top of page

売れない農地を収益化するには?資材置場・月極駐車場・事業用貸地を比較

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月26日
  • 読了時間: 11分

相続した田んぼや畑が売れない。

農地として査定すると価格が低い。

それなら、転用して毎月収入を得られないか。

こう考える土地所有者もいるでしょう。

農地を収益化する方法として候補になりやすいのが、

・資材置場

・月極駐車場

・事業用貸地

です。

ただし、一番高い賃料を取れる方法が一番儲かるとは限りません。

農地活用では、

初期費用

年間手残り

投資回収までの年数

やめたくなったときの出口

まで比較する必要があります。

この記事では、使っていない農地を農業以外へ活用する場合に、資材置場・月極駐車場・事業用貸地をどう比較すればよいのかを整理します。

▪️結論|農地活用は「賃料」ではなく4つの数字で比較する

3つの活用方法を比較するときは、まず次の4項目を出します。

・利用開始までの初期費用

・年間の想定収入

・年間経費を引いた手残り

・初期費用を回収するまでの年数

さらに、将来売却したくなったときに戻しやすいかも確認します。

例えば月10万円の賃料が取れても、利用開始まで1,000万円必要なら大きな投資です。

反対に月5万円でも、100万円程度の整備で始められるなら投資効率が良い場合があります。

月額賃料だけを並べないこと。

これが最初のポイントです。

▪️前提|農地を駐車場・資材置場にするなら農地転用を確認する

現在農地である土地を、

駐車場。

資材置場。

事業用地。

など農業以外へ利用する場合は、農地転用の手続きが関係します。

農林水産省も、駐車場や資材置場として利用することを農地転用の具体例として示しています。

市街化区域内の農地なら原則として事前届出、それ以外では原則として許可を確認します。

さらに青地や第1種農地など、土地によっては転用が難しい場合があります。

したがって収益計算より先に、

そもそも予定用途へ転用できる農地か

を確認します。

詳しくはこちら

▪️① 資材置場|建物を建てずに広い土地を使いやすい

資材置場は、建設会社や設備会社などが、

建築資材。

重機。

足場材。

車両。

などを保管する土地として利用する方法です。

建物を建てずに活用できるため、土地条件が合えば住宅系の活用より初期投資を抑えられる場合があります。

ただし重要なのは面積より車両動線です。

大型車が進入できない。

道路との高低差が大きい。

敷地内で転回できない。

このような土地では、広くても利用者が限定されます。

▪️資材置場で確認したいのは「造成費」と「企業需要」

資材置場では、

・砕石

・整地

・排水

・乗入口

・フェンスや門扉

などに費用がかかる場合があります。

特に元水田なら、雨水処理や地盤状態まで確認します。

そして工事をする前に、

周辺に建設会社などの需要があるか。

どの大きさの車両が使うか。

いくらなら借りる企業がいるか。

を調べます。

先に資材置場を完成させてから借主を探すのではなく、需要を確認してから必要な整備を決める方が安全です。

▪️② 月極駐車場|小さく区切って貸せるのが特徴

住宅地や事業所の近くなら、月極駐車場を検討できます。

資材置場との違いは、一人の借主へ広い土地を貸すのではなく、複数の区画へ分けて貸せることです。

例えば10台分あれば、一台空いても残り9台の賃料は入ります。

一方で需要が弱い場所では、

10台作った。

3台しか契約されない。

ということもあります。

そのため、

周辺住宅に駐車場不足があるか。

近くに会社・店舗があるか。

既存駐車場に空きが多くないか。

などを見ます。

▪️駐車場は「何台作れるか」より「何台埋まるか」

土地面積だけから、

300㎡だから10台。

500㎡だから15台。

と収入を計算するのは危険です。

実際には、

入口。

車路。

土地形状。

電柱。

高低差。

などによって有効な区画数が変わります。

さらに完成しても満車になるとは限りません。

例えば12台作れても、平均稼働が8台なら収入計算は8台を基準に考える方が現実的です。

最大収容台数ではなく、想定稼働台数で収支を見る。

これが駐車場活用の基本になります。

▪️③ 事業用貸地|建物を建てず土地そのものを貸す

もう一つが事業用貸地です。

例えば企業が、

営業拠点。

車両置場。

資材保管。

事業施設。

などとして土地を利用し、土地所有者は土地を貸します。

