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不動産投資で債務超過になると融資はどうなる?貸借対照表(BS)の見方と改善方法を徹底解説

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月10日
  • 読了時間: 21分

不動産投資で物件を増やしていくと、

家賃収入も増える。

所有戸数も増える。

総資産も大きくなる。

一見すると、順調に規模拡大しているように見えます。

しかし、ここで見落としたくないのが、

「純資産は増えているか?」

という点です。

不動産投資では融資を活用することが多いため、物件が増えるほど借入金も増えます。

その結果、

資産より負債の方が大きくなり、

純資産がマイナスになることがあります。

これが、

債務超過

です。

債務超過になると必ず融資が止まる、という単純な話ではありません。

しかし、金融機関が法人の財務状態を確認するときに重要なポイントになることは間違いありません。

この記事では、不動産投資で債務超過になる仕組み、銀行がどこを見るのか、そして財務を改善して次の融資につなげるための考え方を解説します。


▪️まず前回記事|融資が続く決算書の全体像はこちら


今回の記事は、

「決算書全体」ではなく「貸借対照表と債務超過」

に絞って解説します。

その前に、

PL。

BS。

現預金。

利益。

キャッシュフロー。

借入金。

など、銀行が決算書全体をどう見るのか確認したい方はこちら。


不動産投資で融資が続く決算書とは?銀行が見るポイントと財務改善の考え方を徹底解説

※①公開後URLをここへ内部リンク


▪️結論|物件数より「純資産が増えているか」を見る


10戸持っている。

30戸持っている。

50戸持っている。

これだけでは法人の財務状態は分かりません。

例えば、

A社

資産1億円。

負債8,000万円。

純資産2,000万円。

一方、

B社

資産2億円。

負債2億2,000万円。

純資産マイナス2,000万円。

B社の方が所有資産は大きくても、貸借対照表上では債務超過です。

つまり、

「総資産が大きい=財務が強い」ではありません。

不動産投資で融資を使って規模を拡大するなら、

何棟買ったか。

何戸持っているか。

だけではなく、

買うたびに法人の純資産がどう変化しているか

を確認することが重要です。

▪️貸借対照表(BS)を簡単に理解する

貸借対照表は、大きく、

資産。

負債。

純資産。

の3つで構成されます。

例えば不動産賃貸業なら、資産には、

現金。

預金。

土地。

建物。

未収家賃。

その他の資産。

などがあります。

負債には、

金融機関からの借入金。

未払金。

預り金。

その他の負債。

などがあります。

そして、

資産から負債を差し引いた部分が純資産です。

つまり、

純資産=会社にどれだけ自己資本が残っているか

を見る一つの指標になります。

▪️債務超過とは?

