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賃貸のホームステージングは空室対策になる?家具を置く費用と内見効果の判断基準

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月22日
  • 読了時間: 16分

▪️空室に家具を置けば、本当に決まりやすくなる?

築古アパートの空室が続くと、

テーブルを置く。

ラグを敷く。

照明を変える。

小物を飾る。

といったホームステージングを検討することがあります。

何もない部屋より生活イメージを持ってもらいやすくなり、募集写真の印象も変えられる可能性があります。

ただし、

家具を置けば空室が埋まるわけではありません。

家賃が高い。

駐車場が足りない。

室内ににおいがある。

初期費用が高い。

こうした原因なら、おしゃれな家具を置いても根本的な問題は残ります。

だからホームステージングも、

「見栄えが良くなるからやってみる」

ではなく、費用と空室期間を比較して判断します。

この記事では、地方の築古賃貸を想定し、ホームステージングへ3万円・5万円・10万円を使った場合、何日・何か月空室を短縮できれば回収できるのかを具体的に整理します。

地方アパートの空室対策全体はこちらをご覧ください。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️結論|ホームステージング費用を「家賃何日分か」に変える

例えば家賃5万円の部屋。

ホームステージングへ5万円使うとします。

5万円 ÷ 5万円 = 1か月。

つまり、ステージング費用5万円は空室約1か月分です。

3万円なら、

3万円 ÷ 5万円 = 0.6か月。

約18日分です。

10万円なら、

10万円 ÷ 5万円 = 2か月。

です。

ここまで数字へ変えると、

「5万円も家具に使うのは高い」

だけでは判断できなくなります。

もし5万円のステージングによって空室を1か月以上短縮できるなら、単純な家賃比較では回収できる可能性があります。

反対に、ステージングしてもしなくても数日しか変わらないなら、空室解消だけを目的とした投資としては弱くなります。

ホームステージングも、空室短縮投資として採算を見る。

これが基本です。


▪️そもそもホームステージングは何をする?

ホームステージングというと、高級なソファや家具を大量に入れるイメージがあるかもしれません。

しかし賃貸では、必ずしもそこまで大掛かりにする必要はありません。

例えば、

小さなテーブル。

ラグ。

カーテン。

照明。

観葉植物などの小物。

を使い、

「ここへ家具を置くと、こう暮らせる」

とイメージしやすくする方法があります。

特に空室の場合、何も置かれていないため、

この部屋にベッドを置ける?

ダイニングテーブルはどこ?

この6畳は実際どれくらい?

