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安いのに空き家が売れないのはなぜ?値下げ前に確認したい7つの原因

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月6日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月21日


空き家を売り出してもなかなか買主が決まらず、

「500万円から300万円まで下げた」

「周辺の家よりかなり安いはず」

「ここまで安くしても問い合わせが少ない」

ということがあります。

すると、

「もっと値下げすれば誰か買うのでは?」

と考えたくなります。

しかし、価格を下げても動かない空き家では、次の値下げをする前に原因を確認した方がよい場合があります。

売れない理由が価格なら、価格調整には意味があります。

一方で、接道条件が分からない、建物の修繕費が読めない、販売情報が不足しているなど、価格以外の問題が残っているなら、100万円下げても買主の疑問は解消しません。

つまり、

安いのに売れない=危険な空き家

ではありません。

確認したいのは、

現在の価格が本当に市場から見て安いのか、安くても買主が取得後に負担する費用や不明点が残っていないか

です。

この記事では、すでに価格を下げた空き家について、さらに値下げする前に確認したい7つの原因を整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「安い」は売主ではなく市場との比較で判断する


旧記事では、

「安すぎるのに売れないなら、理由は必ずある」

と書いていました。

しかし最初に確認したいのは、その物件が本当に安いのかです。

たとえば親が2,000万円で購入した実家を300万円で売り出していれば、家族からすると十分安く感じます。

しかし現在の周辺市場で、同じような土地・建物が200万円前後で取引されているなら、300万円は必ずしも安値ではありません。

反対に、近隣の中古住宅が1,000万円前後で動いている地域なら、300万円という価格には建物状態や土地条件など何らかの違いが反映されている可能性があります。

国土交通省の不動産情報ライブラリでも、不動産取引価格は面積、前面道路などの個別条件や取引事情によって変わることが示されています。

だから、

昔の購入価格から何割下げたかではなく、現在の市場の中でどの位置にいるか

を確認します。

親の家にある購入価格・評価額・査定価格の違いはこちらで整理しています。



▪️判断①|「値下げした金額」ではなく現在の成約水準を見る


売主が、

「最初は800万円だったのを400万円まで下げた」

と考えていても、買主は以前の価格を基準にしません。

買主が見るのは、現在400万円で売られている物件として条件が合うかどうかです。

そのため確認したいのは、

・近隣で実際に取引された土地や中古住宅


・現在競合している売出物件


・土地面積や建物状態


・道路や駐車条件


・同じ価格帯で選べる他の物件

です。

ここで現在価格が周辺市場より高ければ、価格調整を検討する意味があります。

一方、すでに十分低い価格帯なのに問い合わせがないなら、

次は価格以外へ原因を移します。

査定額が不動産会社によって違う理由はこちらです。

現在の評価を複数社で確認したい場合はこちらです。



▪️判断②|買主は「物件価格」ではなく取得後の総額を見る


売出価格300万円の住宅は、1,000万円の住宅より安く見えます。

しかし買主が考える支出は、売買価格だけではありません。

たとえば仮に、

・物件価格300万円


・購入後に必要と考える修繕300万円


・残置物やその他の初期対応100万円

なら、買主から見た取得後の支出イメージは700万円規模になります。

これはあくまで説明のための例で、実際の費用は物件ごとに異なります。

重要なのは、

300万円の家を買う判断ではなく、取得後まで含めていくら必要なのかを買主は考える

ということです。

特に古い空き家では、屋根、外壁、水回り、給排水、給湯設備などについて状態が分からないほど、買主は余裕を持った予算を考えます。

そのため値下げより先に、

現在の建物状態をどこまで説明できるか

を確認します。

売却前の現地確認はこちらで詳しく整理しています。



▪️判断③|問題があることより「何が分からないか分からない状態」を減らす


旧記事では、

「再建築不可」

「崖・擁壁」

「事故物件」

などをまとめて、

「触ったら危ない案件」

と表現していました。

しかし、それぞれ確認する制度も売却への影響も違います。

道路が狭いだけなら再建築できる場合がありますし、ハザードマップに入っているだけで売却禁止になるわけでもありません。

また、人の死亡歴についても、死亡原因や状況によって告知の考え方は異なります。

買主にとって問題になりやすいのは、

条件があること自体より、その条件が整理されていないこと

です。

売却前には、物件に応じて道路、境界、建物状態、過去の修繕、災害情報などを確認します。

全部を問題のない状態へ直す必要はありません。

分かっていることと、まだ確認できていないことを分ける。

これだけでも買主が検討しやすくなる場合があります。

接道条件についてはこちらです。



▪️判断④|安くしても問い合わせがないなら販売情報を確認する


価格が十分低いにもかかわらず問い合わせが少ない場合、物件そのものだけでなく販売方法も確認します。

例えば販売ページに、

写真が数枚しかない、間取りが分かりにくい、土地面積しか書かれていない、道路条件が説明されていないといった状態では、買主が現地を見るところまで進みにくい場合があります。

