不動産投資ローンはいつ融資実行される?事前審査・本審査から金消契約・決済までの流れ
- MIRAIU

- 8月15日
- 読了時間: 29分
▪️不動産投資ローンはいつ融資実行される?
3,000万円の収益物件を購入するため、不動産投資ローンを申し込んだとします。
金融機関から「融資承認になりました」と連絡が来れば、ひとまず大きな山を越えたことになります。
しかし、融資承認になった瞬間に3,000万円が自分の銀行口座へ振り込まれるわけではありません。
一般的には、審査を経たあとに融資条件を確認し、金銭消費貸借契約などの契約手続きを行い、その後の決済日に融資が実行される流れになります。細かな手続きや順序は金融機関や案件によって異なります。(SMBC)
つまり、
事前審査に通った。
本審査に通った。
融資承認になった。
融資が実行された。
これはすべて同じ意味ではありません。
収益物件の売買では、融資実行日と物件の決済・引き渡しを合わせて進めることがあります。
そのため投資家は、「融資が通るか」だけでなく、いつまでに何を準備し、決済日にいくら必要なのかまで把握しておく必要があります。
不動産投資ローンは、審査承認がゴールではありません。融資実行と物件決済が終わって、初めて購入資金の流れが完結します。
▪️不動産投資ローンの流れを最初に整理する
金融機関や物件によって違いはありますが、不動産投資ローンは大きく分けるといくつかの段階で進みます。
まず、購入したい物件と自分の収入・資産・借入状況などをもとに金融機関へ相談します。
その後、事前審査を行う場合があります。
さらに必要書類をそろえて本審査へ進み、融資が承認されれば、最終的な金利、借入額、返済期間、担保などの融資条件を確認します。
その後に金銭消費貸借契約などの手続きを行い、予定した決済日に融資実行という流れです。
相談 → 事前審査 → 本審査 → 融資承認 → 契約 → 融資実行 → 物件決済
この全体像を頭に入れておくと、「今どの段階なのか」が分かりやすくなります。
ただし、案件によって売買契約を行うタイミングや必要な手続きは異なります。
一つひとつの段階で、次に必要な書類と期限を確認しながら進めることが重要です。
▪️事前審査とは?
事前審査は、本格的な融資審査へ進む前に、希望する融資を検討できそうか確認するために行われる審査です。
金融機関によっては仮審査など別の名称で案内されることもあります。
例えば3,000万円の一棟アパートを購入したくても、自分が3,000万円程度の融資を検討してもらえるのかまったく分からない状態で売買を進めるのは不安があります。
そこで、年収、勤務先、勤続年数、金融資産、既存借入、購入予定物件などの情報を提出し、融資の可能性を確認します。
ただし、
事前審査通過=3,000万円の融資確定
ではありません。
その後の本審査で、申込者や物件についてより詳しく確認されることがあります。
事前審査は「この条件で融資を検討できる可能性がある」と考える段階であり、最終承認とは分けて考えます。
▪️事前審査では何を見られる?
