top of page

事故物件の空き家は売れる?自然死・孤独死・自死と告知を整理する7つの売却判断

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月6日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月21日


相続した空き家について、

「以前、この家で人が亡くなっている」

「孤独死があったと聞いている」

「事故物件になるなら売れないのでは?」

と悩むことがあります。

人の死に関する履歴は、買主の判断へ影響する可能性があります。

しかし、

人が亡くなった住宅=すべて同じ事故物件

ではありません。

自然死なのか、自死や他殺などなのか、特殊清掃が行われたのか、どこで発生したのかによって、売買時の取り扱いは変わります。

さらに、

「3年経てば何も言わなくていい」

という単純なルールでもありません。

売却前に必要なのは、過去の出来事を怖がって大幅に値下げすることではなく、

何が起きたのかを整理し、不動産会社と告知の範囲や売却方法を確認すること

です。

この記事では、人の死に関する履歴がある空き家について、売却前に確認したい7つの判断を整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「人が亡くなった家」を全部同じ扱いにしない


旧記事では、

「心理的瑕疵は説明した時点で終わる」

「9割の買主が離脱する」

と書いていました。

しかし、事故物件について一律にそのような数字を出すことはできません。

そもそも国土交通省のガイドラインでは、人の死について種類や発生状況を分けて考えています。

例えば、病気や老衰などの自然死や、自宅内での転倒、誤嚥など日常生活の中で起きた不慮の死については、原則として売買・賃貸とも宅地建物取引業者が告げなくてもよいと整理されています。

一方で、長期間発見されず特殊清掃が行われた場合や、自死・他殺などについては扱いが変わります。

だから最初に、

「事故物件かどうか」という呼び方から判断するのではなく、具体的な事実を確認する。

ここから始めます。



▪️判断①|自然死・不慮の死・自死・他殺を分けて確認する


人が亡くなった事実がある場合、まず死因や状況を確認します。

大きく整理すると、

・病気や老衰などの自然死


・日常生活中の転倒や誤嚥などによる不慮の死


・自死


・他殺


・死因が確認できないケース

などがあります。

ここで重要なのは、

自然死まで自動的に「重大な心理的瑕疵」と決めないこと。

住宅で人が亡くなること自体は珍しいことではありません。

そのため国土交通省のガイドラインでも、自然死や日常生活上の不慮の死については、原則として告げなくてもよいと整理されています。

ただし、その後長期間発見されず、室内に臭気や害虫などが発生して特殊清掃や大規模な原状回復が行われた場合には、別の判断になります。

つまり、

死因だけではなく、その後の状況まで確認する

ことが必要です。



▪️判断②|孤独死は「孤独死」という言葉だけで判断しない


空き家を相続したとき、

「親が孤独死した家だから事故物件になる」

と考えることがあります。

しかし孤独死という言葉は、死因そのものを表すものではありません。

病気や老衰による自然死だったのか、自宅内での事故だったのか、その後どれくらいで発見されたのかによって状況は違います。

特に確認したいのは、

・亡くなった原因


・発見までの状況


・特殊清掃が行われたか


・大規模な原状回復を行ったか


・現在も建物へ影響が残っているか

です。

自然死であっても、長期間発見されず特殊清掃などが必要になった場合には、買主の判断へ重要な影響を与える可能性があります。

だから、

「孤独死だから必ず告知」でも、「自然死だから絶対に何も言わなくていい」でもありません。

具体的な状況を不動産会社へ伝えて判断します。



▪️判断③|売買には「3年経てば告知しなくていい」という一律ルールはない


事故物件についてよくある誤解が、

「3年経てば告知しなくていい」

というものです。

国土交通省のガイドラインには、一定の人の死について、事案発生などから概ね3年が経過した後は原則として告げなくてもよいという考え方があります。

しかし、この概ね3年という基準は主に賃貸借取引について示されたものです。

空き家を売却するときに、

「3年以上経過したから自死や事件について一律に説明不要」

と判断するものではありません。

売買取引では、事案の内容、事件性、周知性、社会的な影響なども含め、買主の判断に重要な影響を与えるかを考えます。

また買主から過去の人の死について質問された場合には、経過した期間や死因だけを理由に回答を避けるのではなく、把握している事実を不動産会社と確認しながら適切に対応します。

