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農地転用の費用はいくら?行政書士・農振除外・土地改良区・地目変更まで解説

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月24日
  • 読了時間: 13分

▪️農地転用には結局いくらかかる?

相続した田んぼに家を建てたい。

使っていない畑を駐車場や資材置場にしたい。

農地を転用して売却したい。

このとき気になるのが、

「農地転用には全部でいくら必要なのか?」

です。

ネットでは、

「10万円くらい」

「30万円前後」

「50万円以上かかる」

など、さまざまな金額が出てきます。

しかし農地転用の費用を一つの固定相場で説明することはできません。

なぜなら実際に必要なのは、

農地法4条・5条の手続き。

行政書士へ依頼する場合の報酬。

農振除外。

土地改良区の地区除外。

測量や境界確認。

造成・排水。

転用後の地目変更。

など、土地ごとに違う複数の費用だからです。

この記事では、2026年現在の公的な報酬統計も使いながら、農地転用で何にお金がかかるのかを順番に整理します。

農地を貸す・売る・転用する・国庫帰属までの出口全体はこちらで整理しています。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️最初に知っておきたい|農地転用の費用=役所へ払う申請料ではない

農地転用について、

「許可を取るだけで役所へ何十万円も払う」

と思っている方もいるかもしれません。

実際には、農地法4条・5条の許可申請や市街化区域内の届出について、行政手数料を無料としている自治体があります。

例えば2026年現在、岐阜市は農地法5条の許可申請・届出とも手数料無料としています。

大村市でも5条許可申請の手数料は無料です。

つまり農地転用で費用が膨らむ主な理由は、

「許可証を出してもらう料金」

ではありません。

申請資料の準備や専門家報酬、農振除外、土地改良区、造成など、転用を実現するために周辺で発生する費用です。

所在地によって必要手続きは変わるため、まず自分の土地で何が必要なのかを確認します。


▪️農地転用で最初にかかるのは書類をそろえる実費

農地転用許可では、申請書だけ提出すればよいわけではありません。

農林水産省が示す4条・5条許可申請の添付書類には、土地の登記事項証明書、位置図、施設配置や道路・排水設備などが分かる図面、資力を確認する資料などがあります。

土地改良区内であれば、その土地改良区の意見書が必要になる場合もあります。

申請内容によっては、さらに自治体独自の書類を求められます。

そのため最初の費用として、

・登記事項証明書や公図などの取得費

・図面や現況写真の準備費

・金融機関の証明書などの取得費

・必要に応じた設計図面等の作成費

が発生します。

これらだけで何十万円になるという話ではありません。

しかし、筆数が多い、遠方の土地で現地確認が必要、専門的な図面が必要というケースでは、申請準備の負担が増えます。


▪️行政書士へ依頼するといくら?2026年最新統計を見る

農地転用申請を自分で行う方法もあります。

一方、農地区分や添付書類、行政との事前相談などを含めて行政書士へ依頼するケースもあります。

行政書士の報酬は全国一律料金ではありません。

日本行政書士会連合会も、行政書士ごとに自由に報酬額を設定しており、同じ業務でも取扱内容によって大きな差があると説明しています。

参考になるのが、2026年1月に実施された令和7年度報酬額統計調査です。

農地法4条許可申請では、

回答273件。

平均報酬額は96,893円

最も多かった回答額は80,000円でした。

農地法5条許可申請では、

回答501件。

平均報酬額は120,186円

最も多かった回答額は100,000円です。

この金額には消費税が含まれていますが、行政書士が立て替えた実費などは含まれていません。

また平均額だけをそのまま自分の費用と考えるものでもありません。

4条なのか5条なのか。

土地が何筆あるのか。

事前調査をどこまで依頼するのか。

他の許可も必要なのか。

によって見積もりは変わります。


▪️市街化区域の「届出」なら行政書士報酬も違う

同じ農地転用でも、市街化区域内では原則として許可ではなく農業委員会への届出となります。

手続き内容が違うため、専門家報酬にも差があります。

同じ令和7年度報酬額統計では、

農地法4条届出の平均報酬額が50,728円、最頻値が50,000円

農地法5条届出の平均報酬額が54,226円、最頻値が50,000円でした。

つまり、

「農地転用を行政書士へ頼むなら10万円」

と一律に考えるより、

許可なのか届出なのかを先に確認する

方が実際の費用をつかみやすくなります。


▪️農振除外が必要なら、転用申請とは別の費用が増える

