不動産投資ローンの抵当権とは?第一・第二順位、追加融資・売却の確認順

更新日:9月30日
不動産投資ローンでは、購入物件などへ抵当権を設定することがあります。抵当権は金融機関が物件を所有する仕組みではなく、債務が履行されない場合などに不動産から優先的に弁済を受けるための担保権です。
同じ不動産へ複数の抵当権が設定される場合は順位が重要です。ただし第一順位なら必ず安全、第二順位なら必ず融資不可という単純な話ではありません。担保価値、先順位残債、融資条件を合わせて確認します。
▪️1 抵当権は不動産を担保にする権利
民法369条は、債務者または第三者が占有を移さずに不動産を担保へ供し、債務が履行されない場合などに他の債権者に先立って弁済を受ける抵当権の基本を定めています。
抵当権設定後も通常は所有者が物件を保有し、賃貸経営を続けます。
返済ができなくなった場合などには抵当権が実行される可能性があります。
▪️2 第一順位・第二順位は登記順で決まる
同じ不動産に複数の抵当権がある場合、民法373条では原則として登記の前後で順位が決まります。
第一順位の債権者が先に弁済を受け、その残りから後順位の債権者へ回るため、後順位ほど担保余力の確認が重要です。
順位だけでなく先順位の残債と現在の担保評価を確認します。
▪️3 第二順位でも融資可否は個別判断
第二順位だから必ず融資できないとは限りません。物件価値に対して先順位残債が小さい場合など、担保余力があるケースもあります。
一方で金融機関によっては第一順位の抵当権を融資条件とする商品があります。
追加融資を検討する場合は、既存抵当権と残債を正確に伝えます。
▪️4 共同担保では複数物件の自由度に影響する
自宅や他物件を共同担保へ入れると、融資額を検討しやすくなる場合がありますが、将来の売却・借り換え時に担保解除が必要になります。
共同担保を入れれば必ず融資額が増えるわけではありません。
何を担保へ入れるか、いつ外せるかを融資契約前に確認します。
▪️5 売却時は残債と抹消条件を確認する
抵当権付き物件を売る場合、通常は決済時までに買主へ引き渡せる状態へ抹消する必要があります。
売却代金で残債を完済する場合は、売却価格から仲介手数料等を引いた後でも返済できるか確認します。
残債が売却手取りを上回る場合は追加資金が必要になることがあります。
▪️6 追加融資では担保より全体返済余力も見る
追加融資の判断は抵当順位だけでは決まりません。既存借入、物件CF、現預金、自己資金、金融機関方針なども関係します。
担保余力があるから上限まで借りるのではなく、空室・修繕が重なっても返済できる総借入額を自分でも決めます。
担保とCFの両方から融資余力を確認します。
根抵当権が設定されている場合は通常の抵当権と扱いが異なる点があります。元本確定や抹消条件を金融機関・司法書士へ確認します。
借り換えでは新しい抵当権設定と旧抵当権抹消の手続きが関係します。諸費用も含めて比較します。
同じ金融機関で複数物件を借りている場合、個別物件売却時に他物件との担保関係も確認します。
登記簿の順位番号だけで実際の残債は分からないため、金融機関の返済予定表と合わせて確認します。
同じ物件に複数の抵当権がある場合、登記順位だけでなく各債権の現在残高を確認します。設定額と実残債が同じとは限りません。
担保評価が購入時より下がっていると、追加融資や借り換えで想定より厳しい条件になる場合があります。現在価値で見直します。
第二順位融資を受ける場合は、先順位金融機関の契約で追加担保設定に制限がないか確認します。契約条項の確認が必要です。
売却時に一部だけ抵当権を外すケースでは、金融機関がどの程度の返済を求めるか個別交渉になることがあります。自己判断で金額を決めません。
共同担保を複数物件へ設定すると、一物件売却時に他物件の担保余力まで確認されることがあります。ポートフォリオ全体で出口を見ます。
借り換えでは旧金融機関への完済と新金融機関の抵当権設定を同日に調整することがあります。司法書士・金融機関・仲介会社の連携が重要です。
根抵当権の場合は極度額と実借入残高を分けて確認します。極度額だけで現在の債務額を判断しません。
最終的には、担保順位を融資額の最大化ではなく、将来の売却・借り換え・追加融資の自由度まで含めて判断します。
第一順位の金融機関が追加担保設定へ同意を求める契約になっている場合もあるため、第二順位融資を検討する前に既存契約を確認します。
物件価値が上がっていても金融機関の担保評価が市場価格と同じとは限りません。査定額と融資評価を分けて考えます。
共同担保を外すため追加返済を求められる場合は、その金額で売却手取りがどう変わるか試算します。
抵当権順位は法的な優先順位であり、金利や審査結果の優劣そのものではありません。融資条件全体で比較します。
担保価値は購入価格と同じとは限りません。金融機関が独自評価を行うため、同じ物件でも融資先によって担保余力の見方が変わる場合があります。
第一順位の残債が減ると後順位の実質的な担保余力が増える可能性がありますが、追加融資を保証するものではありません。
根抵当権では一定の極度額の範囲で継続取引を担保する仕組みがあり、通常の抵当権と確認点が異なります。設定内容を登記簿と契約書で確認します。
共同担保で複数物件が結び付いている場合、一物件だけ売却したくても金融機関の承諾が必要になることがあります。売却前に解除条件を確認します。
借り換えでは旧抵当権の抹消と新抵当権設定が同日に行われることがあります。登録免許税や司法書士費用も比較します。
第二順位融資を検討する場合は、先順位金融機関の契約条件に追加担保設定の制限がないか確認します。
物件価格が下落すると、残債が減っていても担保余力が小さくなることがあります。購入時評価を固定せず現在価値を確認します。
最終的には、抵当順位を『借りられるか』だけでなく、売却・借り換え・追加融資の自由度にどう影響するかで見ます。
先順位抵当権の残高が少なくても、金融機関が担保評価を保守的に見る場合は後順位融資が難しいことがあります。市場価格だけで余力を決めません。
売却価格が残債合計を下回る場合は、自己資金を追加しないと抵当権を外せない可能性があります。売却査定時に残債総額を確認します。
担保解除へ必要な返済額は金融機関ごとに異なるため、売却前に正式な解除条件を確認します。
最終的には、順位・残債・市場価値・解除条件を一枚にまとめると、追加融資と売却の両方を判断しやすくなります。
▪️7 確認する順番
確認は、①登記事項証明書、②抵当権の順位、③先順位残債、④現在の担保評価、⑤共同担保の有無、⑥売却・借り換え時の解除条件、⑦全体CFと追加返済額、の順で進めます。順位だけで融資可否を決めないことが重要です。
まず登記と残債を整理します。古い抵当権や共同担保がないか確認します。
次に追加融資後の返済額を試算します。担保価値があってもCFが弱ければ慎重に見ます。
最後に出口を確認します。売却・借り換え時に担保を外せる条件を契約前から把握します。
▪️⑧ Q&A
Q. 第二順位の抵当権では融資を受けられませんか?
一律には言えません。先順位残債、担保価値、金融機関方針などで変わります。
Q. 第一順位なら必ず融資条件は良くなりますか?
順位は重要ですが、金利・期間・融資額は申込者や物件を含めた審査で決まります。
Q. 物件を売るとき抵当権はどうしますか?
通常は決済までに完済・抹消できるよう金融機関や司法書士と調整します。
▪️⑨ まとめ
抵当権は不動産を担保にする権利で、複数ある場合は順位・残債・担保余力を確認します。
追加融資や売却では、担保だけでなく全体CFと抹消条件まで合わせて判断します。