非常に簡単にすると、

資産5,000万円。

負債4,000万円。

なら純資産1,000万円。

一方、

資産4,000万円。

負債5,000万円。

なら純資産マイナス1,000万円。

このように、

負債が資産を上回っている状態

が債務超過です。

ただし、不動産賃貸業では少し注意が必要です。

貸借対照表に記載されている不動産の金額と、

現在売却できる市場価格。

金融機関が評価する担保価値。

は同じとは限らないからです。

そのため金融機関は、単純な帳簿上の数字だけでなく、所有不動産の内容も含めて判断する場合があります。


▪️なぜ銀行は債務超過を気にするのか


金融機関からすると、

融資したお金を将来返してもらえるのか。

これが非常に重要です。

利益が出ている。

家賃収入も入っている。

としても、

資産より負債が大きい状態なら、

経営環境が悪化したときの余力が小さい可能性があります。

例えば、

空室増加。

家賃下落。

大規模修繕。

金利上昇。

物件価格下落。

などが重なれば、返済余力がさらに小さくなる可能性があります。

そのため、

利益だけでなく財務の安全性

も確認されるわけです。


▪️債務超過になる原因① 借入を急激に増やす


不動産投資では、

融資が出る。

物件を買う。

また融資が出る。

次を買う。

と進められる時期があります。

このとき注意したいのが、

借りられることと、借りるべきことは別

という点です。

購入する物件の収益力。

物件評価。

現預金。

借入総額。

返済比率。

修繕予定。

などを確認せずに買い続ければ、法人全体の財務バランスが崩れる可能性があります。

特に、

フルローン。

オーバーローン。

短期間で連続取得。

などを行う場合は、購入後のBSまで確認しておきたいところです。


▪️債務超過になる原因② 赤字を積み重ねる


純資産は、利益を積み上げることで増えていく要因になります。

反対に、

毎年赤字。

赤字。

また赤字。

と続けば、過去に積み上げた利益を減らし、純資産も弱くなっていきます。

例えば、

家賃収入500万円。

経費700万円。

年間赤字200万円。

これが複数年続けば、当然財務状態は悪化します。

大切なのは、

一時的な赤字なのか。

事業構造そのものが赤字なのか。

を分けて考えることです。


▪️一時的な赤字と慢性的な赤字は違う


例えば、

前年300万円黒字。

今年だけ外壁工事で100万円赤字。

翌年は再び300万円黒字見込み。

この場合は、一時的な支出による赤字と説明できます。

一方、

毎年家賃収入より返済・経費負担が重く、

3年連続赤字。

なら、物件収益そのものに問題がある可能性があります。

金融機関へ説明するときも、

「なぜ赤字になったのか」

を具体的に説明できることが重要です。


▪️債務超過になる原因③ 減価償却の影響


不動産賃貸業では、減価償却費も利益やBSに影響します。

建物の取得価額は、税務上定められたルールに沿って複数年に分けて費用化していきます。

減価償却費が大きければ、

会計上の利益は小さくなりやすくなります。

さらに建物の帳簿価額も減少していきます。

そのため、

減価償却は節税だけでなく財務状態にも影響する

という視点が必要です。

ただし、

「銀行対策のために償却期間を自由に変える」

といった考え方は避けるべきです。

税務上適切な処理を前提に、その影響を理解しておくことが重要です。


▪️次記事|減価償却と融資の関係は別記事で詳しく解説

債務超過を理解すると、

次に気になるのが、

「減価償却を大きく取ると融資に不利になるのか?」

という問題です。

これは税務と銀行評価の両方が絡むため、別記事で詳しく解説します。


次回:不動産投資の減価償却で融資が不利になる?節税と銀行評価を両立する考え方を徹底解説

※③公開後URLをここへ内部リンク


▪️債務超過になる原因④ 高値で物件を買う

不動産投資では、


購入価格と実際の資産価値のバランスも重要です。

例えば、

収益性だけを見て高値で購入。

しかし金融機関側の評価は低い。

借入金だけ大きく残る。

となれば、次の融資判断で不利に働く可能性があります。

だから、

「利回りが高い」

だけではなく、

土地値。

建物価値。

積算。

収益力。

出口価格。

なども確認しておく必要があります。


▪️債務超過になる原因⑤ 修繕費が想定以上にかかる


築古物件では、

購入後に修繕費が膨らむことがあります。

例えば、

物件500万円。

購入直後に、

屋根100万円。

外壁150万円。

