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築古アパート投資は本当に高利回り?5年間の修繕・空室で手残りを再計算

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月19日
  • 読了時間: 13分

築古アパートを探していると、

「表面利回り10%」

「満室稼働中」

「年間家賃400万円」

といった物件が目に入ります。

数字だけを見ると、

4,000万円で買って毎年400万円の家賃が入るなら、かなり儲かりそう

と感じます。

しかし、築古アパート投資で本当に確認したいのは購入した年の利回りだけではありません。

5年間保有すれば、

・退去

・空室

・原状回復

・給湯器交換

・エアコン交換

・外壁や防水などの修繕

が重なる可能性があります。

1年目に100万円近く残っていても、3年目に200万円の工事が発生すれば、それまでの利益が一気に減ることもあります。

だから築古投資では、

「今年いくら儲かるか」ではなく「5年間通して現金が残るか」

を見ることが重要です。

この記事では、利回り10%の築古アパートを例に、5年間の空室・修繕・ローン返済を入れて手残りを再計算します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️結論|築古アパートは1年目より「5年間の耐久力」を見る



築古アパートの表面利回りが高くても、それだけで高収益物件とは判断できません。

重要なのは、高い利回りが保有期間中も残るかです。

確認したいのは、

・家賃が維持できるか

・空室が増えても返済できるか

・修繕が重なっても現金が残るか

・大規模修繕後も投資として成立するか

です。

前の記事では、築古10%と新築7%でも返済後のキャッシュフローが逆転する仕組みを確認しました。

今回はさらに築古側へ絞り、

購入後5年間に何が起きても耐えられるか

を見ていきます。


▪️利回り10%の物件をそのまま5年間計算しない



たとえば、

・購入価格 4,000万円

・年間満室家賃 400万円

なら表面利回りは10%です。

単純に考えると、

400万円×5年間=2,000万円

の家賃収入になります。

しかし、この計算には空室も修繕も入っていません。

さらに融資を利用していれば、毎年ローン返済も発生します。

築古アパートの5年間を見るなら、

満室家賃2,000万円

から考えるのではなく、

実際に入る家賃-運営費-修繕-返済

を毎年計算します。


▪️築古アパートは「修繕費が毎年一定」ではない



築古投資の収支を作るとき、

「修繕費は年間30万円」

のように一定額を入れることがあります。

積立計画としては分かりやすい方法ですが、現実の支出は毎年同じとは限りません。

たとえば、

1年目は小修繕だけ。

2年目に給湯器交換。

3年目に退去が重なり室内改修。

5年目に外壁や防水。

ということも考えられます。

つまり築古アパートでは、

年間平均額だけでなく、修繕が集中する年を想定する

必要があります。

国土交通省も民間賃貸住宅について、定期的な点検や計画的な維持修繕の重要性を案内しています。 (国土交通省)


