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再建築不可の戸建て投資は買っていい?接道・修繕・収益・出口の判断基準

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 7月17日
  • 読了時間: 14分

更新日:8月20日

不動産投資の物件を探していると、周辺相場よりかなり安い戸建てが見つかることがあります。

物件概要を見ると「再建築不可」。

それでも現在の建物は残っていて、少し直せば貸せそうに見えることがあります。

すると、

「安く買って家賃を取れば高利回りになる?」

「建て替えなければ問題ない?」

「現金で買って長く貸せば成立する?」

と考える方もいるでしょう。

再建築不可の戸建てでも、条件によっては賃貸経営が成立する可能性があります。

しかし、普通の築古戸建てより購入価格だけで判断しにくい物件です。

重要なのは、

なぜ再建築できないのか。

現在の建物をどこまで使えるのか。

賃貸開始まで総額いくら必要なのか。

建物が使えなくなった後にどうするのか。

を購入前に確認することです。

この記事では「再建築不可だから買わない」「安いから買う」という二択ではなく、法的条件・建物・収益・出口の4方向から投資として成立するかを整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「再建築不可」の文字より、再建築できない理由を確認する


物件広告に「再建築不可」と書かれていたら、最初に価格や利回りを計算するのではありません。

まず、

なぜ再建築できないと判断されているのか

を確認します。

代表的なのが接道です。

都市計画区域等では、建物の敷地は原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路へ2m以上接する必要があります。(国土交通省)

しかし、道が狭いから即「再建築不可」と決まるわけでもありません。

幅員4m未満でも、建築基準法42条2項の道路として指定されている道では、セットバックを行うことで建築できる場合があります。(国土交通省)

反対に、

前面が通路に見えるだけで建築基準法上の道路ではない。

道路には接しているが接道長さが不足している。

接道している土地の権利関係に問題がある。

といったケースもあります。

だから「再建築不可」という広告の一行だけで、

絶対に将来建てられない

とも、

何とかすれば建てられる

とも判断しません。

所在地を管轄する建築指導担当窓口などで、道路種別・接道状況・建築可能性を購入前に確認します。



▪️42条2項道路なら「狭い道路=再建築不可」ではない


築古戸建てが多い地域では、前面道路が4m未満ということがあります。

ここで確認したいのが道路種別です。

建築基準法42条2項では、昔から建物が立ち並んでいる一定の狭い道について、特定行政庁が指定することで建築基準法上の道路として扱う制度があります。(国土交通省)

この場合、建て替え時などにセットバックが必要になることがあります。

つまり、

道幅3mだから再建築不可

とは限りません。

一方、見た目は同じ3m程度の通路でも、法上の道路ではないケースがあります。

投資家が現地でメジャーを当てただけでは判断できません。

確認するのは、

・道路種別


・接道している長さ


・セットバックの有無


・敷地面積への影響


・自治体独自の条例等

です。

特にセットバックによって利用できる敷地が小さくなる場合は、将来建てられる建物の規模にも影響する可能性があります。



▪️43条2項の認定・許可で建築できる可能性もある


接道義務をそのまま満たしていなくても、すべての敷地が永久に建築不可になるとは限りません。

建築基準法43条2項には、敷地周辺の状況など一定の条件を満たした場合に、特定行政庁の認定または許可によって接道規制の特例を受けられる仕組みがあります。(国土交通省)

ただし、

「通路があるから43条で建てられる」

「過去に近所で許可されたから自分の土地も大丈夫」

とは言えません。

建物の用途や規模、通路の状況、避難・安全・防火などを含めて個別に判断されます。

したがって購入前に、

現在の状態では再建築できないのか。

42条道路として扱われるのか。

43条2項の認定・許可を検討できる余地があるのか。

ここまで確認できると、その物件の出口がかなり見えやすくなります。

「再建築不可を解除できる前提」で価格を付けるのではなく、確認できた現在の条件で収支を作り、改善できればプラス材料くらいに考える方が安全です。



▪️2025年以降は「建て替えないから自由にリフォームできる」とも限らない


再建築不可物件では、

「建て替えなければ、今の建物を好きなだけ直して使えばいい」

と考えることがあります。

ここは2026年現在、特に注意したいところです。

2025年4月の建築基準法改正施行により、2階建ての木造戸建てなどで大規模な修繕・模様替えを行う場合、事前の建築確認が必要になりました。(国土交通省)

国土交通省は、大規模な修繕・模様替えについて、壁・柱・床・梁・屋根・階段など主要構造部の一種以上を過半改修する場合などを対象として説明しています。(国土交通省)

一方、キッチン・トイレ・浴室など一般的な水回り交換や、仕上げ材だけの改修などは、それだけで同じ扱いになるわけではありません。(国土交通省)

