top of page

車が入らない土地はなぜ売れない?地方の車社会で「詰む」不動産の現実

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 3月5日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月27日

法律上は道路に接している。

建物も建っている。

それなのに不動産会社から、

「車が入らないので売却は少し難しいですね」

と言われる土地があります。

例えば、

道路から敷地まで細い通路しかない。

軽自動車でも入れない。

階段や細い路地を歩いて家まで行く。

という土地です。

結論からいうと、車が敷地まで入らないという理由だけで、土地が売れないとは限りません。

また、

車が入らない。

再建築不可。

という意味でもありません。

ただし住宅地として売る場合、

駐車場所。

建築・解体工事。

荷物の搬入。

日常の移動。

などを買主が確認するため、一般的な土地より購入候補者が限定されることがあります。

この記事では、「法的には建築できる土地なのに、車が入らない」ケースを中心に、売却前に確認する順番を整理します。

▪️結論|「車が入らない」と「建築できない」は分けて考える

旧記事では、

車が入らない土地。

売れない土地。

という流れで説明していました。

しかし最初に分けたいのは、

法律上の道路条件。

と、

実際に車両が入れるか。

です。

建築基準法では、都市計画区域・準都市計画区域内の建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路へ2m以上接することが求められます。

一方、

接道条件を満たしている。

からといって、

普通車が敷地まで入れる。

工事用トラックが入れる。

とは限りません。

細い路地でも建築基準法上の道路として扱われる場合があります。

逆に、見た目では車が通れる道でも、建築基準法上どの道路として扱われるか確認が必要なケースがあります。

まず「建築できるか」と「車が入れるか」を別々に確認する。

ここがこの記事の一番重要なポイントです。

詳しくはこちら

▪️「幅2mあれば車が入れる」という意味でもない

建築基準法の接道義務で出てくる「2m」は、原則として敷地が道路へ接する長さについての基準です。

普通車が安全に通行できる幅を全国一律に「2m」と定めたものではありません。

実際の車両進入では、

通路の最も狭い部分。

曲がり角。

電柱。

塀。

側溝。

道路との高低差。

なども影響します。

入口だけ広くても、途中で急に狭くなっていれば車は入れません。

土地を売るなら、図面だけで判断せず、実際にどこまで車両が進入できるかを確認します。

▪️車が入らなくても住宅として使える土地はある

旧記事では、

地方で駐車場がない家は「家としての機能を半分失っている」

としていました。

これは言い過ぎです。

例えば、

駅やバス停が近い。

徒歩圏に生活施設がある。

近隣に月極駐車場がある。

そもそも車を所有しない買主。

という条件なら、車が敷地へ入らなくても購入対象になる可能性があります。

反対に、

通勤・買い物・送迎などで車が必要。

周辺に月極駐車場も少ない。

という地域では、不便を感じる買主が増える可能性があります。

だから、

「地方=車必須」

と決めるのではなく、その場所の実際の交通環境を見ることが重要です。

▪️近くの月極駐車場があれば売却条件が変わることもある

車が敷地へ入らない土地では、近隣駐車場の有無が重要になる場合があります。

例えば徒歩1〜2分の場所に月極駐車場があり、

空き区画がある。

料金も周辺相場と大きく変わらない。

という状態なら、

「車を持てない家」

ではなく、

「敷地外駐車になる家」

として検討できる買主もいます。

一方、

最寄り駐車場までかなり遠い。

常に満車。

将来も借りられる保証がない。

という状態なら不便は大きくなります。

売却前に、

近隣駐車場の位置・空き状況・料金

を確認しておくと、買主へ説明しやすくなります。

ただし、借りられることを売主が将来まで保証するものではありません。

▪️工事費は「必ず1.5〜2倍」ではない

旧記事では、

車が入らなければ建築・解体費は普通の土地の1.5〜2倍。

としていました。

このような全国共通の倍率はありません。

ただし車両進入が難しい土地では、

大型重機が入れない。

廃材を小分けして運ぶ。

小型重機へ変更する。

資材の搬入経路を変更する。

人力運搬が増える。

といった作業が必要になる場合があります。

その結果、通常より工事費が増える可能性はあります。

しかし、

建物の規模。

道路幅。

敷地までの距離。

高低差。

使用できる重機。

によって大きく変わります。

だから売却前に、

「車が入らないから工事費2倍」

と自己判断しません。

古家があるなら、必要に応じて解体会社・建築会社へ現場条件を伝えて確認します。

▪️解体してから売るより、古家付き査定を先に確認する

車が入りにくい古家付き土地を見ると、

解体して更地にしないと売れない。

と思うかもしれません。

