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安い農地を買って転用すれば儲かる?農地転用投資で失敗しやすい5つの壁

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月24日
  • 読了時間: 14分

▪️安い農地を買って宅地にすれば儲かる?

地方の土地を探していると、

住宅地は500万円。

その近くの農地は100万円。

というように、農地がかなり安く見えることがあります。

そこで、

「安い農地を買う」

「農地転用して宅地や事業用地にする」

「価値が上がったところで売る」

という投資方法を思いつくかもしれません。

価格差だけを見ると魅力的です。

しかし農地は、普通の土地を安く仕入れる不動産投資とは制度が違います。

特に重要なのが、農地のまま値上がりを待つ投資目的で自由に取得できる土地ではないことです。

農地を農地として取得するなら農地法3条。

転用目的で取得するなら農地法5条など、目的に応じた手続きを確認します。

さらに転用許可、都市計画、造成、排水、インフラ、売却需要まで通過して初めて投資になります。

この記事では、

安い農地を買って転用する投資で、購入前に確認したい5つの壁

を整理します。

相続農地を貸す・売る・転用する場合の出口全体はこちらで整理しています。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️壁①|「安いから買っておく」という農地取得は考え方が違う

最初の壁は、そもそもの購入です。

農林水産省は農地取得について、取得する農地をすべて効率的に利用することなどの許可要件があるため、投資目的で農地を取得することはできないと説明しています。

つまり、

「今は農業しない」

「とりあえず農地として安く買う」

「数年後に市街化したら転用して売る」

という値上がり待ちを目的に、農地法3条で取得する考え方とは合いません。

一方、

この農地を取得して駐車場にする。

事業用地として利用する。

住宅など具体的な転用事業を行う。

という場合には、農地法5条による転用目的の権利移転などを検討します。

ここが普通の土地投資との大きな違いです。

「買ってから用途を考える」のではなく、用途を決めてから買えるか確認する土地と考えた方が分かりやすいでしょう。


▪️壁②|第3種農地でも、買えば自動的に転用できるわけではない

農地転用を調べると、

「第3種農地なら転用できる」

という情報が出てきます。

農林水産省の農地転用許可制度では、第3種農地は市街地などにある農地で、転用について原則許可という扱いです。

第2種農地では代替地の有無などを確認し、第1種農地や農用地区域内農地などは原則不許可を基本として例外要件を確認します。

そのため第3種農地は、農地転用を検討するうえで有利な区分です。

ただし、投資判断は農地区分だけでは終わりません。

転用の一般基準では、

転用事業を実施できる資力・信用。

予定用途へ遅滞なく利用する確実性。

他法令の許認可を受けられる見込み。

周辺農地への影響。

なども確認されます。

さらに住宅を建てるなら、都市計画や接道、開発許可なども別にあります。

第3種農地は「転用審査上の区分」であって、「利益が出る土地」という投資格付けではありません。


▪️市街化調整区域なら、農地転用とは別の壁がある

安い農地を見つけたときは、農地区分だけでなく都市計画区域も確認します。

特に市街化調整区域では、市街化を抑制する目的から建築・開発に制限があります。

例えば農地転用の可能性があっても、

予定する住宅を建築できない。

想定していた開発が認められない。

ということがあります。

逆に建築物を伴わない用途でも、道路、排水、造成内容や自治体の基準などを確認する場合があります。

だから購入前に、

農地転用できるか

だけでなく、

転用後に計画している事業を実際にできるか

まで確認します。

市街化調整区域の土地はこちらで詳しく整理しています。


▪️壁③|「造成して転売するだけ」の計画には注意する

農地転用投資で特に注意したいのが、

「農地を買う」

「造成して宅地にする」

「土地だけ売る」

という計画です。

農林水産省の現行運用では、転用事業が工場・住宅などの施設用地を造成し、その土地を処分することだけを目的とする場合について、一般基準上の制限があります。

建築条件付き売買予定地など、制度上認められる例外はあります。

しかし、

「安く農地を買って、地面だけ宅地に変えて転売すればいい」

という単純な仕組みではありません。

農地転用の審査では、

何を建てるのか。

誰が利用するのか。

どの程度の面積が必要なのか。

事業を実施する資金があるのか。

まで具体性が求められます。

転用許可は、土地の値札を上げるためだけの手続きではない。

ここを理解してから事業計画を作ります。


▪️壁④|安い土地ほど造成・排水・インフラ費用を確認する

農地価格が安い理由は、農地法だけとは限りません。

