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戸建て投資の出口戦略|オーナーチェンジ・実需売却・土地売却の判断基準

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 7月17日
  • 読了時間: 14分

更新日:8月20日

戸建て投資では、購入価格と家賃から利回りを計算して、

「毎月いくら残るか」

を考えることが多いでしょう。

しかし、戸建ては永久に保有するとは限りません。

数年後に売却する。

入居者が退去したタイミングで手放す。

建物が古くなれば土地として売る。

売却資金を次の収益物件へ回す。

という選択肢があります。

そのため購入時には、

「この家をどう貸すか」だけではなく、「最後に誰が買える物件なのか」

まで考えておくことが重要です。

戸建て投資には、アパートとは少し違う強みがあります。

入居中なら投資家へ売却できる可能性があり、空室になれば自分で住む住宅を探している人へ売却できる可能性もあります。

さらに建物が古くなっても、土地として利用できる条件が残っていれば別の出口を検討できます。

この記事では、戸建て投資の出口を4つに分け、残債・売却手残り・税金・再建築まで含めて判断方法を整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|出口が強い戸建ては「買える人が一種類ではない」


戸建て投資の出口は、単純に、

「10年後に売る」

と決めることではありません。

重要なのは、将来その戸建てを誰が買う可能性があるかです。

大きく分けると、

・入居者付きで投資家へ売る


・退去後に実需住宅として売る


・古家付き土地または土地として売る


・売却せず家賃収入を得続ける

という4つがあります。

例えば、投資家にしか売りにくい物件と、

投資家にも実需層にも土地を探している人にも検討される物件では、出口の幅が違います。

だから出口戦略とは、

売却日を決めることではなく、将来選べる選択肢を購入時から減らさないこと

と考えると分かりやすくなります。

地方の築古戸建てを購入から売却・再投資までつなげる考え方はこちらです。



▪️出口①|入居中ならオーナーチェンジで投資家へ売る


入居者が住んでいる状態で戸建てを売却する方法が、オーナーチェンジ売却です。

買主は自分で住むためではなく、家賃収入を得る収益物件として購入します。

この出口で重要になるのは、

現在いくらの家賃が入っているか。

滞納はないか。

どのような賃貸借契約なのか。

年間の運営費はいくらか。

購入後にどの程度の収益が見込めるか。

という数字です。

つまり投資家へ売る場合、建物がきれいかどうかだけではなく、収益物件として買主の計算が合うかが重要になります。

例えば相場よりかなり低い家賃で長期入居していると、満室であっても買主から見た収益性が低くなることがあります。

反対に、現実的な家賃で安定入居しており、修繕履歴や収支も分かる物件なら判断材料を提示しやすくなります。

ここで大切なのは、

「入居中だから高く売れる」

と決めつけないことです。

家賃、建物状態、土地、利回り、地域需要を見て価格が決まります。



▪️出口②|退去を「空室リスク」ではなく実需売却の機会として見る


戸建て投資では、入居者が退去すると家賃収入が止まります。

通常なら空室はマイナスです。

しかし出口戦略では、退去が売却方法を変えるタイミングにもなります。

空室なら、買主自身が住むことを前提に室内を確認できます。

そのため、

住宅として使いやすい立地。

駐車場がある。

生活しやすい間取り。

建物状態が比較的良い。

といった戸建てなら、投資家以外の買主を検討できる可能性があります。

ここが戸建て投資の特徴です。

入居中は「家賃を生む収益物件」として見る。

退去後は「中古住宅」として売る可能性も比較する。

つまり、

退去したら自動的に再募集する

のではなく、

再募集する場合と、空室のまま売る場合を一度比較する

という判断ができます。

築古戸建てを「貸し続けるか・売るか」の比較はこちらで詳しく整理しています。



▪️実需売却を狙うなら「高額リフォームしてから査定」は避ける


退去した戸建てを見て、

「売るなら先にリフォームした方が高く売れるのでは」

と考えることがあります。

しかし、ここも順番が重要です。

例えば200万円かけて室内をきれいにしても、売却価格が200万円以上上がるとは限りません。

買主自身がリフォームしたい場合もあります。

そのため売却を考え始めたら、

現状のままならいくらか。

最低限直した場合はいくらか。

本格的に直した場合はいくらか。

を比較します。

特に建物がかなり古い場合は、買主が建物ではなく土地を評価していることもあります。

その状態で大きな内装費を入れても回収できない可能性があります。

解体や大規模リフォームを先に行う前に、現状での売却可能性を確認する考え方はこちらです。

現在の戸建てがどの程度で売却できそうか確認したい場合はこちら。



▪️出口③|建物が古くなれば「古家付き土地・土地売却」を比較する


築古戸建てを長く保有すると、建物はさらに古くなります。

例えば築40年で購入し10年間保有すれば、売却時は築50年前後です。

このとき、

「古いからもう売れない」

と考える必要はありません。

一方で、

「土地が残るから絶対大丈夫」

とも言えません。

土地として出口を作るなら、

・接道状況


・道路種別


・間口


・土地形状


・境界


・用途地域などの都市計画条件


・再建築できる条件か

を確認します。

建築基準法では、建築物の敷地は原則として一定の道路へ2m以上接することが求められています。実際の再建築可否には道路種別や例外制度なども関係するため、個別確認が必要です。(国土交通省)