金融機関によって確認項目は異なりますが、不動産投資ローンでは申込者と物件の両方が重要になります。
例えば申込者については、年収、勤務先、勤続年数、既存借入、保有資産などが融資判断へ関係する可能性があります。
物件については、購入価格、所在地、築年数、構造、家賃収入、入居状況などが確認材料になる場合があります。
同じ年収800万円の会社員でも、借入がほとんどない人と、多額の住宅ローンやその他の借入がある人では状況が違います。
同じ3,000万円の物件でも、満室家賃30万円の物件と15万円の物件では収益性が違います。
不動産投資ローンでは「自分ならいくら借りられるか」だけではなく、「この物件に対していくら融資できるか」という視点も重要です。
融資審査についてはこちら。
▪️事前審査へ出す前に物件資料をそろえる
不動産投資ローンでは、金融機関が物件を判断するための情報が必要になります。
一棟アパートなら、販売図面だけではなく、現在の家賃収入や入居状況が分かる資料を求められる場合があります。
土地や建物の情報、登記関係資料、固定資産税に関する資料などが確認されることもあります。
どこまで必要かは金融機関や案件によって違います。
そのため、「銀行へ行く前に全部自分で完璧に準備しなければならない」と考える必要はありません。
まず金融機関や融資担当者へ相談し、必要書類を確認します。
足りない資料を後から何度も追加するより、最初に必要書類一覧を確認して準備した方が手続きを進めやすくなります。
▪️自分自身の資料も早めに準備する
物件資料だけでなく、申込者本人について確認する資料も必要になることがあります。
例えば本人確認書類、収入に関する資料、確定申告書、現在利用しているローンの内容、金融資産の状況などです。
法人で購入する場合は、法人の決算書や会社情報など、個人融資とは違う資料が必要になることもあります。
すでに複数物件を所有している人なら、各物件の家賃収入やローン残高を確認できるようにしておくと、自分自身の資産状況も整理しやすくなります。
物件が増えるほど「自分が何を持ち、いくら借り、毎月いくら入っているか」を説明できる状態にしておくことが重要です。
▪️事前審査は融資額だけでなく条件まで見る
例えばA銀行から「3,000万円まで検討できます」と言われたとします。
希望額が3,000万円だったため、「これで買える」と考えたくなるかもしれません。
しかし確認したいのは融資額だけではありません。
金利はいくらなのか。
返済期間は何年なのか。
自己資金はいくら必要なのか。
共同担保は必要なのか。
代表者保証はあるのか。
団信はどうなるのか。
同じ3,000万円の承認でも、返済期間15年と30年では毎月返済額が大きく違います。
自己資金0円と500万円必要な条件でも、購入後の現金余力は変わります。
「希望額が出たからOK」ではなく、その3,000万円をどんな条件で借りるのかまで確認します。
金融機関の選び方についてはこちら。
▪️事前審査に通っても本審査で結果が変わることはある
事前審査を通過した後、本審査へ進みます。
この段階では、より具体的な書類や物件情報をもとに最終的な融資判断が行われることがあります。
そのため、事前審査に通ったからといって、必ず同じ金額・同じ条件で融資が実行されるとは限りません。
追加資料を確認した結果、希望していた3,000万円ではなく2,700万円までになることも考えられます。
返済期間が希望より短くなる場合や、追加の自己資金、担保などが条件になる可能性もあります。
場合によっては本審査で承認されないことも考えられます。
事前審査通過後も、融資条件が正式に確定するまでは資金計画に余裕を持っておくことが重要です。
▪️本審査では物件価格と担保評価が違うこともある
3,000万円で売買される物件だからといって、金融機関が必ず3,000万円の担保価値を認めるとは限りません。
金融機関では独自の方法で物件を評価する場合があります。
例えば売買価格3,000万円に対して、金融機関側では購入物件だけで希望額まで融資しにくいと判断することがあります。
その結果、自己資金を増やしたり、別の不動産を共同担保へ入れたりする条件が提示される場合があります。
そこで重要なのが、
「3,000万円借りられるか」より、「なぜその融資条件になったのか」を確認することです。
購入物件そのものの評価が低いのであれば、本当に3,000万円で購入してよい物件なのかも改めて考えます。
共同担保についてはこちら。
▪️本審査中に新しい借入を増やすのは慎重に考える
不動産投資ローンを申し込んだ後、融資実行までの間に自分の借入状況が大きく変わることがあります。
例えば自動車ローンを新しく組む。カードローンを利用する。別の収益物件を購入して借入が増える。
このような変化が融資判断へどのように影響するかは金融機関や審査内容によって異なります。
そのため、本審査から融資実行までの間に大きな新規借入を予定している場合は、先に融資担当者へ確認しておく方が安全です。
融資承認前後に自分の資金状況を大きく変える場合は、「これくらいなら大丈夫だろう」と自己判断しないことが重要です。
▪️融資承認とは?