農用地区域内の農地を住宅や駐車場などへ転用する場合、農地転用の前に農用地区域から外す「農振除外」が必要になることがあります。

これは農地法4条・5条とは別の手続きです。

そのため行政書士へ両方を依頼すれば、それぞれについて報酬が発生することがあります。

2026年の日本行政書士会連合会の統計では、農用地除外申出について、

回答239件。

平均報酬額は135,353円

最も多かった回答額は100,000円でした。

ここで注意したいのは、

農振除外10万円。

農地転用10万円。

だから必ず20万円。

という固定計算ではないことです。

依頼内容によって一括見積もりになる場合もあります。

また地域計画変更や他法令の確認が加われば作業内容も変わります。

見積書では「農振除外」と「農地転用」がどこまで含まれているのか確認します。


▪️田んぼは土地改良区の「地区除外決済金」も確認する

農地転用費用で見落としやすいのが土地改良区です。

田んぼなどが土地改良区の地区内にある場合、転用によってその地区から土地を外す際に、地区除外手続きや決済が必要になることがあります。

農林水産省の資料でも、農地転用等によって土地改良区の地区から除外する場合、土地改良区が定める地区除外等処理規程に基づいて決済金を徴収する仕組みが示されています。

重要なのは、全国共通で1㎡○円という料金ではないことです。

土地改良区ごとに規程や算定方法が違います。

そのため田んぼを転用するときは、農業委員会だけでなく、

「この土地は土地改良区に入っていますか?」

「転用時に地区除外や決済金はいくら必要ですか?」

と土地改良区へ確認します。

行政書士報酬より、こちらの土地固有費用が大きくなるケースもあり得るため、転用判断の早い段階で確認しておきたい項目です。


▪️境界・測量費用は「転用する全員」に必要ではない

農地転用をすると聞くと、

「必ず測量して境界確定しなければならない」

と思うことがあります。

しかし、すべての農地転用で確定測量が一律に必要になるわけではありません。

一方、

転用範囲が一筆の一部だけ。

分筆が必要。

境界が現地で分からない。

隣地との位置関係を整理する必要がある。

というケースでは、土地家屋調査士による測量・分筆などが必要になることがあります。

ここは農地転用申請そのものの費用と分けて見積もります。

特に売却を伴う場合、転用とは別に買主から境界確認を求められることもあります。

境界が分からない土地についてはこちらで詳しく整理しています。


▪️地目変更登記そのものには登録免許税がかからない

農地転用許可を受け、実際に土地の用途が変わった後は、現況に応じて地目変更登記を行います。

例えば住宅の敷地として利用するなら宅地、駐車場なら雑種地など、実際の主な用途をもとに登記します。

ここで、

「地目変更にも土地価格の何%か税金がかかる」

と考える必要はありません。

法務局は、土地地目変更登記について登録免許税はかからないと案内しています。

自分で申請すれば登録免許税はありません。

一方、土地家屋調査士へ現地調査や地目変更登記を依頼すれば、その専門家報酬は別途必要です。

また分筆や測量まで必要になる案件と、単純な地目変更だけの案件では費用が違います。

「地目変更費用」という一つの固定金額で考えないことが大切です。


▪️実は一番大きいのは「申請費」より造成・排水工事のこともある

農地転用の総額を見るとき、行政書士報酬だけを比較しても十分ではありません。

農地を実際に住宅地や駐車場として利用するなら、その土地を予定用途に合わせる必要があります。

例えば土地によっては、

・道路との高低差を調整する

・盛土や整地を行う

・雨水排水を整える

・水路との接続を調整する

・上下水道を引き込む

・擁壁や出入口を整備する

といった工事が必要になります。

この部分は面積や現況によって大きく変わります。

そのため全国共通で、

「造成費は100万円」

「農地転用総額は50万円」

とは設定できません。

法的に転用できることと、その土地を予定用途に使える状態へ整備することは別の費用です。

ここを分けると総額を読み違えにくくなります。


▪️農地転用の総額は「6つの箱」で見積もる

農地転用を検討するときは、最初から総額だけを聞くより、費用を分けて整理すると分かりやすくなります。

確認したいのは、

・書類取得や図面作成などの実費

・行政書士へ依頼する場合の農地転用報酬

・必要な場合の農振除外・地域計画関係

・土地改良区の地区除外や決済

・必要な測量・分筆・境界関係

・造成・排水・インフラなど実際の土地整備

です。

転用後に地目変更を専門家へ依頼する場合は、その費用も加えます。

つまり、

農地転用の総費用=申請費用だけではない

ということです。

この6項目について「自分の土地では必要・不要」を分ければ、見積もりの全体像が見えてきます。


▪️5条で売却する場合、誰が費用を払うかも先に決める

農地を転用目的の買主へ売却する場合、農地法5条を使うケースがあります。

このとき、