住宅地として販売されている土地と違い、建築や事業利用を前提とした整備が行われていないことがあります。

例えば、

道路より土地が低い。

水田で地盤が軟弱。

雨水排水先を調整する必要がある。

上下水道が近くまで来ていない。

水路が土地の前を通っている。

大きな高低差がある。

といった条件です。

住宅地として売れる状態へ持っていくなら、土地によっては盛土、地盤改良、排水、擁壁、上下水道などの費用が必要になります。

さらに土地改良区に入っている田んぼでは、転用時に地区除外手続きや決済金等を確認する場合があります。

「農地が200万円安かった」という購入価格差は、造成工事一つで消える可能性があります。

だから価格ではなく、利用できる状態までの総投資額を出します。


▪️農地転用投資は「購入価格」ではなく総事業費を見る

完全な仮定で考えてみます。

農地を300万円で購入できたとします。

購入・登記・転用関係など 60万円。

測量や土地改良区等の対応 60万円。

造成・排水・インフラ整備 300万円。

保有中・売却時などの費用 80万円。

総投資額は、

300万円+60万円+60万円+300万円+80万円=800万円

です。

転用後に900万円で売れれば、税引前の単純な差額は100万円です。

しかし想定価格より10%低い810万円でしか売れなければ、差額は10万円まで縮みます。

これは農地転用の相場を示す数字ではありません。

投資判断の考え方です。

安く買えた300万円ではなく、最終的に800万円入っている土地として出口を見る。

農地転用投資では、この視点が重要です。


▪️壁⑤|転用後に高く売れるかは「農地だったか」ではなく需要で決まる

農地を宅地や雑種地へ変えれば、それだけで買主が現れるわけではありません。

最終的な価格を決めるのは、転用後の土地にどのような需要があるかです。

住宅なら、

人口や世帯。

学校区。

道路。

周辺の売地。

住宅会社が扱いやすい土地か。

などを確認します。

駐車場なら月極需要。

資材置場なら事業者需要と道路条件。

賃貸住宅なら家賃・空室・建築費まで確認します。

農地転用によって用途の選択肢を広げることはできます。

しかし需要そのものを作り出すことはできません。

安い地方土地の考え方はこちらでも整理しています。


▪️出口価格は「希望価格」ではなく現在の取引需要から逆算する

農地転用投資でやりやすい失敗が、

「転用後なら坪○万円で売れるだろう」

と先に出口価格を決めることです。

実際には周辺で、

同程度の土地がいくらで売りに出ているのか。

成約につながっているのか。

土地が何か月残っているのか。

住宅会社・事業者が求める面積なのか。

を確認します。

その出口価格から、

購入費。

転用関連費。

造成費。

保有費。

売却費。

を逆算し、それでも利益を残せる価格までしか農地を買わないという考え方が必要です。

これは普通の不動産投資でも同じです。

購入価格が安いことより、購入後に利益を残せるかを確認します。

不動産投資で購入前に確認したい考え方はこちらでも整理しています。


▪️「転用できそう」という不動産会社の言葉だけで買わない

農地の売買で、

「この辺は家が建っているから大丈夫」

「第3種っぽいからいける」

「昔も近くで転用している」

と言われることがあります。

参考情報にはなりますが、購入判断の根拠をそれだけにしません。

地番を使って行政へ確認し、

農用地区域なのか。

地域計画の対象なのか。

農地区分は何か。

市街化区域・調整区域のどちらか。

予定用途で必要になる他法令は何か。

を整理します。

特に農地転用は、予定する事業内容とセットで審査される制度です。

隣の農地が住宅になったから、自分が買う農地も同じ結果になるとは限りません。


▪️融資を使うなら「転用前の土地」で資金が回るかも確認する

農地転用投資では、購入費だけでなく転用・造成まで先に資金が必要になる場合があります。

そして転用後すぐ売却できるとも限りません。

その間、

借入利息。

固定資産税等。

草刈りや土地管理。

設計・申請追加費用。

などが発生することがあります。

だから利益計算では、

「売れたときいくら儲かるか」

だけでなく、

売れるまで何か月資金を寝かせられるか

も確認します。

農地転用に時間がかかるほど、購入価格以外のコストが積み上がりやすくなります。


▪️投資するなら「許可前提」ではなく条件付きで契約を組む

転用目的で農地を取得する場合、農地法5条許可等を前提に売買を進めることがあります。

この場合、

転用許可が得られなかったらどうするか。

他法令の許可が得られなかったらどうするか。

農振除外が必要だった場合どうするか。

を契約段階から整理します。

専門家を交え、必要に応じて許可等を停止条件とする契約などを検討します。

許可が出る前から「もう買った土地だから」と考えて資金を投入しすぎないこと。

農地では特に重要です。


▪️農地をすでに持っている人と「これから買う人」は判断が違う