と広さを想像しにくいことがあります。

家具が入ることで、サイズ感や生活動線を伝えやすくなる場合があります。

ただし、ホームステージングはリフォームではありません。

古い設備を新しくするわけでも、壊れた箇所を直すわけでもありません。

部屋そのものを変えるのではなく、部屋の魅力を伝えやすくする方法と考えると分かりやすいです。


▪️すべての空室にホームステージングする必要はない

ここは重要です。

空室になったら毎回、

家具を入れる。

小物を買う。

という運用にする必要はありません。

一般社団法人日本ホームステージング協会が公表している2024年の調査では、賃貸物件でホームステージングを実施する基準として、

長期空室の部屋。

入居しにくい部屋。

などが挙げられています。

一方、全部の部屋へ実施するという回答は少数でした。

つまり実務でも、決まりにくい部屋へ絞って使う考え方があります。

募集開始からすぐ問い合わせが入り、毎回短期間で決まる部屋なら、わざわざ家具費用をかける必要性は低いでしょう。

反対に、

写真を見ても広さが伝わりにくい。

築古で無機質に見える。

数か月空室が続いている。

内見すると「家具配置が分からない」と言われる。

こうした部屋なら比較対象になります。


▪️問い合わせがゼロなら、家具を置く前に募集条件を見る

ホームステージングが向いているかは、このクラスターで使ってきた診断方法で判断できます。

問い合わせ。

内見。

申込み。

のどこで止まっているかです。

例えば問い合わせがほとんどない。

この場合、

家賃。

掲載状況。

募集写真。

初期費用。

駐車場。

などを先に確認します。

募集家賃が競合より明らかに高ければ、家具を置いても検索段階で候補に入りにくいままです。

一方、

問い合わせはある。

内見もある。

でも部屋の広さや生活イメージで比較負けしている。

という状態なら、ホームステージングを試す意味が出てきます。

ステージングは、見てもらえない物件を魔法で満室にする方法ではありません。

見てもらえている物件の魅力を、分かりやすく伝えるために使います。

ライバル物件の比較方法はこちらで詳しく整理しています。


▪️内見より「募集写真」で効果が出る場合もある

ホームステージングの価値は、内見時だけではありません。

家具を入れた状態で写真を撮れば、募集広告でも使えます。

何もない6畳の洋室。

より、

ベッド。

小さなテーブル。

ラグ。

が置かれた6畳の方が、生活したときの大きさを想像しやすいことがあります。

特に築古賃貸は、

白い壁。

古い床。

何もない空間。

だけで撮影すると、写真上では実際以上に寂しく見えることがあります。

ただし、家具で欠点を隠すような見せ方は避けます。

また入居時には家具が撤去されるなら、掲載内容から家具付き物件だと誤解されないようにすることも重要です。

写真の目的は、実際より良く見せることではありません。

実際の部屋でどんな暮らし方ができるかを伝えることです。

募集写真そのものを改善したい場合はこちらも参考にしてください。


▪️家具3万円なら、家賃5万円で約18日分

ここから費用を具体的に比較します。

家賃5万円。

簡易的なホームステージングへ3万円。

とします。

3万円 ÷ 5万円 = 0.6か月。

約18日分です。

例えば、

ラグ。

小型テーブル。

照明。

小物。

などを中心に、比較的小さな費用で見せ方を整えたとします。

これによって空室期間を20日程度短縮できれば、単純な家賃比較では費用を回収できる可能性があります。

さらに購入した小物を次の空室でも使えるなら、1回あたりの負担は下がります。

反対に、一部屋のためだけに購入し、その後使わず処分するなら3万円すべてが一回限りの費用です。

買った金額だけでなく、何回使えるかまで考える。

ホームステージングではここも重要です。


▪️5万円使うなら「空室1か月短縮できるか」を考える

次に5万円。

家賃5万円なら、空室1か月分です。

例えば、

家具を入れる前。

内見は月2件。

申込み0件。

家具を入れて写真も変更。

その後1か月以内に申込み。

となれば、結果として空室1か月分を取り戻せた可能性があります。

ただし、

ホームステージングしたから決まった。

と一件だけで断定はできません。

繁忙期に入った。

家賃も変更した。

ADも増やした。

など、ほかの条件が変わっている可能性があるからです。

だから実施前後で、

問い合わせ。

内見。

申込み。

を記録します。

ホームステージング後に、どの数字が動いたかを見る。

これを残しておけば、次の空室でも使える自分のデータになります。


▪️10万円なら、家賃5万円の空室2か月分

家具・照明・小物まで揃えると、費用が10万円程度になるケースも考えられます。

家賃5万円なら、

10万円 ÷ 5万円 = 2か月。

です。

この段階になると、

本当にステージングへ10万円使うのか。

5万円で十分ではないか。

10万円なら室内設備を直した方がいいのではないか。

を比較したくなります。

例えば内見者から、

「洗面台が古い」

と何度も言われている。

それなのに10万円を家具へ使う。

これでは、申込みを止めている原因へお金を使えていない可能性があります。

ステージング費用が大きくなるほど、リフォームとの比較が必要になります。

設備や内装そのものを改善する場合は、複数の工事内容と費用を比較して判断しましょう。

賃貸リフォームの費用対効果はこちらで詳しく整理しています。


▪️家賃3,000円値下げとステージング5万円、どっちが得?