行政書士費用。

測量費。

土地改良区の決済金。

造成費。

を誰が払うかについて、すべて全国一律に売主負担と決まっているわけではありません。

例えば、

売主は現況で引き渡す。

買主が転用・造成費を負担する。

という条件も考えられます。

反対に売主側が一定の手続きを終えることを売買条件にする場合もあります。

だから売却目的の農地では、

「転用するといくらかかる?」だけでなく「その費用を誰が負担する契約なのか?」

まで確認します。

農地売却全体はこちらで整理しています。


▪️転用費用を払っても回収できる土地かを確認する

転用できることが分かり、必要費用も出た。

次に考えたいのが、

そのお金を使う意味があるか

です。

例えば駐車場にするなら、転用・造成後にどの程度の年間手残りが見込めるのか確認します。

売却するなら、農地のまま売る場合と転用を前提に売る場合で、最終的な手残りがどれくらい変わるのか比較します。

農地転用に150万円使っても、土地価値や収益がそれ以上に改善するなら検討できます。

反対に大きな費用を使っても需要が弱いなら、現況のまま売却する方が合理的な場合もあります。

「いくらかかるか」の次は、「払った費用を回収できるか」を見る。

ここまでで農地転用の費用判断になります。


▪️工事前に土地活用プランを比較する

農地を転用する目的が土地活用なら、駐車場や資材置場と決め打ちする前に複数案を比較します。

土地によっては、所有者が大きな造成費を負担する活用より、事業者へ土地を貸す方法の方が合うこともあります。

重要なのは、

転用費用。

初期投資。

年間手残り。

回収期間。

をまとめて見ることです。

土地条件から活用方法を比較したい場合はこちらから確認できます。

土地活用全体の判断はこちらでも整理しています。


▪️費用が高いなら「転用せず売る」選択肢も残す

見積もりを取った結果、

農振除外が必要。

土地改良区の負担もある。

測量が必要。

造成費も大きい。

という土地があります。

その場合、せっかく調査したからといって無理に転用まで進める必要はありません。

農地として売る。

転用を前提に買主を探す。

現況の土地を扱える会社へ相談する。

という方法も比較します。

現在の売却可能性を確認したい場合はこちらから相談できます。

一般市場で売りにくい土地の出口はこちらでも整理しています。


▪️よくある質問|農地転用の申請だけならいくら?

自治体によって確認が必要ですが、農地法4条・5条の許可申請・届出について行政手数料を無料としている自治体があります。

一方、必要書類取得費や、行政書士へ依頼する場合の報酬などは別です。

Q. 行政書士へ頼むと10万円くらい?

2026年の日本行政書士会連合会の統計では、4条許可申請の最頻値が8万円、平均96,893円、5条許可申請の最頻値が10万円、平均120,186円です。

ただし案件内容によって報酬には大きな差があります。

Q. 農振除外も同じ料金に含まれますか?

農振除外と農地転用は別の手続きです。

行政書士へ依頼する場合、農振除外が別報酬となることがあります。

見積書の対象業務を確認してください。

Q. 地目変更にも税金がかかりますか?

土地地目変更登記そのものには登録免許税はかかりません。

土地家屋調査士へ依頼する場合は、その報酬が別途必要になります。

Q. 50万円用意すれば農地転用できますか?

一律には判断できません。

造成、土地改良区、測量、農振除外などが必要な土地では、農地法申請以外の費用が加わります。


▪️まとめ|農地転用の費用は「申請料」より総額を見る

農地転用について、

「だいたい10万円」

「50万円あれば大丈夫」

という一つの金額だけで判断すると、後から想定外の費用が出ることがあります。

2026年の日本行政書士会連合会の統計では、行政書士報酬の最頻値は4条許可が8万円、5条許可が10万円です。

市街化区域の届出では、4条・5条とも最頻値5万円でした。

さらに農振除外が必要なら、その専門家報酬も別に確認します。

土地改良区内なら地区除外・決済金を確認します。

境界や分筆が必要なら測量費用も加わります。

そして実際に住宅・駐車場・資材置場として使うには、造成や排水、インフラ整備が必要になる場合があります。

こちらの方が行政書士報酬より大きくなる土地もあります。

だから農地転用では、

「許可を取る費用はいくら?」

だけではなく、

「この土地を予定用途で使える状態にするまで総額いくら?」

と聞くことが大切です。

その総額を出したあとで、

転用して活用する。

転用前提で売る。

農地のまま売る。

を比較します。

農地転用で一番避けたいのは、10万円の申請費を気にしながら、その後に必要な100万円単位の工事を見落とすことです。

先に全体の費用項目を出し、最後にいくら残るのかまで確認してから進めましょう。


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