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空室が1か月・2か月・3か月続いたら何を変える?地方大家の見直しタイミング

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 2025年12月6日
  • 読了時間: 14分

更新日:8月22日

▪️空室1か月。そろそろ家賃を下げるべき?

地方アパートを募集して1か月。それでも入居者が決まらないと、「家賃を下げた方がいいのか」「ADを増やすべきか」「リフォームが必要なのか」と不安になってきます。

さらに2か月、3か月と空室が続けば、何か大きく変えなければいけない気もしてきます。

ただし、空室対策で避けたいのが、時間が経つたびに理由もなく条件を一つずつ悪くしていくことです。

1か月目に家賃を下げ、2か月目にADを増やし、3か月目にリフォームする。それでは何が原因だったのか分からないまま、費用だけが増える可能性があります。

家賃5万円の部屋なら、1か月空室で5万円、2か月で10万円、3か月で15万円分の家賃収入を得られないことになります。

だからこそ、1か月・2か月・3か月で確認する場所を変えることが重要です。

この記事では、地方賃貸で空室が続いたとき、いつ何を見直せばいいのかを数字と一緒に整理します。

地方アパートの空室対策全体はこちらをご覧ください。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️結論|1か月・2か月・3か月で見る場所を変える

大きく分けると、空室1か月では募集の入口、2か月では競合と募集条件、3か月では家賃・設備・リフォームを含めて物件そのものを再確認します。

ただし、「1か月なら写真変更」「2か月ならAD」「3か月なら値下げ」と機械的に決めるわけではありません。

物件の立地や間取り、募集時期、問い合わせ状況によって判断は変わります。

今回の1・2・3か月という区切りは、全国共通の制度的な基準ではなく、同じ募集を何か月も放置しないための実務上の確認タイミングとして考えてください。


▪️空室期間より先に「問い合わせ→内見→申込み」を見る

同じ空室1か月でも、状況はまったく違います。

例えばA物件は、1か月間で問い合わせも内見も0件。

一方、B物件は問い合わせ8件、内見4件まで進んでいるものの申込みは0件だったとします。

どちらも「空室1か月」ですが、改善する場所は違います。

A物件は、そもそも検索段階で候補に入っていない可能性があります。

B物件はネット上では候補に入っているものの、実際に現地を見たあとで比較負けしている可能性があります。

だから最初に確認したいのは、問い合わせ件数・内見件数・申込み件数です。

空室が何か月続いたかだけで対策を決めず、どこまで進んで止まっているのかを見る。

内見後に決まらない場合はこちらで詳しく整理しています。


▪️空室1か月|問い合わせがないなら「入口」を直す

募集開始から1か月経っても問い合わせがほとんどない場合、いきなり高額なリフォームへ進む必要はありません。

まず確認したいのは、募集家賃だけでなく、共益費や駐車場を含めた月額負担、初期費用、掲載写真、設備情報、駐車場条件などです。

例えば地方の2DKで、実際には駐車場を2台確保できるのに、募集広告には「駐車場あり」としか書かれていない。

これでは、車2台を持つ世帯へ強みが伝わりません。

写真についても、室内が暗い、水回りがほとんど載っていない、収納や間取りの使い方が分からない状態なら、家賃を下げる前に改善できる余地があります。

1か月目は物件を大きく変えるより、今ある条件を正しく市場へ出せているかを見る。

ここが最初の確認です。


▪️1か月で家賃を下げる前に、競合との総負担を確認する

問い合わせが少ないと、「家賃5万円は高いのでは」と考えたくなります。

そこで競合物件を確認します。

例えば自分の物件が家賃5万円、共益費3,000円、駐車場2台込み。

競合は家賃4万8,000円、共益費3,000円、2台目駐車場が月5,000円だったとします。

車2台の世帯が毎月支払う金額は、自分の物件が5万3,000円、競合は5万6,000円です。

募集家賃だけなら自分の方が2,000円高く見えます。

しかし実際の総負担では、自分の方が3,000円安くなります。

この状態で「競合が4万8,000円だから自分も下げよう」と判断すると、物件の強みを自分で消してしまいます。

表面家賃ではなく、入居者が実際に支払う総負担で比較する。

これは地方賃貸では特に重要です。

競合物件の調べ方はこちらで詳しく整理しています。


▪️空室1か月|問い合わせはあるのに内見が少ない場合

問い合わせは入っている。それでも内見まで進まない場合は、問い合わせ後に初めて分かる条件で離脱している可能性があります。

例えば、初期費用が想定より高い、2台目駐車場を確保できない、入居可能日が合わない、ペット条件や保証会社の条件が合わない、といったケースです。

ネット上では「いいかも」と思って問い合わせたものの、詳しい条件を聞いた段階で候補から外れているわけです。

この状態で室内へ10万円使っても、内見前に離脱している原因は解決しません。

