農地法3条・4条・5条の違いとは?売る・貸す・転用する場合をわかりやすく整理
- MIRAIU

- 8月25日
- 読了時間: 11分
相続した田んぼや畑を手放したい。
自分では農業をしないので、誰かに売るか貸すかしたい。
あるいは、自宅や駐車場として使いたい。
そこで調べ始めると、
「農地法3条」
「農地法4条」
「農地法5条」
という言葉が出てきます。
数字が近いため複雑に見えますが、判断方法はそれほど難しくありません。
見るのは、
農地のまま使うのか。
農業以外に使うのか。
所有者や利用者が変わるのか。
この3点です。
この記事では農地法3条・4条・5条について、相続した農地を売る・貸す・転用する場面から整理します。
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▪️結論|3条・4条・5条はこの3パターンで考える
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最初に結論です。
農地法3条
農地を農地のまま売る・貸す。
農地法4条
自分の農地を、自分で住宅・駐車場などへ転用する。
農地法5条
農地を売る・貸すと同時に、買主・借主が住宅・駐車場などへ転用する。
例えば親から相続した畑があるとします。
近所の農家へ畑として売るなら3条。
自分で駐車場へ変えるなら4条。
住宅を建てたい人へ売り、その人が宅地として利用するなら5条。
この違いを押さえれば、かなり整理できます。
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▪️まず「売る=3条」と覚えないことが重要
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農地法を理解するときに一番混乱しやすいのが、
「売却なら3条」
と覚えてしまうことです。
売却でも、3条の場合と5条の場合があります。
違うのは売った後の用途です。
農地のまま耕作する人へ売る。
→3条
住宅や駐車場など農業以外へ使う人へ売る。
→5条
つまり、売買かどうかではなく、
その土地を取得した人が農地として使うのか
を最初に確認します。
詳しくはこちら
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▪️農地法3条|農地として売る・貸すとき
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農地法3条は、農地を農地として利用するための権利移動を確認する制度です。
代表的なのは、
・農家へ田んぼを売る
・新規就農者へ畑を売る
・農地を農業目的で貸す
といったケースです。
普通の宅地なら、売主と買主が合意して売買契約を結べます。
しかし農地の場合は、原則として農業委員会の許可を受ける必要があります。
許可を受けずに行った売買等は、農地法上の効力が生じません。
そのため相続した農地を売却するときは、
「買ってくれる人が見つかった」
だけでは完了しない点に注意します。
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▪️3条では「本当に農地として使える人か」を確認する
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農地法3条では、買主側が実際に農地を適切に利用できるかが重要になります。
主な確認事項には、
・取得する農地を効率的に利用できるか
・必要な農作業へ従事できるか
・周辺農地の利用へ支障を与えないか
などがあります。
法人が農地を所有する場合には、農地所有適格法人に関する要件も関係します。
一方、一定の条件を満たした法人が農地を借りて農業へ参入する仕組みもあります。
つまり、
「農家でなければ絶対に農地を取得できない」
と単純に考える必要はありません。
ただし、一般の宅地のように誰でも自由に取得できる制度でもありません。
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▪️2023年に「下限面積要件」は廃止されている
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以前の農地法3条では、農地取得後の経営面積について一定以上であることを求める「下限面積要件」がありました。
しかし、この要件は2023年4月に廃止されています。
そのため、
「5反以上持っていないと農地を買えない」
など、以前の制度を前提にした説明には注意が必要です。
小さな農地だから取得できないと一律に決まるわけではありません。
一方で、下限面積がなくなったから、
「誰でも家庭菜園感覚で農地を買える」
ようになったわけでもありません。
取得後に農地を適切に利用できるかという3条の基本的な審査は残っています。
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▪️農地法4条|所有者を変えず、自分で転用する
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農地法4条は、所有者自身が農地を農業以外へ利用するときの制度です。
例えば自分が所有する畑を、
・自宅敷地にする
・月極駐車場にする
・資材置場にする
・店舗などの敷地にする
といったケースです。
土地の所有者は変わりません。
変わるのは土地の利用目的です。
これが5条との大きな違いです。
例えば親から畑を相続し、自分自身がその土地へ家を建てるなら、農地転用では4条を確認することになります。