しかし工事条件が悪い土地ほど、先に高額な解体費を払うことには慎重になりたいところです。

例えば、

古家付きの現況価格。

解体費。

更地にした場合の想定価格。

を比較します。

解体へ300万円かかったとしても、土地が300万円高く売れるとは限りません。

買主側で建築計画と一緒に解体方法を考えたいケースもあります。

まず現況査定をしてから、解体するか決める。

この順番です。

詳しくはこちら

▪️救急車・消防車が横付けできない=住めない土地ではない

旧記事では、

救急車や消防車が横付けできない。

命に関わる。

住む場所として完全に選択肢から外れる。

としていました。

ここも一本道ではありません。

細い道路や路地の住宅地は全国にあります。

緊急車両が建物前まで進入できない場合、実際の消防・救急活動では周辺道路や現場条件に応じて対応されます。

もちろん、

玄関まで長い距離を歩く。

急な階段がある。

担架搬送が難しい。

という土地なら、将来の生活動線を気にする買主はいるでしょう。

しかし、

車両が玄関前まで来られない=居住不能

とは決めつけません。

売却では、実際の進入経路や高低差を正確に伝えることが大切です。

▪️他人の土地を通るなら「車が入らない問題」とは別に通行権を確認する

土地までの細い通路が、

自分の土地。

公道。

ではなく、他人の土地であるケースがあります。

この場合は、単なる道路幅の問題ではありません。

民法210条では、他の土地に囲まれて公道へ通じない土地について、公道へ至るため他の土地を通行できる場合が定められています。

ただし通行場所・方法は、通行する側に必要で、かつ通行される土地への損害が最も少ないものを選ぶ必要があります。

つまり、

歩いて通れる権利がある。

から、

普通車でも自由に通れる。

まで自動的に決まるわけではありません。

他人の土地を経由しているなら、

通行地役権。

契約・承諾。

私道持分。

公道に至るための他の土地の通行権。

など、現在の通行根拠を確認します。

詳しくはこちら

▪️車が入らないだけで「住宅ローン100%不可」でもない

道路条件が悪い土地では、住宅ローンを心配することがあります。

しかし、

車が入らない。

金融機関が融資しない。

とは一律には決まりません。

金融機関が確認する内容には、

建築可能性。

担保評価。

前面道路。

通行権。

物件価格。

借入人の属性。

など複数の条件があります。

一方、

再建築できない。

通行根拠が不明。

建築工事が極めて難しい。

といった条件が重なれば、融資審査が慎重になる可能性はあります。

車両進入と融資可否を直接つなげないことが重要です。

▪️解決策① 隣地を買って道路を広げれば必ず価値が上がるわけではない

旧記事では、

隣地と協力して道路を広げれば土地価値が一気に数倍になる。

としていました。

道路条件を改善できれば、利用しやすくなる可能性はあります。

例えば、

隣地の細長い部分を購入する。

土地を交換する。

通路の使用条件を整理する。

という方法があります。

ただし、

取得費。

測量費。

登記費。

隣地所有者との交渉。

などが必要です。

また通路を広げても、

建築基準法上の問題が残る。

土地自体の需要が弱い。

高低差がある。

という場合があります。

だから交渉前に、

道路条件を改善した場合の査定価格と必要費用を比較する

ことが大切です。

▪️解決策② 車を必要としない買主へ売る

車が入らない土地でも、買主が全員同じ条件を求めているわけではありません。

例えば、

近隣住民。

隣地所有者。

車を所有しない人。

セカンドハウス用途。

小規模な趣味スペース。

など、通常の住宅購入者とは違う需要が見つかる場合があります。

ただし旧記事のように、

「バイクガレージなら使える」

と用途を先に決めません。

バイクが実際に通れるか。

建物を建てられるか。

用途地域などに問題がないか。

需要があるか。

を確認する必要があります。

土地の弱点に合わせて用途を作るのではなく、実際に使える人を探す。

と考えます。

▪️解決策③ 現況のまま売却価格を確認する

道路拡幅。

隣地購入。

解体。

測量。

などには費用がかかります。

だから何か工事をする前に、現在の状態で査定を取ります。

そのうえで、

現況の売却価格。

道路改善費。

解体費。

改善後の想定価格。

を比較します。

車が入らない土地でも、

価格と条件が合えば一般仲介で売却できる可能性があります。

また通常の買主が見つかりにくい場合は、道路条件が悪い土地を扱う買取会社へ相談する方法もあります。

専門業者への買取だけが唯一の出口ではありません。

〖PR〗車が入らない土地について、道路拡幅や解体へ費用をかける前に、現在の状態でどれくらいの売却可能性があるか査定を比較できます。

▪️一般売却が難しい場合は買取価格も比較する

例えば、

車両進入ができない。

再建築条件にも問題がある。

他人の土地を通らなければならない。

古家の解体も難しい。

という条件が複数重なると、一般の買主は限定される可能性があります。

その場合は、

仲介で時間をかけて売る。