つまり、

現在家が建っている=将来必ず建て替えられる

とは限りません。

戸建て投資では建物だけでなく、購入時から土地の出口まで確認しておくことが重要です。



▪️「解体して更地にすれば高く売れる」とも限らない


建物が古いと、

「先に解体した方が売りやすいのでは」

と考えることがあります。

しかし、これも一律ではありません。

古家付きで安く購入し、自分でリフォームしたい買主がいるかもしれません。

建物を使いたい買主にとっては、解体すると選択肢がなくなります。

反対に建物の傷みが大きく、土地として探している買主が中心なら、更地の方が検討しやすい場合もあります。

確認したいのは、

古家付きで売った場合の価格。

解体費。

更地にした場合の想定価格。

売却までの期間。

です。

「古いから壊す」ではなく、壊した費用を売却価格で回収できるかを見る。

ここまで比較してから決めます。



▪️出口④|売却しないことも立派な出口戦略


出口戦略という言葉から、

「最終的には必ず売らなければならない」

と思う必要はありません。

家賃が安定して入る。

大きな修繕が終わっている。

ローン残高が減っている。

今後も賃貸需要が見込める。

という戸建てなら、保有を続ける方が合理的なこともあります。

そのため売却を考えるときは、

今売ればいくら現金が戻るか

と、

このまま持てば今後いくらCFを生むか

を比較します。

例えば今売れば300万円の現金が戻るとしても、その物件が毎年40万円のCFを安定して生んでいるなら、売却する意味を改めて考える必要があります。

反対に毎年ほとんど現金が残らず、大きな修繕が近いなら、売却して次へ資金を移す意味が大きくなる場合があります。

保有中のキャッシュフローはこちらで確認できます。



▪️売却価格ではなく「売った後にいくら残るか」を見る


戸建てを900万円で売れると聞くと、

「900万円手に入る」

と感じるかもしれません。

しかし融資を利用している場合には残債があります。

さらに売却には費用がかかり、譲渡益が発生すれば税金も確認します。

そこで出口で見るのは売却価格ではなく、

売却後の手残りです。

一度だけ数字で見てみます。

想定売却価格800万円。

ローン完済に必要な金額が300万円。

売却に伴う費用を50万円と仮定します。

税金を考慮する前の単純な手残りは、

800万円 − 300万円 − 50万円=450万円

です。

重要なのは、この450万円と、

「今後この戸建てを保有して得られるCF」

を比較することです。

売却価格が高いから売るのではありません。

売却すると自由に使える現金がいくら戻り、その現金を次にどう使えるかまで見ます。

現在残債を確認するときは返済予定表も使えます。



▪️売却前は金融機関へ「完済に必要な金額」を確認する


返済予定表に載っている残高と、実際の売却日に必要な完済金額が常に同じとは限りません。

売却日までの利息や、融資契約によっては繰上返済に関する費用などを確認する必要があります。

また購入物件に抵当権が設定されている場合、売却時にはローン完済や抵当権抹消の段取りを金融機関と確認します。

そのため、

「だいたい残債300万円くらい」

で売却手残りを確定させず、売却が具体化した段階で金融機関へ確認します。

出口戦略では、

売れる価格

と、

完済できる価格

を分けて考えることが重要です。



▪️個人名義なら「5年保有したから長期」と単純に数えない


個人名義の土地・建物を売却して譲渡所得が発生する場合、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分されます。

ここで注意したいのが判定日です。

国税庁では、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかによって長期・短期を判定します。単純に購入日から5周年を迎えれば、その日から長期になるわけではありません。(国税庁)

そのため売却時期を検討するときは、

「そろそろ5年だから大丈夫」

ではなく、取得日と売却予定年を確認します。

なお、これは個人所有の土地・建物を売却した場合の所得税上の区分です。

法人名義で所有している不動産は同じ計算方法ではないため、法人の出口では別に税務確認が必要です。

譲渡所得税の計算はこちらの記事で詳しく整理しています。



▪️減価償却している建物は「買値と売値の差」だけで税金を考えない


賃貸用戸建てでは、建物について減価償却を行っていることがあります。

そのため、

「500万円で買って500万円で売ったから利益ゼロ」

と単純に考えることはできません。

国税庁は、建物を売却するときの取得費について、購入代金等から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算するとしています。事業に使っていた建物についても減価償却を踏まえて取得費を計算します。(国税庁)

