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賃貸に宅配ボックスは必要?設置費用を空室何か月分で考える

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 8月22日
  • 読了時間: 11分

▪️築古アパートに宅配ボックス、本当に必要?

地方アパートの空室対策で、

「宅配ボックスを付けた方がいい」

と提案されることがあります。

ネット通販が日常化し、荷物を対面以外で受け取れる環境は入居者にとって便利です。

国土交通省も再配達削減のため、宅配ボックスや置き配など多様な受取方法の利用を推進しています。

ただし、便利な設備だからといって、すべての賃貸へ付ける必要はありません。

宅配ボックスには本体代や設置工事が必要で、導入後には故障や鍵・暗証番号などの管理も発生します。

だから大家側では、

「人気設備だから付ける」のではなく、今の物件で本当に競争力を上げられるか

を確認してから判断します。

この記事では、地方の築古賃貸を想定し、宅配ボックスの設置費、空室短縮効果、置き配との違い、管理上の注意点まで整理します。

地方アパートの空室対策全体はこちらをご覧ください。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️結論|まず「宅配ボックスがないことで負けているか」を確認する

宅配ボックスを検討するとき、最初に価格を見る必要はありません。

先に確認したいのは、

今の物件に宅配ボックスがないことが、本当に弱点になっているか。

です。

例えば単身向け1Kで、競合5件のうち4件に宅配ボックスがある。

客付け会社からも、

「最近は宅配ボックス付きへ流れることがあります」

と言われている。

こうした状況なら導入を検討する理由があります。

一方で内見者から繰り返し言われているのが、駐車場不足や家賃、室内の古さなら、宅配ボックスの優先順位は下がります。

設備ランキングではなく、自分の物件が何に負けているかを見る。

ここが最初です。

競合物件の調べ方はこちらで詳しく整理しています。


▪️設置費10万円なら、家賃5万円で空室2か月分

ここで一度だけ採算を計算します。

家賃5万円。

宅配ボックスの設置費が10万円だったとします。

10万円 ÷ 5万円 = 2か月。

つまり設置費10万円は、家賃2か月分です。

だから判断するときは、

「10万円もする」

だけではなく、

この設備を何年使い、何回の募集で活用できるか

を考えます。

共同住宅なら、1室だけではなく複数戸の入居者が使えます。

次の空室、その次の空室でも募集設備として残ります。

反対に導入しても問い合わせや申込みにほとんど影響せず、入居者にも使われないなら、回収は難しくなります。

具体的な採算計算はここまでです。

以降は、宅配ボックスが向く物件と導入実務を見ていきます。


▪️国交省も宅配ボックスなど多様な受取方法を推進している

宅配便の受け取り方は変化しています。

国土交通省が2026年に公表した調査では、宅配ボックス・置き配・コンビニ受取などを含む「多様な受取方法」の利用率は約31%でした。

また、再配達率は約7.6%とされています。

国は今後も、多様な受取方法の利用を広げる方針です。

ここで注意したいのは、

31%=自宅宅配ボックスの利用率ではない

ということです。

置き配やコンビニ受取なども含まれます。

だからこの数字を使って、

「宅配ボックスは必須」

とは言えません。

ただ、対面受取以外の方法を求める流れが広がっていることは、設備を検討する背景として参考になります。


▪️単身向け物件では検討しやすいが、必須ではない

宅配ボックスと相性を考えやすいのは、日中不在になりやすい単身世帯です。

仕事や学校で家を空ける時間が長い場合、荷物を受け取るためだけに在宅する必要がないことは便利です。

ただし、

単身=必須。

ファミリー=不要。

という話ではありません。

ファミリーでもネット通販を頻繁に利用する世帯はあります。

逆に単身者でもコンビニ受取や置き配で十分な人もいます。

だから入居者属性だけで決めず、競合と実際の問い合わせ状況を合わせて確認します。


▪️置き配で十分な物件なら優先順位は下がる

宅配ボックスには代替手段があります。

その代表が置き配です。

例えば戸建賃貸で、玄関前に屋根があり、敷地内へ宅配業者が入りやすい。

こうした物件なら、置き配を利用しやすい場合があります。

一方で共同住宅では、共用廊下へ荷物を置きにくいことがあります。

防犯や通行の問題もあります。

この場合、共用宅配ボックスの意味は大きくなる可能性があります。

代替手段が使いやすいかどうかで、設備の優先順位を変える。

これが合理的です。


▪️宅配ボックスより先に直すべき弱点がある場合もある

築古賃貸では、同時に複数の改善候補が出ることがあります。

例えば、

・エアコンが古い

・水回りの清潔感が弱い

・TVモニターホンがない

・クロスの傷みが目立つ

・宅配ボックスがない

この状態で、全部を一度に直す必要はありません。

客付け会社や内見者から、何を繰り返し指摘されているか確認します。

もし室内の古さが申込みを止めているなら、宅配ボックスより室内改善を優先する方が自然です。

反対に室内は十分きれいで、競合との差が共用設備にあるなら宅配ボックスを比較します。

一番新しい設備ではなく、一番大きな弱点へ予算を使う。

ここを外さないことが重要です。

複数の設備工事を比較したい場合はこちらから確認できます。


▪️共同住宅では「ボックス数」と「大きさ」を確認する

宅配ボックスを設置するとき、

「宅配ボックスあり」

という表示だけを目的にしないことです。

実際に使える必要があります。

例えば8戸のアパートへ小型ボックスを1個だけ設置しても、使用中なら次の荷物を入れられません。

また大きな荷物が入らない設備では、利用できる場面が限られます。