利用方法によっては借主側が必要な設備を設置するため、所有者自身が大きな建築投資をしなくても収入を得られる可能性があります。

ただし、

借主が何を建てるのか。

契約終了時にどう返してもらうのか。

造成費を誰が負担するのか。

を契約前に整理することが重要です。

▪️借主が農地を転用する場合は5条を確認する

所有者自身が農地を転用して使う場合は4条が基本です。

一方、企業などへ農地を貸し、その企業が農業以外へ転用するなら、賃借権の設定と転用を伴うため5条を確認します。

つまり、

「土地を貸すだけだから農地転用は関係ない」

とは限りません。

事業用貸地の場合は、借主候補と用途が決まった段階で、

農地転用。

都市計画。

建築。

造成。

など必要な手続きを整理します。

詳しくはこちら

▪️3つを比較すると土地ごとに有利な方法が違う

それぞれの特徴を簡単に整理します。

資材置場

広さと大型車の進入性を活かしやすい。借主が一社なら管理もしやすい一方、退去すると収入がゼロになる。

月極駐車場

複数契約に分散できる。住宅・事業所など周辺需要が重要で、区画整備費も確認する。

事業用貸地

借主の事業用途に合わせられれば、大規模な所有者投資を抑えられる可能性がある。ただし契約内容や原状回復を明確にする必要がある。

つまり、

田舎だから資材置場。

住宅地だから駐車場。

と機械的に決めるものではありません。

その場所で実際にお金を払う利用者がいる方法を選びます。

〖PR〗農地を転用して活用したい場合は、資材置場や駐車場だけに決めず、その土地で成立する複数の活用案を比較できます。

▪️3案を「回収年数」で比べてみる

説明用として、同じ土地で次の3案が成立すると仮定します。

資材置場

初期費用 180万円

年間手残り 72万円

単純回収期間 約2.5年

月極駐車場

初期費用 300万円

年間手残り 75万円

単純回収期間 4年

事業用貸地

所有者負担の初期費用 100万円

年間手残り 60万円

単純回収期間 約1.7年

この数字は相場ではなく比較方法を示す例です。

一番年間収入が大きいのは駐車場でも、投資回収が最も早いとは限りません。

年間手残り ÷ 初期投資ではなく、初期投資 ÷ 年間手残りで回収年数を見る。

土地活用ではこの比較が役立ちます。

▪️ただし回収年数だけでも決めない

回収が早ければ必ず良いわけではありません。

例えば事業用貸地が高収益でも、

20年間自由に売却できない契約。

借主退去後に大規模な撤去が必要。

という条件なら、出口の自由度が下がります。

反対に簡易な砕石駐車場なら、将来別用途へ転換しやすい場合があります。

比較するときは、

・投資回収期間

・契約期間

・空室リスク

・原状回復

・売却しやすさ

まで見ます。

▪️一社貸しと複数貸しでは空室リスクが違う

資材置場や事業用貸地では、一社へ土地全体を貸すケースがあります。

この場合、満室なら管理はシンプルです。

しかし退去すれば賃料収入が一度にゼロになる可能性があります。

月極駐車場なら複数人へ貸せるため、一台解約されても全収入がなくなるわけではありません。

つまり、

一社貸し=管理しやすいが退去影響が大きい

複数貸し=管理は増えるが収入を分散できる

という違いがあります。

自分がどの程度管理できるかも含めて選びます。

▪️造成しすぎると回収期間が一気に長くなる

農地活用でありがちな失敗が、

見栄えを良くしたい。

将来困らないようにしたい。

という理由で必要以上に造成することです。

全面舗装。

高額なフェンス。

大規模な盛土。

などを行えば、当然初期費用は増えます。

月6万円の土地で100万円余計に使えば、その100万円を賃料だけで回収するには単純計算でも約17か月必要です。

借主が求めている設備だけを確認し、賃料増加につながらない工事を減らすことも収益化では重要です。

▪️青地や転用困難農地なら無理に収益化しない

すべての農地を駐車場や資材置場へ変えられるわけではありません。

農振農用地区域、いわゆる青地では転用が原則制限されています。

第1種農地なども原則不許可となる農地があります。

このような土地で、

転用できれば月5万円になる。

という収益計算だけを作っても意味がありません。

農地として、

近隣農家へ貸す。

農地バンクを利用する。

農業者へ売却する。

という出口を比較した方が合理的な場合があります。

詳しくはこちら

▪️「売れないから活用する」のではなく売却と必ず比較する

農地としての査定が低いと、

月々収入を生む土地へ変えた方が得。

と思うことがあります。

しかし転用可能性がある土地は、一般土地として売却できる可能性もあります。

例えば、