このクラスターでは、すべて同じ物差しで比較します。

家賃5万円。

選択肢A。

3,000円値下げする。

選択肢B。

家賃5万円を維持し、5万円でホームステージングする。

とします。

3,000円値下げすると、

1年間で3万6,000円。

2年間で7万2,000円。

3年間で10万8,000円。

の減収です。

一方、ホームステージング5万円は、購入した家具を撤去・再利用する前提なら基本的に一度の費用です。

もしステージングによって5万円の家賃を維持したまま入居が決まり、2年以上住んでもらえるなら、数字上は値下げより有利になる可能性があります。

ただし問題が、

家賃5万円では高すぎる。

ということなら、家具を置いても解決しません。

価格が原因なら価格。

見せ方が原因ならステージング。

原因によって使うお金を変えます。

家賃値下げとの比較はこちらで詳しく計算しています。


▪️AD5万円・フリーレント5万円・家具5万円は全部同じ金額

家賃5万円の部屋なら、

AD1か月。

フリーレント1か月。

ホームステージング5万円。

すべて大家側の負担は5万円として比較できます。

でも役割は違います。

AD

仲介・募集側への働きかけを強めたい場合。

フリーレント

入居希望者の初期負担を下げたい場合。

ホームステージング

写真・内見時の生活イメージを改善したい場合。

同じ5万円だからこそ、

「どれが一番お得?」

ではなく、

今どこで入居希望者が離れているのか

を先に調べます。

紹介されていないのに家具を置く。

初期費用が原因なのにADを増やす。

室内印象が悪いのにフリーレントだけ付ける。

これでは費用の使い方がずれます。

AD1か月・2か月の判断はこちらで詳しく整理しています。


▪️全部屋ではなく「決まりにくい1室」で試す

8戸あるアパート。

空室になるたびに毎回5万円。

年間3退去なら15万円。

こう考えると、効果が分からないまま全空室へ導入するのは慎重に考えたいところです。

まず、

長く空いている部屋。

間取りが分かりにくい部屋。

写真映えしにくい部屋。

競合より印象が弱い部屋。

など、ステージングとの相性が良さそうな1室で試します。

そこで、

実施前の問い合わせ数。

内見数。

実施後の問い合わせ数。

内見数。

申込みまでの日数。

を確認します。

効果があれば、同じ間取りの次回空室でも再利用できます。

最初から仕組みにするのではなく、小さく試して数字を見る。

これはリフォームやADと同じです。


▪️家具は多ければ多いほどいいわけではない

ホームステージングすると、

せっかくだからソファも。

大きなテーブルも。

棚も。

と家具が増えやすくなります。

でも小さい部屋へ家具を入れすぎると、逆に狭く見えることがあります。

例えば6畳の部屋へ、

大きなソファ。

4人用テーブル。

大きな棚。

を全部置けば、生活イメージより圧迫感が強くなるかもしれません。

目的は、

家具を見せること。

ではありません。

部屋の使い方と広さを分かりやすくすること。

必要最低限の家具で十分な場合もあります。

築古賃貸ほど、高級感を無理に演出するより、その物件を借りる人の生活に合った見せ方を考えた方が自然です。


▪️ターゲットによって置く家具を変える

単身向け1Kと、ファミリー向け2LDKでは見せたい生活が違います。

例えば単身物件なら、

ベッドを置いても動線が残る。

デスクを置ける。

一人用テーブルが置ける。

といったことを伝えます。

ファミリー向けなら、

ダイニングテーブルの位置。

ソファを置いたときの広さ。

子ども部屋として使えるか。

などが分かりやすくなります。

つまり、

おしゃれな家具を置くのではなく、借りてほしい人の生活を置く。

これが重要です。

誰に貸すかが曖昧な状態なら、まず募集対象を整理します。


▪️家具を置く前に「におい・汚れ・故障」を直す

ホームステージングで最も避けたいのが、

家具で古さを隠そうとすることです。

例えば、

排水口がにおう。

エアコンが汚れている。

クロスに大きなシミ。

水栓から水漏れ。

という部屋へラグや観葉植物を置いても、内見時には気づかれます。

むしろ、

「見た目だけ整えている」

という印象になる可能性があります。

だから順番は、

故障。

汚れ。

におい。

清掃。

を先に改善。

その後にホームステージングです。

マイナスを消してから、プラスを足す。

築古賃貸ではこの順番を崩さない方がいいでしょう。

内見時のにおいについてはこちらで詳しく整理しています。


▪️家具を「購入するか・借りるか」も利用回数で決める

ホームステージング用家具を毎回使うなら、購入する方法があります。

一方、一度だけ試したいならレンタルなどを比較できる場合もあります。

例えば5万円で家具を購入。

今後5回の空室で使えたとします。

単純計算なら、

1回あたり1万円。

です。

ただし実際には、

保管場所。

運搬。

組み立て。

撤去。

破損。

処分。

なども必要になります。

家具本体5万円だけで判断すると、見えない作業費を忘れます。

逆に自主管理で保管場所があり、自分で移動できるなら購入の方が使いやすい場合があります。

家具も「買う価格」ではなく、1回の募集でいくらかかるかへ変換する。

こう考えると比較しやすくなります。


▪️ホームステージング協会の調査はどう見る?