水回り100万円。

その他100万円。

合計450万円。

となれば、実質的な投資額は950万円です。

さらにその費用を借入や現預金から支出すれば、財務状態にも影響します。

物件購入前に、

購入価格+修繕費

で考えることが重要です。


▪️築古物件はリフォーム費用まで含めて判断する


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

中古・築古物件を購入するときは、物件価格だけを見ないことが重要です。

取得後に、

外壁。

屋根。

水回り。

内装。

設備。

などへ大きな費用が必要になれば、キャッシュフローや手元資金に影響します。

購入前に修繕費の目安を把握しておけば、

「安く買えたと思ったら、修繕で資金がなくなった」

というリスクを減らしやすくなります。

▶ 不動産・中古住宅のリフォーム費用を確認する

▪️債務超過=必ず融資不可ではない

ここは誤解しないようにしましょう。

債務超過になれば、

「もう二度と融資を受けられない」

と一律に決まっているわけではありません。

金融機関によって、

審査基準。

担保評価。

代表者評価。

事業実績。

今後の計画。

などは異なります。

また、帳簿上の債務超過でも、

所有不動産に十分な含み益がある。

安定したキャッシュフローがある。

現預金がある。

など、個別事情が考慮される場合もあります。

重要なのは、

「債務超過だから終わり」ではなく、「なぜその状態になったのか」を分析すること。

です。

▪️金融機関が見る「実質的な資産価値」

貸借対照表上の建物価額と、市場価格は一致しません。

例えば、

帳簿上の簿価1,000万円。

しかし現在2,000万円で売却できる可能性がある。

という物件もあります。

反対に、

帳簿上2,000万円。

でも市場では1,200万円程度。

ということもあります。

そのため、金融機関が法人を評価するときには、

帳簿上の資産。

不動産の実態。

収益。

担保価値。

などを総合的に判断する場合があります。

だからこそ、

自分でも所有物件の現在価値を把握しておくことが重要です。


▪️債務超過を改善する方法① 利益を積み上げる


最も基本的な改善方法が、

毎年利益を残すこと

です。

年間200万円の利益。

これを5年間積み上げれば、単純計算では1,000万円です。

もちろん税金や配当などの影響もありますが、利益を会社へ残していくことで純資産を増やす方向に働きます。

短期間で劇的に改善する方法ではありません。

しかし、

強い会社を作る王道は毎年利益を積み上げること

です。

▪️債務超過を改善する方法② 空室を減らす

不動産賃貸業では、

空室=売上が発生しない状態です。

例えば、

家賃5万円の部屋が4室空室。

月20万円。

年間240万円。

の機会損失になります。

もちろん募集費用や修繕費は必要になりますが、

空室を埋めて売上を回復することが利益改善につながります。

財務改善というと、

節税。

借換え。

売却。

などを考えがちですが、

まず本業の家賃収入を増やす

ことも非常に重要です。


▪️債務超過を改善する方法③ 経費構造を見直す

不動産賃貸業には、

管理費。

清掃費。

電気代。

保険。

修繕。

広告料。

税理士費用。

通信費。

その他の経費。

などがあります。

必要な費用まで削るべきではありません。

しかし、

毎年自動的に支払っている費用。

使っていないサービス。

割高になっている契約。

などがあれば見直す余地があります。

年間10万円の改善でも、5年間なら50万円です。

小さな改善の積み重ねが財務状態を強くします。


▪️債務超過を改善する方法④ 借入条件を確認する


借入金についても、

金利。

残存期間。

毎月返済額。

を把握しておきましょう。

借換えや融資条件の見直しによって返済負担が改善できる可能性もあります。

ただし、

借換えには手数料や登記費用などがかかる場合があります。

単純に金利だけでなく、

総返済額・キャッシュフロー・諸費用

まで比較して判断することが重要です。


▪️債務超過を改善する方法⑤ 売却も選択肢になる


物件を増やすことだけが不動産投資ではありません。

場合によっては、

収益性が低い物件。

大規模修繕が必要な物件。

将来的な需要が弱い物件。

などを売却することで、法人全体の財務を改善できる可能性があります。

例えば、

売却。

借入金返済。

現金確保。

低収益物件を整理。

次の投資へ。

という流れです。

重要なのは、

