top of page

レントロールの家賃が高すぎる?現行賃料・入金・退去後相場の確認順

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
7月29日
読了時間: 7分

更新日:10月12日

※本記事には広告・PRリンクを含みます。


「このアパートは満室で利回りも高い。でも家賃表を見ると、近くの募集物件より一万円高い部屋がある」。購入を考えている物件でそんな数字を見ると、今の家賃を信じてよいのか迷います。


レントロールに記載されているのは、原則として現行契約の条件です。退去後も同じ賃料で貸せることや、毎月すべての賃料が入金されることまで保証するものではありません。契約家賃・実入金・募集相場の三つを分けて確認しましょう。




① まず現行家賃と実際の入金を分ける

レントロールには各戸の賃料、共益費、入居日、敷金などが記載されることがあります。ただし書式は物件や管理会社によって違い、表だけでは契約の変更履歴や滞納を確認できない場合があります。


契約家賃が月6万円でも、滞納が続いている部屋ならその月の入金は6万円になりません。管理会社の送金明細と滞納資料を確認し、何が実際に入っているお金なのか整理します。


駐車場代や共益費が賃料の合計に含まれている場合もあります。表面利回りの収入に何を計上しているかを把握しましょう。




② 高い現行家賃を退去後も維持できるとは限らない

長く住んでいる入居者の家賃が、同じ地区の現在の募集賃料より高いことはあります。今の契約が続く間の家賃と、次の入居者を探すときの募集家賃は別です。


仮に六室すべての現行家賃が6万2,000円なら、月額37万2,000円です。全室が入れ替わった後の募集家賃が5万4,000円になれば、月額32万4,000円となり、差額は月4万8,000円、年57万6,000円になります。


これは全室が同じ条件で入れ替わった場合の仮計算で、現在の入居者の家賃がすぐに下がるという意味ではありません。将来の募集条件を保守的に置き、収支にどんな影響があるか考える材料です。




③ 入居日と空室期間から、物件の実力を読む

入居開始日が古い部屋は、長く住み続けている点では安定材料です。一方で退去後には設備交換や壁・床の原状回復に費用が掛かることもあるため、建物の修繕履歴と合わせて見ます。


長期間空室の部屋があれば、募集家賃だけでなく間取り・駐車台数・設備・内見時の印象などを確認します。単純に『空いているのは運が悪い』と決めつけず、掲載期間と反響を聞きましょう。


売主や管理会社が把握している退去予定があるか、確認日を残すことも大切です。個人情報に配慮しながら、購入判断に必要な範囲で資料を確認します。




④ フリーレント・値引き・滞納も実効賃料を変える

新規入居時の一か月無料、仲介業者への募集費、キャンペーンの賃料値引きがある場合、募集広告に書かれた家賃だけで経営を評価するのは不十分です。実際の入金と募集に掛かった費用を別に把握しましょう。


退去時の原状回復については、通常損耗と借主負担の損傷を区別する必要があります。国土交通省の原状回復ガイドラインと契約内容に照らし、大家が負担する支出を想定します。


滞納があるなら回収見込みや保証契約の範囲を確認します。家賃表の数字がそのまま毎月現金で入るという前提では、修理が重なったとき資金が足りなくなることがあります。


退去時の通常損耗と借主負担の違いを確認したいときに、国土交通省のガイドラインQ&Aが参考になります。




⑤ 賃料下落と空室を想定し、融資返済後まで計算

現行家賃だけの収支ではなく、退去後に募集家賃を下げた場合の資金繰りも作ります。各戸で数千円ずつ下がるだけでも、戸数が多ければ年単位の収入差になります。


例えば満室家賃40万円、月々の返済20万円、税・管理・修繕準備など月12万円相当なら、差額は8万円です。賃料調整と空室によって実効家賃が34万円となれば、差額は2万円まで減ります。これは市場相場ではなく比較のための数字です。


この差額から急な屋根修理や給排水更新へ対応できるかも考えます。銀行が融資する金額と、手元に残したい資金額は別に判断しましょう。


退去後の家賃を維持するため設備改善が必要と考える場合、修繕範囲と予算を整理して相談先の条件を確認できます。




⑥ 高い家賃に理由があるかも確かめる

周辺より家賃が高い物件を、すべて割高と判断するのは早計です。駐車場が二台使える、ペット飼育が可能、設備を更新しているなど、周辺の物件にはない条件が理由になっている場合もあります。


比較する募集物件は築年数・間取り・広さ・駐車条件をそろえましょう。インターネットに出た一件の安い家賃だけでは、今の家賃が高すぎるとまでは判断できません。


高めの家賃を維持するため設備改善を考えるなら、その改修費と増額・空室短縮の可能性を分けて計算します。工事しただけで家賃が上がる保証はありません。


賃料が下がった後の手残りを踏まえて、売却する場合の残債・諸費用・査定条件も比較できます。




⑦ レントロールを見るときの四つの確認順

第一に各室の契約家賃・共益費・駐車場代・入居日を整理します。満室想定家賃と現況家賃を混同しないようにしましょう。


第二に入金実績、滞納、フリーレント、退去予定を確認します。管理会社からの送金明細と家賃表に違いがある場合は、その理由を尋ねます。


第三に近隣の募集家賃と設備・駐車条件を比べ、退去後の実効家賃と修繕費、空室期間を保守的に試算します。借入返済後にも現金が残るか確認します。


第四に購入価格の調整や見送りも含めて判断します。今日できることは、各室の現行家賃と近隣の募集賃料を横に並べ、差が大きい部屋を探すことです。




⑧ よくある質問

Q1. レントロールが満室なら収支は安定しますか?


現況が満室でも、将来の退去・家賃調整・設備更新が発生する場合があります。満室の数字だけで長期の収支が保証されるわけではありません。


入金記録と現在の募集相場を合わせて確認してください。


Q2. 相場より高い部屋の家賃はすぐに下がりますか?


現行の賃貸借契約の賃料と、退去後に設定する新規募集賃料は別です。近隣相場の差だけで既存賃料が自動変更されるわけではありません。


契約条件と将来の募集相場を分けて計算しましょう。


Q3. 買付前に退去予定や滞納も確認できますか?


売主や管理会社の資料など、開示できる範囲で確認する方法があります。個人情報や契約上の制約に配慮する必要があります。


質問内容と確認日を明確にして、取引担当者へ相談してください。




⑨ まとめ

レントロールの家賃が高すぎると感じたら、契約賃料・実入金・退去後の募集相場を分けて確認します。満室利回りだけで判断せず、賃料調整と募集期間を含む実効家賃を計算しましょう。


家賃が高いことに合理的な理由がある場合もあります。同じ条件の競合物件と比べ、修繕費と返済後の現金を見た上で購入の可否を判断することが大切です。




関連記事

アパート購入前に退去予定・敷金・賃貸借契約を確認するために。


空室が増えた場合の家賃収入と返済耐久力を試算するなら。


アパートの実効家賃と融資・修繕を年間で比較したい場合に。


地方物件の空室リスクと家賃収入の変化を調べるなら。


設備や入居者像を見直して募集条件を考えるために。


家賃滞納がある場合の確認・資金管理の考え方に。


家賃表だけでなく耐震・建物の修繕履歴も確認するために。


買付前にアパートの購入判断14項目を確認したいなら。


地域の賃貸需要や立地による家賃差を知りたいときに。


家賃・運営費・返済後CFを計算したいときに。


最新記事

すべて表示
miramaru kusakari 3.png
bottom of page