本審査を経て金融機関から融資可能という判断が出ると、融資承認として案内されることがあります。
ここまで来れば、物件購入へ大きく前進します。
ただし、承認されたら最初に確認したいのは「通った」という事実だけではありません。
借入額。
金利。
返済期間。
返済方法。
自己資金。
融資手数料。
保証料。
担保。
団信。
元金据置の有無。
こうした最終条件を確認します。
3,000万円を希望していたところ3,000万円承認されたとしても、想定していた25年返済ではなく15年返済なら毎月の資金計画は変わります。
融資承認は「希望金額が出たか」だけではなく、最終的な返済条件まで見て初めて判断できます。
返済期間についてはこちら。
▪️融資承認後にローン諸費用を確定させる
融資条件が具体的になれば、ローンを組むために必要な諸費用もより明確になります。
融資事務手数料はいくらか。
保証料は必要か。
抵当権設定に関する費用はいくらか。
司法書士費用などはどの程度必要か。
例えば3,000万円をフルローンで借りられたとしても、ローン関係費用や購入諸費用として数百万円の現金が必要になる可能性があります。
そのため、
フルローン承認=自己資金を準備しなくてよい
とは限りません。
融資条件が固まった段階で、決済日までにいくら現金を準備する必要があるのかを確認します。
ローン諸費用についてはこちら。
▪️融資承認後も「融資実行日」までは終わっていない
融資承認が出れば安心します。
しかし、実際に資金が動くのは融資実行日です。
融資承認後には、金融機関との契約手続きや、担保設定などに必要な準備を進めることになります。
また、決済日までに自己資金を指定された口座へ準備するよう案内される場合もあります。
3,000万円の融資承認が出ていても、決済日に必要な総額が3,300万円なら、不足する300万円をどのように準備するのか確認しておかなければなりません。
融資承認後は「もう大丈夫」と考えるのではなく、決済日に必要なお金と書類を一つずつ確定させます。
▪️金銭消費貸借契約とは?
融資実行前には、金融機関とローン契約を締結します。
一般に金銭消費貸借契約、略して「金消契約」と呼ばれることがあります。
この契約では、借入金額、金利、返済期間、返済方法など、融資に関する重要な条件を確認します。
正式審査後にローン契約を締結し、その後に融資実行へ進む流れは銀行の案内でも示されています。(レゾナバンク)
