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相続した実家を売ったら手元にいくら残る?売却価格・費用・税金から手取りを計算する順番

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月19日
  • 読了時間: 11分

親から相続した実家について、

「2,000万円で売れたら、結局いくら残る?」

「税金を引いたら半分くらいになる?」

「査定価格が高ければ手取りも多い?」

と気になることがあります。

実家を売ったときの手取りは、

売却価格だけでは分かりません。

確認するのは、

・実際の売却価格

・売却時に支払う費用

・親から引き継ぐ取得費

・譲渡所得に対する税金

・住宅ローンなどの残債

・共有名義なら各人への分配

です。

特に相続不動産では、

相続税評価額=取得費

ではないため、税金計算を大きく勘違いすることがあります。

この記事では、

売却価格 → 支出 → 税金 → 最終手取り

の順番で整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️最初に「査定価格・売却価格・手取り」を分ける



実家の価格には、いくつかの数字があります。

・査定価格

・売出価格

・実際の成約価格

・最終的な手取り

は同じではありません。

たとえば、不動産会社から2,000万円の査定が出ても、必ず2,000万円で売れるわけではありません。

さらに2,000万円で実際に売れても、

仲介手数料。

登記。

測量。

片付け。

税金。

などがあれば、その分だけ手元に残る金額は減ります。

まず**「いくらで売れそうか」と「いくら残りそうか」を別々に見る**ことが重要です。

親の家にある価格の違いはこちら。

現在の査定価格を確認したい場合はこちら。


▪️手取りは4段階で考える



相続した実家の手取りは、大きく4段階に分けると整理しやすくなります。

①売却代金

実際に買主から受け取る金額です。

②売却時の支出

・仲介手数料

・登記費用

・測量

・片付け

・解体

などです。

③税金

売却によって譲渡益が出た場合に確認します。

④残債や精算

住宅ローンなどが残っている場合は、その返済も確認します。

最後に残った金額が、実際の手取りを考える基準になります。


▪️まず売却時に現金で出ていく費用を出す



実家の売却では、物件によって必要な費用が違います。

主なものは、

・仲介手数料

・印紙税

・登記関係費

・測量費

・家財処分費

・解体費

などです。

重要なのは、

すべての物件で全部発生するわけではない

ことです。

境界が明確なら測量が不要な場合があります。

古家付きで売るなら解体しない場合もあります。

荷物を残したまま対応できる売却方法もあります。

売却費用の詳しい内訳はこちら。


▪️「実際に払う費用」と「税金計算で引ける費用」は違う



手取りを計算するときに混乱しやすい部分です。

たとえば100万円を支払ったとしても、その100万円すべてを譲渡所得の計算で差し引けるとは限りません。

税務上の譲渡費用として代表的なのは、

・仲介手数料

・売主負担の印紙税

・売却のため直接必要な測量費

・一定の場合の建物取壊し費用

などです。

一方、

・通常の修繕

・固定資産税

・日常的な維持管理

などは、原則として譲渡費用とは別に考えます。

だから手取り計算では、

現金として出ていく金額

と、

税金計算上差し引ける金額

を分けます。


▪️税金は「売却価格」にそのまま掛かるわけではない



土地・建物の譲渡所得は、基本的に、

売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除

から計算します。

たとえば2,000万円で売却しても、

2,000万円全体に20%や40%近い税率を掛けるわけではありません。

まず売却によって利益がいくら出たのかを計算します。

そのため、手取りに大きく影響するのが取得費です。


▪️相続した実家の取得費は相続税評価額ではない



ここは相続不動産で非常に重要です。

親から相続した実家の場合、原則として、

親がその土地・建物を取得したときの購入代金や購入手数料など

を基に取得費を計算します。

たとえば、

相続税評価額1,500万円。

だから取得費1,500万円。

とは限りません。

さらに建物については、購入代金や建築費から減価償却費相当額を差し引いて取得費を計算します。

土地と建物を分けて確認します。


▪️親の購入資料があるかで手取り予測が変わる



古い実家では、

「親がいくらで買ったか分からない」

ということがあります。

まず探したいのは、

・売買契約書

・領収書

・建築請負契約書

・購入時の精算書

・増改築に関する資料

などです。

