しています。

▪️修繕費が増え続けるなら「持ち続けるか」も別問題として確認する

築古物件では、

退去するたび30万円。

給湯器交換20万円。

外壁修繕。

屋根修繕。

共用部補修。

というように、修繕費が増える時期があります。

だからといって、

修繕費が高い。

すぐ売却。

という話ではありません。

家賃収入が十分あり、修繕後も手残りが残るなら保有を続ける判断があります。

一方、

空室が増えている。

家賃も下がっている。

修繕費も増えている。

ローン返済後に現金が残らない。

という状態なら、

管理会社の見積もりだけではなく物件自体の保有判断を確認する時期かもしれません。

〖PR〗原状回復・設備交換・大規模修繕が重なり、今後も物件を保有するか迷っている場合は、現在の入居状況と収支を伝えたうえで売却価格を確認すると比較材料になります。

▪️よくある質問|管理会社の原状回復見積もり

Q.管理会社の原状回復見積もりは必ずそのまま承認する必要がありますか?

契約内容にもよりますが、金額が大きい場合は工事内容・負担区分・必要性などを確認してから判断します。

Q.退去者へ原状回復費を全額請求できますか?

一律にはできません。

通常損耗・経年変化と、入居者の故意・過失などによる損傷を分け、契約内容や原状回復の考え方に沿って精算します。

Q.管理会社が工事費へ利益を乗せるのは違法ですか?

管理会社の契約・取引形態によって異なり、利益が含まれることだけで直ちに問題とはいえません。

大家側は工事費・手配費など、自分が何へ支払っているか確認します。

Q.相見積もりを取った方がいいですか?

工事額が大きい場合には比較材料になります。

ただし価格だけでなく、工期や募集開始への影響も含めて比較します。

Q.原状回復費を安くするのが一番いいですか?

必ずしもそうではありません。

安くても募集開始が遅れたり、仕上がりが悪く再工事が必要になったりすれば、結果的に負担が増える場合があります。

▪️まとめ|「上乗せされている?」より先に見積もりを分解する

管理会社から原状回復30万円。

40万円。

50万円。

という見積もりが届くと、

「高すぎる」

「管理会社が上乗せしているのでは?」

と思うことがあります。

しかし最初にやることは、管理会社を疑うことではありません。

見積もりを、

入居者負担になる可能性がある原状回復。

大家が負担する通常修繕。

次の募集のための設備更新・リフォーム。

に分けます。

さらに金額が大きければ、

施工範囲。

数量。

単価。

部分補修の可否。

手配費。

工期。

を確認します。

そこで初めて、

この金額で任せる。

別の業者と比較する。

今回は一部工事をやめる。

設備更新まで行う。

という判断ができます。

管理会社へ工事を任せるメリットは、業者探し・立会い・工事調整などを大家自身が行わなくてよいことです。

その一方で、

任せることと、見積もりを見なくていいことは別です。

「原状回復50万円だった」

で終わらせず、

何を直すために、誰が負担し、次はいくらで貸すのか。

ここまで確認する。

それが、原状回復費を単なる出費ではなく賃貸経営の数字として見るための基本です。

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