相続した農地の場所がわからない?地番・eMAFF農地ナビ・公図で現地を特定する方法
- MIRAIU

- 8月25日
- 読了時間: 12分
親から田んぼや畑を相続した。
固定資産税の書類には農地が載っている。
しかし、
「どの田んぼが自分の土地なのか分からない」
「現地へ行っても場所を特定できない」
というケースがあります。
特に、
・実家から遠方に住んでいる
・親が農地の管理をすべてしていた
・複数の田畑を相続した
・地番は分かるが現地との対応が分からない
という場合です。
農地を売る・貸す・農地バンクへ相談する場合でも、最初に必要なのは対象土地を正確に特定することです。
そこで使えるのが、
固定資産税の課税明細書。
登記事項証明書。
eMAFF農地ナビ。
法務局の公図や地積測量図。
農業委員会。
です。
この記事では、相続した農地の場所が分からないときに、どの資料をどの順番で確認すればよいのかを整理します。
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▪️結論|「住所」ではなく最初に地番を集める
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農地を探すとき、いきなり現地へ行く必要はありません。
最初にすることは、所有している土地の地番を一覧にすることです。
基本的な順番は、
・① 固定資産税資料などから地番を集める
・② 登記情報で対象土地を確認する
・③ eMAFF農地ナビでおおよその場所を見る
・④ 公図で周辺土地との位置関係を確認する
・⑤ 必要なら現地確認や農業委員会への相談へ進む
です。
ここで重要なのは、土地の「地番」と普段使う「住所・住居表示」を同じものとして扱わないことです。
法務省も、住居表示と土地の地番は一致しないことが多いと案内しています。
農地の場合、建物がない土地も多いため、地番を基準に探した方が確実です。
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▪️① 固定資産税の課税明細書から地番を拾う
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まず手元にある資料を確認します。
固定資産税の納税通知書と一緒に届く課税明細書には、所有している土地について所在地・地番・地目・面積などが記載されていることがあります。
例えば、
○○市△△町字□□123番
地目 田
面積 1,200㎡
という情報です。
農地が複数あるなら、紙へ書き出すかスマートフォンなどへ一覧化します。
この段階では、
現地がどこか。
今も耕作されているか。
売れる土地なのか。
までは判断しません。
まず**「自分が調べる必要のある地番は何筆あるのか」**を確定させます。
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▪️課税明細書だけで所有関係を確定しない
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固定資産税資料は土地を探す入口として便利です。
ただし、不動産登記そのものではありません。
例えば長期間相続登記をしていない土地では、登記名義が親や祖父母のまま残っていることがあります。
売却を考えているなら、登記事項証明書などで、
・土地の所在・地番
・登記地目
・地積
・現在の登記名義人
を確認します。
2024年4月から相続登記は義務化されています。
農地の場所探しと一緒に、名義が現在どうなっているかも確認しておくと、その後の売却手続きへ進みやすくなります。
詳しくはこちら
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▪️② eMAFF農地ナビなら地番から地図上の農地を探せる
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地番が分かったら便利なのが「eMAFF農地ナビ」です。
農林水産省が提供しているサービスで、誰でも無料で利用できます。
条件検索では、
都道府県。
市区町村。
大字。
地番。
などから農地を探せます。
地図上には農地の位置や区画が表示され、公開対象となっている農地では、
・所在・地番
・地目
・面積
・農振法区分
・都市計画法区分
・遊休農地関係の情報
などを確認できます。
遠方にある農地なら、まず地図上で、
山側なのか。
集落の近くなのか。
道路沿いなのか。
周辺も農地なのか。
という位置関係を把握できます。
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▪️eMAFF農地ナビの区画線を「境界」と考えない
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ここは非常に重要です。
eMAFF農地ナビには農地の区画が地図上へ表示されます。
しかし、農林水産省自身が、表示される筆ポリゴンについて実際に測量して作成したものではなく、位置がずれる場合があると注意しています。
さらに、筆界や土地の権利関係を示すものでもありません。
そのため農地ナビは、
「この辺りに対象農地がある」
と位置を把握するためには非常に便利です。
一方、
「農地ナビの線まで自分の土地」
「この画面を見れば境界確定」
とは考えません。
スクリーンショットを保存するなら、自分の調査メモとして利用します。