客付け会社へ「問い合わせから内見へ進まない理由として、何を言われていますか?」と確認します。

募集条件についてはこちらで詳しく整理しています。


▪️空室2か月|募集開始時の競合表を更新する

2か月空室が続いたら、募集開始時に調べた競合をもう一度確認します。

賃貸市場は2か月の間にも動くからです。

募集開始時にあった競合が決まっているかもしれません。

新しい物件が募集され、周辺の家賃や初期費用が変わっている可能性もあります。

ここで特に見たいのが、現在残っている物件だけでなく、最近募集が終わった物件です。

賃貸サイトに家賃5万円の2DKが10件残っているからといって、「この地域の相場は5万円」とは限りません。

その10件すべてが長期空室かもしれないからです。

逆に4万8,000円の物件は短期間で決まり、すでにサイトから消えている可能性があります。

客付け会社へ「最近、この条件で実際に決まった物件はありますか?」と聞くと、募集サイトだけでは見えない情報を得られることがあります。

募集価格ではなく、実際に動いている条件を見る。

2か月目ではここまで踏み込みます。


▪️空室2か月|AD・フリーレント・初期費用を同じ金額で比べる

2か月経っても決まらない場合、追加の募集施策を検討する段階に入ります。

家賃5万円なら、AD1か月もフリーレント1か月も大家側の負担は5万円です。

ただし役割は違います。

客付け会社からの紹介そのものが少ないならADを検討する余地があります。

一方、問い合わせや内見はあるものの、入居時の負担が理由で離脱しているならフリーレントや初期費用の見直しを比較します。

すでに内見が十分入っている物件へADだけ追加しても、同じ理由で内見後に断られる可能性があります。

同じ5万円でも、空室原因へ届く場所に使う。

ここが2か月目の判断です。

ADの採算はこちらで詳しく整理しています。


▪️2か月で10万円失ったから、10万円使うわけではない

家賃5万円の部屋が2か月空けば、得られなかった家賃は10万円です。

すると、「もう10万円分空いたから、10万円リフォームしよう」と考えたくなるかもしれません。

ただし、すでに空いた2か月分は戻りません。

ここから考えるべきなのは、今日から10万円使うことで、今後の空室期間がどう変わるかです。

例えば、追加10万円の設備改善によって、今のままならさらに3か月かかりそうな部屋を1か月程度で決められる可能性がある。

そこまで根拠があるなら比較する価値があります。

一方、何が原因か分からず、仲介会社から設備への指摘もないのに10万円使うなら、投資根拠は弱くなります。

過去の空室損を取り戻そうとして追加投資しない。

今日から先の手残りで判断します。


▪️空室3か月|商品そのものを再確認する

3か月空室なら、家賃5万円の物件で15万円分の家賃収入を得られていないことになります。

ここまでに募集情報、競合、初期費用、ADなどを確認しても決まらない場合は、物件そのものに競合との差がないか再確認します。

水回りが明確に古い、室内が暗い、クロスの傷みが目立つ、エアコンが古い、駐車場が使いにくいなど、募集条件だけでは解決できない弱点が残っているかもしれません。

1か月目では入口を整える。

2か月目では募集条件を見直す。

3か月目では、見せ方だけでは埋められない商品差まで見る。

このように段階を上げます。


▪️3か月目は「10万円改善」と「3,000円値下げ」を比べる

例えば家賃5万円で募集しているものの、競合と比べて室内の印象が弱く、10万円の改善を検討しているとします。

家賃5万円なら、10万円は空室2か月分です。

一方、家賃を3,000円下げれば、1年間で3万6,000円、2年間で7万2,000円、3年間で10万8,000円の減収になります。

3年間で見ると、10万円の一度の改善と、3,000円の継続値下げはかなり近い金額になります。

だから、10万円改善すれば5万円の家賃を維持できそうなのか。それとも室内を改善しても家賃自体が競合より高いのかを考えます。

室内改善が必要なら、工事内容と費用を比較してから決めます。

リフォーム費用の考え方はこちらでも詳しく整理しています。


▪️3か月空室でも、内見が多ければ全面リフォームとは限らない

3か月空いているから全面リフォーム。

この判断も早すぎる場合があります。

例えば3か月で内見12件、申込み0件だったとします。

ここまで内見があるなら、ネット上ではかなり候補に入っています。

必要なのは全面改装ではなく、内見者から繰り返し指摘されている一つの弱点かもしれません。

におい、水回り、室内の暗さ、駐車場の使いにくさ、初期費用などを確認します。

反対に3か月で問い合わせ自体が2件しかないなら、室内を全面改装する前に、家賃・掲載状況・その地域の需要を再確認する方が先です。

3か月という期間より、3か月で集まった反響データの方が重要です。


▪️国交省調査でも住宅選びは家賃だけではない

国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査では、民間賃貸住宅を選んだ理由として、家賃だけでなく、立地環境、交通利便性、職場からの距離、住宅のデザイン・広さ・設備など複数の条件が調査されています。