▪️修繕履歴を見ると「次に来そうな工事」が見えやすくなる



購入前には、過去に何を直したかを確認します。

たとえば、

・外壁塗装はいつか

・屋根や防水はいつか

・給湯器交換歴

・エアコン交換歴

・給排水修繕

・共用部修繕

などです。

築30年でも、大規模修繕直後の物件と長期間ほとんど手を入れていない物件では、購入後の資金計画が変わります。

築年数だけではなく、

「最後にいつ直したか」

を見ることが重要です。

築古アパートの修繕・リフォームを整理したい場合はこちら。

修繕内容や費用を比較したい場合はこちら。


▪️空室も5年間ずっと同じとは限らない



購入時に満室でも、5年間ずっと満室とは限りません。

退去が発生すれば、

・募集期間

・広告料

・原状回復

・家賃見直し

などが発生する場合があります。

特に長期入居者がいる築古アパートでは、現在の家賃と退去後に募集できる家賃が違うことがあります。

見るべきなのは、

今の満室家賃ではなく、退去後も同じ収入を維持できるか

です。


▪️5年間のストレステストをしてみる



ここからは、考え方を分かりやすくするための仮定です。

市場平均や特定物件の実績ではありません。

次の築古アパートを購入したとします。

・購入価格 4,000万円

・年間満室家賃 400万円

・表面利回り 10%

・借入額 3,200万円

・金利 2.8%

・返済期間 20年

・年間の管理・税金・保険・共用部等 45万円

と仮定します。

3,200万円を金利2.8%、20年の元利均等返済とした場合、年間返済額は約209万円です。

ここへ5年間の空室と修繕を入れてみます。


▪️1年目|満室に近くても小修繕は発生する



1年目は比較的順調だったとします。

・実際の家賃収入 380万円

・年間運営費 45万円

・修繕費 30万円

・ローン返済 約209万円

この場合、

380万円-45万円-30万円-209万円

約96万円

が残ります。

1年目だけを見ると、

「やっぱり築古10%は儲かる」

と感じる数字です。

しかし、ここで5年間の判断をしてはいけません。


▪️2年目|退去と設備交換が重なる



2年目に空室期間が増え、給湯器やエアコンなどの交換が重なったとします。

・実際の家賃収入 360万円

・年間運営費 45万円

・修繕費 80万円

・ローン返済 約209万円

すると、

360万円-45万円-80万円-209万円

約26万円

です。

表面利回りは同じ10%表示でも、手元に残る現金は大きく減りました。

ここで重要なのは、

物件価格も満室家賃も変わっていない

ことです。

変わったのは購入後の運営です。


▪️3年目|大きな修繕が来ると赤字になることもある



3年目に複数戸の退去と大きめの修繕が重なったと仮定します。

・実際の家賃収入 340万円

・年間運営費 45万円

・修繕費 200万円

・ローン返済 約209万円

この場合、

340万円-45万円-200万円-209万円

約114万円のマイナス

です。

1年目に約96万円残っていても、3年目だけでそれ以上の現金が出ていきます。

築古アパート投資では、

黒字の年があること

より、

赤字の年に耐えられること

が重要になります。


▪️4年目|修繕後に入居が戻れば再び現金は残る



3年目の工事後、募集が改善したとします。

・実際の家賃収入 360万円

・年間運営費 45万円

・修繕費 40万円

・ローン返済 約209万円

すると、

360万円-45万円-40万円-209万円

約66万円

です。

修繕したことで建物状態が改善し、入居募集を進めやすくなる可能性もあります。

だから修繕費は単なる損失ではありません。

必要な工事を先送りして建物状態を悪化させるより、

必要な修繕を行いながら家賃収入を維持する

という考え方が必要です。


▪️5年目|次の修繕が来れば再び手残りは減る



5年目に再度空室と設備更新が重なったとします。

・実際の家賃収入 320万円

・年間運営費 45万円

・修繕費 100万円

・ローン返済 約209万円

すると、

320万円-45万円-100万円-209万円

約34万円のマイナス

です。

このように築古では、

良い年。

普通の年。

修繕が重なる年。

が交互に来る可能性を考えます。

毎年100万円残る前提で資金を使ってしまうと、修繕年に現金不足になりやすくなります。


▪️5年間合計すると約40万円しか残らない仮定になる



今回の簡易シミュレーションでは、

1年目 +約96万円

2年目 +約26万円

3年目 -約114万円

4年目 +約66万円

5年目 -約34万円

となります。

5年間を合計すると、

約40万円のプラス

です。

1年目だけなら年間約96万円残る物件でした。

もし同じ状態が5年間続くと考えれば約480万円です。

ところが空室と修繕を変動させると、今回の仮定では5年間の現金収支が約40万円まで小さくなりました。

これが、

表面利回りだけでは築古アパートの実力が分からない理由

です。


▪️ただしローン元金は5年間で減っている



ここで、

「5年間で40万円しか増えないなら投資する意味がない」

と判断するのも早いです。

ローン返済には利息だけでなく元金返済も含まれています。

今回の仮定では3,200万円の借入を返済しているため、5年間で残債も減っています。

つまり不動産投資の成果を見るときは、

・手元に残った現金

・減ったローン元金

・現在の物件価値

を分けて考えます。

ただし、元金が減っていても現金が不足すれば修繕費を払えません。

だから、

純資産とキャッシュフローは両方必要

です。


▪️修繕用の現金を残さない築古投資は苦しくなりやすい



1年目に100万円残ったから、

全部を生活費に使う。

次の物件の頭金に全部使う。

繰上返済へ全部回す。

という判断をすると、その後の大きな修繕に対応できなくなる可能性があります。

築古では特に、

・日常運転資金

・空室対応資金

・原状回復資金

・設備交換資金

・大規模修繕資金

を分けて考えます。

不動産投資で現金を残す考え方はこちら。


▪️「年間修繕費」ではなく5年分の工事候補を書き出す



購入前の収支表には、年間修繕費だけを入れるのではなく、今後5年間で考えられる工事を書き出します。

たとえば、

・退去時の原状回復

・給湯器

・エアコン

・換気扇

・共用灯

・外壁

・屋根

・防水

・給排水

