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築古アパート投資は高利回りでも大丈夫?5年間の空室・修繕・手残りを確認

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
8月19日
読了時間: 6分

更新日:10月2日

築古アパートで「表面利回り10%」を見ると、数字は魅力的です。ただ、投資で本当に確認したいのは1年目の利回りではありません。5年間持ったとき、現金が残るかです。


退去、空室、原状回復、給湯器、エアコン、大規模修繕。築古は支出の波が出やすいので、満室家賃だけで5年を延長すると判断を誤りやすくなります。


▪️1 表面利回りは入口の数字と考える

4000万円で年間家賃400万円なら表面利回りは10%。計算は簡単ですが、ここには空室、修繕、税金、保険、管理費、借入返済が入っていません。


高利回り物件ほど、なぜその利回りなのかを見るのが先です。築年数、立地、空室、修繕履歴。数字の裏側を確認してから5年間の収支へ進みます。



購入時に自己資金を使い切ると、最初の修繕で動けなくなることがあります。諸費用を払った後にも、設備交換や空室へ対応できる現金を残す。利回りより先に確認したい余白です。


購入時の諸費用も、5年間の回収を考えるなら別枠にしたいところ。仲介手数料、登記、融資関連費用などは家賃を生まない支出なので、物件価格だけで投資額を置くと回収期間が短く見えます。


▪️2 家賃は5年間ずっと同じと置かない

満室家賃が年間400万円でも、退去が出れば募集期間が発生します。家賃を下げる可能性やAD、フリーレントまで入れば実収入は変わるでしょう。


標準ケースでは現在家賃、慎重ケースでは家賃低下と空室を少し多めに。2本の数字を作ると、収益が崩れたときの耐性が見えます。


購入価格を正当化するために家賃を強く置かないこと。現地需要に合わせた家賃から逆算する方が安全です。


家賃調査では、募集中の金額だけでなく長く残っている物件にも注意したいところ。高い家賃で掲載されていることと、その金額で成約することは別です。複数物件を幅で見る方が安全でしょう。


▪️3 修繕は毎年均等に出るわけではない

築古アパートの修繕は、毎年50万円ずつきれいに出るとは限りません。何もない年の翌年に給湯器や防水が重なることもあります。


そこで小修繕と大規模修繕を別枠へ。5年間で起こりそうな交換を一覧にし、いつ来ても資金が回るかを見るのがポイントです。


過去の修繕履歴があるなら、交換済み設備と未交換設備を分ける。築年数だけで一律の修繕費を置くより精度が上がります。


大規模修繕は、外壁・屋根・防水をまとめて一つの数字にしない方が見やすくなります。次の5年で必要そうな工事、まだ先でもよい工事を分ける。優先順位が見えれば資金計画も崩れにくくなります。


退去が出た年は、空室損と原状回復が同時に来ることもあります。単独の修繕額ではなく、同じ年に複数の支出が重なった場合まで置くと、必要な現金の厚みが見えます。


▪️4 返済後の現金で見る

家賃から経費を引いて利益が出ても、借入返済後に現金が残るとは限りません。元金返済と利息、修繕積立を分けて見る必要があります。


月々の返済はできても、大規模修繕が来た瞬間に手元資金が薄くなる。ここが築古投資の怖いところ。年間利益より現金残高を追う方が実務的です。



返済比率が高い物件では、空室が1室増えただけで余白が小さくなることがあります。満室時だけでなく、1室空いた月の返済後現金まで確認。ここで苦しいなら購入価格や借入条件の見直し候補です。


▪️5 減価償却とキャッシュフローを混ぜない

国税庁は、建物などの減価償却資産について、取得価額を使用可能期間にわたって費用配分する考え方を案内しています。土地は減価償却資産ではありません。


帳簿上の費用と、その年に出ていく現金は別。減価償却で税務上の利益が小さく見えても、修繕や返済に必要な現金が足りるかは別に確認します。



5年後の売却価格を強く置きすぎないことも大切です。建物がさらに古くなり、周辺家賃や金利環境も変わる可能性があるため、出口は標準ケースと慎重ケースの両方で見る方が現実的でしょう。


▪️6 5年後の残債と出口を入れる

5年間の家賃だけ計算して終わりではありません。5年後にいくら借入が残るか、売却できそうな価格帯はどこか。出口まで入れて初めて保有判断になります。


売却しない予定でも、残債と土地・建物の状態は確認しておきたいところ。売れない前提ではなく、売る必要が出たときに動けるかを見る考え方です。


築古ほど、最後に建物価値が小さくなり土地評価へ寄ることもあります。接道や再建築、立地需要は購入前に確認しておきましょう。


出口では売却価格だけでなく、売却時の諸費用も見ておきたいところ。残債を返して何が残るかまで置くと、5年間持つ意味を比べやすくなります。


▪️7 確認する順番

①表面利回りの前提を見る、②5年間の家賃と空室を2ケースで置く、③小修繕と大規模修繕を分ける、④返済後の現金を見る、⑤減価償却と現金を分ける、⑥5年後の残債を確認する、⑦売却・保有継続の出口を比較する。この順なら、1年目の数字だけで判断しにくくなります。


高利回りだから買う、低利回りだから見送る、という単純な話ではありません。5年間に支出が重なっても現金が回るかが分岐点です。


慎重ケースでも資金が残るなら、築古の高利回りが強みに変わります。逆に満室前提でしか成立しないなら、購入価格や融資条件を見直す余地があります。


最後は手元資金の余白。修繕が想定より早く来ても対応できるか、購入後の現金まで含めて判断します。


▪️⑧ Q&A

Q1. 表面利回り10%なら築古アパートとして高収益ですか?


表面利回りだけでは判断できません。空室、修繕、税金、保険、借入返済まで入れた5年間の現金で比較します。


Q2. 修繕費はいくら見ておけば安全ですか?


一律の金額はありません。建物状態と修繕履歴を確認し、小修繕と大規模修繕を分けて余白を持たせます。


Q3. 5年後に売る予定がなくても出口を見る必要がありますか?


予定がなくても、残債と売却可能性を確認しておくと判断材料になります。急に売る必要が出た場合へ備える考え方です。


▪️⑨ まとめ

築古アパートの高利回りは、1年目ではなく5年間で見る。家賃、空室、修繕、返済、税務、残債まで並べると、本当に現金が残るかが見えてきます。


慎重ケースでも耐えられる物件なら、高利回りは強みになります。満室前提でしか成立しないなら、購入条件をもう一度見直す余地があります。


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