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空き家の解体費が高すぎる?見積もり・アスベスト・売却を決める7つの判断

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月4日
  • 読了時間: 13分

更新日:8月21日


相続した空き家について解体業者へ見積もりを依頼したところ、

「思っていたよりかなり高い」

「この金額を先に用意するのは難しい」

「売るために本当にここまで払う必要がある?」

と止まってしまうことがあります。

旧記事では、解体費について一律に100万円〜300万円と示し、

「払えないまま放置すると、さらに高くなって詰む」

という流れで説明していました。

しかし、空き家の解体費には全国共通の固定価格があるわけではありません。

建物の大きさや構造だけでなく、道路条件、残置物、庭木やブロック塀、廃材処分、アスベスト、工事範囲などによって金額は変わります。

さらに、

解体費が高い=その金額を払ってから売るしかない

わけでもありません。

古家付きで売る。

買主が決まってから更地渡しを協議する。

現状買取を比較する。

補助制度の対象を確認する。

という方法もあります。

この記事では、解体見積もりを見て止まっている空き家所有者が、契約前に確認したい7つの判断を整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|解体見積もりは「支払う金額」ではなく判断材料


解体業者から見積もりが届くと、

「この金額を払えるか」

だけを考えがちです。

しかし売却を目的としているなら、本当に確認したいのは、

解体した場合と、解体しない場合の最終的な手取りがどう変わるか

です。

例えば、建物を解体すると土地として買主を探しやすくなる地域もあります。

一方、古家付きでも買主が見つかるなら、売主が解体費を先に負担しなくてよい場合があります。

そのため、

解体見積もり


+現在の査定


+更地にした場合の査定

を並べてから判断します。

「古いから壊す」ではなく、

壊すことで売却条件がどこまで改善するのか

を確認することが最初です。

解体前に査定する理由はこちらで詳しく整理しています。



▪️判断①|見積もりの総額だけではなく「何が含まれているか」を見る


解体見積もりが200万円だったとしても、その200万円が何に使われるのか分からなければ比較できません。

見積書では、例えば次の内容を確認します。

・建物本体の解体工事


・足場や養生


・廃材の分別・運搬・処分


・重機の回送


・庭木や物置、ブロック塀などの撤去


・基礎や土間コンクリートの撤去


・整地


・残置物処分


・アスベスト調査や必要な対策

業者によっては、ある項目が見積金額へ含まれている一方、別の業者では追加工事として扱われていることがあります。

だから、

A社180万円、B社220万円だからA社が40万円安い

とは総額だけでは判断できません。

A社に含まれていない工事が後から追加されれば、最終金額が逆転することもあります。

解体費が高くなる主な要因はこちらで整理しています。



▪️判断②|1社の見積もりだけで「解体できない」と決めない


最初の見積もりが予算を大きく超えていても、

その金額がその建物の唯一の解体価格とは限りません。

解体業者によって、保有している重機、処分場までの距離、得意とする建物構造、工事の組み方などが違います。

そのため複数の見積もりを比較するときは、金額だけでなく工事範囲を揃えます。

例えば、

「建物だけを壊す見積もり」

と、

「建物・物置・ブロック塀・庭木・残置物・整地まで含む見積もり」

を比較しても意味がありません。

同じ条件で、どこまで含まれているかを比較する。

これが基本です。

また極端に安い見積もりについては、何が省かれているのか、追加料金が発生する条件は何かも確認します。

解体見積もりの比較方法はこちらです。

実際に複数の解体業者へ費用を確認したい場合はこちらです。



▪️判断③|古い家ほどアスベストの事前調査を見積もりから外さない


解体費を安くしたいとき、

「アスベストは見た感じなさそうだから、調査しなくてもいいのでは?」

と考えるのは避けます。

現在、建築物などを解体・改修する場合には、原則として石綿、いわゆるアスベストを含む建材が使用されているか事前調査を行う必要があります。

建築物の調査については、資格を持つ調査者などによる確認が必要です。

さらに建築物の解体部分の床面積が合計80㎡以上の場合には、石綿の有無にかかわらず、事前調査結果の報告対象になります。