ここまで読むと、

「農地転用は全部やめた方がいいのか」

と思うかもしれません。

そういう話ではありません。

親から相続してすでに農地を所有している人と、投資目的でこれから農地を取得する人ではスタート地点が違います。

すでに所有している農地なら、

現在の土地価値。

転用費。

転用後の収益・売却価格。

を比較し、土地活用する意味がある場合があります。

一方、これから農地を購入する人は、

購入価格そのものが新たな投資額になります。

購入前に出口まで確定させる必要性はさらに高くなります。

すでに所有している土地の活用方法を比較したい場合はこちらから確認できます。


▪️初心者なら普通の収益物件と比較してから決める

農地転用投資には、

農地法。

農振法。

地域計画。

都市計画。

造成。

売却。

という複数の判断が必要です。

そのため初めて不動産投資をする人が、

「農地が安いから」

という理由だけで最初の案件に選ぶと、物件そのもの以外の制度判断まで抱えることになります。

同じ自己資金を使うなら、

すでに賃料が発生している中古物件。

用途が確定した土地。

転用の必要がない収益不動産。

などと比較します。

どちらが必ず有利ということではありません。

同じ投資額なら、どちらの方が収益・リスク・出口を予測しやすいかで選びます。

不動産投資そのものを比較・相談したい場合はこちらから確認できます。


▪️安い農地を見つけたら購入前に確認する順番

農地を投資目的で検討するなら、価格を見る前に土地条件を確認します。

まず地番をもとに、農地区分、農用地区域、地域計画、都市計画を調べます。

次に、

何へ転用するのか。

その用途を実現できるのか。

どの許可が必要なのか。

造成に何が必要なのか。

を確認します。

そこで初めて、転用後の売却価格や収益を調査します。

最後に総事業費を出し、想定より出口価格が下がっても利益を残せるか確認します。

購入価格を最初に見るのではなく、出口から逆算して購入上限額を決める。

この順番なら「安かったから買ったのに使えない」という失敗を減らせます。


▪️よくある質問|農地を投資目的で買うことはできますか?

農地を農地のまま保有して値上がりを待つような投資目的での取得は、農地法3条の考え方には合いません。

農林水産省も、農地法の利用要件から投資目的での農地取得はできないと説明しています。

転用目的で取得する場合は、具体的な用途をもとに農地法5条等を確認します。

Q. 第3種農地なら買って転売できますか?

第3種農地は転用について原則許可の区分ですが、転用の確実性、資力、他法令の許可見込みなど一般基準もあります。

転用後に利益が出るかは別に収支確認が必要です。

Q. 農地を宅地造成だけして売ることはできますか?

宅地造成のみを目的として土地を処分する事業は、農地転用の一般基準上制限があります。

建築条件付き売買予定地など一定の例外もあるため、具体的な事業計画をもとに行政へ確認します。

Q. 農地が100万円なら損しにくい?

購入価格が安くても、転用・測量・造成・排水・インフラ・保有費などを加えれば総事業費は大きく変わります。

購入価格ではなく総投資額から判断します。

Q. 転用できなかった農地をそのまま売ればいい?

農地のまま売却する場合は、農地法3条の許可要件などが関係します。

一般宅地と同じ買主層ではないため、転用不可になった場合の出口も購入前に確認しておきます。

農地の売却方法はこちらで整理しています。


▪️まとめ|農地転用は「安く買えば勝ち」の投資ではない

農地は周辺の宅地より安く見えることがあります。

そして転用できれば、住宅・駐車場・事業用地など利用できる用途が増える可能性があります。

だから、

農地を安く買って転用すれば必ず儲かる

という話にはなりません。

最初の壁は購入です。

農地を農地として保有する3条取得では、投資目的の取得という考え方はできません。

転用目的なら、具体的な事業を前提として5条などを確認します。

次に転用許可があります。

第3種農地でも一般基準や他法令を確認し、予定事業を実際に行えることが必要です。

そして最も大きく数字を動かすのが、

造成。

排水。

インフラ。

土地改良区等。

保有期間。

出口価格。

です。

農地300万円という価格だけを見て投資を決めません。

すべての費用を含めて800万円の事業になるなら、800万円を投資する案件として判断します。

さらに「造成して売るだけ」という計画には農地転用上の制限もあります。

購入前から具体的な出口を決めておく必要があります。

農地転用投資を検討するなら、

転用できるか。

ではなく、

転用できたあと、本当に利益を残せるか。

まで確認します。

安い農地を探してから出口を考えるのではありません。

売れる出口を確認し、その価格から逆算して農地を買う。

この順番が、農地転用を不動産投資として考えるときの基本です。


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