つまり再建築不可物件では、

新築できるか

だけでなく、

予定しているリフォームを法的に実施できるか

も購入前に確認する必要があります。

特に、

屋根を大きくやり替える。

柱や梁を広範囲に交換する。

階段を架け替える。

構造部分まで大きく触る。

という計画なら、契約前に建築士や行政へ相談しておく方が安全です。



▪️再建築不可ほど「今ある建物を何年使えるか」が重要


一般的な戸建てなら、建物が寿命を迎えた後に解体して建て替える出口を検討できます。

再建築できない物件では、この出口が弱くなります。

そのため、普通の築古戸建て以上に現在の建物状態を確認します。

特に見たいのは、

・雨漏りや屋根


・基礎や大きな傾き


・シロアリ被害


・柱や床下


・給排水設備


・外壁や軒裏


・過去の増改築

です。

内装のクロスやキッチンが新しいかどうかより、

この建物を今後も賃貸住宅として維持できるか

を先に見ます。

築年数と修繕判断についてはこちらで詳しく整理しています。

購入候補の建物でリフォーム費用を比較したい方はこちら。



▪️利回りは購入価格ではなく「貸せるまでの総投資額」で見る


再建築不可物件は価格が低く見えることがあります。

ここで表面利回りだけを見ると、非常に魅力的に見えます。

数字例は一つだけにします。

物件価格250万円。

購入諸費用30万円。

賃貸開始までの修繕170万円。

総投資額450万円。

想定家賃5万円。

とします。

年間家賃は60万円です。

物件価格250万円だけなら表面利回りは24%ですが、総投資額450万円に対して見ると約13.3%です。

さらに実際には、

・固定資産税


・保険


・管理費


・空室


・募集費


・保有中の修繕

などがあります。

つまり購入判断で見る数字は、

250万円で家を買える

ではなく、

450万円を投入して、年間いくら現金を残せるか

です。

そして再建築不可の場合は、普通の戸建て以上に出口を低く見積もります。

家賃収入だけで投資額の多くを回収する計画になるなら、回収まで現在の建物を維持できる可能性があるかも確認します。

キャッシュフローの見方はこちら。



▪️「高利回りだから出口が弱くてもいい」とは限らない


再建築不可物件では、

「出口は弱いけど利回り25%だから大丈夫」

と考えたくなることがあります。

しかし高利回りは、出口リスクを消してくれるものではありません。

例えば投資資金を回収する前に、

大規模修繕が必要になる。

賃貸できない状態になる。

長期空室になる。

売却したくなる。

ということも考えられます。

だから、

高い利回りがあるからリスクを無視する

のではなく、

出口が弱い分だけ、購入価格・修繕費・年間CFに十分な余裕があるか

を見る方が合理的です。

数字が少し悪化しただけで回収不能になる計画なら、「高利回り物件」というより余裕の小さい投資です。



▪️賃貸では「再建築不可」より入居者が生活できるかを見る


再建築不可であることと、現在の建物を賃貸できるかは別の論点です。

入居者が日常生活で見るのは、

家賃。

間取り。

駐車場。

立地。

設備。

室内状態。

などです。

そのため、法的に再建築が難しい物件でも、現在の住宅が使用でき、地域に戸建て賃貸需要があれば入居者が見つかる可能性があります。

ただし投資家側は、

「安いから家賃4万円なら誰か入る」

と希望だけで決めません。

周辺の戸建て募集。

実際に競合する物件。

駐車場条件。

管理会社や仲介会社の反応。

などを確認します。

再建築不可の問題は入居者募集よりも、建物が使えなくなった後と売却時に強く表れやすいため、賃貸需要と出口を別々に評価することが重要です。



▪️戸建て1戸投資なので、退去すれば収入はゼロになる


これは再建築不可だけのリスクではありません。

戸建て1戸を一人の入居者へ貸している場合、その入居者が退去すれば家賃収入は一旦ゼロになります。

さらに再募集時に、

原状回復。

設備交換。

募集費。

追加リフォーム。

などが必要になる場合があります。

だから購入時には、満室中の年間家賃だけではなく、一度退去して数か月家賃が入らなくても維持できる現金を残します。

戸建て投資の空室と手元資金はこちら。



▪️融資が使えるかは契約前に個別確認する


再建築不可物件について、

「銀行融資は絶対に出ない」

と一律に決めることもできません。

金融機関、借主、物件、担保、融資商品などによって判断は異なります。

ただし、融資を使う計画なら、

買付や契約を進めてから資金調達を考える

のは避けたいところです。

物件購入費だけ融資できるのか。

リフォーム費も含められるのか。

自己資金はいくら必要か。

返済期間は何年か。

ここまで確認します。

さらに出口では、将来の買主も同じように資金調達を考えます。

つまり自分が現金で買えたとしても、

将来の買主候補がどうやって購入するのか

まで考えておく必要があります。

不動産投資の資金条件や物件を比較したい方はこちら。



▪️再建築不可物件の出口は4つに分けて考える


購入前に、少なくとも4つの出口を考えます。

①賃貸を続ける

現在の建物を適切に維持し、家賃収入を得続ける方法です。

②入居中に投資家へ売却する

安定した家賃が入り、投資家側でも収支が成立するなら、オーナーチェンジ売却を検討できます。

③接道条件を改善する

隣地の一部取得などによって接道条件を満たせる可能性がある物件では、将来の選択肢が広がる場合があります。

ただし交渉が成立する前提で購入価格を決めないことが重要です。

④現状の条件で売却する

建物の老朽化などで一般市場での売却が難しくなれば、投資家や訳あり不動産を扱う事業者なども含めて出口を比較します。

43条2項の認定・許可を検討できるケースもありますが、これも将来必ず認められるという出口ではありません。(国土交通省)