隣地所有者へ相談する。

現況買取を比較する。

という選択肢があります。

買取なら必ず高く売れるわけではありません。

一般仲介より価格が低くなる場合もあります。

だから、

「車が入らない=買取」ではなく、複数の売り方を比較して決める

のが基本です。

〖PR〗接道・私道・再建築など複数の事情が重なり、一般売却が難しいと言われた土地は、訳あり不動産を扱う買取先へ現況で相談する方法もあります。

▪️車が入らない土地は5項目で確認する

売却前は、次の順番で確認します。

・① 建築基準法上の道路・接道条件を確認する

・② 実際にどのサイズの車両まで入れるか確認する

・③ 私道や他人地を通る場合は通行根拠を確認する

・④ 近隣駐車場・工事方法・買主候補を確認する

・⑤ 現況価格と道路改善・解体後の価格を比較する

この順番なら、

車が入らない。

再建築不可。

工事費2倍。

住宅ローン不可。

一般売却不可能。

という旧記事のような一本道を避けられます。

▪️よくある質問|車が入らない土地の売却

Q.車が敷地まで入れない土地は売れませんか?

売却不能とは限りません。

建築可能性、周辺交通、近隣駐車場、価格などによって購入する人が見つかる可能性があります。

Q.車が入れない土地は再建築不可ですか?

必ずしもそうではありません。

車両進入の可否と、建築基準法上の道路・接道条件は別に確認します。

Q.道幅2mあれば車は入れますか?

接道義務で出てくる2mは、普通車が通行できることを保証する基準ではありません。

実際の通路幅、曲がり角、障害物などを確認します。

Q.工事費は普通の土地の2倍になりますか?

一律には決まりません。

重機・トラックがどこまで入れるか、建物規模、運搬距離などによって変わります。

Q.専門買取業者へ売るしかありませんか?

それだけではありません。

一般仲介、隣地への売却、道路条件の改善、現況買取などを比較します。

▪️まとめ|車が入らない土地は「売れない」と決める前に2つの道路条件を見る

車が入らない土地を見ると、

地方では誰も買わない。

工事費は倍になる。

住宅ローンも使えない。

売却するなら専門業者しかない。

と考えたくなるかもしれません。

しかし、そこまで単純ではありません。

まず分けるのは、

建築基準法上、建物を建てられる道路条件なのか。

そして、

実際に車両が敷地まで入れるのか。

です。

この2つは同じではありません。

建築できる土地でも、車が入らないため買主が限定されることがあります。

一方で、

近隣駐車場がある。

公共交通が使いやすい。

車を必要としない買主がいる。

という土地なら売却できる可能性があります。

工事についても、

車が入らないから必ず費用が2倍。

ではなく、実際にどんな機械・車両を使えるか確認します。

また他人の土地を通るなら、車幅の問題だけではなく通行権も整理します。

そして最後に、

道路を改善して売る。

現況で仲介する。

隣地へ売る。

買取を利用する。

を比較します。

車が入らないことは土地の条件の一つですが、それだけで「詰んだ土地」になるわけではありません。

建築できるか。

人・車がどう出入りするか。

いくらなら売れるか。

改善へいくらかかるか。

この順番で確認する。

それが車の入らない土地を、必要以上に安く手放さないための基本です。

▪️関連記事

最新記事

すべて表示
空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代に実家が放置される5つの理由と相続後の判断

日本の空き家は、2023年時点で900万戸を超えています。 ニュースなどで、 「7軒に1軒が空き家」 「これから相続でさらに増える」 と聞くと、 「自分の実家もいずれ空き家になるのでは?」 と不安になる人もいるでしょう。 ただし、900万戸すべてが、 相続後に放置された戸建て住宅 というわけではありません。 賃貸募集中のアパート・マンション。 売却中の住宅。 別荘。 長期間使われていない実家。 な

 
 
地方で「管理してるつもり」が危険になるケース

■地方で「管理してるつもり」が危険になるケース 地方の空き家や土地では、 「ちゃんと管理しているつもりだった」 というケースがかなり多くあります。 特に多いのが、 ・たまに見に行く ・草刈りだけしている ・換気だけしている という状態です。 ただ実際には、 “管理しているつもり”でも、 問題が進行しているケースがあります。 今回は、地方で「管理してるつもり」が危険になりやすい理由を実務目線で整理し

 
 
空き家を見に行くだけで疲れる理由

■空き家を見に行くだけで疲れる理由 地方の空き家相談では、 「見に行くだけでしんどい」 という声がかなり多くあります。 最初は、 「たまに確認すればいい」 と思っていても、 数年後には精神的にも体力的にも重くなるケースがあります。 今回は、空き家を見に行くだけで疲れる理由を実務目線で整理します。 --- ■“何か悪くなっている気がする”が続く 空き家を見る時、 多くの人は無意識に緊張しています。

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page