農地転用できないと言われたらどうする?青地・第1種農地の確認順と5つの出口
- MIRAIU

- 3月5日
- 読了時間: 13分
更新日:3 日前
親から相続した田んぼや畑を売ろうとして、
「この農地は転用できません」
「青地なので宅地にはできません」
と言われることがあります。
すると、
「もう売れないのでは?」
「一生草刈りを続けるしかない?」
「子どもにもこの土地を残すことになる?」
と不安になるでしょう。
しかし、農地転用できないことと、その農地を手放せないことは同じではありません。
住宅や駐車場へ変えにくい農地でも、農地として売る、貸す、農地バンクを利用するなど別の出口があります。
また、「転用できない」と言われた土地でも、実際には何の制度によって難しいのかを確認すると状況が分かれることがあります。
この記事では、
農地転用できないと言われた後に、何をどの順番で確認すればよいのか
に絞って整理します。
農地を貸す・売る・転用する・国庫帰属まで、出口全体から先に確認したい場合はこちらをご覧ください。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
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▪️結論|「転用できない」ではなく、何が原因なのか確認する
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農地転用が難しいと言われたら、最初に確認したいのは理由です。
大きく分けると、
・農振農用地区域、いわゆる青地に入っている
・第1種農地など転用が強く制限される農地区分になっている
・予定している転用目的では許可基準を満たしにくい
・都市計画や接道など農地法以外の条件に問題がある
・転用計画そのものの具体性や実現性が不足している
といったケースがあります。
つまり、
「転用できない農地」という一種類の土地があるわけではありません。
何が壁になっているかによって、次の行動が変わります。
そして重要なのは、
転用できない
↓
売れない
↓
一生管理する
と一気に結論を出さないことです。
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▪️① まず「青地だから無理」と言われたのか確認する
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農地転用の相談でよく出てくるのが「青地」という言葉です。
一般に青地と呼ばれているのは、農業振興地域制度の農用地区域に入っている土地です。
農用地区域は、将来にわたって農業利用を確保するための区域なので、農業以外への転用は強く制限されています。
例えば、
住宅。
月極駐車場。
資材置場。
店舗。
などへ自由に変更することはできません。
ただし、ここで注意したいのが、
青地=土地そのものを売れない
ではないことです。
農地として利用する人へ売却する方法は検討できます。
また、農業以外へ利用する具体的な必要性があり、一定の要件をすべて満たす場合には、農用地区域から外す「農振除外」を検討することがあります。
詳しくはこちらで整理しています。
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▪️② 農振除外できれば、そのまま転用できるわけではない
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ここも農地転用で特に間違えやすい部分です。
青地について農振除外が認められたとしても、
その時点で住宅や駐車場へ自由に変更できるわけではありません。
農振除外は、
農用地区域から外す手続き。
農地転用は、
農地を農業以外の用途へ変更できるかを判断する手続き。
だからです。
基本的には、
農振農用地区域に入っている
↓
必要なら農振除外を検討する
↓
除外後に農地法上の転用可否を確認する
という別々の段階があります。
さらに現在の農振除外では、地域計画への影響や、周辺農地への影響、農地利用の集積、土地改良施設など複数の条件が確認されます。
そのため、
「使っていないから外してほしい」
「売却価格を高くしたいから宅地にしたい」
という所有者側の都合だけで除外できる制度ではありません。
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▪️③ 「青地・白地」と「第1種・第2種・第3種農地」は別の分類
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農地について調べると、
青地。
白地。
第1種農地。
第2種農地。
第3種農地。
という言葉が出てきます。
これを一つのランキングのように考えると混乱します。
青地・白地は、主に農業振興地域制度上の位置を整理するときに使われる呼び方です。
一方、第1種・第2種・第3種などは、農地転用許可を判断する農地区分です。
例えば、第1種農地は優良農地として原則転用不許可ですが、例外的に認められる用途もあります。
第2種農地は、他に適当な土地がない場合などに転用が認められる考え方があります。
第3種農地は、市街地内などにある農地で、転用について原則許可とされる区分です。
ただし、
第3種農地=何を建ててもよい
という意味ではありません。
転用計画の実現性、他法令の許可、周辺農地への影響などは別に確認されます。
相続した農地について、そもそも青地・白地・農地区分が分からない場合はこちらから確認すると整理しやすくなります。
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▪️④ 「農地転用できる」と「家を建てられる」も別問題
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農地転用だけを確認して安心するのも早いです。
例えば田んぼを住宅敷地にしたい場合、
農地法上、農地転用できるのか。
都市計画上、その場所に住宅を建てられるのか。