土地活用に300万円投資。

年間手残り60万円。

単純回収5年。

という計画なら、その5年間土地を保有することになります。

一方、現在の状態で売却してまとまった現金を受け取れるなら、どちらが良いかは所有者の目的によって変わります。

活用案を作ったら、必ず「今売る」という4つ目の案を並べましょう。

〖PR〗転用・造成へ費用をかける前に、現在の土地として売却した場合の可能性も確認できます。

▪️農地活用で最初に調べる順番

使っていない農地を収益化したいなら、次の順番で進めます。

・転用できる土地か確認する

・周辺需要を調べる

・資材置場、駐車場、貸地の概算賃料を出す

・必要な造成費を見積もる

・年間手残りと回収期間を比較する

・現在売却した場合とも比較する

この順番なら、

先に300万円かけて駐車場を作った。

思ったほど借り手がいない。

という失敗を避けやすくなります。

▪️よくある質問|売れない農地の収益化

Q.農地を資材置場にすれば簡単に収益化できますか?

転用手続きだけでなく、道路条件、造成費、排水、企業需要を確認する必要があります。

借主候補を確認してから投資額を決めましょう。

Q.駐車場と資材置場ならどちらが儲かりますか?

土地条件と需要によって変わります。

月額賃料だけでなく、初期費用、稼働率、年間手残り、回収期間を比較してください。

Q.農地を会社へ貸して事業用地にできますか?

農地を農業以外へ利用する賃貸なら、農地法5条などの確認が必要になる場合があります。

予定用途を決めて農業委員会等へ相談します。

Q.売れない農地は必ず土地活用した方がいいですか?

必ずではありません。

転用費・造成費が高い土地や需要が弱い土地では、農地として貸す・売る方が合理的な場合があります。

▪️まとめ|農地を「収入がある土地」にするだけでは足りない

使っていない農地でも、条件が合えば、

資材置場。

月極駐車場。

事業用貸地。

などへ転用し、賃料収入を得られる可能性があります。

しかし目的は、

毎月いくら入るか

だけではありません。

見るべきなのは、

初期費用。

年間手残り。

投資回収期間。

空室リスク。

将来の売却出口。

です。

資材置場なら道路と企業需要。

月極駐車場なら周辺需要と稼働率。

事業用貸地なら借主の信用力と契約条件。

それぞれ利益を左右する場所が違います。

そして、どの活用方法でも農地転用の可否を先に確認します。

「売れない農地を何かに変える」ことを目的にしない。

転用できる。

借りる人がいる。

投資額を回収できる。

最後に売却する出口もある。

この4つがつながったとき、初めて農地活用は収益事業になります。

土地を持っているから使うのではなく、数字が合う用途がある土地だけ活用する。

それが、農地を収益化するときに最も重要な判断基準です。

▪️関連記事

 
 

最新記事

すべて表示
不動産投資は総資産より純資産を見る?物件価格・ローン残高から本当の資産額を計算する方法

「不動産を1億円分持っています」 と聞くと、 「資産1億円の人なんだ」 と思うかもしれません。 しかし、その物件を買うために1億2,000万円のローンが残っていたらどうでしょうか。 反対に、 物件価値1億円。 ローン残高3,000万円。 なら、同じ「1億円の物件を持っている人」でも状態は大きく違います。 不動産投資では、 何億円の物件を持っているか だけでは、資産形成がどこまで進んでいるのか分かり

 
 
賃貸管理会社を契約前に見極めるには?管理物件・募集図面・報告体制の確認方法

不動産投資で管理会社を探している。 何社か問い合わせて、 管理料。 入居率。 管理戸数。 募集方法。 などを聞いた。 候補は2〜3社まで絞れた。 それでも最後に、 「結局どこへ任せればいい?」 と迷うことがあります。 A社は大手。 B社は地場。 C社は管理専門。 どの会社もホームページを見ると、 「高い入居率」 「迅速な対応」 「オーナー目線」 と書かれている。 説明を聞いても、どこも良さそうに感

 
 
管理会社の入居率98%・99%は高い?契約前に確認したい空室実績の見方

不動産投資で管理会社を探している。 ホームページを見ると、 「入居率98%」 「入居率99%以上」 「高稼働を維持」 という実績が掲載されている。 大家としては、 「99%ならほとんど空室ないやん」 「この会社に任せればすぐ決まりそう」 と思うでしょう。 確かに入居率は、管理会社を比較するときの重要な数字の一つです。 しかし、 入居率99%だから、自分の物件も99%で運営できる とは限りません。

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page