「審査で聞いていた条件と同じだろう」と流してしまわず、最終条件を確認します。
特に、
借入額。
適用金利。
返済期間。
毎月返済額。
返済開始日。
繰上返済条件。
担保。
保証。
団信。
こうした項目は長期間の賃貸経営に影響します。
金消契約は単なる融資実行前の手続きではなく、これから何年も返済するローンの最終条件を確認する重要な段階です。
▪️金消契約では「最初の返済日」まで確認する
例えば4月1日に融資実行したとして、最初の返済がいつになるのかを確認します。
毎月返済額が10万円なら、購入後の資金繰りにも関係します。
元金据置がある場合は、据置期間中の支払額と通常返済が始まる時期も確認します。
また、購入直後から家賃が満額入るとは限りません。
空室物件なら入居募集が必要ですし、オーナーチェンジでも家賃の入金時期などを確認する必要があります。
融資実行日だけでなく、最初のローン返済と最初の家賃入金がいつになるのかを並べると、購入直後の資金繰りが分かりやすくなります。
元金据置についてはこちら。
▪️決済前には自己資金を「実際に使える現金」で準備する
融資3,000万円、物件購入や諸費用を合わせた必要資金が3,400万円だったとします。
この場合、単純化すると自己資金400万円が必要です。
「株式を500万円持っているから大丈夫」と考えていても、決済日に現金として支払える状態になっていなければ使えません。
定期預金の解約、証券の売却、別口座からの資金移動などが必要なら、決済直前ではなく余裕を持って準備します。
さらに決済で400万円使った結果、預金がほぼ0円になってしまうなら、その後の賃貸経営にも注意が必要です。
決済資金を準備することと、購入後の安全資金を残すことは別です。
自己資金と手元現金についてはこちら。
▪️決済日に使う自己資金と購入後に残す現金を分ける
例えば現金700万円を持っているとします。
決済日に自己資金300万円。
ローン諸費用100万円。
その他の購入関係費用100万円。
合計500万円必要なら、購入後に残る現金は200万円です。
この200万円で空室、修繕、固定資産税、保険などへ対応します。
もし築古アパートで近いうちに200万円程度の修繕が必要なら、購入後の現金余力はほとんどありません。
そのため、決済までに必要な現金だけを準備するのではなく、
「決済後にいくら残るか」から逆算して自己資金額を考えることが重要です。
▪️売買契約に融資利用の条件があるなら期限を確認する
収益物件の売買契約では、融資利用に関する条件が定められている場合があります。
ただし、どの金融機関で、いくらの融資を申し込み、いつまでに結果を出す必要があるのかなどは契約ごとに異なります。
融資が予定どおり進まなかった場合に契約がどう扱われるのかも、契約内容によって変わります。
そのため、
「ローンが通らなければ自動的に全部白紙になるだろう」
と考えないことが重要です。
売買契約を締結するときは、融資に関する条項、期限、解除条件などを不動産会社や必要に応じて専門家へ確認します。
特に複数金融機関へ申し込む場合は、どの融資が契約上の対象になっているのかも確認しておきます。
▪️事前審査前に売買契約を急ぎすぎない
人気物件では、「今日申し込まないと他の人に買われる」と焦ることがあります。
その気持ちは分かります。
しかし、融資を使わなければ購入できない人が、自分の融資可能性をほとんど確認しないまま契約を進めると、後から資金計画が崩れる可能性があります。
3,000万円借りられると思っていたのに2,500万円しか融資が出ない。
25年返済を想定していたのに15年しか出ない。
共同担保が必要と言われた。
このような条件なら、購入判断そのものが変わるかもしれません。
物件を押さえるスピードは重要ですが、「買いたい」と「買える」を分けて考えることも重要です。
▪️融資承認後に物件条件が変わったら金融機関へ確認する
融資審査中や承認後に、売買価格や物件内容が変更になることがあります。
例えば価格交渉によって3,000万円から2,800万円へ変更された。
購入する土地の一部が変更された。
賃貸状況が大きく変わった。
こうした変更が融資条件へ影響するかは、金融機関や内容によって異なります。
「金額が下がっただけだから問題ないだろう」と自己判断せず、融資担当者へ伝えます。
審査時の前提条件が変わった場合は、融資実行前に金融機関へ確認することが基本です。
▪️決済日が変更になった場合も金融機関へ共有する
売主や買主、司法書士などの都合で、予定していた決済日が変更になることがあります。
その場合も、融資実行の段取りを変更する必要が出る可能性があります。