建築基準法上、道路へ適切に接しているのか。
上下水道を引き込めるのか。
造成や排水が現実的なのか。
などを別々に確認します。
特に市街化調整区域では、
農地転用の可能性と、都市計画法上の建築可能性を同時に確認する
ことが重要です。
農地転用だけ許可されても、予定していた住宅を建築できなければ買主の目的は実現しません。
反対に、都市計画上の建築可能性があっても、農地転用できなければ農地へそのまま住宅を建てることはできません。
市街化調整区域の住宅建築はこちらで詳しく整理しています。
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▪️転用できないなら「農地のまま売る」を先に考える
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ここからが重要です。
住宅や駐車場へ転用できない農地でも、
農地として利用する相手へ売却する方法
があります。
農地を農地のまま売却する場合は、農地法上の許可などが関係するため、普通の宅地と同じように誰へでも自由に売却できるわけではありません。
しかし、
「昔から農家をしている人しか絶対に買えない」
という説明でもありません。
2023年4月には、農地取得に関する下限面積要件も廃止されています。
現在は、買主が農地を適切に利用できるかなど、農地法上の要件を確認して判断されます。
そのため買主候補としては、
近隣農家。
地域で規模拡大している農業者。
農業法人。
新たに農業を始める人。
などを考えます。
特に、隣接する農地と一体利用しやすい田畑なら、住宅用地としての価値が低くても、農業利用上の価値がある場合があります。
宅地価格にならない=価値がない農地
ではありません。
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▪️不動産会社に断られても「農地が売れない」とは限らない
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農地を地元の不動産会社へ持ち込むと、
「農地は扱っていません」
と断られることがあります。
しかし、その会社が農地取引を扱っていないだけなのか、本当に農地として需要がないのかは分けて考えます。
例えば、
周辺農家へ確認する。
農業委員会へ相談する。
農地取引を扱う不動産会社を探す。
地域の農業法人を確認する。
という方法があります。
つまり、
一般の不動産会社1社に断られた=農地としての出口がない
ではありません。
詳しい進め方はこちらで整理しています。
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〖PR〗転用可能性が残る土地や、一般の土地として査定対象になる可能性がある農地では、現在の売却価格を確認してから転用費用をかけるか判断する方法があります。
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▪️売れないなら農地バンクで「貸す」出口を確認する
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売却先が見つからない農地では、貸す方法もあります。
現在の農地政策では、農地を地域の担い手へ集積・集約する仕組みとして農地バンクが重要な役割を持っています。
農地バンクへ相談すると、
地域計画。
周辺の担い手。
農地の利用需要。
などを踏まえて、貸付の可能性を確認できます。
ただし、
農地バンクへ相談すれば必ず借りてもらえる
わけではありません。
道路から農業機械が入れない。
小さく形が悪い。
水利条件が悪い。
周囲の耕作者がすでに農地を十分持っている。
といった土地では借り手が見つからないこともあります。
それでも、転用できないからいきなり処分を考えるより、
まず農地として次に使う人がいるか
を確認する価値があります。
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▪️「転用不可だから草刈りを一生続ける」でもない
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旧記事では、
農地転用できない
↓
売れない
↓
死ぬまで草刈り
という強い説明をしていました。
ここは修正します。
もちろん、所有している間は周辺農地へ影響が出ないよう管理が必要になる場合があります。
使っていない田畑でも、
畦畔の草。
道路側の雑草。
水路周辺。
隣接農地との境界。
などの管理負担が続くことがあります。
しかし、今後の出口が決まっていない段階で、
「あと何十年も自分で草を刈るしかない」
と決める必要はありません。
売却。
貸付。
農地バンク。
相続土地国庫帰属制度。
などを順番に確認します。
出口が決まるまでの間だけ草刈りを業者へ任せるという選択もできます。
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▪️相続した農地なら国庫帰属も最後の出口になる
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農地として貸せない。
農地として買ってくれる人もいない。
転用も難しい。
自分や家族も今後利用しない。
ここまで確認した農地なら、相続土地国庫帰属制度も比較できます。
相続などによって取得した土地について、一定の条件を満たせば所有権を国へ移すことができる制度です。
田んぼや畑も対象になり得ます。
ただし、
「売れない農地なら国が無料で引き取ってくれる」
制度ではありません。
土地の状態について審査があり、申請時の審査手数料や、承認後の負担金も必要です。
また、境界や権利関係など土地の状態によって利用できない場合があります。
だから国庫帰属は、
転用できないと分かった直後に選ぶ方法ではなく、農地としての売却・貸付まで確認した後に比較する出口
と考えた方が整理しやすくなります。