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▪️農地法5条|売買・貸借と転用を同時に行う
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農地法5条は、
権利が動くこと
と、
農地以外へ転用すること
がセットになったケースです。
例えば、
・住宅を建てる人へ農地を売る
・事業者へ売って駐車場にする
・事業者へ貸して資材置場にする
といった場合です。
相続した農地を、
「自分では使わないから、宅地として誰かに売りたい」
という場合には、5条が関係するケースが多くなります。
売主だけで手続きを完結させるのではなく、買主の具体的な利用計画も重要になります。
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▪️3条・4条・5条を具体例で判定する
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迷った場合は、次のように考えてみましょう。
ケース1|隣の農家へ田んぼとして売る
農地として利用を続ける。
→農地法3条
ケース2|自分の畑を自分の駐車場にする
所有者は変わらず、農業以外へ変更する。
→農地法4条
ケース3|住宅を建てたい人へ畑を売る
所有者が変わり、農地以外へ変更する。
→農地法5条
ケース4|農業法人へ農地として貸す
農地利用を続けるための権利設定。
→原則として3条など農地の権利移動に関する手続きを確認
このように、
農地のままか→所有者・利用者が変わるか
の順で見ると判断しやすくなります。
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▪️4条・5条では「転用目的が具体的か」が重要になる
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4条・5条の農地転用では、
「将来何かに使いたい」
という曖昧な計画ではなく、具体的な転用目的を確認します。
例えば駐車場なら、
・何台分必要なのか
・どの範囲を利用するのか
・出入口をどこに設けるのか
・造成や排水をどうするのか
などです。
住宅なら建物配置や敷地利用計画などが関係します。
特に5条では買主・借主の事業計画や資金面も重要になります。
だから相続農地を売りたい場合も、
先に農地を宅地化してから誰かに売る
という順番だけではありません。
具体的な買主と用途を決め、5条転用を前提に売買を進める方法があります。
詳しくはこちら
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▪️市街化区域では4条・5条が「届出」になるケースがある
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農地転用というと、すべて「許可」を取ると思われがちです。
しかし市街化区域内の農地については、原則として事前に農業委員会へ届出を行うことで転用できる仕組みがあります。
つまり4条・5条には、
市街化区域外
原則として転用許可。
市街化区域内
原則として事前届出。
という違いがあります。
ただし、市街化区域にある農地だから何の確認もなく工事できるわけではありません。
建築・開発など別の手続きが必要になる場合もあります。
自分の土地がどの区域にあるのかを確認してから進めます。
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▪️4条・5条の前に「農振除外」が必要になる農地もある
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農地が農業振興地域の農用地区域、いわゆる青地に入っている場合は、原則として農業以外への利用が強く制限されています。
この場合は農地法4条・5条だけを申請するのではなく、先に農用地区域から外せるかを確認します。
いわゆる農振除外です。
さらに2026年現在は、地域計画との関係も確認する必要があります。
そのため青地の農地では、
農振・地域計画の確認。
↓
農地転用。
という順番が問題になります。
ここは3条・4条・5条とは別の制度階層です。
詳しくはこちら
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▪️3条で売るか、5条で売るかは「どちらが高いか」だけで決めない
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相続した農地なら、
農地のまま売るより、宅地へ転用して売った方が高いのでは。
と考えることがあります。
確かに転用後の土地価格が高くなるケースはあります。
しかし5条転用を前提に売却する場合には、
・農振除外などの手続き
・測量や分筆
・造成や排水工事
・上下水道整備
・各種申請
などの費用が必要になることがあります。
そのため比較するのは売却価格ではありません。
農地として売った場合の手残り
と、
転用して売った場合の手残り
です。
高く売れても、その差額以上に費用と時間がかかれば結果は変わります。
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▪️農地のまま売却できるなら3条が早い場合もある
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例えば隣接する農家が、
と考えている場合です。
3条の許可要件を満たして売却できるなら、農地を農業外へ変更する必要はありません。
一方、
農業利用の買主が見つからない。
住宅地に隣接している。
転用可能性がある。
という土地なら5条による売却を検討する意味があります。
