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空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代に実家が放置される5つの理由と相続後の判断

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月18日
  • 読了時間: 10分

日本の空き家は、2023年時点で900万戸を超えています。

ニュースなどで、

「7軒に1軒が空き家」

「これから相続でさらに増える」

と聞くと、

「自分の実家もいずれ空き家になるのでは?」

と不安になる人もいるでしょう。

ただし、900万戸すべてが、

相続後に放置された戸建て住宅

というわけではありません。

賃貸募集中のアパート・マンション。

売却中の住宅。

別荘。

長期間使われていない実家。

など、性質の違う住宅が含まれています。

重要なのは、全国の空き家数を怖がることではありません。

自分や親が所有する家が、どのタイミングで「使わない住宅」になる可能性があるのか。

そして、

住む。

貸す。

売る。

解体する。

保有する。

を、いつ判断するかです。

この記事では、空き家が増え続ける背景を整理しながら、相続した実家を放置しないための判断順を解説します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️日本の空き家は900万戸を超え過去最多



2023年の住宅・土地統計調査では、日本の空き家は900万2千戸でした。

空き家率は13.8%です。

さらに長期的に見ると、空き家は調査のたびに増加してきました。

1963年には約52万戸だったため、現在は当時の約17倍です。

ここで注意したいのが、

「900万戸」という数字だけを見て、すべて同じ問題だと考えないことです。

2023年の内訳を見ると、

賃貸用の空き家:約443万6千戸。

賃貸・売却用・二次的住宅を除く空き家:約385万6千戸。

などに分かれています。

つまり、空き家問題には、

賃貸住宅の空室問題。

相続した実家などの利用目的がない住宅。

という別の問題が含まれています。

この記事では後者を中心に考えます。


▪️理由①住宅の数が世帯数を上回っている



空き家が増える背景の一つに、日本の住宅ストックがあります。

2023年の総住宅数は約6,505万戸。

一方、総世帯数は約5,622万世帯です。

現在は住宅数の方が世帯数より多い状態です。

もちろん、

住宅数が多いから必ず空き家になる

という単純な話ではありません。

住宅がある場所。

建物の状態。

世帯が住みたい場所。

必要とされる住宅の種類。

が一致しないこともあります。

たとえば、

家はある。

しかし、その地域で買いたい人が少ない。

修繕費が大きい。

駅や生活施設から遠い。

という住宅では、次の利用者が見つかるまで時間がかかる可能性があります。

「住宅が足りない時代」から、「どの住宅を残して使うかを選ぶ時代」へ変わっている

と考える方が実態に近いでしょう。


▪️理由②900万戸の約半分は賃貸用の空室



空き家問題を考えるときに、

「900万戸も実家が放置されている」

と理解するのは正確ではありません。

空き家の約半分は、賃貸用の住宅です。

アパートやマンションに入居者がいない一室も、統計上は一つの空き家として数えられます。

一方、

相続した実家。

長期間使用していない戸建て。

将来の用途が決まっていない住宅。

などは別の性質を持っています。

賃貸用なら、

入居者募集。

家賃設定。

リフォーム。

管理。

などが主な課題です。

相続した実家なら、

誰が所有するか。

誰か住むのか。

売るのか。

残すのか。

という家族側の意思決定が先になります。

同じ「空き家」でも、解決方法は同じではありません。


▪️理由③相続が空き家取得の大きな入口になっている



2024年に実施された国土交通省の空き家所有者実態調査では、空き家の取得方法として相続が約6割を占めています。

つまり、

自分で空き家を買った。

投資目的で取得した。

というケースだけではありません。

親が亡くなり、

住んでいた家を子どもが引き継ぐ。

その子どもにはすでに自宅がある。

結果として実家へ住む人がいなくなる。

という流れがあります。

相続した瞬間に問題が起きるわけではありません。

問題になるのは、

相続後も家の役割が決まらない状態が長く続くことです。

相続した空き家をどう整理するかはこちら。


▪️理由④親が元気なうちに実家の方針を決めていない



最新の空き家所有者実態調査では、相続によって取得した空き家について、相続前に何らかの対策をしていた世帯は2割強でした。

反対に、約77%は相続前の対策をしていませんでした。

行われていた対策の中では、

被相続人と家族による話し合い

が最も多くなっています。

さらに、相続前の対策がなかった空き家では、対策をしていた空き家より、

活用。

売却。

解体。

などへ進まず、そのまま空き家として所有し続けている割合が高いという結果も出ています。

これは、

話し合えば必ず売れる

という意味ではありません。

ただ、

親が亡くなってから初めて、

「この家どうする?」

「誰が相続する?」

「売るならいくら?」

と考え始めれば、決めることが一度に増えます。

親が元気なうちに、

誰か住む可能性があるのか。

残したい理由は何か。

売却してもよいのか。

相続人は誰になるのか。

だけでも共有しておくと、その後の判断材料になります。

相続について専門家へ相談したい場合はこちら。


▪️理由⑤「とりあえず残す」が長期保有につながる



実家を相続した直後に、

「今すぐ売るのは寂しい」

「将来、子どもが使うかもしれない」

「もう少し考えてから決めたい」

と思うこと自体は珍しくありません。

問題は、保留することそのものではなく、

次に判断する時期や条件が決まっていないことです。

最新調査では、使用目的のない空き家を所有する世帯の今後の意向として、

「空き家として所有しておく」

が約4割を占めています。

残す選択が間違いというわけではありません。

ただし保有するなら、

固定資産税。