取得費が分からない場合などには、売却金額の5%相当額を概算取得費として使える制度があります。

たとえば2,000万円で売却した場合、5%なら100万円です。

実際の取得費がもっと高かった場合、資料が見つかるかどうかで譲渡所得の計算結果が大きく変わる可能性があります。

売却契約の前から親の古い書類を探しておく意味があります。


▪️相続した時期ではなく親の取得時期を引き継ぐ



譲渡所得の税率は、土地・建物の所有期間によって区分が変わります。

売却した年の1月1日時点で、

・所有期間5年超 → 長期譲渡所得

・所有期間5年以下 → 短期譲渡所得

です。

相続した不動産では、基本的に親など被相続人の取得時期を引き継ぎます。

そのため、

「去年相続したから短期譲渡」

と単純にはなりません。

親が長期間所有していた実家なら、その取得時期から判定します。


▪️2026年に売るなら長期と短期で税率が大きく違う



2026年時点の基本的な税率は、

長期譲渡所得

・所得税15%

・住民税5%

に加えて復興特別所得税があります。

合計すると実質約**20.315%**です。

短期譲渡所得

・所得税30%

・住民税9%

に加えて復興特別所得税があります。

合計すると実質約**39.63%**です。

ただし、この税率を掛けるのは売却価格ではなく、取得費や譲渡費用、特別控除を差し引いた課税譲渡所得です。


▪️単純化した例で手取りを計算してみる



たとえば、かなり単純化して次の条件とします。

・実家の売却価格 2,000万円

・実際に支払う売却関連費用 120万円

・税務上の譲渡費用 80万円

・取得費 1,500万円

・長期譲渡所得

・特別控除なし

とします。

まず課税対象を単純計算すると、

2,000万円-1,500万円-80万円=420万円

です。

420万円に長期譲渡所得の税率を当てはめると、所得税・復興特別所得税・住民税の合計は約85万円になります。

この例で実際の手取りを単純化すると、

2,000万円-120万円-約85万円=約1,795万円

です。

つまり、

売却価格2,000万円。

税務上の利益420万円。

手取り約1,795万円。

は、それぞれ別の数字です。

実際には物件条件や特例、その他の精算によって変わります。


▪️取得費が分からないケースは同じ2,000万円でも大きく変わる



先ほどと同じ2,000万円の売却でも、取得費が確認できない場合を考えます。

概算取得費として5%を使うなら、

・売却価格 2,000万円

・概算取得費 100万円

となります。

取得費1,500万円を確認できるケースと比べると、課税対象となる利益は大きく変わります。

もちろん実際には、

・建物の減価償却

・譲渡費用

・特別控除

・取得費加算

などを含めて計算します。

ここで伝えたいのは、

「いくらで売るか」だけでなく「取得費をいくら確認できるか」も手取りに影響する

ということです。


▪️空き家3,000万円特別控除が使えるか確認する



一定の条件を満たす相続空き家では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

2024年以降の譲渡で相続人が3人以上など一定の場合には、控除上限が1人2,000万円になるケースもあります。

また、

・建物の建築時期

・相続直前の居住状態

・売却期限

・売却価格

などの条件があります。

手取りを計算するときは、

特例を使わない場合の税額だけで判断しない

ことが重要です。

空き家3,000万円控除と取得費加算の違いはこちら。


▪️相続税を払った人は取得費加算も確認する



相続税を実際に負担した人が、相続した不動産を一定期間内に売却した場合、相続税額の一部を取得費へ加算できる特例があります。

取得費が増えれば、譲渡所得が小さくなる可能性があります。

ただし、

・相続税が課税されている

・一定期間内に売却する

など条件があります。

また、空き家3,000万円特別控除との組み合わせにも制限があります。

税額が大きくなりそうな場合は、売却契約前後に税理士等へ確認します。

相続全体について専門家へ相談したい場合はこちら。


▪️住宅ローンなどの残債も手取りから分けて見る



相続した実家に住宅ローンなどの債務が残っている場合は、その状態も確認します。

売却価格が2,000万円でも、

残債が500万円。

残債が0円。

では、売却後に自由に使える金額が違います。

確認するのは、

・債務が残っているか

・抵当権が残っているか

・相続時に債務がどう処理されているか

です。

税金計算の取得費と、ローン残高は別の数字です。

親が1,500万円で買ったから残債1,500万円

という関係でもありません。


▪️共有名義なら「物件全体の手取り」と「自分の手取り」は別



兄弟3人で共有している実家なら、まず不動産全体の売却代金と費用を確認します。