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▪️転用できない農地で「先にやらない方がいいこと」
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農地を早く手放したいと思うと、先に費用をかけたくなります。
しかし出口が決まる前に、
大規模な造成。
大量の土入れ。
砕石舗装。
樹木の全面撤去。
高額な測量や整備。
まで進める必要があるとは限りません。
特に注意したいのが、許可・届出を確認せず、先に駐車場や資材置場として使い始めることです。
農地を農業以外に利用する場合には、農地法上の手続きが必要になることがあります。
「どうせ使っていない田んぼだから」
と先に砕石を敷いたり、資材を置いたりしない方が安全です。
また、農地として次の耕作者へ渡すなら、現在の畦や農業利用に必要な状態を残した方がよいケースもあります。
だから、
出口を確認する前に土地の姿を変えない。
これが重要です。
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▪️農地転用できないと言われた後の5ステップ
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ここまでを実際の確認順にまとめます。
① なぜ転用できないのか確認する
青地なのか、第1種農地なのか、予定用途の問題なのかを確認します。
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② 農振・農地区分・都市計画を分けて調べる
「農地だから無理」という一言で終わらせず、どの制度が関係しているのか整理します。
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③ 農地として売れるか確認する
近隣農家・農業法人・農地取引を扱う不動産会社などへ相談します。
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④ 売れなければ貸付を確認する
農業委員会や農地バンクを通じて、次の利用者がいるか確認します。
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⑤ 相続農地なら国庫帰属まで比較する
売却・貸付・転用のいずれも難しく、今後利用しない場合に検討します。
この順番なら、
「転用できないから価値ゼロ」
「無料でも誰かに渡さなければ」
という極端な判断を避けやすくなります。
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▪️よくある質問|農地転用できない土地
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Q.青地なら絶対に農地転用できませんか?
農用地区域内では農業以外への転用が強く制限されています。
一定の要件を満たして農振除外できる場合がありますが、除外後も農地転用の確認が別に必要です。
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Q.第1種農地なら絶対に転用できませんか?
第1種農地は原則不許可ですが、すべての転用が一律に禁止されているという意味ではありません。
予定用途や例外要件を個別に確認します。
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Q.第3種農地なら必ず住宅を建てられますか?
必ずではありません。
農地転用上は原則許可となる区分ですが、都市計画、接道、開発許可、造成などは別に確認します。
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Q.農地転用できなくても売却できますか?
農地として利用する買主への売却を検討できます。
農地法上の要件を満たす必要があるため、農業委員会などへ確認します。
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Q.農家以外には農地を売れませんか?
「昔から農家をしている人だけ」という一律の制度ではありません。
買主が農地を適切に利用できるかなど、農地法上の要件に基づいて判断されます。
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Q.売れない場合は一生管理し続けるしかありませんか?
そうとは限りません。
農地としての貸付、農地バンク、相続した土地なら国庫帰属など別の出口を確認できます。
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▪️まとめ|転用できない農地にも「農地としての出口」がある
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農地転用できないと言われると、
「この田んぼはもう何にも使えない」
と感じるかもしれません。
しかし、農地転用とは、
農地を農業以外へ変えられるか
を判断する制度です。
農地そのものを売れるか、貸せるかという話とは分けて考えます。
最初に、
青地なのか。
農振除外を検討できるのか。
第1種・第2種・第3種のどこに当たるのか。
都市計画上の別の制限があるのか。
を確認します。
そのうえで転用が難しいなら、
農地として売る。
農地として貸す。
農地バンクで利用者を探す。
相続した土地なら国庫帰属を比較する。
という順番で出口を探します。
転用できない=売れない。
売れない=一生草刈り。
ではありません。
むしろ農地転用が難しいと分かった時点で、
「宅地にする方法」だけを探すのをやめて、農地として次に誰が使えるのかへ判断軸を変えることが重要です。
普通の宅地より出口が限られる農地だからこそ、一つの方法に決めつけず、制度ごとに可能性を切り分けて確認していきましょう。
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