「何年前なら消えるか」ではなく、「売買で相手の判断に影響する情報なのか」を確認する。

これが基本です。



▪️判断④|告げる内容は「必要な事実」であり、故人の詳細ではない


人の死について買主へ説明する必要がある場合でも、何もかも詳しく話すわけではありません。

国土交通省のガイドラインでは、宅地建物取引業者が告げる場合、調査によって判明した内容として、

・発生時期


・発生した場所


・死因


・特殊清掃などを行った場合はその事実

を伝える考え方が示されています。

一方で、亡くなった方の氏名、年齢、家族構成や、必要以上に具体的な死亡状況まで伝える必要はないとされています。

これは、

買主が不動産を判断するために必要な情報と、故人や遺族のプライバシーを分ける

という考え方です。

所有者自身がインターネット上の噂などを集め、必要以上の情報を販売資料へ載せる必要もありません。

分かっている事実を整理して不動産会社へ伝え、どこまで説明するかを確認します。



▪️「告知すれば売れない」と考えて隠す方が危険


事故や人の死に関する履歴があると、

「話したら買主が逃げるのでは?」

と心配になります。

しかし、必要な情報を隠して契約を進める方法は避けるべきです。

売却後に買主が事実を知れば、

「契約前に知っていれば買わなかった」

というトラブルにつながる可能性があります。

そのため売主が行うのは、

自分で告知不要と決めることではなく、不動産会社へ把握している内容を正確に伝えること

です。

不動産会社から告知書や物件状況に関する書面への記載を求められた場合も、分かる範囲で事実を整理します。

不明なことまで推測して断定する必要はありません。



▪️判断⑤|価格は「事故物件だから何割引」と決めない


旧記事では、

「価格は2〜5割下がる」

と書いていました。

しかし、人の死に関する履歴がある物件について全国共通の値下げ率はありません。

価格への影響は、

・事案の内容


・発生からの経過


・地域での周知性


・建物の状態


・土地の価値


・周辺相場


・買主の利用目的

などによって変わります。

例えば土地価値が高く、建物を解体して新築することを前提に検討される物件と、既存住宅としてそのまま住む物件では、買主の受け止め方が同じとは限りません。

だから、

最初から「事故物件だから半額」と決めない。

まず現在の状態で査定を取り、通常の査定価格と、人の死に関する事情を踏まえた販売方針を確認します。

査定額が会社によって違う理由はこちらです。

複数社の査定を比較したい場合はこちらです。



▪️判断⑥|一般の買主だけでなく売却ルートを広げる


人の死に関する履歴がある住宅でも、一般仲介で売却できる可能性はあります。

一方で、事案の内容や建物状態によっては、買主候補が限られ、販売に時間がかかることもあります。

その場合は、

一般仲介だけを続けるのではなく、売却ルートを比較します。

例えば、

・事情を理解した一般の買主へ仲介で売る


・リフォーム前提の投資家へ売る


・不動産事業者へ現状で売る


・訳あり物件を扱う買取事業者へ相談する

といった方法があります。

ここで、

「事故物件は一般客には絶対売れない」

と決める必要はありません。

反対に、一般市場だけで長期間動かない場合に、同じ方法を続ける必要もありません。

仲介と買取の違いはこちらです。

事故・事件歴などがあり、一般売却が難しい空き家を現状のまま相談したい場合はこちらです。



▪️判断⑦|建物を壊せば履歴が完全に消えるとは決めつけない


事故や事件があった家について、

「建物を解体して更地にすれば、もう説明しなくていいのでは?」

と考えることがあります。

しかし、

建物を壊しただけで過去の出来事が一律に無関係になる

とは言い切れません。

国土交通省のガイドラインでも、人の死が生じた建物を取り壊した後の土地取引については、一般的に妥当と整理できるだけの裁判例などが十分に蓄積されていない論点として扱われています。