その後、

・各人の持分

・実際の費用負担

・売却代金の精算

・各人にかかる税金

を確認します。

たとえば物件全体で1,800万円残っても、

3人とも必ず600万円ずつで完了するとは限りません。

取得状況や税務上の扱いは各人ごとに確認が必要です。

実家全体の手取りと、自分個人の手取りを分けます。


▪️固定資産税の精算金も売買代金と別に確認する



不動産売買では、固定資産税や都市計画税について買主と日割り精算することがあります。

実務上は、

売主が年間分を納税し、

引渡日以降相当分を買主から受け取る。

という形が使われることがあります。

ただし税務上、買主から受け取った未経過固定資産税等の精算金は、譲渡所得の収入金額に含めて扱います。

単なる「税金の返金」とだけ考えないようにします。


▪️売却価格が高い会社ほど手取りが多いとは限らない



査定を3社へ依頼して、

A社 2,000万円。

B社 2,300万円。

C社 2,500万円。

と提示されたとします。

このとき、

C社が最も高く売れると確定したわけではありません。

確認したいのは、

・査定根拠

・近隣成約事例

・想定する買主

・売却期間

・必要な工事

・最終的な成約可能性

です。

高い査定額を出しても、売れずに何度も価格を下げる場合があります。

手取り計算の最初に置く数字だからこそ、査定根拠を確認します。


▪️手取りを増やすために先に工事するとは限らない



手元に多く残したいからと、

・300万円リフォーム

・100万円片付け

・200万円解体

を先に実施すると、その費用を売却価格で回収できるとは限りません。

比較するのは、

現状で売る場合

と、

費用をかけて売る場合

です。

たとえば、

現状1,500万円。

300万円工事後1,650万円。

なら、売却価格は150万円上がっても支出は300万円です。

もちろん実際の価格は物件ごとに違います。

重要なのは、売却価格の上昇額ではなく手取りの増減を見ることです。


▪️手取りは7つの数字を並べれば見えてくる



実家を売ったらいくら残るか知りたい場合は、次の順番で確認します。

①想定売却価格

現在の査定価格を確認します。

②実際の売却費用

・仲介

・登記

・測量

・片付け

・解体

などを確認します。

③取得費

親の購入資料を探します。

④譲渡費用

税金計算で差し引ける費用を整理します。

⑤特例

・空き家3,000万円特別控除

・取得費加算

などを確認します。

⑥税金

長期・短期などを確認して計算します。

⑦残債・分配

・ローン等

・共有者への分配

まで確認します。

この7つが揃えば、査定価格だけを見るより実際の出口がかなり具体的になります。


▪️よくある質問



Q. 2,000万円で売れたら手取りはいくらですか?

物件ごとに違います。取得費、売却費用、税金、特例、残債などを確認して計算します。


Q. 相続税評価額を取得費にできますか?

原則として相続税評価額をそのまま取得費にするのではなく、被相続人が取得したときの購入代金等を基に確認します。


Q. 去年相続した家を売ると短期譲渡になりますか?

相続の場合は原則として被相続人の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。


Q. 売却で赤字なら譲渡所得税はかかりませんか?

基本的には譲渡益に対して計算しますが、取得費・譲渡費用・特例の扱いを正確に確認する必要があります。


Q. 売るか決める前でも手取りを計算できますか?

概算できます。査定価格、想定費用、取得資料を整理すれば売却前の比較材料になります。


▪️まとめ|見るべき数字は「いくらで売れるか」より「いくら残るか」



相続した実家を売るとき、

査定価格2,000万円。

という数字だけでは、最終的な判断はできません。

確認するのは、

・実際の売却価格

・売却費用

・親から引き継ぐ取得費

・譲渡費用

・税制特例

・譲渡所得税

・残債

です。

共有名義なら、さらに各人への分配も確認します。

特に重要なのは、

売却価格と課税される利益を混同しないこと。

そして、

実際に払う費用と税務上差し引ける費用を混同しないこと。

です。

まず査定価格を知る。

親の取得資料を探す。

必要な売却費用を出す。

使える特例を確認する。

最後に税金と残債を差し引く。

この順番なら、

「2,000万円で売れたから2,000万円入る」

「税金で40%取られるから1,200万円しか残らない」

という単純計算を避けられます。

相続した実家では、

売却価格ではなく最終手取りまで見て出口を決める。

これが、売る・残す・価格交渉を判断するときの基準になります。


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