低価格の空き家ほど、

「安いから細かい説明はなくても売れる」

とは考えない方がよいでしょう。

むしろ買主は、

「なぜこの価格なのか」

を知りたくなります。

そこで、

・建物をそのまま使える可能性があるのか


・修繕が必要なのか


・土地として検討する物件なのか


・駐車や道路条件はどうなっているのか


・売主が把握している注意点は何か

を整理します。

価格の低さだけを広告の強みにするのではなく、

低価格になっている背景を説明できる販売情報

へ変えます。



▪️問い合わせがあるなら「安すぎるから怖い」と決めない


問い合わせが入っているのに売れない場合は、価格が安すぎることより、内覧後や調査後に何かが止めている可能性を確認します。

不動産会社へ、

・問い合わせは何件あるか


・内覧へ進んでいるか


・内覧後の見送り理由は何か


・価格交渉まで進んだケースがあるか

を聞きます。

問い合わせ自体がないケースと、何人も見ているのに決まらないケースでは対策が違います。

前者なら価格や販売方法、買主層を見直します。

後者なら、現地で初めて分かる建物状態や道路条件など、具体的な見送り理由を確認します。

「安すぎて怖がられているのだろう」と想像だけで価格を上げたり下げたりしないことが大切です。



▪️判断⑤|低価格だから不動産会社が扱えない、とは限らない


低価格の空き家では、

「売値が安いから不動産会社が動いてくれない」

と言われることがあります。

確かに、価格の低い空き家でも現地調査、広告、問い合わせ対応、内覧、契約手続きなどの業務が必要です。

こうした空き家流通の実務負担を踏まえ、国は2024年7月から媒介報酬の特例を見直しています。

現在は、価格800万円以下の宅地・建物が「低廉な空家等」の対象となり、売買の媒介では、媒介に要する費用を勘案して依頼者一方から受け取れる報酬について、税込33万円を上限とする特例があります。