さらに、解体には費用がかかります。

土地として売る方が有利かどうかも、立地や再建築条件、土地価格によって変わります。

だから、

告知の問題をなくすためだけに先に解体する

のは避けたいところです。

まず建物付きの状態で査定し、現状売却と解体後売却を比較します。

解体前に査定する理由はこちらです。

古家付き土地として売る方法はこちらです。



▪️近隣で起きた死亡まで全部同じ扱いではない


マンションなどでは、

「隣の部屋で人が亡くなった」

「共用部分で事故があった」

というケースもあります。

国土交通省のガイドラインでは、対象となる住戸そのものではなく、隣接住戸や、買主が日常生活で通常使用しない共用部分で発生した人の死についても区別しています。

そのため、

同じマンション内で人が亡くなった事実があるだけで、すべての住戸が一律に事故物件になる

という考え方ではありません。

ただし事件性、周知性、社会的影響が特に大きい事案などでは、個別に慎重な判断が必要になります。

ここも所有者だけで決めず、不動産会社へ具体的な状況を伝えて確認します。



▪️売却前に整理しておきたい資料


人の死に関する履歴がある空き家では、記憶だけで説明しようとすると内容が曖昧になります。

手元にある範囲で、

・発生した時期が分かる資料


・特殊清掃を行った場合の請求書や作業記録


・原状回復やリフォームの資料


・修繕前後の写真


・所有者が把握している経緯

などを整理しておきます。

重要なのは、

分からないことを無理に埋めないこと。

昔の出来事で詳しい状況が確認できないなら、そのこと自体を不動産会社へ伝えます。

売却前の現地確認についてはこちらでも整理しています。



▪️「お祓いをすれば普通の物件に戻る」とも考えない


事故物件では、お祓いや供養について相談されることがあります。

所有者や遺族が気持ちを整理するために行うこと自体は、それぞれの判断です。

ただし、

お祓いをしたことで、法律上の告知判断や過去の事実が自動的に消えるわけではありません。

同じように、内装を新しくしたから説明が不要になるとも限りません。

売却実務では、

見た目を変えたかではなく、どのような事案があり、取引相手の判断へ重要な影響を与える情報なのか

を確認します。



▪️事故物件の空き家はこの順番で売却を考える


人の死に関する履歴がある空き家を売却する場合、最初に分かっている事実を整理します。

次に、自然死なのか、自死・他殺などなのか、特殊清掃が行われたのかを確認します。

その内容を不動産会社へ伝え、売買時にどの範囲まで告げる必要があるかを確認します。

そのうえで現在の状態で査定を取り、

一般仲介・投資家向け販売・現状買取・古家付き土地としての売却

を比較します。

解体を検討する場合も、先に査定を取ってから判断します。

この順番なら、

「事故物件だから価値がない」と先に価格を下げすぎたり、告知を避けるためだけに解体したりする

ことを防ぎやすくなります。



▪️まとめ|「事故物件だから売れない」ではなく、事実と売り方を整理する


人が亡くなった空き家でも、必ず売れなくなるわけではありません。

また、

人が亡くなったという事実だけで、すべて同じ告知対応になるわけでもありません。

自然死や日常生活中の不慮の死については、原則として告げなくてもよいケースがあります。

一方で、自死・他殺などや、自然死でも特殊清掃が行われたケースについては、取引相手の判断への影響を踏まえて対応する必要があります。

さらに、

売買では「3年経ったから一律に説明不要」というルールではありません。

価格についても、

事故物件なら何割下がる。

一般客には売れない。

投資家にしか売れない。

と固定することはできません。

見るべきなのは、事案の内容、建物状態、土地価値、市場での需要、買主がどのように利用する物件なのかです。

そして売主側で最も大切なのは、

分かっている事実を整理して、不動産会社へ正確に伝えること。

そこから告知の範囲と販売方法を決めます。

事故物件の空き家は、

「過去を消して売る」のではなく、「過去を整理したうえで、それを理解できる買主へ届ける」。

この考え方に変えることで、売却の選択肢を現実的に比較できるようになります。



▪️関連記事


何年も売れない空き家はどうすればいい?


空き家を売る前に知っておきたい現地調査とは?


空き家の査定額が会社によって違うのはなぜ?


空き家を売るなら仲介と買取どちら?


空き家を解体する前に査定するべき理由


空き家を解体せず古家付き土地として売る方法


空き家を現状のまま売る?リフォーム後に売る?


空き家売却にかかる費用はいくら?


空き家売却で失敗しない不動産会社の選び方


相続した空き家はどうする?売却・賃貸・活用を整理


空き家バンクで売れないのはなぜ?


最新記事

すべて表示
空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代に実家が放置される5つの理由と相続後の判断

日本の空き家は、2023年時点で900万戸を超えています。 ニュースなどで、 「7軒に1軒が空き家」 「これから相続でさらに増える」 と聞くと、 「自分の実家もいずれ空き家になるのでは?」 と不安になる人もいるでしょう。 ただし、900万戸すべてが、 相続後に放置された戸建て住宅 というわけではありません。 賃貸募集中のアパート・マンション。 売却中の住宅。 別荘。 長期間使われていない実家。 な

 
 
地方で「管理してるつもり」が危険になるケース

■地方で「管理してるつもり」が危険になるケース 地方の空き家や土地では、 「ちゃんと管理しているつもりだった」 というケースがかなり多くあります。 特に多いのが、 ・たまに見に行く ・草刈りだけしている ・換気だけしている という状態です。 ただ実際には、 “管理しているつもり”でも、 問題が進行しているケースがあります。 今回は、地方で「管理してるつもり」が危険になりやすい理由を実務目線で整理し

 
 
空き家を見に行くだけで疲れる理由

■空き家を見に行くだけで疲れる理由 地方の空き家相談では、 「見に行くだけでしんどい」 という声がかなり多くあります。 最初は、 「たまに確認すればいい」 と思っていても、 数年後には精神的にも体力的にも重くなるケースがあります。 今回は、空き家を見に行くだけで疲れる理由を実務目線で整理します。 --- ■“何か悪くなっている気がする”が続く 空き家を見る時、 多くの人は無意識に緊張しています。

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page