top of page

空き家バンクで売れないのはなぜ?登録後に動かない理由と民間売却の使い分け

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 3月28日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月19日


空き家バンクに登録したものの、

「半年以上たっても問い合わせがない」

「自治体に登録したから、そのうち売れると思っていた」

「価格を下げた方がいいのか、民間の不動産会社にも相談すべきなのか分からない」

と悩んでいる方もいるでしょう。

空き家バンクは、空き家を探している人と所有者をつなぐための有力な仕組みです。

一方で、登録したこと自体が売却を保証する制度ではありません。

また「空き家バンク」と呼ばれていても、登録条件、物件情報の公開方法、宅建業者との連携、契約への関与方法などは自治体によって異なります。

そのため、売れない理由を考えるときも、

「空き家バンクだから売れない」

と単純に考えるのではなく、物件価格、公開されている情報、建物状態、権利関係、地域の需要を分けて確認する必要があります。

この記事では、空き家バンクへ登録しても動きがない理由と、自治体の仕組みを活かしながら民間の仲介・買取を併用する判断方法を整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。




▪️まず知っておきたい|空き家バンクは自治体ごとに仕組みが違う


空き家バンクは、全国でまったく同じ仕組みに統一されているわけではありません。

自治体自身が物件情報を公開しているケースもあれば、不動産関係団体や地域の宅建業者と連携しているケースもあります。

国土交通省では、自治体ごとに分散していた空き家・空き地情報を集約し、検索しやすくするために「全国版空き家・空き地バンク」の構築・運営を支援してきました。

ただし、全国版へ情報が集約されても、各自治体の空き家バンクの登録条件や契約方法まで同じになるわけではありません。

まず確認したいのは、自分が登録している自治体で、

・どこに物件情報が掲載されるのか


・宅建業者が仲介に入るのか


・問い合わせ後は誰が対応するのか


・売買や賃貸の契約に自治体がどこまで関与するのか

という運用方法です。

「自治体へ登録したから、行政が買主を探して交渉まで進めてくれる」と思っていると、実際の仕組みとのズレが生まれます。

空き家の売却・管理・活用・解体を含めて整理したい方はこちら。




▪️売れない理由①|空き家バンクの掲載価格と地域の需要が合っていない


問い合わせがないとき、最初に確認したいのが価格です。

空き家バンクには比較的低価格の物件も多いため、

「安く出せば売れる」

と考えやすいのですが、買主が見るのは購入価格だけではありません。

例えば100万円の家でも、購入後に大きな修繕が必要なら、買主が実際に負担する金額は100万円ではありません。

反対に、建物状態が良く、すぐ利用できる住宅なら、周辺物件より多少価格が高くても検討される可能性があります。

価格を考えるときは、

「所有者がいくらで売りたいか」ではなく、「その条件なら買主が総額いくら負担することになるか」

まで見る必要があります。

そのため、問い合わせがないからといって、いきなり半額にする必要はありません。

まず民間の査定も取り、現在の市場価格と空き家バンクの掲載価格に大きなズレがないか確認する方が先です。

相続した空き家の売却手順はこちらでも整理しています。




▪️売れない理由②|買主が判断するための情報が足りない


価格以前に、物件情報だけでは購入判断ができないこともあります。

古い空き家ほど、買主が気になるのは「築年数」だけではありません。

例えば、

・雨漏りやシロアリ被害の有無


・水道、下水、浄化槽などの設備状況


・残置物の量


・駐車スペース


・接道状況


・修繕履歴


・境界や敷地の状態

などです。

もちろん、すべてを所有者自身で専門的に調査する必要はありません。

しかし写真が数枚しかなく、室内状態も設備状況も分からない物件と、ある程度状態が把握できる物件では、問い合わせまで進みやすさが違います。

ここで大切なのは、良く見せることではありません。

悪い部分も含めて、購入後の姿を想像できる情報を増やすことです。

分からない部分は「不明」として確認事項を整理する方が、曖昧な説明よりも後のトラブルを防ぎやすくなります。




▪️売れない理由③|買った後にいくら必要か分からない


築古の空き家で買主が判断しにくいのが、購入後の追加費用です。

例えば購入後に、

・家財の撤去


・水回りの修繕


・屋根や外壁の補修


・庭木や雑草の処理


・給湯器や設備の交換

が必要になる可能性があります。

問題は、古いことそのものではありません。

「どこまで直せば使えるのか分からない状態」の方が判断を難しくします。

だからといって、売主側が先に数百万円のリフォームを行う必要があるとも限りません。

購入希望者が自分で改修したいケースもありますし、手を入れた費用がそのまま売却価格へ上乗せできる保証もありません。

売却前の片付けについてはこちら。




▪️相続した空き家は「売り方」より先に権利関係を確認する


親の実家を空き家バンクへ登録しようとして、初めて名義や相続の問題に気付くケースもあります。

