top of page

農地はなぜこんなに安い?坪数万円でも買う前に確認したい5つの理由

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
8月25日
読了時間: 6分

更新日:9月30日

住宅地よりかなり安い農地を見ると、「今買っておけば将来値上がりするのでは」と感じることがあります。しかし農地価格が低い背景には、買える人や利用方法が農地法・農振制度などで制限されること、転用できるか分からないこと、造成やインフラ費がかかることなど複数の理由があります。


安い農地が悪い土地という意味ではありません。農業利用を前提にすれば価値のある土地も多くあります。重要なのは、宅地と同じ感覚で価格だけを比較しないことです。


▪️1 農地は誰でも自由に買える土地ではない

農地を農地のまま売買する場合は、農地法3条の許可などが必要になります。買主が農業に利用できるかなどの確認があり、宅地のように誰でも自由に取得できる取引とは異なります。


買い手候補が限られれば、住宅地と同じ需要構造にはなりません。価格だけでなく、農業利用としての需要を確認します。


▪️2 転用には農振制度と農地法の二段階がある

農用地区域内の農地は原則として転用が認められず、転用には農振除外が必要になります。その後も農地法の転用許可基準を確認する必要があります。


第1種農地は原則不許可など農地区分による違いもあります。安く買ってから転用を考えるのではなく、購入前に転用可能性を調べます。



▪️3 安い購入価格より造成・接道・インフラ費が大きいことがある

農地を住宅や事業用地に変える場合、造成、盛土、排水、上下水道、進入路、測量、分筆などが必要になることがあります。購入価格が安くても、総事業費が大きくなるケースがあります。


特に道路との高低差や排水条件が悪い土地は、造成費の見積もりを先に取ります。坪単価だけで判断しないことが重要です。


▪️4 農地は農業利用の価値で見る

農地として見る場合は、面積、まとまり、水利、進入路、土壌、周辺の担い手などが重要です。宅地化できるかどうかだけで土地価値を決める必要はありません。


隣接農家や地域の担い手が利用したい土地なら、売却や貸付の可能性があります。農地バンクも含めて農業利用の出口を確認します。


▪️5 「将来転用できるはず」を購入理由にしない

市街化や道路整備の期待があっても、将来の区域変更や転用許可を保証することはできません。転用できなければ成立しない投資計画はリスクが高くなります。


転用できなくても農地として保有できるか、草刈り・水路管理を続けられるかを考えます。最悪条件でも持てる土地かを確認します。



▪️6 出口を決めてから価格を評価する

自分で耕作する、貸す、農地のまま売る、転用を目指すなど出口によって適正価格の見方は変わります。


不動産会社だけでなく農業委員会、農地バンク、行政書士などへ確認し、法令条件と利用需要をそろえてから判断します。


農地を貸す場合でも、賃料だけでなく水路や畦畔の管理、草刈り、契約期間などを確認します。所有者負担が残る項目があれば実質収支へ入れます。


相続で取得する場合は購入時の許可とは扱いが異なりますが、取得後の管理や売却には農地制度が関係します。相続したから自由に宅地化できるわけではありません。


農地の価格を見るときは、固定資産税評価額や近隣の宅地価格だけではなく、実際に農地として取引されている価格を確認します。農業利用の需要が弱い地域では、宅地との価格差が大きくても不自然とは限りません。


用水路や農道の利用、土地改良区の賦課金など、所有後に農地特有の負担が続く場合があります。購入前に地元農業委員会や土地改良区へ確認し、年間維持費へ入れます。


農地を取得後すぐに転売する前提の計画は、買主の許可要件や転用可否が読めないため慎重に考えます。自分が農業利用できる期間や出口が見える土地かを確認します。


農地の売買価格は、農業収益だけでなく周辺の担い手数や農地のまとまりでも変わります。小さく分散した農地、進入路が狭い農地、形が悪い農地は利用者を見つけにくいことがあります。


水田では水利条件が重要です。用水の利用時期、排水、ポンプ、土地改良区のルールなどを確認しないと、購入後に耕作しにくいことがあります。


畑では日当たりや土質、獣害なども利用価値に影響します。価格が安い理由を法規制だけに求めず、農地として使いやすいかを現地で確認します。


農地転用できる可能性がある土地でも、造成後に住宅需要がなければ高く売れるとは限りません。周辺の宅地取引や人口動向、道路条件を見て出口価格を保守的に置きます。


農地を買った後に草刈りだけして保有する場合、収入がないまま管理費が続きます。安い購入価格より、5年・10年の累計管理費を含めて総コストを比較します。


農地バンクなどで貸せる可能性があっても、希望する賃料で借り手が見つかるとは限りません。地域の実際の貸借状況を農業委員会や機構へ確認します。


購入前には地目だけでなく現況も確認します。登記は農地でも実際には山林化している、逆に別地目でも農地として扱われるなど、現況と制度が一致しない場合があります。


投資目的なら、農地として使う出口と転用後の出口の両方を持てるかを確認します。一方しか成立しない土地は、予定が崩れたときの選択肢が少なくなります。




▪️7 確認する順番

確認は、①地目と現況、②農振・農地区分、③農地法3条で取得できるか、④転用可能性、⑤接道・造成・インフラ費、⑥農業利用の需要、⑦売却・貸付・転用の出口、の順で進めます。安い価格だけを見ず、取得後に何ができるかを先に確認します。


まず農地として取得・利用できるかを確認します。宅地転用だけを前提に買う場合は、行政確認なしで進めない方が安全です。


次に総事業費を計算します。購入価格が安くても造成やインフラ整備で費用が増えることがあります。


最後に転用できない場合でも保有できるかを考えます。農地としての出口を持てる土地なら判断の幅が広がります。


▪️⑧ Q&A

Q. 農地が安いなら買っておいた方が得ですか?


価格だけでは判断できません。取得要件、転用、造成費、農業利用の需要、管理負担を確認します。


Q. 安い農地は将来宅地にできますか?


将来の転用を保証できません。農振区分や農地法上の区分を購入前に確認します。


Q. 農家でなくても農地を買えますか?


農地法3条の許可要件を満たせるか確認が必要です。現在の制度では旧来の下限面積要件は廃止されていますが、耕作体制など他の要件があります。


▪️⑨ まとめ

農地が住宅地より安い理由は、需要の違い、取得・転用規制、造成費などが重なるためです。


安いから買うのではなく、農地としての利用と転用できない場合の出口まで確認して価格を評価します。


▪️関連記事






最新記事

すべて表示
miramaru kusakari 3.png
bottom of page