ここで重要なのは、

「アスベストが見つかったら必ず解体できない」ではない

ことです。

含有建材が確認された場合は、建材の種類などに応じた飛散防止措置や適切な除去・処理が必要になります。

そのため見積もりでは、

・事前調査費が含まれているか


・分析調査が必要になった場合はいくらか


・含有建材が確認された場合の追加費用をどう扱うか

を確認します。

古い住宅ほど、

「坪単価だけで解体費を計算する」より、調査後に総額がどう変わる可能性があるかを見る

方が現実的です。



▪️判断④|80㎡以上なら建設リサイクル法の手続きも確認する


建物を解体すると、大量の木材やコンクリートなどが発生します。

建設リサイクル法では、一定規模以上の工事について分別解体や再資源化などが求められます。

建築物の解体工事では、特定建設資材を使用した建築物で、解体する床面積の合計が80㎡以上の場合が対象となります。

対象工事では、発注者による届出などの手続きも関係します。

ここで、

「80㎡未満なら何をしても自由」

という意味ではありません。

廃棄物処理やアスベストなど、別の法令・手続きは規模にかかわらず確認が必要なものがあります。

解体業者と契約するときには、

必要な届出を誰が準備し、所有者側で何を行う必要があるのか

まで確認しておくと進めやすくなります。



▪️判断⑤|残置物・庭木・塀を「建物解体費」と一緒にしない


長期間空き家だった住宅では、建物以外にも多くの物が残っていることがあります。

例えば家具や家電、衣類、物置、庭石、庭木、ブロック塀などです。

これらの処分費まで含めると、

「家を壊すだけでこんなに高いのか」

と見えやすくなります。

そこで見積もりでは、

建物本体。

家の中の残置物。

屋外の付帯物。

を分けてもらいます。

ただし費用を下げるために、所有者がすべて自分で処分すればよいという意味でもありません。

家庭から出る廃棄物と解体工事から出る産業廃棄物では扱いが異なり、自治体のルールもあります。

無理に運んだり、不適切な処分を行ったりせず、

自分で整理できる物と、専門業者へ任せる物を分ける

ことが大切です。



▪️解体費を下げる前に「工事範囲を減らしていいのか」を確認する


見積もりを安くするため、

「ブロック塀は残す」

「庭木はそのままにする」

「基礎を残せば安くなる」

と考えることがあります。

しかし売却を目的としているなら、

残した物が次の買主にとって邪魔にならないか

まで考えます。

例えば新築用地として売る予定なのに、大きな基礎や不要な構造物を残せば、買主側で撤去費が必要になります。

結果として、その費用分を価格交渉される可能性もあります。

反対に境界ブロックなど、勝手に撤去しない方がよい物もあります。

だから工事範囲を削る場合は、

何を残せば本当に総額が下がるのか、売却への影響まで含めて確認します。



▪️判断⑥|補助金があるかは「解体してから」ではなく契約前に確認する


自治体によっては、老朽化した空き家などを対象とした除却・解体支援制度が設けられている場合があります。

ただし、

空き家なら誰でも解体費を補助してもらえる制度ではありません。

対象となる建物状態、所有者、所得、地域、工事業者などに条件が設定されていることがあります。

また制度によっては、工事契約や着工より前に申請・現地確認・交付決定が必要です。

そのため、

「とりあえず壊してから補助金を申請しよう」

では間に合わない場合があります。

解体を考え始めた時点で、建物所在地の自治体へ、

・現在利用できる制度があるか


・自分の建物が対象になる可能性があるか


・いつまでに申請する必要があるか


・契約や着工をしてよい時期はいつか

を確認します。

補助金が取れる前提で解体を決めない。

ただし、使える制度があるなら契約前に確認する。

この順番です。



▪️判断⑦|解体費を用意できないなら「建物付き売却」を先に比較する


解体見積もりが高く、自己資金で支払うのが難しい場合でも、

解体費を借りてでも先に壊さなければ売れない

とは限りません。

古い住宅では、

古家付き土地として売る。

現状のまま不動産事業者へ売る。

売買条件を決めてから更地渡しを協議する。

という方法があります。

買主が解体・建替えを予定しているなら、建物が残った状態でも購入を検討する場合があります。

また売買契約後に売主が解体して更地で引き渡す方法を検討する場合もありますが、その場合は解体期限、費用負担、工事中の問題、契約が解除された場合の扱いなどを契約前に整理する必要があります。