つまり、
農地だから転用。
ではなく、
農地として引き継げる相手がいるかを先に確認する
方法があります。
大きな造成費を使わずに手放せるなら、所有者にとって合理的な出口になる可能性があります。
詳しくはこちら
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▪️農地を貸す場合も「農業利用か転用か」で変わる
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売却だけでなく、貸す場合にも3条・5条の考え方が使えます。
農家や農業法人などへ農地として貸す。
→農地として利用する権利設定なので3条などを確認します。
事業者へ貸して資材置場や駐車場として使う。
→権利設定と転用を伴うため5条を確認します。
つまり、
「貸すなら3条」
とも限りません。
農地を貸した後、何に使うのかを見ます。
また農地を農業利用で貸す場合には、農地バンクを利用する方法もあります。
詳しくはこちら
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▪️相続した農地なら手続きを決める前に3つだけ確認する
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3条・4条・5条を完璧に覚える必要はありません。
所有者が最初に確認したいのは、
・農地として売る・貸す可能性があるか
・自分自身が農業以外へ利用するのか
・第三者へ渡して農業以外へ利用してもらうのか
です。
農地として売る・貸すなら3条側。
自分で転用するなら4条。
第三者への権利移動と転用を同時に行うなら5条。
ここまで整理した状態で、所在地の農業委員会へ地番と具体的な用途を伝えれば相談しやすくなります。
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〖PR〗相続した農地について、名義・売却・土地処分まで含めて何から整理すればよいか分からない場合は、専門家へ相談する方法もあります。
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▪️転用へお金を使う前に「今の農地はいくらで売れるか」も確認する
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農地転用には時間と費用がかかるケースがあります。
それでも転用した方が手残りを増やせる土地もあります。
一方、農地として売却できる相手がいるなら、そのまま売った方が合理的なこともあります。
そこで転用工事や測量を始める前に、
・農地として売った場合
・転用を前提に売った場合
・自分で転用してから売った場合
を比較します。
重要なのは、
「宅地価格はいくらか」
ではなく、
最終的に自分の手元へいくら残るか
です。
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〖PR〗相続した土地について、転用や造成へ費用をかける前に現在の売却可能性を確認したい場合はこちら。
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▪️よくある質問|農地法3条・4条・5条
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Q.農地を農家へ売る場合は何条ですか?
農地として利用する人へ売却する場合は、原則として農地法3条の許可を確認します。
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Q.自分の畑に自宅を建てる場合は何条ですか?
所有者自身が転用するため、農地法4条を確認します。
農振や都市計画、接道など別の確認が必要になる場合もあります。
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Q.家を建てたい人へ農地を売る場合は何条ですか?
売買による権利移動と農地転用を伴うため、農地法5条を確認するケースになります。
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Q.農地を事業者へ貸して駐車場にする場合は何条ですか?
貸借による権利設定と転用を伴うため、農地法5条を確認します。
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▪️まとめ|3条・4条・5条は「農地のままか」「誰が転用するか」で判断する
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農地法3条・4条・5条は、数字だけを見ると複雑に感じます。
しかし基本はシンプルです。
3条
農地のまま、売る・貸す。
4条
所有者自身が農地を転用する。
5条
売る・貸すなど権利を動かしながら転用する。
まずここを決めます。
その後に、
農振農用地区域なのか。
どの農地区分なのか。
市街化区域なのか。
具体的な転用計画を実現できるのか。
を確認していきます。
相続した農地を手放したい場合も、最初から5条転用へ進む必要はありません。
農地として使ってくれる相手がいるなら3条による売却を確認する。
自分で利用するなら4条。
住宅や事業利用を希望する第三者へ渡すなら5条。
「何条を使うのか」を先に覚えるのではなく、土地を最終的に誰が何に使うのかを決める。
これが農地法3条・4条・5条を間違えずに整理する一番簡単な方法です。
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