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農地はなぜこんなに安い?坪数万円でも買う前に確認したい5つの理由

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月25日
  • 読了時間: 13分

住宅地なら坪20万円、30万円する地域なのに、少し離れた農地を見ると坪数万円。

中には、さらに安い価格で売りに出されている田んぼや畑もあります。

すると、

「これだけ安いなら買っておいても損しないのでは?」

「将来転用できれば大きく値上がりするのでは?」

と考えたくなるでしょう。

しかし農地の価格が安いのには、それなりの理由があります。

単純に土地として人気がないからではありません。

農地には、

・買える人が限定される

・利用目的が制限される

・転用できない土地がある

・使える状態にするまで費用がかかる

・売りたいときの出口が狭い

という特徴があります。

実際、全国農業会議所の2025年調査では、純農業地域の農地価格は田・畑とも31年連続で下落しています。

安い価格そのものより、

「なぜこの土地は安いのか」

を理解してから買うことが重要です。

この記事では、農地を安く購入する前に確認したい5つの理由と、本当に買ってよい土地なのかを判断する順番を整理します。

▪️結論|農地は「安い土地」ではなく「使い方が限定された土地」

例えば、

周辺の宅地 坪30万円

売り農地 坪3万円

だったとします。

単純に比較すれば10分の1です。

しかし、この差額だけを見て、

「坪3万円なら格安」

とは判断できません。

宅地なら住宅を建てたり、事業用地として利用したりできる可能性があります。

一方、農地は農地法や農業振興地域制度などによって利用方法が制限されています。

つまり価格差には、土地として利用できる自由度の差も含まれています。

まず見るべきなのは坪単価ではありません。

・今のまま何に使えるか

・自分が取得できるか

・転用できる可能性があるか

・利用までにいくら必要か

・最後に誰へ売れるか

この5つです。

ここを確認して初めて、

本当に安い農地なのか。

安く見えているだけなのか。

を判断できます。

▪️理由① 農地のまま買える人が宅地より限定される

農地価格が安くなりやすい大きな理由の一つが、買主の範囲です。

農地を農地として売買する場合、原則として農地法3条の許可が必要です。

普通の宅地なら、

「土地が欲しい」

「売主と価格が合った」

という条件で売買を進められます。

農地では買主が取得後に適切に農業利用できるかなどを確認します。

ただし、

「農家資格を持っていなければ絶対に買えない」

という説明も現在では正確ではありません。

2023年4月には、農地取得に関する下限面積要件が廃止されています。

そのため新規就農者が農地を取得する可能性もあります。

一方で、一般の土地投資のように、

安いから買って放置する。

値上がりしたら売る。

という目的で自由に取得できる仕組みではありません。

買主候補が宅地より限られやすいことが、価格にも影響します。

詳しくはこちら

▪️2025年も農地価格は下落が続いている

農地が安いという話は、感覚だけではありません。

全国農業会議所が公表した2025年の田畑売買価格調査では、純農業地域の農用地区域にある標準的な農地の全国平均は、

・田 10aあたり103万1,000円

・畑 10aあたり76万3,000円

でした。

田・畑とも前年から0.9%下落し、1995年以降31年連続の下落です。

調査では、価格下落の理由として「農地の買い手の減少」を挙げる地域も多くなっています。

もちろんこれは全国平均なので、

都市近郊農地。

市街化区域内農地。

転用期待の高い土地。

などとは価格が大きく異なります。

重要なのは、

「農地なのに安すぎる」のではなく、農業利用を前提とした価格なら宅地価格とはそもそも別市場

ということです。

▪️理由② 「近くの宅地価格」はその農地の価値にならない

農地を見るときによくあるのが、

「この道路の向こうは坪40万円だから、ここも将来それくらいになる」

という考え方です。

しかし、隣接する宅地価格をそのまま農地へ当てはめることはできません。

例えば道路一本挟んだだけでも、

用途地域。

市街化区域・市街化調整区域。

農振農用地区域。

農地区分。

接道。

開発許可。

などが違う場合があります。

見た目は同じ平坦な土地でも、法律上の利用可能性が大きく違えば価格も変わります。

特に市街化調整区域では、農地転用とは別に都市計画法上の開発・建築条件も問題になります。

「宅地の隣だから将来宅地になる」

という期待だけで農地を買わないことが重要です。

▪️理由③ 転用できるか分からない土地には高い価格を付けにくい

安い農地を見つけると、

駐車場。

住宅。

資材置場。

太陽光発電。

などへ変えれば価値が上がるのでは、と考えることがあります。

