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市街化区域・調整区域・青地で農地の売り方はどう変わる?3つのエリア別出口を整理

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月25日
  • 読了時間: 11分

相続した田んぼや畑を売りたい。

不動産会社へ相談すると、

「市街化区域だから比較的動かしやすい」

「市街化調整区域なので転用が難しい」

「青地だから農地として考えた方がいい」

と言われることがあります。

しかし、この3つを同じ種類の区分として覚えると制度を誤解しやすくなります。

市街化区域・市街化調整区域は都市計画法上の区分です。

一方、青地・白地は、農業振興地域制度について実務上使われる呼び方です。

つまり農地売却では、

・都市計画上どこにあるか

・農振上どう扱われているか

・農地のまま売るのか、転用して売るのか

を組み合わせて考える必要があります。

この記事では、相続農地の売却方法を、

市街化区域

市街化調整区域

農振農用地区域、いわゆる青地

の3パターンから整理します。

▪️結論|農地の売り方は「誰に売れるか」が区域で変わる

農地を売るときに重要なのは、

「転用できるか」

だけではありません。

誰が買主候補になるのかまで考えます。

大きく整理すると、

市街化区域

住宅・駐車場・事業用地など、農業以外の需要も検討しやすい。

市街化調整区域

農地としての売却と、一定条件での転用売却を分けて考える。

青地

基本は農業利用を続ける相手への売却・貸付を先に考える。

という違いがあります。

ただし、区域名だけで最終的な売却可否や価格が決まるわけではありません。

最初に制度上の位置を確認し、その土地を使える買主へ向けて売却方法を変えることが重要です。

▪️最初に整理|「市街化区域・調整区域」と「青地・白地」は別軸

ここは農地売却で特に混同されやすい部分です。

都市計画法では、区域区分を行う都市計画区域について、

・市街化区域

・市街化調整区域

があります。

市街化区域は計画的に市街化を図る区域。

市街化調整区域は市街化を抑制する区域です。

一方、農業振興地域制度では、農業利用を確保すべき区域として農用地区域を定めます。

この農用地区域を一般に「青地」と呼ぶことがあります。

農業振興地域内でも農用地区域に入っていない土地は、実務上「白地」と呼ばれます。

つまり、

「調整区域だから青地」

「白地だから市街化区域」

と単純に置き換えることはできません。

農地売却では、都市計画と農振を別々に調べることから始めます。

詳しくはこちら

▪️① 市街化区域の農地|農業以外の買主も探しやすい

市街化区域は、すでに市街地を形成している区域や、優先的・計画的に市街化を進める区域です。

農地転用についても、市街化区域内の農地は原則として農業委員会への事前届出で進める仕組みになっています。

そのため農地売却では、

・住宅を建てたい個人

・住宅事業者

・駐車場として利用したい事業者

・店舗や事業用地を探す事業者

など、農業者以外も買主候補になりやすくなります。

農地のまま売る方法だけに絞らず、転用後に誰が使える土地なのかを確認する価値があります。

▪️市街化区域なら「農地価格」だけで査定しない

例えば周辺がすでに住宅地になっている市街化区域内の畑なら、近隣農家への売却だけでは土地の可能性を十分に比較できない場合があります。

確認したいのは、

・用途地域

・接道

・土地形状

・上下水道

・造成の必要性

です。

住宅用地として利用しやすい土地なら、農業利用だけを前提とした価格とは違う評価になる可能性があります。

一方、道路に接していない土地や大きな造成が必要な土地なら、市街化区域でも利用者は限定されます。

市街化区域=高く売れる

ではなく、

市街化区域だから農業以外の出口まで査定する

と考えましょう。

〖PR〗市街化区域の農地を所有している場合は、農地としての価格だけで判断せず、現在の土地としての売却可能性を確認する方法があります。

▪️② 市街化調整区域の農地|「農家へ売る」だけで終わらせない

市街化調整区域は、市街化を抑制する区域です。

そのため市街化区域に比べると、住宅や事業用地への転用では都市計画法上の制約が強くなります。

しかし、

「市街化調整区域だから農家にしか売れない」

と一律に決まるわけでもありません。

売却方法は大きく二つです。

農地として売る

農業者や農業法人など、農業利用を続ける相手へ売却する。

転用を前提に売る

都市計画法上認められる建築・開発用途があり、農地転用の条件も満たせる買主へ売却する。

市街化調整区域では、後者の買主が限定されるため、まずその土地で何が認められるのかを確認することが重要です。

詳しくはこちら

▪️調整区域では「転用できるか」と「建てられるか」を同時に見る

例えば市街化調整区域の農地を、住宅用地として売りたいとします。

この場合、

農地法上、住宅敷地へ転用できるか。

都市計画法上、その買主が住宅を建てられるか。

の両方を確認します。

農地転用だけ進めても、予定する建物を建てられなければ買主の目的は実現できません。

反対に都市計画法上の建築可能性があっても、農地側の条件を満たせなければ進みません。

調整区域では、不特定多数へ広告する前に、

どんな人ならこの土地を使えるのか

を整理した方が売却戦略を立てやすくなります。

▪️③ 青地|転用価格より農業利用の出口を先に確認する

農振農用地区域、いわゆる青地は、将来にわたって農業利用を確保するための区域です。

農用地区域内の農地は、指定された農業上の用途以外への転用が原則として強く制限されています。

そのため青地なら、最初から、

宅地にして高く売る。

駐車場業者へ売る。

事業用地として広告する。

という方向だけを考えるより、

・近隣農家へ売る

・農業法人へ引き継ぐ