戸建て投資全体の出口戦略はこちら。



▪️「土地値があるから最後は土地で売れる」は慎重に考える


通常の築古戸建てでは、

「最後は建物を壊して土地として売れる」

という出口を考えることがあります。

しかし再建築不可物件では、この考え方をそのまま使えません。

現在の建物を解体した後、新しい住宅を建築できない状態なら、土地を住宅用地として購入する人の選択肢が狭くなるからです。

もちろん、

隣地所有者が欲しい。

駐車場など別用途で使える。

接道条件を改善できる。

43条2項の認定・許可を検討できる。

といった可能性はあります。

しかし購入時には、

「最後は土地値で売れるはず」

を出口価格の根拠にしません。

現在の条件のままでも売却可能性があるのかを確認します。

土地値と戸建て投資の考え方はこちら。



▪️解体は特に慎重|建物をなくすと戻せない


再建築不可物件を所有していて建物が傷んでくると、

「古いから先に解体しよう」

と考えることがあります。

しかし、現在の建物を取り壊した後に新しい建物を建てられないなら、解体は大きな判断になります。

建物付きで売る場合。

現状で修繕して貸す場合。

解体した場合。

それぞれの価格と費用を比較してから決めます。

特に売却が目的なら、解体費を支払ってから買主を探すより、建物付きの現状でどの程度評価されるかを先に確認した方が選択肢を残せます。

売却前の査定についてはこちら。

再建築不可・接道などの事情があり、一般売却が難しい不動産の出口を確認したい方はこちら。



▪️再建築不可でも検討できる物件の6条件


再建築不可でも、次の条件を確認できるなら投資候補として検討できます。

①再建築できない原因を確認できている

道路種別・接道・特例の可能性まで把握します。

②現在の建物を長く使える見込みがある

重大な雨漏り・傾き・構造劣化などを確認します。

③総投資額が分かっている

購入価格ではなく、諸費用と賃貸開始までの修繕を含めます。

④現実的な家賃でもCFが残る

強気の家賃や満室前提で計算しません。

⑤購入後にも現金を残せる

空室や追加修繕へ対応できる資金を確保します。

⑥現在の条件のままでも出口を想定できる

将来の隣地取得や特例許可が成功しなければ破綻する計画にはしません。

この6つが揃って初めて、

再建築不可というリスクに対して、購入価格が十分安いのか

を判断します。



▪️逆に見送った方がいい再建築不可物件


価格が安くても、

再建築できない理由を説明できない。

行政確認をしていない。

建物の傷みが大きい。

構造部分まで大規模な工事が必要。

賃貸需要の根拠がない。

購入後の現金がほとんど残らない。

出口が「隣地をいつか買えれば何とかなる」だけ。

という状態なら、一度止めて確認した方がよいでしょう。

再建築不可物件は、一般的な戸建てより安く見えることがあります。

しかし、価格の安さと投資リスクの小ささは同じではありません。

買わなければ、次の物件を探せます。

難しい条件を理解できないまま「経験のために1戸買う」必要はありません。



▪️まとめ|再建築不可は「安さ」ではなく現在の建物で回収できるかを見る


再建築不可の戸建て投資は、

絶対に買ってはいけない。

とも、

安く高利回りで狙い目。

とも一律には言えません。

まず確認するのは、再建築できない理由です。

都市計画区域等では、建物敷地は原則として幅員4m以上の道路へ2m以上接する必要があります。(国土交通省)

一方、42条2項道路ならセットバックによって建築できる場合があり、接道義務をそのまま満たさない敷地でも43条2項の認定・許可を検討できる制度があります。(国土交通省)

さらに2025年4月以降は、木造2階建て住宅等の大規模修繕・模様替えについて建築確認が必要になる場合があります。(国土交通省)

だから再建築不可投資では、

「建て替えなければ大丈夫」

だけでは足りません。

現在の建物を何年使えるのか。

予定する修繕が実施できるのか。

総投資はいくらか。

現実的な家賃でCFが残るか。

退去や追加修繕にも耐えられるか。

現在の条件のままでも売れる可能性があるか。

まで確認します。

そして一番重要なのは、

再建築可能になることを期待して買わないこと。

です。

将来、隣地取得や行政上の特例によって条件を改善できれば、それは大きなプラスです。

しかし改善できなくても投資として成立する価格で買う。

再建築不可の戸建て投資では、

今ある建物から家賃を得て、建物を維持できる期間の中で投資資金を回収し、最後の出口まで数字が残るか。

ここまで説明できる物件だけを検討することが、安さに引っ張られない購入判断になります。



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