金融機関側でも契約や融資実行の準備をしているため、決済日の変更が分かったら早めに共有します。
「1日ずれるだけだから大丈夫」と考えず、関係者で日程を合わせます。
不動産の決済は、買主と売主だけではなく、金融機関・不動産会社・司法書士など複数の関係者が同じ日に動くことがあります。
そのため、日程が決まったら変更をできるだけ少なくし、必要な準備を早めに終わらせます。
▪️融資実行前に最終的な資金計画をもう一度作る
決済直前には、最初に作った資金計画をもう一度見直します。
物件価格。
融資額。
自己資金。
融資諸費用。
購入諸費用。
決済時に必要な精算金。
購入後の修繕費。
こうした金額が、最初の予定から変わっていることがあります。
例えば当初は自己資金300万円の予定だったものが、融資額変更や追加費用によって450万円必要になっているかもしれません。
その差額150万円を支払っても、十分な現金を残せるでしょうか。
融資実行直前こそ、「買えるか」ではなく「買った後も安全か」を最後に確認するタイミングです。
▪️融資実行日は「お金を借りる日」と「物件を取得する日」がつながる
不動産投資ローンの融資実行日は、単に銀行からお金を借りるだけの日ではありません。
多くの売買では、その資金を使って売主へ残代金を支払い、所有権移転などの手続きを進めます。
例えば物件価格3,000万円で、契約時に手付金100万円を支払っていたとします。
残代金は2,900万円です。
決済日に3,000万円の融資が実行され、その資金と自己資金を合わせて、売主への残代金や必要な精算金、諸費用などを支払う流れが考えられます。
融資実行と物件決済は別々の出来事ではなく、同じ資金計画の中で連動して進むことがあります。
▪️融資実行された3,000万円が自由に使えるとは限らない
3,000万円の融資が実行されると、自分の口座へ3,000万円が入るイメージを持つかもしれません。
しかし、その資金は収益物件を購入するための融資です。
決済では売主への残代金や、融資条件に沿った支払いなどへ使われることになります。
そのため、
「3,000万円借りたから、余った分を自由に使おう」
と単純に考えないことが重要です。
融資金の使途は契約によって定められている場合があります。
リフォーム費用や諸費用まで融資対象になっている場合でも、どの資金を何へ使えるのかは金融機関へ確認します。
▪️決済当日は複数のお金が同時に動く
例えば物件価格3,000万円、手付金100万円支払い済み、融資3,000万円だったとします。
決済時には売主へ残代金2,900万円を支払います。
そのほか、固定資産税などの精算金、登記関係費用、仲介手数料の残金、融資関係費用などが必要になる場合があります。
つまり、融資3,000万円があるからといって、決済日に必要な支払いが3,000万円以内に収まるとは限りません。
決済前には「入ってくるお金」と「出ていくお金」を一度すべて並べておくことが重要です。
▪️手付金を払っていても決済時の自己資金は別に必要になる
売買契約時に手付金100万円を支払っていると、「もう自己資金は払った」と感じるかもしれません。
しかし、決済では別の現金が必要になる場合があります。
例えば物件価格3,000万円に対して融資2,700万円だったとします。
すでに手付金100万円を払っていても、購入代金だけを考えれば残り200万円の自己資金が必要です。
さらに諸費用150万円が必要なら、決済までに合計350万円程度の現金を準備することになります。
手付金・頭金・諸費用を分けて考え、決済日までに追加でいくら必要なのかを確認します。
▪️決済当日の資金不足は避けたい
例えば決済当日の必要自己資金が400万円なのに、指定口座へ350万円しか準備できていなかったとします。
50万円不足しています。
決済は売主、買主、金融機関、不動産会社、司法書士など複数の関係者が予定を合わせています。
そのため、当日になって資金不足が分かると手続きへ大きな影響が出る可能性があります。
決済資金は前日ではなく、余裕を持って必要口座へ準備しておくことが重要です。
金額だけでなく、どの口座へ、いつまでに入れておく必要があるのかまで確認します。
▪️融資実行前に登記手続きの準備も進む
金融機関が不動産を担保に取る融資では、抵当権設定などの登記手続きが関係します。
また、物件購入では売主から買主への所有権移転登記も行われます。
そのため決済前には、司法書士などを通じて必要書類の確認が行われることがあります。
本人確認書類、印鑑関係書類、住所に関する書類など、必要となるものは案件によって異なります。
融資が承認されたから書類はもう不要ではなく、決済に向けた登記書類の準備が残っています。
▪️共同担保がある場合は別物件の書類も必要になることがある