法的な境界を証明する資料とは分けて扱いましょう。
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▪️③ 公図を見ると「どの土地に囲まれているか」が分かる
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eMAFF農地ナビでおおよその位置が分かったら、次に公図などを確認すると土地を特定しやすくなります。
法務局では、
「地図」
または、
「地図に準ずる図面」
いわゆる公図を取得できます。
公図を見ることで、
対象地番。
隣接する地番。
道路や水路との位置関係。
周辺筆との並び。
などを確認できます。
例えば農地ナビ上では同じような田んぼが何枚も並んでいて分かりにくくても、
道路。
水路。
隣接地番。
を公図と照らし合わせれば、対象地を絞りやすくなります。
現在は地図・図面証明書もオンラインで交付請求できます。
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▪️公図も「境界寸法を正確に測る図面」とは限らない
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公図は土地を特定する重要な資料ですが、用途を間違えないことも大切です。
公図を見ることで筆の配置関係は確認できます。
しかし、すべての公図が現地の境界位置や距離を精密に示しているわけではありません。
売却時に、
境界位置を確定したい。
一部を分筆したい。
正確な面積や形状を確認したい。
という場合には、地積測量図や現地測量など別の確認が必要になることがあります。
つまり、
農地ナビ=大まかな現地位置
公図=筆同士の位置関係
と役割を分けると理解しやすくなります。
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▪️④ 地積測量図があれば土地形状をさらに確認できる
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法務局では地積測量図が備え付けられている土地もあります。
地積測量図には、作成時期や内容によって、
土地の形状。
辺長。
境界標。
座標。
などが記載されています。
ただし、すべての土地に地積測量図が存在するわけではありません。
特に昔から形が変わっていない農地では、法務局に地積測量図がない場合もあります。
また古い図面なら、現在の測量精度と同じとは限りません。
まず有無を確認し、必要な場面で利用しましょう。
分筆や売却で正確な境界確認が必要になれば、土地家屋調査士などへ相談することになります。
詳しくはこちら
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▪️Googleマップだけで農地を探そうとすると迷う理由
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Googleマップなどは、現地へ行くための道路や周辺施設を確認するには便利です。
しかし土地登記で使われる地番と、地図サービスで検索しやすい住所は一致しないことがあります。
例えば、
「○○市△△町123番」
という地番を検索しても、対象農地そのものが正確に表示されない場合があります。
だから、
Googleマップで見つからない。
↓
農地の場所が分からない。
で止まる必要はありません。
最初にeMAFF農地ナビや公図で対象地を絞り、その後に一般の地図サービスで道路・周辺施設・現地までの経路を見る方が効率的です。
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▪️航空写真・ストリートビューは「現況確認の入口」に使う
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遠方にある農地なら、現地へ行く前に航空写真などを確認する意味があります。
例えば、
周辺が現在も田畑なのか。
住宅が増えているのか。
大きな樹木が見えるのか。
道路から近いのか。
という大まかな状況は把握できます。
ただし、画像には撮影時期があります。
また道路から離れた農地はストリートビューで見えないこともあります。
そのため画像だけを見て、
「今も耕作されている」
「完全に荒廃している」
と確定しません。
売却や農地法上の判断で現況が重要なら、最新の現地確認へ進みます。
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▪️⑤ 農業委員会では「場所」より農地としての現在地を確認する
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対象地番まで整理できたら、所在地の農業委員会へ相談しやすくなります。
ここで確認したいのは、
「この田んぼはどこですか?」
だけではありません。
・農地台帳上どのように扱われているか
・現在も農地として扱われる土地なのか
・遊休農地関係の情報があるか
・売却や貸付ならどの手続きが関係するか
などです。
土地の場所が分かっても、
農地として売る。
農地バンクへ貸す。
農地転用を考える。
非農地判断について相談する。
では、その後のルートが違います。
場所を特定することはゴールではなく、出口を判断するためのスタートです。
詳しくはこちら