しかし、農地転用の難易度は土地ごとに違います。

例えば農振農用地区域、いわゆる青地なら、農業利用を確保する土地として原則的に転用が厳しく制限されています。

農用地区域外でも、

甲種農地。

第1種農地。

第2種農地。

第3種農地。

など農地転用上の区分があります。

つまり、

「農地転用できた後の価格」

を現在の価値として考えるのは危険です。

転用可能性がまだ分からない段階なら、あくまで現在は農地として価格を考えます。

詳しくはこちら

▪️「転用できるかもしれない農地」と「転用計画が進められる農地」は違う

例えば農地が第3種農地だったとします。

第3種農地は、農地転用について原則許可という位置付けです。

それだけを見ると、

「これなら買っても大丈夫」

と思うかもしれません。

しかし実際に事業を行うには、

・具体的な利用目的

・必要な面積

・資金計画

・造成や排水計画

・他法令の許認可

なども確認します。

さらに住宅なら建築条件、事業用地なら開発許可などが関係する可能性があります。

農地区分だけを見て転用後の価格を織り込むのではなく、予定している利用が最後まで実現できるかを確認することが重要です。

詳しくはこちら

▪️理由④ 買値より「使える状態にする費用」が高くなることがある

農地は土地代が安くても、購入後に費用がかかることがあります。

例えば長期間使われていない畑なら、

・草木の撤去

・整地

・排水

・進入路の整備

・測量や境界確認

などが必要になる場合があります。

転用するならさらに造成費が増える可能性があります。

ここで重要なのは、

土地価格100万円=100万円で使える土地

ではないことです。

例えば説明用として、

購入価格 100万円

測量・手続き 50万円

整備・造成 200万円

その他費用 50万円

なら、土地を利用するまでの投入額は400万円になります。

この数字は相場ではありません。

土地によって大きく変わります。

だから農地投資では購入価格より、利用開始までの総額を見ることが重要です。

▪️坪3万円より「総額いくら必要か」を見る

不動産広告では坪単価が目に入りやすいですが、農地では少し視点を変えます。

例えば500坪の農地が坪3万円なら、購入価格は1,500万円です。

一方、100坪の農地が坪5万円なら500万円です。

坪単価だけなら前者の方が安い。

しかし転用して使いたい面積が100坪しか必要ないなら、残り400坪をどうするのかという問題が出ます。

一部だけ転用するなら分筆が必要になるケースもあります。

そこで、

購入価格。

必要面積。

利用までの追加費用。

残る農地。

を合わせて判断します。

単価が安いことと、投資総額が小さいことは同じではありません。

詳しくはこちら

▪️理由⑤ 売りたいときの出口が狭い

安く買えた農地でも、将来売れなければ資金を回収できません。

農地のまま売却するなら、農業利用を続ける買主を探す必要があります。

一方、転用目的で売却するなら、農地法5条などの手続きと具体的な利用計画が関係します。

つまり買った後も、

誰にでも自由に売れる。

とは限りません。

そして全国農業会議所の最新調査でも、農地価格下落の背景として買い手減少が指摘されています。

購入時に売主が見つからず安く買えた土地は、自分が売主になったときにも買主が少ない可能性があるということです。

これは農地投資で忘れたくない視点です。

▪️「安く買えた」ではなく「誰が次に買うか」を購入前に考える

例えば300万円の農地を100万円で買えたとします。

200万円安く買えたように見えます。

しかし5年後、

農地として買う人がいない。

転用も難しい。

管理費だけかかる。

という状態なら、購入時の値引きだけでは成功とは言えません。

購入前に考えたい出口は、

・自分で農業利用する

・農業者へ売却する

・農業者へ貸す

・条件が整えば転用する

・隣接所有者へ売却する

などです。

少なくとも一つ、現実的な出口が見える土地なのか確認します。

「安いから出口は後で考える」

という順番を逆にすることが重要です。

▪️耕作放棄地はさらに「再生できる状態か」を確認する

長期間使われていない農地は、さらに安く売られていることがあります。

しかし一口に耕作されていない土地と言っても状態はさまざまです。

草が伸びているだけの土地。

竹や雑木が増えている土地。

排水設備が機能していない土地。

農地へ戻すために大きな整備が必要な土地。

では必要な費用が違います。

また森林のような状態まで変化している土地では、農地としての扱いや非農地判断などを農業委員会へ確認するケースがあります。

土地価格がほぼゼロでも、再生や維持に大きなお金が必要なら安い買い物とは言えません。

詳しくはこちら

▪️農地を投資目的で買うなら「利回り」より先に取得可能性を見る

一般の不動産投資なら、

購入価格。

賃料。

利回り。

を比較します。

農地では、それより前に確認する項目があります。