例えば購入するアパートAだけでなく、自分がすでに所有している戸建Bも共同担保へ入れるとします。
この場合、アパートAだけではなく戸建Bについても担保設定に関する手続きが必要になることがあります。
そのため、別物件の登記情報や所有関係などの確認が必要になる場合があります。
共有名義になっている不動産や家族所有の不動産を共同担保へ入れる場合は、さらに関係者が増える可能性があります。
共同担保ありの融資では、融資実行直前になって慌てないよう、必要な手続きを早めに確認します。
共同担保についてはこちら。
▪️法人で借りる場合は個人融資と必要書類が違うこともある
法人名義で収益物件を購入する場合は、法人として融資契約を行います。
そのため法人の登記事項、印鑑関係書類、決算書など、個人融資とは異なる資料が必要になることがあります。
さらに代表者保証が付く場合には、代表者個人も融資へ関係します。
法人が借主だからといって、代表者個人について何も確認されないとは限りません。
法人融資では「誰が借主なのか」「誰が保証人なのか」「誰の不動産が担保なのか」を分けて確認します。
代表者保証についてはこちら。
▪️融資実行日までに家賃精算も確認しておく
オーナーチェンジ物件を購入する場合、購入時点ですでに入居者がいることがあります。
この場合、決済日を境に家賃収入をどのように精算するのか確認します。
例えば月途中の15日に所有権が移るなら、その月の家賃について売主と買主の間で精算が行われる場合があります。
管理会社への引き継ぎも必要です。
購入後の家賃がいつ、どの口座へ入るのかまで確認しておけば、ローン返済とのタイミングを把握しやすくなります。
決済日だけでなく「最初の家賃がいつ入るか」まで把握して、購入直後のキャッシュフローを作ります。
▪️空室物件なら融資実行後すぐ家賃が入るとは限らない
満室物件と違い、空室がある物件では購入後すぐに満額の家賃が入るとは限りません。
例えば6室中3室空室のアパートを購入した場合、融資実行翌月からローン返済が始まっても、家賃収入はまだ半分程度かもしれません。
リフォームして募集し、入居者が決まるまで数か月かかる可能性もあります。
そのため、融資実行後の最初の数か月について現金がいくら出ていくのかを計算しておきます。
融資が通ったから資金問題が解決したのではなく、融資実行後から本当の賃貸経営が始まります。
▪️融資実行直後に修繕費が必要になることもある
築古物件では、決済後すぐにリフォームや設備交換へ着手することがあります。
例えば空室2室の原状回復60万円、給湯器交換20万円、共用部修繕20万円で合計100万円必要だとします。
決済で自己資金をほとんど使ってしまえば、この100万円をどこから出すのかという問題が起きます。
そのため購入前から、
決済に使う自己資金。
購入後のリフォーム資金。
緊急修繕の予備資金。
これらを分けて考えます。
融資実行日に口座残高を使い切らないことが、購入後の賃貸経営では非常に重要です。
▪️融資実行後の最初の3か月を資金計画する
購入後の資金繰りを考えるなら、少なくとも最初の数か月を具体的にイメージします。
例えば融資実行翌月からローン返済12万円。
家賃収入は月20万円。
しかし購入1か月目に修繕50万円、2か月目に固定資産税などの支出、3か月目に退去が発生。
このように、家賃とローン返済だけでは見えない支出が重なる可能性があります。
決済後3か月程度の現金収支を作ると、購入直後に必要な現金が見えやすくなります。
▪️元金据置がある場合は融資実行日から期間を確認する
元金据置を利用する場合も、いつからいつまでが据置期間なのか確認します。
例えば融資実行日から1年間なのか。
初回返済日から12回分なのか。
具体的な取り扱いは金融機関や契約によって異なります。
据置期間中は返済が軽くても、終了後には通常返済が始まります。
融資実行日を基準に「いつ返済額が変わるのか」まで資金計画へ入れておきます。
元金据置についてはこちら。
▪️融資実行後に返済期間や金利を自由に変えられるとは限らない
融資実行が終わった後に、「やっぱり25年ではなく35年にしたい」「変動から固定へすぐ変えたい」と思うこともあるかもしれません。
しかし、契約後に自由に条件変更できるとは限りません。
変更を希望する場合は現在の金融機関との相談や、場合によっては借り換えを検討することになります。
そのため融資実行前の金消契約で、返済期間や金利タイプなどをしっかり確認します。
長期間使うローンだからこそ、融資実行前の最終確認が重要です。
▪️融資実行後に金利条件がどうなるか確認する
変動金利で借りる場合は、融資実行時の金利がずっと続くとは限りません。