「所有戸数を減らしたくない」だけで赤字物件を持ち続けないこと。

です。


▪️物件を売る前に出口まで計算する


売却するときも、

売却価格だけで判断しません。

残債。

売却諸費用。

税金。

手残り。

売却後の家賃減少。

財務改善効果。

まで確認します。

不動産投資では、

買う力。

運営する力。

だけでなく、

売る力

も重要です。


▪️不動産投資を拡大するなら財務と物件選びをセットで考える


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

次の物件を購入するときは、

利回り。

価格。

立地。

だけではなく、

購入後の借入残高。

手元資金。

年間返済額。

純資産。

も確認することが重要です。

物件を増やすほど財務状態も強くなる。

そんな投資を積み重ねられるのが理想です。

不動産投資について情報収集する場合は、物件だけでなく融資・収支・出口まで含めて比較してみましょう。

▶ 不動産投資について詳しく確認する


▪️債務超過を改善する方法③ 経費構造を見直す


不動産賃貸業には、

管理費。

清掃費。

保険料。

共用部電気代。

広告費。

税理士費用。

通信費。

修繕費。

その他の経費。

など、さまざまな支出があります。

もちろん、必要な経費まで削る必要はありません。

しかし、

毎年同じ契約を見直していない。

使っていないサービスを払い続けている。

保険内容が現在の物件状況に合っていない。

管理費用が割高になっている。

というケースもあります。

例えば年間20万円の固定費を削減できれば、

5年間で100万円です。

不動産投資では大きな売却益や高利回りばかりに目が向きがちですが、

毎年残る利益を少しずつ増やすことも純資産改善につながります。


▪️債務超過を改善する方法④ 借入条件を見直す

借入金についても、

残高。

金利。

残存期間。

毎月返済額。

担保。

保証。

を一覧化しておきましょう。

複数の金融機関から融資を受けていると、

毎月返済できているから問題ない。

と思ってしまいがちです。

しかし、

金利が高い。

返済期間が短い。

元本返済が重い。

という借入があれば、キャッシュフローを圧迫している可能性があります。

場合によっては、

借換え。

返済条件の見直し。

新たな金融機関への相談。

などを検討する余地があります。

ただし借換えには、

手数料。

抵当権関係費用。

その他の諸費用。

が発生することもあります。

金利だけでなく、総返済額とキャッシュフローまで比較して判断することが重要です。


▪️債務超過を改善する方法⑤ 低収益物件を売却する


不動産投資では、

物件を増やすこと。

だけが成長ではありません。

場合によっては、

売却によって法人全体を強くする

という選択肢があります。

例えば、

空室が多い。

修繕費が大きい。

今後の需要が弱い。

借入残高が大きい。

手元にほとんど利益が残らない。

こうした物件を所有している場合です。

売却によって、

借入金を返済する。

現預金を増やす。

赤字物件を整理する。

管理負担を減らす。

ことができれば、法人全体の財務状態が改善する可能性があります。

つまり、

1棟減った=後退

とは限りません。

次の融資につながる強いBSを作るために、売却が有効なケースもあります。


▪️売却するときは「売却価格」より手残りを見る


例えば、

売却価格2,000万円。

残債1,500万円。

売却諸費用100万円。

税金などの負担も発生。

という場合、

2,000万円がそのまま会社に残るわけではありません。

確認したいのは、

売却価格。

残債。

諸費用。

税金。

最終手残り。

そして売却後の家賃収入減少です。

売却によって、

借入が減る。

現金が増える。

純資産が改善する。

一方で、

年間家賃収入も減る。

ということがあります。

BSとPLの両方で売却効果を見ることが重要です。


▪️売却前に「なぜその物件を持っているのか」を考える


不動産投資を続けていると、

最初に買ったから。

思い入れがあるから。

満室になったことがあるから。

という理由だけで物件を持ち続けることがあります。

しかし法人全体で見るなら、

現在いくらの利益を生んでいるのか。

今後大規模修繕はないか。

残債はいくらか。

現在いくらで売れるのか。

売却後の資金をもっと収益性の高い物件へ回せないか。

まで考える必要があります。

不動産投資では、

買う判断と同じくらい、持ち続ける判断も重要です。