ただし、33万円を必ず支払う制度ではありません。

特例を利用する場合には、媒介契約を結ぶ際に上限の範囲内で報酬額について説明を受け、合意することが必要です。

つまり、

低価格物件だから不動産会社が絶対に扱えないという制度ではない

ということです。

一方で、会社ごとに営業地域や得意な価格帯、空き家販売への取り組み方は違います。

価格変更しか提案されない状態が長く続いているなら、別の会社へ販売方法を聞いてみる意味があります。

不動産会社を選ぶときの確認はこちらです。



▪️判断⑥|50万円ずつ下げ続ける前に「値下げで何が変わるか」を聞く


売れない物件では、

500万円から450万円へ下げ、それでも動かなければ400万円へ下げるというように、一定額ずつ価格を下げることがあります。

価格が原因なら、この方法で買主の検討対象へ入ることがあります。

しかし道路条件や建物状態への不安が原因なら、50万円下げてもその条件は変わりません。

値下げを提案されたら、

「この金額へ変更すると、どの買主層へ届くようになるのか」

を不動産会社へ確認します。

たとえば住宅ローンを使う一般購入者が対象なのか、築古住宅を再生する人なのか、土地として考える人なのかによって販売戦略は変わります。

理由が明確なら価格変更を検討し、理由が「しばらく売れていないから」だけなら、価格以外の原因も確認します。



▪️「0円なら売れる」とも限らない


価格を下げ続けると、

「もう無料でもいい」

と思うことがあります。

しかし取得する側には、購入後も固定資産税、建物管理、草刈り、修繕、必要に応じた解体などの負担が発生する可能性があります。

そのため、

売買価格を0円に近づければ需要が無限に増えるわけではありません。

買主から見れば、取得価格より将来負担の方が大きな問題になる物件もあります。

だから無償譲渡などへ進む前にも、現在の物件条件と市場価格を確認し、一般仲介や買取で価格が付く可能性が残っていないか調べます。



▪️判断⑦|価格を下げるのではなく「買主」を変える


一般の住宅購入者から反応がない空き家でも、別の買主なら評価が変わる場合があります。

例えば、築古住宅を自分で改修したい人、賃貸用として検討する人、隣地所有者、不動産事業者などです。

もちろん、

投資家なら何でも買う

という意味ではありません。

取得後の修繕費、賃貸需要、土地条件、将来の出口などが合わなければ、事業者でも購入しません。

それでも一般住宅としての買主だけを探し続けるより、物件条件に合う買主層へ広げることで売却方法が変わることがあります。

長期間動かない場合には、一般仲介と現状買取を並べて確認します。

仲介と買取の違いはこちらです。

接道、老朽化、その他の事情があり、一般市場で売りにくい空き家を現状のまま相談したい場合はこちらです。



▪️安いからと先にリフォーム・解体へ進まない


売値が低いと、

「少し直せばもっと高く売れる」

「建物を壊せば土地として売れる」

と考えることがあります。

しかし、現在の売却価格が低い原因が土地需要や道路条件なら、大きな工事をしても市場そのものは変わりません。

また、解体すれば建物を使いたい買主という選択肢はなくなります。

だから先に、

現状でいくらなのか、何が価格を下げているのか

を確認します。

その結果、建物の問題だけが大きく、更地需要が明確なら解体を比較します。

逆に古家付きで売れる可能性があるなら、売主が先に解体費を負担しない方法もあります。

低価格だからこそ、売却価格に対して工事費が大きくなりすぎないかを見ることが重要です。



▪️「価格が安い理由」を一文で説明できる状態にする


低価格物件で買主が最も困るのは、

「安いけれど、なぜ安いのか分からない」

という状態です。

例えば、

「建物が古いため土地価格を中心に設定している」

「接道条件を考慮した価格になっている」

「室内修繕を買主側で行う前提としている」

など、価格設定の背景を整理できれば判断しやすくなります。

もちろん確認できていない内容を推測で説明してはいけません。

分からないものは、

未確認事項として残す

方が安全です。

問題を隠すのではなく、

分かっている条件を価格へ反映し、その理由を説明できる状態にする。

これが低価格空き家の販売では重要です。



▪️安いのに売れない空き家はこの順番で見直す


まず、現在の売出価格を近隣取引や複数社の査定と比較し、本当に市場より安いのかを確認します。

次に、買主が取得後に必要とする修繕やその他の負担を整理します。

道路、境界、建物状態などに不明点があれば、売主側で確認できる範囲を整理します。

そのうえで問い合わせ数、内覧数、見送り理由を不動産会社へ確認し、販売ページで必要な情報が伝わっているかを見ます。

価格変更をするなら、値下げによって誰が新しく買主候補になるのかを確認します。

それでも一般市場で合いにくければ、不動産会社の変更や現状買取まで比較します。

この順番なら、

売れない


→ 100万円値下げ


→ また売れない


→ さらに値下げ

という価格調整だけのループから抜け出しやすくなります。



▪️まとめ|「安いから売れない」のではなく、安くしても残っている原因を見る


安い空き家でも、必ず売れるわけではありません。

しかし、

安い=危険な物件

でもありません。

まず確認したいのは、その価格が現在の市場から見ても本当に低いのかです。

そのうえで、買主が取得後に必要とする総額、建物状態、道路などの土地条件、販売情報を確認します。

問い合わせがあるなら見送り理由を確認し、問い合わせ自体がないなら価格と販売方法の両方を見直します。

さらに低価格の宅地・建物については、現在は低廉な空家等に対する媒介報酬の特例もあります。

だから、

「価格が安いから不動産会社も扱ってくれない」

と最初から決める必要もありません。

旧記事のように、

「安いのに売れない家には見えない危険がある」

と恐怖から判断するのではなく、

現在価格


→ 買主の総負担


→ 物件条件


→ 販売情報


→ 買主の反応


→ 値下げの意味


→ 売却ルート

という順番で確認します。

価格を下げることは、売却方法の一つです。

しかし、価格以外の原因が残っている物件では、値下げだけを繰り返しても出口が見つからないことがあります。

これ以上安くする前に、「今の価格でなぜ止まっているのか」を確認する。

それが、低価格になった空き家を必要以上に安く手放さないための基本です。



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