今後どのようなタイミングで金利が見直される可能性があるのか、返済額へどう反映されるのかは商品によって異なります。
固定金利でも、固定される期間やその後の条件がどうなっているのか確認します。
融資実行時の金利だけではなく、そのローンを保有している間に条件がどう変わる可能性があるのかも理解しておきます。
固定金利と変動金利についてはこちら。
▪️融資実行後に繰上返済したい場合の条件も確認する
賃貸経営が順調に進み、数年後に現金が増えたら一部繰上返済をしたい人もいると思います。
その場合、最低返済額、手数料、返済期間短縮型なのか返済額軽減型なのかなど、金融機関によって取り扱いが異なる場合があります。
また、数年後に物件売却を予定しているなら、全額繰上返済時の条件も重要です。
融資実行前には毎月返済ばかりを見ますが、出口まで考えるなら途中返済条件も確認します。
ローンは借りる瞬間だけでなく、返す途中と完済するときにも条件があります。
▪️融資実行後すぐ借り換える前提で買わない
例えば「今は金利3%だけど、1年後には2%の銀行へ借り換えればいい」と考えて物件を購入するケースです。
しかし1年後に必ず低金利で借り換えできる保証はありません。
物件評価、年収、借入状況、金融機関の融資方針などが変わる可能性があります。
借り換えには新しい審査と諸費用も必要になる場合があります。
「将来条件を改善できるはず」という前提ではなく、現在の融資条件でも成立する物件を購入することが基本です。
借り換えについてはこちら。
▪️融資実行後に売却する場合は残債を確認する
購入から数年後に物件を売却することもあります。
そのとき重要になるのがローン残高です。
例えば3,000万円で購入し、5年後のローン残債が2,500万円だったとします。
売却価格が2,800万円なら、単純化すると300万円の差があります。
一方、売却価格が2,300万円なら、売却代金だけではローンを完済できない可能性があります。
特にフルローンやオーバーローン、長期融資では残債が多く残ることがあります。
融資実行前から「何年後にいくら残債があるか」を確認しておくと出口戦略を作りやすくなります。
フルローン・オーバーローンについてはこちら。
▪️決済完了後は融資関係書類をまとめて保管する
融資実行と物件決済が終わったら、契約書類を整理して保管します。
融資契約書。
返済予定表。
団信関係書類。
売買契約書。
重要事項説明書。
登記関係書類。
各種精算書。
後から借り換え、売却、確定申告などを行うときに必要になることがあります。
物件数が増えてくると、「このアパートはどの銀行で何%、残債はいくらだったか」が分かりにくくなります。
一物件ごとに融資関係書類をまとめておくと、その後の賃貸経営が管理しやすくなります。
▪️複数物件を持つならローン一覧を作る
例えば3棟所有しているとします。
物件Aは残債2,000万円、金利2.0%、返済期間残り18年。
物件Bは残債800万円、金利1.8%、残り10年。
物件Cは残債1,500万円、金利2.5%、残り25年。
さらに共同担保や代表者保証、団信などの条件も違うかもしれません。
こうした情報を一覧にしておけば、次の融資相談や借り換え、売却時に確認しやすくなります。
融資実行は一つのローンのスタートであり、その後は残債と返済条件を継続して管理していきます。
▪️次の物件を買うときは現在の融資実績が土台になる
一戸目の融資実行が終われば、次は返済実績を積み上げていく段階です。
家賃を安定させ、ローン返済を続け、現金を残していきます。
数年後に2戸目を購入するときには、一戸目の残債や収支も含めて新しい融資相談を行うことになります。
そのため一戸目で無理な融資条件を選び、毎月ほとんど現金が残らない状態にすると、次へ進む余力も小さくなります。
一戸目の融資は一戸目だけの問題ではなく、その後の不動産投資全体につながります。
2戸目へ進むタイミングについてはこちら。
▪️融資実行までに確認したい7つのポイント
まず、本審査で承認された借入額を確認します。
次に、金利と返済期間、毎月返済額を確認します。
融資事務手数料や保証料など、ローン関係諸費用も確定させます。
決済日に必要な自己資金はいくらなのか確認します。
購入後に残る現金が十分かも見ます。
共同担保、代表者保証、団信などの条件も確認します。
最後に、
融資実行後、最初の家賃入金と最初のローン返済がいつなのか。
ここまで確認します。
「審査が通った」だけで終わらず、融資実行後の資金繰りまで見て初めて購入準備が完成します。
▪️Q&A|不動産投資ローンの融資実行でよくある疑問
Q. 事前審査に通れば本審査も必ず通りますか?