つまり築古戸建てでは、

購入価格。

土地・建物の取得価額。

減価償却。

売却費用。

売却価格。

などを確認して譲渡所得を計算します。

売却価格が購入価格以下だから税金は出ない

と自己判断しないことが重要です。

実際の税額は取得時・保有中の資料をもとに税理士等へ確認すると安心です。



▪️税率だけを理由に赤字物件を持ち続けない


個人所有の場合、短期譲渡と長期譲渡では税率が異なるため、売却時期の判断材料にはなります。(国税庁)

しかし、

「長期になるまであと1年だから絶対売らない」

と税金だけで決めるのも避けたいところです。

その1年間で、

空室が続く。

大規模修繕が必要になる。

建物状態が悪化する。

売却相場が変化する。

という可能性もあります。

例えば税負担を抑えるために1年待った結果、それ以上に物件価格が下がったり大きな修繕が必要になったりすれば、全体では有利とは限りません。

税金は出口判断の一要素であり、出口戦略そのものではない。

この位置づけで考えます。



▪️売却相場は「路線価」だけではなく実際の取引価格を見る


旧記事では土地価値を見る項目として路線価を挙げていました。

路線価は税務上重要な数字ですが、そのまま実際の売却価格になるわけではありません。

出口価格を考えるなら、

近隣の売出価格。

実際の取引事例。

土地・建物の状態。

接道や面積。

現在の賃貸収益。

などを確認します。

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の不動産取引価格や地価公示、都市計画などの情報を確認できます。(国土交通省リインフォライブラリ)

ただし、近隣で800万円の戸建てが売れていても、自分の物件が同額になるとは限りません。

比較事例はあくまで入口です。

最終的には複数の査定や物件条件を確認し、現実的な売却価格を置きます。



▪️売却後の現金を何に使うかまで決めて出口戦略になる


戸建てを売却して500万円の現金が戻った。

そこで終わりではありません。

その500万円を、

次の戸建て購入へ使う。

一棟物件の自己資金へ使う。

既存借入を減らす。

修繕資金として残す。

しばらく現金で持つ。

という選択肢があります。

特に資産形成を目的にしている場合は、

売却=不動産投資の終了

ではなく、

収益性が下がった資産から資金を回収し、次の資産へ移す

という意味を持つことがあります。

一方、売却資金が戻ったからといって、すぐ次の物件を買う必要もありません。

次の案件の数字が合わなければ現金を残して待つ選択もあります。

不動産投資全体の選択肢を比較したい方はこちら。



▪️購入前に出口を確認する7項目


戸建てを買う前に、次の7項目を確認してみてください。

①入居中なら投資家が買える収支か

家賃、運営費、修繕状況から、買主側でも収支が成立するかを見ます。

②空室なら実需住宅として売れる条件か

立地、駐車場、間取り、建物状態などを確認します。

③土地として利用できる条件が残っているか

接道、道路、境界、形状、都市計画などを見ます。

④購入後の修繕履歴を残せるか

屋根、設備、水回りなど、何を直したか記録します。

⑤数年後の残債を確認できるか

想定売却価格だけでなく、その時点のローン残高も見ます。

⑥売却時の税金を確認しているか

個人・法人、所有期間、減価償却などによって税務が変わります。

⑦売却後の資金用途まで考えているか

次の投資へ回すのか、現金を残すのかを考えます。

この7項目が分かれば、

「安いから買う」

「利回りが高いから買う」

だけではなく、

最後まで収益を回収できる戸建てか

という見方ができます。



▪️まとめ|戸建て投資の出口は「売却価格」より選択肢の多さで作る


戸建て投資の出口戦略は、

「10年後に売る」

という予定表を作ることではありません。

購入時から、

入居中なら投資家へ売れるか。

退去後なら実需住宅として売れるか。

建物が古くなっても土地として出口が残るか。

売らずに持ち続ける価値があるか。

を確認します。

そして実際に売却を検討するときは、

売却価格だけを見ません。

残債。

売却費用。

税金。

今後のCF。

売却後に戻る現金。

まで比較します。

戸建て投資では、空室が必ず悪いとも限りません。

退去したことで実需向けに売却できる可能性が広がることがあります。

古くなった建物も、土地条件が良ければ別の出口へつながる可能性があります。

反対に、

再建築条件が弱い。

土地需要が小さい。

建物状態も悪い。

投資家が買える収支でもない。

という戸建てでは、出口がかなり狭くなる可能性があります。

だから購入時に見るべきなのは現在の利回りだけではありません。

「この物件を将来、誰が買えるのか」

です。

投資家。

自分で住む人。

土地を求める人。

そして、売らずに保有し続ける自分自身。

この複数の出口を残せる価格と条件で購入する。

それが戸建て投資の出口戦略であり、購入時の失敗を減らすための重要な判断基準です。



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