・自分が農地を取得できるのか

・取得後に何へ利用するのか

・その用途に必要な許可を得られる見込みがあるか

です。

ここを確認せず、

100万円で買って500万円で売れれば400万円利益。

と計算しても意味がありません。

転用目的で第三者が取得するなら農地法5条の手続きなどが関係し、農地のまま取得するなら3条の要件を確認します。

買値を交渉する前に、自分がどの制度でその農地を取得するのかを確認する。

これが農地購入のスタートです。

▪️安い農地を見つけたら購入前に5つだけ調べる

興味のある農地を見つけたら、まず次の5つを確認します。

・登記地目と現在の農地としての扱い

・農振農用地区域に入っているか

・市街化区域・市街化調整区域など都市計画

・接道、排水、造成など現地条件

・農地のまま利用するのか、転用するのか

これだけでも、

「とりあえず安いから買う」

という判断を避けられます。

特に転用目的なら、具体的な地番と利用内容を持って農業委員会や自治体の担当窓口へ確認します。

土地価格を交渉するのはその後でも遅くありません。

▪️安い農地と安くない農地を数字で比較する

例えば説明用として、2つの土地を比較します。

A農地

購入価格 100万円

利用までの追加費用 400万円

総投入額 500万円

B農地

購入価格 250万円

利用までの追加費用 100万円

総投入額 350万円

土地価格だけならA農地が150万円安い。

しかし使える状態まで含めるとB農地の方が150万円少ない投資で済みます。

さらにB農地の方が接道や売却条件も良ければ、最終的な出口にも差が出る可能性があります。

だから農地では、

買値+利用までの費用+保有中の費用+出口

で比較します。

「一番安い土地」ではなく、目的を達成する総額が一番合理的な土地を探します。

〖PR〗所有している農地を「安いから売れない」と決める前に、土地として現在どの程度の売却可能性があるか確認する方法もあります。

▪️買わずに借りる方法も比較する

農業を始めたいから農地が必要でも、最初から所有権を取得する必要があるとは限りません。

農地を借りて農業を始める方法もあります。

2025年4月以降、農地の貸借等については農地バンクを経由した仕組みへ一本化が進められています。

また農地法3条によって権利設定を行う方法も残っています。

特に新規就農なら、

土地を買う。

農機具を買う。

設備を作る。

をすべて同時に行うと初期投資が大きくなります。

まず借りて事業を始める。

収益性を確認する。

その後に所有を考える。

という順番も比較できます。

安いから所有するのではなく、所有する必要が本当にあるかまで考えることが重要です。

詳しくはこちら

〖PR〗農地を転用して土地活用を検討している場合は、一つの活用方法へ決める前に複数のプランを比較する方法もあります。

▪️よくある質問|安い農地を買う前の判断

Q.一般人は農地を買えませんか?

農家資格という名称の資格証がなければ絶対に買えない、という仕組みではありません。

2023年には下限面積要件も廃止されています。

ただし農地として取得する場合は、取得後に農地を適切に利用できるかなど農地法3条の要件を確認します。

Q.市街化調整区域の農地は坪数万円なら安いですか?

価格だけでは判断できません。

農地転用、開発・建築条件、接道、造成費などを確認したうえで総額を比較します。

Q.将来宅地になることを期待して農地を買うのはどうですか?

将来の制度変更や区域変更だけを前提にした購入は不確実性が高くなります。

現在の制度と土地利用条件で成立する出口があるかを先に確認する方が安全です。

Q.農地が100万円なら最悪100万円の損で済みますか?

購入後には草刈りなどの管理費、測量、税金、整備費などが発生する可能性があります。

損失を購入価格だけで考えないことが重要です。

▪️まとめ|農地が安い5つの理由を理解してから買う

農地は、周辺宅地と比べて驚くほど安く売られていることがあります。

しかし、その価格差には理由があります。

・農地のまま取得できる人が限定される

・宅地と同じ自由度で利用できない

・農地転用できるか土地ごとに違う

・利用開始までに整備費がかかる

・将来売却するときも買主が限られやすい

だから、

坪3万円だから安い。

周辺宅地は坪30万円だから10倍になる。

とは考えません。

まず現在の農地としての価値を見る。

次に、自分の目的で利用できるか調べる。

必要な整備費を出す。

最後に出口まで確認する。

そして、

購入価格+利用までの費用+保有負担

を合計します。

農地投資で狙うべきなのは、単純に値札が安い土地ではありません。

安い理由を理解したうえで、その制約を解決できる土地です。

購入価格だけでは見えない部分まで確認して、それでも数字が合う。

その状態になって初めて「安く買えた農地」と判断することができます。

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