必ずではありません。本審査では追加資料やより詳しい内容を確認されることがあり、融資額や返済期間などの条件が変わる場合や、承認されない場合もあります。
Q. 本審査に通ったらすぐお金が振り込まれますか?
通常は融資承認後に契約や担保設定などの準備を行い、予定された融資実行日に資金が動きます。具体的な流れは金融機関や案件によって異なります。
Q. フルローンなら決済日に自己資金はいりませんか?
必ずではありません。物件価格相当額を借りられても、融資諸費用、購入諸費用、精算金などについて現金が必要になる場合があります。
Q. 融資承認後に自動車ローンを組んでも大丈夫ですか?
融資実行前に借入状況が変わる場合は、金融機関へ確認する方が安全です。新しい借入が審査や融資条件へどう影響するかは金融機関によって異なります。
Q. 決済日が変更になったら融資も変更になりますか?
融資実行日などの調整が必要になる可能性があります。日程変更が分かった時点で金融機関、不動産会社、司法書士など関係者へ早めに共有します。
▪️不動産投資ローンは「承認」より「条件」を見る
融資承認の電話が来ると、どうしても「通った!」という結果だけに意識が向きます。
しかし、同じ3,000万円の承認でも条件は違います。
A銀行は金利1.8%、返済25年、自己資金500万円。
B銀行は金利2.1%、返済35年、自己資金200万円。
C銀行は金利2.0%、返済30年ですが共同担保あり。
この3つなら、単純に金利だけでは判断できません。
購入後の現金、毎月返済、10年後の残債、担保の自由度などが変わります。
融資承認は「買えるかどうか」を決める材料であり、最終的には融資条件全体を見て購入するか判断します。
▪️不動産投資の物件・融資方法を合わせて比較する
融資実行までの流れを理解しても、購入する物件自体の収益性が悪ければ意味がありません。
購入価格はいくらか。
家賃はいくらか。
融資後の毎月返済はいくらか。
購入後にいくら現金が残るか。
空室や修繕があっても返済できるか。
融資手続きと物件収支を分けず、一つの資金計画として考えることが重要です。
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▪️まとめ|融資承認がゴールではなく「決済後に現金が残るか」まで確認する
不動産投資ローンは、金融機関へ申し込めばすぐに融資が実行されるわけではありません。
事前審査。
本審査。
融資承認。
金銭消費貸借契約などの契約手続き。
融資実行。
物件決済。
このように複数の段階があります。
事前審査に通っても、最終的な融資が確定したとは限りません。
本審査で追加資料を確認した結果、融資額が変わったり、返済期間が短くなったり、自己資金や共同担保などの条件が付く可能性もあります。
融資承認になったら、金額だけでなく条件を確認します。
金利はいくらか。
返済期間は何年か。
毎月返済はいくらか。
融資諸費用はいくらか。
自己資金はいくら必要か。
担保や保証はどうなっているか。
そして決済日までに必要な現金を準備します。
ここで大切なのが、
決済に必要な現金を準備できることと、購入後にも現金を残せることは別だという点です。
700万円持っていて、決済で650万円使えば物件は購入できます。
しかし購入後の現金は50万円です。
その直後に給湯器交換や空室、原状回復が発生すれば、一気に資金不足になる可能性があります。
だからこそ、
「融資が3,000万円出た」ではなく、「3,000万円を借りて決済した後、自分の口座へいくら残るのか」を確認します。
融資実行後にはローン返済が始まります。
一方、空室物件ではすぐに満額の家賃が入るとは限りません。
最初の家賃入金日。
最初のローン返済日。
購入後の修繕予定。
固定資産税や保険などの支出。
ここまで資金計画へ入れておけば、購入直後のキャッシュフローを読みやすくなります。
また、融資実行後もローン管理は続きます。
残債はいくらか。
金利条件はどうなっているか。
繰上返済条件は何か。
共同担保はあるか。
団信は付いているか。
物件数が増えてきたら一覧にして管理します。
不動産投資ローンの審査は、銀行から「貸します」と言ってもらうためだけの手続きではありません。
自分がその条件で長期間返済できるかを確認するための重要な過程です。
事前審査から融資実行まで、一つずつ条件を確認します。
そして最後に見る数字は、
「いくら借りられたか」ではなく、「購入後にいくら現金が残り、毎月いくら手元へ残るか」。
この状態まで確認できて初めて、不動産投資ローンを使った物件購入の資金計画が完成します。
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