▪️債務超過を改善する方法⑥ 増資を検討する


法人の財務改善策として、

増資。

という方法もあります。

資本金を増やすことで、純資産を増やす方向に働く場合があります。

ただし、

「債務超過だからとりあえず増資」

と単純に考えるのはおすすめできません。

増資しても、

本業が毎年赤字。

物件収益が悪い。

空室が多い。

修繕費が大きい。

という状態が続けば、再び財務状態が悪化する可能性があります。

まず、

なぜ債務超過になったのか

を把握することが先です。

そのうえで必要に応じて、税理士などの専門家へ相談しましょう。


▪️役員借入金は純資産と同じではない


不動産法人では、

代表者個人から法人へお金を貸す。

という形で資金を入れることがあります。

この場合、法人側では役員借入金などとして負債計上されることがあります。

つまり、

法人の現預金は増える。

でも負債も増える。

ということです。

そのため、

会社へお金を入れた=純資産が増えた

とは限りません。

一方、増資など別の方法では会計上の扱いが異なります。

資金を会社へ入れるときは、

現金が必要なのか。

純資産を改善したいのか。

将来的に返済したいのか。

によって方法が変わります。

ここは税務・会計・会社法も絡むため、自己判断せず専門家へ確認しましょう。


▪️銀行へは「数字」だけでなく改善計画を説明する


もし決算書が債務超過になっていた場合、

金融機関へ、

「債務超過です」

だけを伝えるのでは不十分です。

重要なのは、

なぜ債務超過になったのか。

現在どの物件が利益を出しているのか。

赤字物件はあるのか。

今期はいくら利益が見込めるのか。

空室改善は進んでいるのか。

売却予定はあるのか。

今後借入金はどの程度減るのか。

などを説明できることです。

例えば、

「前期は大規模修繕によって一時的に利益が減りましたが、今期は満室化し、年間家賃収入も改善しています」

と説明する。

あるいは、

「低収益物件を売却し、借入金を圧縮する予定です」

と説明する。

金融機関が見たいのは、

現在の数字だけではなく、経営者が問題を把握し改善できるか

という部分でもあります。


▪️自分のBSを説明できるようにする


税理士に、

「決算書を作ってもらっています」

で終わらせないことも重要です。

少なくとも、

総資産。

借入残高。

現預金。

純資産。

年間利益。

主要物件の収益。

くらいは自分で把握しておきたいところです。

金融機関から、

「純資産が減っていますね」

と言われたときに、

「税理士に聞かないと分かりません」

ではなく、

「前期に大規模修繕を行った影響です。今期は修繕がなく、家賃収入も増えているため改善を見込んでいます」

と説明できる。

この違いは大きいです。


▪️決算前に確認したいBSチェック項目


決算が近づいたら、一度自社の貸借対照表を確認してみましょう。

特に見たいのは、

・現預金はいくらあるか

・借入金残高はいくらか

・純資産はいくらか

・前年より純資産は増えたか

・短期借入金が増えていないか

・役員借入金はいくらあるか

・物件簿価はいくらか

・今後大規模修繕予定はないか

・売却予定物件はないか

・空室によって利益が落ちていないか

・次の物件を買っても手元資金が残るか

こうした数字を毎年比較すると、

会社が強くなっているのか、弱くなっているのか

が見えやすくなります。


▪️やってはいけない財務改善① 銀行に良く見せるためだけに数字を動かす


これは避けましょう。

融資を受けたいから、

経費を別の科目へ入れる。

本来必要な会計処理を変える。

実態と異なる数字を作る。

といったことをしてはいけません。

決算書は、

銀行に見せるためだけの資料ではありません。

税務申告。

経営判断。

株主。

金融機関。

さまざまな場面で使う重要な資料です。

適切な会計・税務処理をしたうえで、経営そのものを改善する。

これが基本です。


▪️やってはいけない財務改善② 債務超過だから物件を全部売る


債務超過だから、

全部売る。

というのも極端です。

所有物件の中には、

高収益。

満室。

今後も需要が見込める。

残債が少ない。

という優良物件があるかもしれません。

逆に、

利益が少ない。

修繕費が大きい。

今後の需要が弱い。

という物件もあります。

法人全体を改善するなら、

どの物件を残し、どの物件を整理するのか

を考えます。


▪️やってはいけない財務改善③ 次の融資だけを目的にする


債務超過を解消したい。

なぜ?