火災保険。

草刈り・庭木。

建物管理。

修繕。

遠方からの交通費。

などが発生する可能性があります。

さらに、使わない期間が長くなれば、建物状態も変化します。

残すなら、残す理由と管理方法まで決める。

ここまで決めて初めて「保有」という選択になります。


▪️空き家になった直後に売る必要はない



空き家問題の記事を見ると、

「早く売らないと手遅れになる」

と感じることがあります。

しかし、相続した直後に必ず売却しなければならないわけではありません。

まず確認したいのは、

家族が住む予定があるか。

賃貸できそうか。

建物を維持できるか。

売却した場合はいくらになりそうか。

です。

たとえば、

数年後に家族が住む予定が具体的にある。

管理できる人がいる。

維持費を許容できる。

という住宅なら、保有する判断もあります。

一方、

誰も住まない。

遠方で管理できない。

修繕予定もない。

となれば、売却を比較する意味が大きくなります。

空き家になったこと自体ではなく、その後の利用予定があるか

で考えます。


▪️昔の購入価格ではなく「今の価格」を確認する



実家を売る話になると、

「親が4,000万円で買った家だから、そんなに安くはないだろう」

という話になることがあります。

しかし、購入時の価格と現在の売却価格は別です。

現在の価格には、

土地需要。

建物年齢。

接道。

周辺環境。

建物状態。

地域の取引状況。

などが関係します。

そのため、

高く買ったから残す。

古いから価値がない。

と家族だけで判断しません。

まず査定を取り、

現在の価格を判断材料の一つとして把握します。

現在の売却価格を確認したい場合はこちら。


▪️仲介と買取は「高い・安い」だけで比べない



売却すると決めた場合にも方法があります。

一般的な仲介では、購入希望者を探して売却します。

一方、不動産会社による買取では、会社が直接買主になる方法があります。

仲介は市場で買主を探せる一方、売却までの期間が読みにくい場合があります。

買取は条件が合えば早く整理しやすい一方、価格の考え方は仲介と異なります。

つまり、

どちらが絶対に得というものではありません。

建物状態。

立地。

売却を急ぐか。

残置物。

境界。

なども含めて比較します。

仲介と買取の違いはこちら。


▪️売れそうか分からない段階で大規模リフォームをしない



古い実家を売る前に、

水回りを交換する。

外壁を塗る。

室内を全面改装する。

と考えることがあります。

しかし、リフォーム費用をかけた分だけ売却価格が上がるとは限りません。

買主自身が好きなように改修したい場合もあります。

同じように、

古いから先に解体する

とも決めません。

建物を残した方が買主を見つけやすいケースもあれば、更地が適するケースもあります。

そのため、

査定 → 売却方法の比較 → 必要なら改修・解体

の順番で考えます。

解体前に査定する考え方はこちら。


▪️実家を放置しないために5つだけ確認する



空き家対策というと、制度や税金が多く難しく感じます。

最初から全部を決める必要はありません。

まずは次の5つを確認します。

①誰が所有するのか

相続人。

登記。

共有になるのか。

を整理します。

②誰か使うのか

自分。

兄弟姉妹。

子ども。

賃借人。

など、具体的な利用予定があるか確認します。

③現在どの程度の管理が必要か

雨漏り。

庭木。

雑草。

設備。

残置物。

などを確認します。

④今ならいくらで売れそうか

売ると決めていなくても、現在価格を把握します。

⑤次に判断する時期を決める

今は保有する場合でも、

家族の転居。

相続手続き終了。

修繕が必要になったとき。

一定の管理費がかかったとき。

など、再確認する条件を決めておきます。

これなら、

「そのうち考える」

という期限のない状態を避けやすくなります。


▪️よくある質問



Q. 日本の空き家900万戸は全部、放置された実家ですか?



いいえ。賃貸用・売却用・別荘なども含まれています。相続後に利用目的が決まっていない住宅とは分けて考える必要があります。


Q. 実家を相続したらすぐ売った方がいいですか?



一律には決まりません。家族が利用する予定、管理費、建物状態、現在の売却価格を確認して判断します。


Q. 親が元気なうちに何を話しておけばいいですか?



誰か住む可能性があるか、売却してもよいか、誰が管理するかなど、実家の将来について最低限の意向を共有しておくと判断材料になります。


Q. 古い家でも査定できますか?



できます。建物価値だけでなく土地や立地条件も関係するため、「古いから価値がない」と決める前に確認します。


Q. 実家を残す選択はよくないですか?



残すこと自体が問題ではありません。利用目的と管理方法、費用負担、次に判断する条件まで決めておくことが重要です。


▪️まとめ|900万戸より「自分の実家をいつ判断するか」が重要



日本の空き家は2023年時点で900万戸を超えています。

ただし、その約半分は賃貸用の空き家です。

一方、賃貸・売却用などを除いた空き家も約386万戸あり、相続は空き家取得の大きな入口になっています。

最新の空き家所有者実態調査では、

空き家の約6割が相続による取得。

相続空き家の多くで相続前の対策が行われていない。

使用目的のない空き家では、今後も空き家として所有する意向も多い。

という状況が確認されています。

つまり、空き家問題は、

「家が突然いらなくなる」

だけで起きるわけではありません。

親が亡くなる。

家を相続する。

誰も住まない。

売るか決まらない。

管理だけ続ける。

という小さな保留が重なっていきます。

だからこそ、

空き家になってから慌てて結論を出すのではなく、使う可能性・管理費・現在価格を確認する。

そのうえで、

住む。

貸す。

売る。

解体する。

残す。

を比較します。

全国の900万戸を自分一人で減らす必要はありません。

まずは、

自分の家族が所有する一軒を、理由のない放置状態にしないこと。

そこから始めれば十分です。


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