・農地バンクを通じて貸す

という農業利用の出口を先に確認します。

転用する具体的な必要性がある場合には農振除外を検討しますが、売却価格を上げるためだけに先に除外しておく制度ではありません。

詳しくはこちら

▪️青地でも「売れない農地」ではない

青地について、

「転用できない=売れない」

と考える必要はありません。

農地のまま農業利用を続ける買主への売却は検討できます。

特に、

周囲で大規模に耕作している農家がいる。

隣接農地と一体的に利用できる。

農業法人が地域で農地を集めている。

という土地なら、農業利用上の価値がある場合があります。

住宅価格と比較すれば安く見えても、農地には農地としての市場があります。

青地では「宅地ならいくらか」ではなく、農業者にとって使いやすい土地かを見ることが重要です。

▪️白地ならすぐ転用売却できるわけではない

青地ではないことが分かると、

「白地だから転用できる」

と思うかもしれません。

しかし白地は、農業振興地域制度上、農用地区域に含まれていないという意味です。

農地である以上、農地法による転用手続きは別に確認します。

さらに、

・農地転用上の農地区分

・都市計画

・予定用途

・接道や造成条件

なども関係します。

そのため白地の売却では、青地より転用検討へ進みやすい場合があっても、白地という言葉だけで販売価格を決めないことが大切です。

▪️3つのエリアで「最初に相談する相手」も変える

売却活動を始めるときは、土地条件に応じて相談の重点を変えます。

市街化区域

農地だけでなく住宅地・事業用地の取扱いに強い不動産会社にも査定を依頼する。

市街化調整区域

農業委員会に加え、自治体の開発許可担当部署や調整区域に詳しい不動産会社へ相談する。

青地

農業委員会、農政担当部署、農地バンクなどを通じて農業利用の受け手を確認する。

一つの不動産会社から、

「農地は扱えません」

と言われただけで、その土地の出口すべてがなくなったわけではありません。

土地条件に合った相談先へ変えることも農地売却の一部です。

▪️価格より「売れるまでにいくら使うか」で比較する

例えば農地のままなら200万円。

転用できれば600万円で売れる可能性があるとします。

差額は400万円です。

しかし転用売却までに、

測量。

農振除外。

農地転用手続き。

造成。

排水工事。

などで400万円近く必要なら、価格差だけを見ても意味がありません。

この数字は説明用ですが、考え方は重要です。

比較するのは、

農地のまま売る場合の手残り

と、

転用して売る場合の手残り

です。

特に市街化調整区域や青地では、時間も含めて比較しましょう。

▪️土地活用するなら売却との数字比較を先にする

売却価格が低いと、

駐車場。

資材置場。

賃貸住宅。

などへ活用して収入を得る方法を考えることがあります。

しかし農地では、活用内容によって農地転用や都市計画上の手続きが関係します。

さらに初期投資を回収するまで土地を長期間所有することになります。

そこで、

・現在売却した場合

・転用して売却した場合

・活用して保有した場合

を比較します。

「売れないから活用」ではなく、手残りと保有期間を比較した結果として活用を選ぶことが重要です。

〖PR〗農地の転用可能性があり、売却だけでなく駐車場・賃貸住宅なども検討したい場合は、複数の土地活用案を比較する方法があります。

▪️区域が分からないなら売却査定より先に4点確認する

相続した農地について何も分からない場合は、まず次を確認します。

・地番

・市街化区域か市街化調整区域か

・農振農用地区域か

・現在も農地として扱われているか

この4点だけでも、売却先の方向性がかなり変わります。

特に複数の田畑を相続している場合、一筆ずつ条件が違うことがあります。

全部まとめて、

「田舎の農地だから売れない」

と判断せず、一筆ごとに分類しましょう。

詳しくはこちら

▪️よくある質問|農地のエリア別売却

Q.市街化区域の農地は普通の宅地と同じように売れますか?

農地転用は原則事前届出ですが、接道、用途地域、造成など土地利用上の条件は別に確認します。

土地条件を踏まえて査定しましょう。

Q.市街化調整区域なら農家へ売るしかありませんか?

農地として売る方法が基本的な選択肢の一つですが、都市計画法上認められる用途と農地転用の条件を満たす場合には、転用目的の買主を検討できるケースがあります。

Q.青地の農地は売却できますか?

農地として利用する買主への売却は検討できます。

農業以外へ転用する場合は農振除外など、別の条件を確認します。

Q.白地なら市街化区域ですか?

同じ意味ではありません。

白地は農業振興地域制度上の呼び方、市街化区域・市街化調整区域は都市計画法上の区分です。

▪️まとめ|農地は区域ごとに「売る相手」を変える

相続した農地を売るとき、

市街化区域だから売れる。

市街化調整区域だから売れない。

青地だから価値がない。

という判断では不十分です。

まず制度を二つに分けます。

都市計画

市街化区域なのか、市街化調整区域なのか。

農振

農用地区域、いわゆる青地なのか。

そのうえで売却先を考えます。

市街化区域なら、農業以外の利用者も含めて査定する。

市街化調整区域なら、農地売却と許可可能な転用売却を分ける。

青地なら、まず農業者・農業法人・農地バンクなど農業利用の出口を探す。

この順番です。

農地を高く売るために最初から転用する必要はありません。

逆に、市街化区域の使いやすい農地を農地価格だけで手放す必要もありません。

区域を確認する目的は「売れる・売れない」を決めることではなく、その土地を使える買主を見つけることです。

誰なら使えるのか。

何に使えるのか。

売却までいくらかかるのか。

ここまで整理して、その土地に合った出口を選びましょう。

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