この調査の民間賃貸住宅部分は三大都市圏が対象なので、地方賃貸へ数字をそのまま当てはめるものではありません。

それでも、住宅選びが一つの条件だけで決まらないことを考える材料にはなります。

地方なら、車通勤のしやすさ、駐車場台数、買い物環境など、地域ごとの条件も加えて確認します。

だから3か月空室でも、家賃だけを何度も下げるのではなく、最後に比較されている条件を探すことが重要です。


▪️条件変更は一度に全部やらない

空室3か月で焦り、家賃を3,000円下げ、ADを1か月増やし、クロスを交換し、写真を変更してフリーレントまで付ける。

これで決まったとしても、次の退去時に何が効いたのか分かりません。

できるだけ、明確な問題を直して反響を見る。その後、必要なら次の条件を変えるという順番にします。

もちろん長期空室で急ぐ必要があり、複数の改善を同時に行う場合もあります。

その場合でも、何を変更したか、いくら使ったか、変更前後で問い合わせや内見がどう変化したかは記録しておきます。

入居が決まったという結果だけでなく、次回使えるデータを残す。

物件数が増えるほど、この記録が役立ちます。


▪️管理会社には「どうしましょう?」より数字を聞く

空室が長くなると、管理会社へ「何か対策ありますか?」と聞きたくなります。

それだけでは「家賃を下げましょうか」で終わることがあります。

そこで、この1か月の問い合わせ数と内見数、内見後に言われていること、最近決まった競合物件、ADを増やした場合に期待される変化まで具体的に確認します。

こうすると、対策の理由が見えます。

管理会社へ募集実務を任せることと、大家自身が数字を把握しないことは別です。

大家自身が確認したい数字はこちらで整理しています。


▪️3か月空室が毎回起きるなら、1室だけの問題ではない

一度だけ3か月空室になるなら、募集時期や入居者との巡り合わせもあります。

しかし同じアパートで退去のたびに2か月、3か月、4か月と空くなら、一室ごとの募集テクニックだけで考えない方がいいでしょう。

物件全体の家賃設定や間取り、設備、駐車場、管理会社との募集体制、地域の賃貸需要まで確認します。

購入時には平均空室1か月を想定していたのに、実際には毎回3か月空いているなら年間収支も変わります。

例えば家賃5万円で年間3室退去し、それぞれ3か月空いた場合、空室月数は合計9か月です。

単純計算では45万円分の家賃収入を得られないことになります。

購入時に想定していた利回りが、その空室期間を含めても成立するか確認します。

これから収益物件を検討する場合も、満室想定家賃だけでなく空室・修繕を含めて判断しましょう。


▪️最初の7日・1か月・2か月・3か月を一本の流れにする

前の記事では、退去連絡から最初の7日間で何を準備するかを整理しました。

今回の記事はその続きです。

退去連絡を受けたら最初の7日で募集準備を進め、募集開始から1か月で入口を確認します。

それでも決まらなければ、2か月目で競合と募集条件を見直し、3か月目では物件の商品力と価格まで再設計します。

つまり空室対策は、空いてから毎回ゼロから考えるのではありません。

時間の経過に合わせて、次に確認する場所をあらかじめ決めておく。

こうすると運用しやすくなります。

退去連絡からの動き方はこちらをご覧ください。


▪️よくある質問|空室1か月で家賃を下げるのは早い?

期間だけでは判断できません。

問い合わせがほとんどなく、競合より総負担が明らかに高いなら、1か月以内でも家賃を見直す意味があります。

一方、内見が入っていて価格競争力もあるなら、家賃以外の原因を先に確認します。

Q. 3か月空いたらリフォームした方がいい?

必ずではありません。

問い合わせ・内見・失注理由を確認し、設備や室内状態が明確な弱点になっている場合に費用対効果を比較します。

Q. 空室が長いほどADを増やせばいい?

ADは客付け側への働きかけを強める方法の一つです。

すでに内見が十分入っている場合や、物件条件そのものに弱点がある場合は、AD追加だけでは根本解決にならないことがあります。


▪️まとめ|空室期間ごとに「次に見る場所」を決めておく

空室が1か月、2か月、3か月と続けば焦ります。

ただ、「空室が長いから家賃を下げる」だけではありません。

1か月目は、募集情報や写真、月額総負担、問い合わせから内見までの動きを確認します。

2か月目は、最新の競合物件や初期費用、AD、フリーレントなどの募集条件を見直します。

3か月目では、室内状態や設備、家賃、リフォームまで含めて物件そのものを再確認します。

そしてどの段階でも、問い合わせ・内見・申込みの数字を追います。

家賃5万円なら、1か月空室で5万円、2か月で10万円、3か月で15万円です。

だから対策へ使うお金も、AD5万円、改善工事10万円、家賃3,000円値下げという別々の施策を、最終的な手残りで比較します。

ただし、すでに失った家賃を取り戻すためにお金を使うのではありません。

今日から先の空室をどれだけ短縮できそうか。

ここで判断します。

条件を変えたら結果を記録し、次の退去時にそのデータを使います。

それを繰り返せば、空室になるたびに焦って対策を考える経営から、空室期間に応じて次の行動が決まっている賃貸経営へ変えていけます。


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