だから、

戸数。

入居者層。

設置スペース。

想定する荷物。

を見ながら、必要なボックス数と大きさを考えます。

最初から過剰設備にする必要はありません。

導入後の利用状況を見て増設する方法もあります。


▪️置ける場所より「安全に使える場所」を選ぶ

築古アパートでは、宅配ボックスを置く場所に困ることがあります。

エントランス。

共用廊下。

階段近く。

駐車場まわり。

など候補はありますが、空いている場所ならどこでもいいわけではありません。

通行の邪魔にならないか。

共用部の利用に支障がないか。

雨風の影響を受けにくいか。

固定方法に問題がないか。

を確認します。

屋外型なら、屋外利用に対応した製品かどうかも重要です。

本体価格だけでなく、固定工事や設置工事まで含めて導入条件を確認しましょう。


▪️導入後の「開かない・鍵がない」まで考えておく

宅配ボックスは導入して終わりではありません。

実際に使い始めると、

扉が開かない。

暗証番号が分からない。

鍵を紛失した。

荷物が長期間入ったまま。

といったトラブルが起きる可能性があります。

そこで導入前に、

故障時の問い合わせ先。

鍵や暗証番号の管理方法。

メーカー保証。

管理会社がどこまで対応するか。

を確認します。

特に自主管理なら、大家自身がどこまで対応する必要があるかは重要です。

設備の便利さだけでなく、大家側の管理負担まで含めて選びます。


▪️既存入居者にも使える点は一棟設備のメリット

宅配ボックスは新規募集だけのための設備ではありません。

すでに住んでいる入居者も利用できます。

だから一棟アパートでは、

空室を埋める。

だけでなく、

既存入居者の生活利便性を上げる。

という意味もあります。

もちろん宅配ボックスを付ければ退去率が下がる、と断定はできません。

それでも共用設備として複数世帯が使える点は、一室だけに設置する設備とは違います。

一棟全体へ残る設備かどうか。

これも投資判断の一つです。


▪️設置したら募集広告にも正確に反映する

せっかく宅配ボックスを設置しても、募集情報へ反映されていなければ空室対策として十分に使えません。

競合との差になるなら、設備情報を更新し、必要に応じて写真も掲載します。

ただし、

大型荷物も必ず入る。

何でも24時間受け取れる。

など、実際の仕様以上の表現は避けます。

設備を付けたら、正確に伝える。

駐車場や無料Wi-Fiと同じです。


▪️導入後は問い合わせ・内見・申込みの変化を見る

宅配ボックスを設置した。

募集写真も変更した。

そこで終わりではありません。

導入前と比べて、

問い合わせが増えたのか。

内見が増えたのか。

申込みにつながったのか。

を確認します。

もし何も変わらなければ、さらに宅配ボックスへ投資するのではなく、家賃・初期費用・駐車場・室内など別の原因へ進みます。

逆に反響が改善したなら、次回空室でも設備が一つの強みとして使えます。

設備を付けたことではなく、反響が変わったかを記録する。

これが次の空室対策につながります。

空室期間ごとの見直しはこちらで整理しています。


▪️購入前なら「宅配ボックスあり」だけで評価しない

中古アパートを購入するとき、

宅配ボックスあり。

と書かれていると設備が充実しているように見えます。

しかし実際には、

古くて故障している。

鍵がない。

一部使えない。

今後交換が必要。

という可能性もあります。

逆に現在は宅配ボックスがなくても、競合調査の結果、購入後に導入すれば十分戦える物件かもしれません。

だから購入前は、

設備の有無だけでなく、今後いくら修繕・追加投資が必要かまで確認します。

収益物件を検討するときは、空室・修繕・設備投資まで含めた収支で判断しましょう。


▪️よくある質問|地方賃貸でも宅配ボックスは必要?

必須ではありません。

単身者が多いのか、競合物件にどの程度設置されているのか、置き配などで代替できるのかによって変わります。

まず客付け会社へ、実際に宅配ボックスの有無が比較材料になっているか確認しましょう。

Q. 宅配ボックスを付ければ家賃を上げられる?

必ずではありません。

周辺家賃や競合設備によります。

家賃アップだけではなく、今の家賃を維持しやすくなるか、空室時の弱点を減らせるかも含めて考えます。

Q. 置き配が使えるなら必要ない?

物件によります。

戸建など置き配しやすい物件では優先順位が下がる場合があります。

一方、共用部へ荷物を置きにくいアパートでは宅配ボックスのメリットが大きくなる可能性があります。


▪️まとめ|宅配ボックスは「便利そう」ではなく競合との差で決める

宅配ボックスは、地方の築古賃貸でも募集上の強みになる可能性があります。

ただし、設置すること自体が目的ではありません。

最初に確認するのは、

競合にどの程度設置されているか。

入居希望者から実際に要望があるか。

置き配などで代替できるか。

そして宅配ボックス以外に、もっと大きな弱点がないかです。

家賃5万円、設置費10万円なら、今回の例では空室2か月分。

採算計算はこれだけで十分です。

あとは、共同住宅として複数戸・複数回の募集で使える設備なのかを見ます。

導入するなら、ボックス数や大きさ、設置場所、故障時の管理まで確認します。

設置後は募集広告へ反映し、問い合わせ・内見・申込みの変化も記録します。

もし反響が変わらなければ、次の空室原因へ進みます。

宅配ボックスは、空室を埋める魔法の設備ではありません。

それでも自分の競合にあって、自分の物件だけにない。その差が実際に募集上の弱点になっているなら、長く使える一棟設備として検討する価値があります。

人気設備だから付けるのではなく、付ける理由が数字と現場の両方で説明できるときに導入する。

これが地方賃貸で宅配ボックスを考えるときの基本です。


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