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▪️複数の農地を相続したら「1筆1行」で一覧を作る
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相続農地が5筆、10筆とある場合は、一つずつ記憶しようとすると混乱します。
簡単な一覧を作っておきましょう。
記録するのは、
・地番
・登記地目
・面積
・おおよその場所
・現在の状態
・農振法区分
・今後の候補
程度で十分です。
例えば今後の候補には、
売却。
貸付。
自分で利用。
現況確認待ち。
などを書いておきます。
こうすると「場所を調べた土地」と「まだ分からない土地」が混ざりません。
さらに不動産会社や農業委員会へ相談するときも、一筆ずつ説明しやすくなります。
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▪️場所が分かったら、すぐ草刈りや測量へ進まない
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農地を見つけると、
まず草を全部刈ろう。
測量しよう。
きれいにしてから売ろう。
と思うかもしれません。
しかし、その前に土地の出口を確認します。
例えば農地として隣接農家へ売却できるなら、大規模な整備が不要な場合があります。
一方、一部を転用して売るなら測量や分筆が必要になる可能性があります。
長期間森林化しているなら、農地としての現在の扱いから確認した方がよいでしょう。
土地を特定する→出口を決める→必要な費用だけ使う。
この順番なら、売却できるか分からない段階で不要な費用をかけることを避けやすくなります。
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▪️遠方なら現地確認は「全部自分で行く」以外にも方法がある
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遠方に10筆の農地があるからといって、最初からすべての土地を自分で歩いて回る必要はありません。
まず机上で、
地番。
eMAFF農地ナビ。
公図。
航空写真。
を照合します。
そのうえで、
売却候補。
貸付候補。
現況確認が必要な土地。
に分けます。
現地確認が必要なら、家族や近隣関係者、不動産会社などへ相談できるケースもあります。
重要なのは、場所が分からないまま何となく管理費だけ払い続けないことです。
詳しくはこちら
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▪️よくある質問|相続した農地の場所を調べる方法
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Q.地番が分かればGoogleマップで場所を探せますか?
地番と一般的な住所・住居表示は一致しないことが多く、地番だけでは正確に検索できない場合があります。
eMAFF農地ナビや公図などを組み合わせて確認しましょう。
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Q.eMAFF農地ナビは無料ですか?
誰でも無料で利用できます。
農地の所在・地番などから検索でき、公開されている農地情報を地図上で確認できます。
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Q.農地ナビに表示された線が正式な境界ですか?
正式な境界を示すものではありません。
農林水産省も、表示される筆ポリゴンは測量成果ではなく、筆界や権利関係を示すものではないと案内しています。
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Q.公図を見れば境界確定できますか?
公図は土地同士の位置関係を確認する重要な資料ですが、すべての土地で正確な現地境界まで確定できるものではありません。
必要に応じて地積測量図や現地測量を確認します。
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▪️まとめ|場所が分からない農地は「現地へ行く前」にかなり絞り込める
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親から農地を相続したものの、
どこにあるのか分からない。
という状態でも、いきなり現地で探し回る必要はありません。
まず固定資産税資料などから地番を集めます。
次に登記情報で対象土地と名義を確認します。
そのうえで、
eMAFF農地ナビでおおよその位置を確認する。
公図で隣接地との位置関係を確認する。
必要なら地積測量図を見る。
最後に現地や農業委員会で現在の状態を確認する。
この順番です。
特に注意したいのは、オンライン地図を便利に使いながらも、地図上の線を正式な境界だと思わないことです。
場所を特定できたら、
農地として売る。
貸す。
農地バンクを利用する。
転用可能性を調べる。
という次の判断へ進めます。
相続農地で最初に解決したいのは、
「高く売れるか」
ではありません。
自分が何を所有していて、それがどこにあるのかを一筆ずつ把握すること。
ここまでできれば、何年も手付かずだった農地でも具体的な処分方法を考えられるようになります。
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