一般社団法人日本ホームステージング協会が公表した過去の白書では、賃貸カテゴリーについてホームステージング実施前の空室期間と、実施後の成約までの日数、実施費用が調査されています。

2018年の調査では、賃貸カテゴリーで、

導入前までの空室期間平均91日。

導入後の成約まで平均33日。

ホームステージング費用平均6万8,337円。

という結果でした。

ただし、この数字だけを見て、

「ステージングすれば58日早く決まる」

と考えるのは適切ではありません。

無作為比較試験ではなく、物件条件や時期も違うため、ホームステージングだけによる効果とは断定できないからです。

ここで参考になるのは、

賃貸でも実際に数万円規模の費用をかけ、空室改善策として使われている事例がある

という点です。

自分の物件でも同じ効果が出るとは限りません。

だからMIRAIUでは、平均値をそのまま当てはめるのではなく、自分の家賃と実施費用から損益分岐を計算する方法をおすすめします。


▪️購入前なら「ステージングしないと決まらない物件か」まで考える

これから築古アパートを購入する場合も同じです。

売却資料には、

満室想定。

高利回り。

と書いてある。

でも実際の空室を見ると、

写真映えしない。

間取りが使いにくい。

競合より古い。

毎回募集に工夫が必要。

という物件かもしれません。

その場合、

原状回復。

AD。

家賃調整。

ホームステージング。

まで含めた入替コストを考えます。

例えば退去1回ごとに5万円の追加募集費が必要なら、8戸・10戸と増えるほど年間収支へ影響します。

満室時家賃だけでなく、満室へ戻すまでの費用を購入価格へ入れる。

地方の築古アパートでは、この視点が重要です。

これから収益物件を検討する場合は、空室・修繕・融資まで含めて収支を確認しましょう。


▪️よくある質問|ホームステージングはいくらまでなら使っていい?

一律の金額では決められません。

まず実施費用を月額家賃で割り、空室何日・何か月分になるか確認します。

家賃5万円なら、

3万円で約18日分。

5万円で1か月分。

10万円で2か月分。

です。

その期間以上の空室短縮を期待できるかで判断します。

Q. 家具はそのまま入居者へプレゼントした方がいい?

家具付きとして募集する方法もありますが、通常のホームステージングとは条件が変わります。

残す場合は、設備なのか残置物なのか、故障時の扱いなどを契約前に明確にしておく方が安全です。

Q. 内見が全然ない場合でも効果ありますか?

募集写真の改善につながる可能性はあります。

ただし家賃・掲載状況・初期費用などで候補から外れているなら、ステージングだけでは解決しない場合があります。

問い合わせがない原因を先に確認しましょう。


▪️まとめ|家具を置く目的は「おしゃれ」ではなく空室短縮

ホームステージングを見ると、

部屋がおしゃれになる。

という部分へ目が行きます。

でも大家側の目的はインテリアではありません。

空室期間を短くし、最終的な手残りを増やせるか。

ここです。

家賃5万円なら、

3万円のステージングは約18日分。

5万円なら1か月分。

10万円なら2か月分。

です。

この数字を基準に、

本当にその費用を使う価値があるか判断します。

そして、

問い合わせがないなら募集条件。

内見まで来ないなら広告・初期費用。

内見はあるが生活イメージが伝わらないならホームステージング。

室内そのものに問題があるならリフォーム。

と、原因によって使うお金を変えます。

ホームステージングも、

AD。

家賃値下げ。

フリーレント。

リフォーム。

と同じ空室改善策の一つです。

どれかを正解にする必要はありません。

同じ5万円を使うなら、今の空室原因へ一番効く5万円にする。

これが地方賃貸でホームステージングを判断するときの基本です。

そして一度試したら、

問い合わせ。

内見。

申込み。

成約までの日数。

を記録します。

自分の物件で効果が確認できれば、次回空室でも使う。

効果が弱ければ別の方法へ変える。

感覚ではなく、自分の物件の数字でホームステージングを育てていきましょう。


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