だから、

まず売れる状態を作るために自己資金を使う

のではなく、

現在の状態でも買主候補がいるか確認してから支出する

方が安全です。

古家付きで売る方法はこちらです。



▪️土地価格から「解体費を回収できる」とも決めつけない


土地が1,000万円で売れそうで、解体費が200万円なら、

「800万円残るから問題ない」

と考えたくなります。

しかし売却には、解体費以外にも仲介手数料、登記関係、測量、残置物、税金などが関係する場合があります。

また、

査定価格=必ずその金額で売れる価格

ではありません。

だから解体費を土地売却でまかなえるか判断するときは、

想定売却価格-売却までに必要な総費用

で考えます。

解体費を土地売却で回収できるかについてはこちらで詳しく整理しています。



▪️固定資産税が心配でも「年内に急いで壊す」と決めない


住宅を解体すると、土地に適用されていた住宅用地の固定資産税特例へ影響する場合があります。

固定資産税では、原則として毎年1月1日時点の状態が重要です。

そのため年末に解体を検討していると、

「年内に壊すべきか」

「年明けまで残した方がいいのか」

と悩むことがあります。

しかし税金だけで解体時期を決めると、売却条件との順番が逆になる場合があります。

例えば年内に解体して税負担が変わったものの、建物付きで買いたかった買主候補を失う可能性もあります。

反対に危険な建物を税金だけのために残し続けるのも適切ではありません。

現在の税額、建物管理費、解体費、売却価格をまとめて比較する

ことが重要です。

解体と固定資産税の関係はこちらで詳しく整理しています。



▪️解体費が払えないからといって、管理まで止めない


解体するか決まらない期間があっても、

解体判断を保留することと、空き家を放置することは別です。

屋根や外壁が落ちそうになっていないか、敷地から枝や草が道路へ出ていないか、窓や扉が壊れていないかなど、最低限の安全確認は続けます。

旧記事のように、

「今解体しなければ必ず将来もっと高くなる」

と断定することはできません。

ただし建物状態が悪化したり、倒壊防止のため特殊な工事方法が必要になったりすれば、将来の工事条件が変わる可能性はあります。

だから、

払えないから何年も見ない

ではなく、

解体するまでの間に、どこまで管理する必要があるかを決める

ことが現実的です。



▪️一般売却が難しいなら、解体費と現状買取価格を比較する


空き家がかなり老朽化していて、一般の住宅購入者から需要が少ない場合があります。

そのときも、

「解体してから売る」

だけが出口ではありません。

不動産事業者が、解体や再販を前提として現状のまま買い取れる場合があります。

もちろん買取価格は一般仲介より低くなる可能性があります。

そこで比較するのは、

解体して一般仲介で売った場合の手取り

と、

解体せず現状買取した場合の手取り

です。

さらに一般仲介の場合は、売れるまでの固定資産税や管理費も含めます。

これなら、

売値が高い方法ではなく、最終的に残る金額が大きい方法

を比較できます。

仲介と買取の違いはこちらです。

老朽化が強く、解体前の状態で売却を相談したい場合はこちらです。



▪️解体した後にも手続きが残る


建物を壊して工事代金を支払えば、すべて終了とは限りません。

登記されている建物を取り壊した場合には、建物滅失登記も確認します。

不動産登記法では、建物が滅失した場合、原則として滅失の日から1か月以内に申請することが定められています。

そのため解体業者から、

・建物を取り壊したことが分かる書類


・会社情報など必要になる資料

を受け取っておきます。

売却予定なら、不動産会社や土地家屋調査士へ、解体後に何の手続きが残るかも確認します。

解体工事だけではなく、更地として売却できる状態までを一つの計画として考える

ことが重要です。



▪️解体見積もりが高かったらこの順番で判断する


まず見積書を開き、建物本体、付帯工事、残置物、アスベストなどの項目を分けます。

次に同じ工事範囲で複数の見積もりを比較します。

その後、現在の建物付き査定と、更地にした場合の想定査定を確認します。

解体する方向になった場合には、アスベスト調査、建設リサイクル法など必要な手続きを業者と確認し、自治体の補助制度も契約前に調べます。

そして、

古家付き売却


・更地渡し


・解体後売却


・現状買取

の手取りを比較します。

最後に固定資産税と解体後の滅失登記まで確認します。

この順番なら、

見積もりが高かったから何年も放置する

ことも、

売れるか分からないのに数百万円を先に支払う

ことも避けやすくなります。



▪️まとめ|問題は「解体費が払えないこと」ではなく、解体する前提だけで考えること


空き家の解体費が高くても、それだけで出口がなくなったわけではありません。

まず確認するのは、

なぜその見積金額になっているのか

です。

建物本体だけでなく、残置物、付帯物、道路条件、廃材処理、アスベストなどによって解体費は変わります。

そして解体するなら、必要な事前調査や届出を適切に行います。

一方、売却が目的なら、

そもそも売主が解体費を先に負担する必要があるのか

も確認します。

古家付きで売れる可能性があるなら、解体しない方が手取りを残せる場合があります。

更地需要が強く、解体によって売却条件が大きく改善するなら、費用をかける意味が出てきます。

だから旧記事のように、

「解体費を払えない


→ 放置


→ もっと高くなる


→ 詰む」

と一方向には考えません。

確認するのは、

見積もりの中身


→ 他社比較


→ アスベスト・法令


→ 補助制度


→ 現状査定


→ 更地査定


→ 税金


→ 最終手取り

です。

解体費は、払えるかどうかだけで考える費用ではありません。

その費用を使うことで、売却後にどれだけ条件が改善するのか。

そこまで確認してから契約することが、解体費で後悔しないための基本です。



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