です。

すべてが5年間で必ず発生するという意味ではありません。

重要なのは、

発生した場合に払えるか

を購入前に確認することです。


▪️満室物件ほど退去後家賃も確認する



満室の築古アパートは魅力的です。

しかし、現在の家賃だけで収支計算すると将来を読み違えることがあります。

特に確認したいのは、

・入居開始時期

・長期入居者の人数

・現在家賃

・周辺募集家賃

・退去後の想定家賃

です。

たとえば現在4万円で入居していても、次の募集では3万5,000円になるなら年間収入は変わります。

逆に、長期入居で家賃が低く、退去後に適正家賃へ戻せるケースもあります。

現在家賃=未来の家賃

と決めないことが重要です。


▪️高利回り物件では「安い理由」を分解する



築古アパートの利回りが高い理由は、家賃収入が高いからとは限りません。

購入価格が安いため、結果的に高利回りになっていることもあります。

その場合は、

・建物状態

・空室

・賃料

・立地

・土地条件

・修繕履歴

・出口

を確認します。

安い理由を確認したうえで、それでも収支が残るなら高利回りは強みになります。

反対に、購入後の修繕を入れると普通の収益性まで下がるなら、

表示されている10%だけで価格を判断しない

ことが重要です。


▪️購入価格+購入直後の修繕費で利回りを見直す



たとえば4,000万円の物件を購入し、購入後すぐ500万円の大規模修繕が必要だったとします。

物件広告では、

年間家賃400万円÷4,000万円

=表面利回り10%です。

しかし実際には、

4,000万円+500万円

=4,500万円を物件へ投じています。

単純に400万円を4,500万円で見ると約8.9%です。

さらに空室や年間経費も差し引けば、実際の収益性は変わります。

築古では、

買値だけではなく、稼働させ続けるために必要な初期投資まで含める

ことが重要です。


▪️安く修繕できる人ほど築古投資は強くなる



同じ物件でも、修繕コストは所有者によって変わる場合があります。

たとえば、

・工事内容を判断できる

・複数社から見積もりを取れる

・既存設備を活用できる

・必要な工事と不要な工事を分けられる

・管理会社と修繕計画を共有できる

人なら、過剰な工事を減らしやすくなります。

築古投資では、

物件を買う能力だけでなく、買った後のコストを管理する能力

も収益性に影響します。

だから高利回り築古は、単に安い物件を見つけるだけの投資ではありません。


▪️出口まで見るなら5年後の築年数と残債も確認する



5年間のキャッシュフローが残っても、最後に売却できなければ出口は難しくなります。

築30年で購入したアパートなら、5年後は築35年です。

そこで確認したいのは、

・5年後のローン残高

・想定される家賃

・入居率

・土地価格

・建物状態

・次の買主がどう評価するか

です。

購入時の高利回りだけでなく、

5年後にどんな商品として売れるか

まで考えます。


▪️築古アパートを買う前に3パターンの収支を作る



購入判断では、1つの収支表だけではなく3パターン作る方法があります。

①順調ケース

・空室が少ない

・修繕が少ない

・家賃維持

②標準ケース

・一定の退去

・設備交換

・通常修繕

③厳しいケース

・空室増加

・家賃下落

・大規模修繕

です。

③でも資金ショートしないなら、物件の耐久力は高くなります。

逆に①でしか黒字にならないなら、購入後に少し条件が崩れただけで苦しくなる可能性があります。


▪️購入判断では「いくら儲かるか」より「どこまで崩れても耐えられるか」



不動産投資の広告を見ると、

年間CF100万円。

利回り10%。

満室稼働。

と良い数字が並びます。

しかし購入前に自分で確認したいのは、

・1室空いたらどうなるか

・2室空いたらどうなるか

・100万円修繕したらどうなるか

・200万円修繕したらどうなるか

・家賃が5%下がったらどうなるか

です。

投資判断では、

最高の状態でどれだけ儲かるか

より、

悪い状態でも持ち続けられるか

を見る方が資金管理につながります。

収益物件を比較したい場合はこちら。


▪️よくある質問



Q. 築古アパートは利回り10%あれば安全ですか?

利回りだけでは判断できません。空室、年間経費、修繕、ローン返済を入れて5年間程度の資金推移も確認します。


Q. 購入後の修繕費はいくら見ればいいですか?

築年数だけでは決まりません。建物状態、過去の修繕履歴、設備年数を確認し、工事候補ごとに考えます。


Q. 満室なら空室率を入れなくてもいいですか?

将来の退去を考えるなら、満室のまま固定しない方が安全です。退去後家賃や募集期間も含めて複数パターンを作ります。


Q. 修繕で赤字になる物件は買わない方がいいですか?

単年度の赤字だけでは判断できません。修繕後の家賃、今後の収支、現金余力、残債、出口まで含めて考えます。


Q. 築古アパートは初心者には難しいですか?

築古だから一律に難しいわけではありません。ただし購入価格だけでなく、修繕・空室・資金余力まで確認する項目が多くなります。


▪️まとめ|築古の高利回りは「5年間残せて初めて強い」



築古アパートの表面利回り10%は魅力的です。

しかし、その10%が5年間続くとは限りません。

購入後には、

・空室

・原状回復

・設備交換

・大規模修繕

・ローン返済

が発生します。

今回の仮定では、1年目に約96万円残る物件でも、修繕と空室を変動させると5年間の累計手残りは約40万円になりました。

これは、

築古10%では儲からない

という意味ではありません。

逆です。

修繕履歴を確認し、安く購入し、空室を抑え、工事を適正価格で管理できれば、高利回りを実際の利益へ変えられる可能性があります。

だから購入前に見るのは、

表面利回り10%

だけではありません。

・5年間の家賃

・5年間の空室

・5年間の修繕

・5年間の返済

・5年後の残債

まで並べます。

そして、

一番良い場合にいくら儲かるか

ではなく、

厳しい状態になっても持ち続けられるか

を確認します。

築古アパートの高利回りは、広告に10%と書いてあるだけでは完成しません。

修繕と空室を乗り越えて、最後まで現金を残せて初めて「強い利回り」になる。

これが築古アパートを長期で見るときの重要な考え方です。


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