「次の物件を買いたいから」

だけでは危険です。

財務改善の本来の目的は、

会社の安全性を高める。

不測の事態へ備える。

安定した利益を出す。

手元資金を増やす。

長期的に事業を続ける。

ということです。

結果として、

金融機関から評価されやすくなり、次の融資につながる。

この順番で考えた方が健全です。


▪️資産形成は「借金を増やすこと」と同じではない


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

不動産投資では融資を活用することで資産を大きくできる可能性があります。

一方で、

総資産。

借入金。

純資産。

現預金。

を分けて考えることが重要です。

1億円の不動産を持っているから、

純資産1億円。

とは限りません。

借入残高が9,000万円なら、その差は大きく変わります。

不動産だけでなく、現預金やその他の資産も含めて資産形成全体を考えてみましょう。


▶ 資産形成について詳しく確認する


▪️次の融資を受けたいなら「買わない判断」も重要


良い物件が出た。

利回りも高い。

今なら融資も出そう。

そんなときこそ、一度BSを見てみましょう。

今回の購入によって、

借入はいくら増えるのか。

現預金はいくら減るのか。

年間返済はいくら増えるのか。

修繕費はいくら必要か。

法人全体の純資産はどうなるのか。

ここまで確認します。

場合によっては、

今は買わず、1年間利益を積み上げる。

という判断が次の大きな融資につながることもあります。

不動産投資では、

買える物件を全部買う。

ことが最適とは限りません。


▪️前記事と次記事を合わせて読むと決算書が分かりやすい


今回の債務超過だけを見ると、

「借金を減らせばいい」

と思うかもしれません。

しかし実際には、

利益。

現預金。

減価償却。

物件評価。

修繕。

キャッシュフロー。

などがすべて関係します。

まず決算書全体を確認するならこちら。

不動産投資で融資が続く決算書とは?銀行が見るポイントと財務改善の考え方を徹底解説

そして次に深掘りしたいのが減価償却です。

不動産投資の減価償却で融資が不利になる?節税と銀行評価を両立する考え方を徹底解説

BS。

PL。

減価償却。

をつなげて理解すると、不動産投資の決算書がかなり見やすくなります。


▪️よくある質問


Q. 債務超過なら不動産融資は絶対に受けられませんか?

絶対とはいえません。

金融機関によって審査基準は異なり、現預金、所有不動産、収益力、代表者属性、返済実績なども含めて判断される場合があります。

ただし、財務状態を確認するうえで重要なポイントになるため、原因と改善策は把握しておきましょう。


Q. 不動産をたくさん持っていれば債務超過ではありませんか?

所有物件数だけでは判断できません。

資産より負債が大きければ、所有物件が多くても債務超過になる可能性があります。


Q. 借入金を減らせば純資産は増えますか?

借入金返済だけで単純に純資産が増えるわけではありません。

返済では現預金も減少します。

利益の積み上げや資本の状況なども含めて考える必要があります。


Q. 減価償却で債務超過になることはありますか?

減価償却費は利益と建物簿価に影響するため、財務状態に関係します。

ただし税務上適切な処理が前提です。

次の記事で詳しく解説します。

不動産投資の減価償却で融資が不利になる?節税と銀行評価を両立する考え方を徹底解説


Q. 債務超過を改善する一番良い方法は?

法人ごとに状況は違いますが、基本は本業で利益を積み上げることです。

空室改善、経費見直し、借入条件、物件売却なども含めて法人全体で考えましょう。


Q. 役員が会社へお金を入れれば債務超過は解消できますか?

資金の入れ方によって会計処理は異なります。

役員借入金として処理されれば負債となるため、単純に純資産が増えるわけではありません。

増資なども含め、税理士など専門家へ確認してください。


▪️まとめ|物件を増やすほど「BSが強くなる投資」を目指す


不動産投資では、

戸数。

家賃収入。

総資産。

が増えると、経営が成長しているように見えます。

しかし融資を活用して規模を拡大するなら、

純資産

も確認する必要があります。

物件を増やした。

でも、

借入金も急増した。

現預金がなくなった。

毎年赤字。

純資産も減っている。

これでは、所有戸数が増えても会社が強くなっているとは限りません。

反対に、

毎年利益を残す。

現金を積み上げる。

借入を返済する。

空室を減らす。

低収益物件を整理する。

適切な物件を購入する。

こうした経営を続けることで、法人の財務状態は少しずつ強くなっていきます。

大切なのは、

「融資が出るから買う」ではなく、「買ったあとも次の融資につながるか」を考えること。

です。

そして債務超過になっていたとしても、

それだけで終わりではありません。

なぜそうなったのか。

どの物件が利益を生んでいるのか。

何を改善すれば純資産が増えるのか。

を一つずつ確認します。

不動産投資で長く規模を拡大していくなら、

物件を増やすほどBSも強くなる。

そんな経営を目指しましょう。

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「不動産を1億円分持っています」 と聞くと、 「資産1億円の人なんだ」 と思うかもしれません。 しかし、その物件を買うために1億2,000万円のローンが残っていたらどうでしょうか。 反対に、 物件価値1億円。 ローン残高3,000万円。 なら、同じ「1億円の物件を持っている人」でも状態は大きく違います。 不動産投資では、 何億円の物件を持っているか だけでは、資産形成がどこまで進んでいるのか分かり

 
 
賃貸管理会社を契約前に見極めるには?管理物件・募集図面・報告体制の確認方法

不動産投資で管理会社を探している。 何社か問い合わせて、 管理料。 入居率。 管理戸数。 募集方法。 などを聞いた。 候補は2〜3社まで絞れた。 それでも最後に、 「結局どこへ任せればいい?」 と迷うことがあります。 A社は大手。 B社は地場。 C社は管理専門。 どの会社もホームページを見ると、 「高い入居率」 「迅速な対応」 「オーナー目線」 と書かれている。 説明を聞いても、どこも良さそうに感

 
 
管理会社の入居率98%・99%は高い?契約前に確認したい空室実績の見方

不動産投資で管理会社を探している。 ホームページを見ると、 「入居率98%」 「入居率99%以上」 「高稼働を維持」 という実績が掲載されている。 大家としては、 「99%ならほとんど空室ないやん」 「この会社に任せればすぐ決まりそう」 と思うでしょう。 確かに入居率は、管理会社を比較するときの重要な数字の一つです。 しかし、 入居率99%だから、自分の物件も99%で運営できる とは限りません。

 
 
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