売却を進めるなら、誰が現在の所有者なのかを明確にする必要があります。

特に確認したいのは、

・相続登記が済んでいるか


・共有者がいるか


・共有者全員が売却方針に合意しているか


・土地と建物の名義が一致しているか

といった部分です。

さらに物件によっては、境界、接道、未登記建物などの確認が必要になることもあります。

こうした問題は、空き家バンクだから発生するわけではありません。

民間で売却する場合でも同じです。

売却方法を変える前に、「今この物件を売買できる状態に整理できているか」を確認することが実務上の第一歩になります。

相続した空き家を最初から整理したい方はこちら。




▪️自治体の補助金は魅力になるが「使える前提」で価格を決めない


空き家バンクを設けている自治体では、空き家の改修、家財処分、移住などに関連する支援制度が用意されていることがあります。

こうした制度は買主にとって魅力になる場合があります。

ただし、補助対象、金額、申請時期、対象者、工事前申請の要否などは自治体によって異なります。

年度によって制度内容が変わる可能性もあります。

そのため、

「補助金が100万円出るから、この価格で売れる」

と先に計算するのではなく、現在利用できる制度と条件を自治体へ確認してから物件情報へ反映する方が安全です。

補助金は売却価格を正当化する材料というより、購入後の負担を軽くできる可能性を伝える材料として考えます。




▪️売れないからといって先にリフォーム・解体しない


問い合わせがない期間が続くと、

「もっときれいにリフォームしないと売れない」

「古すぎるから解体して土地にした方がいい」

と考えることがあります。

しかし、これは費用を使う前に一度止まって確認したい判断です。

リフォームすれば販売対象は変わりますが、工事費以上に売却価格が上がるとは限りません。

解体も同じで、更地を求める買主もいれば、古家を自分で直して使いたい買主もいます。

一度解体すれば、建物付きで売る選択肢には戻せません。

基本的には、

現状の査定 → 需要確認 → 売却方法の比較 → 必要なら改修・解体

の順番で考えた方が、先に大きな費用を使うリスクを減らせます。

解体するか迷っている方はこちら。




▪️空き家バンクだけで動かないなら民間仲介を併用してもいい


空き家バンクへ登録したからといって、民間の不動産会社へ相談してはいけないとは限りません。

ただし、自治体によって登録要件や民間媒介との併用ルールが異なるため、先に制度を確認します。

併用できる場合は、

空き家バンクでは、移住希望者や地域の空き家を探している人へ届ける。

民間仲介では、不動産会社の販売網や買主探索を利用する。

というように、入口を分けられます。

国も空き家流通を促すため、不動産業者の参入を後押しする制度を整えています。

2024年7月からは、売買価格800万円以下の宅地・建物について、一定の条件のもとで仲介手数料の上限を税込33万円とする「低廉な空家等」の特例が設けられました。

以前は低価格物件ほど、不動産会社側が現地調査や契約実務にかかるコストを回収しにくいという課題がありました。

この特例によってすべての空き家を扱ってもらえるわけではありませんが、低価格だから民間仲介は絶対無理と決めつける必要もありません。




▪️仲介と買取は「価格」だけで比べない


民間へ相談すると、仲介だけでなく買取を提案されることもあります。

仲介は、不動産会社が市場で購入希望者を探す方法です。

時間はかかる可能性がありますが、一般の購入希望者まで広く探せます。

一方の買取は、不動産会社や買取会社が直接買主になる方法です。

建物状態や立地によっては対応してもらえないこともありますが、条件が合えば一般の買主を長期間探す工程を省ける場合があります。

どちらを選ぶかは、

・売却価格をどこまで重視するか


・いつまでに整理したいか


・残置物や建物状態


・一般市場で需要がありそうか


・管理をあとどの程度続けられるか

で考えます。

仲介と買取の違いはこちら。




▪️「登録から1年」で機械的に見切らない


旧来の空き家対策では、

「1年売れなければ値下げ」

「1年反応がなければ別の方法へ」

と期間だけで判断することがあります。

しかし、売却判断を1年という数字だけで決める必要はありません。

見るべきなのは、掲載後の反応です。

問い合わせが来ているのか。

閲覧されているのに内覧へ進まないのか。

内覧はあるが価格で止まるのか。

そもそもほとんど見られていないのか。

ここで原因は変わります。

問い合わせ自体がほとんどないなら、販売経路や価格、情報量を見直す。

内覧までは進むなら、建物状態や条件に原因がないか確認する。

売却を急ぐ事情が出てきたなら、買取も比較する。

時間ではなく反応を見て次の一手を変える方が、原因に合った対策を取りやすくなります。




▪️査定は「空き家バンクをやめるため」ではなく比較材料として使う


民間査定を受けたからといって、空き家バンクへの登録をすぐやめる必要はありません。

査定を取る意味は、現在の市場価格と売却方法を知ることです。

例えば、

空き家バンクの掲載価格。

一般仲介で想定される価格。

買取の場合の条件。

この違いが分かれば、

「今のまま空き家バンクで待つ」

「価格を見直す」

「民間仲介も使う」

「買取で整理する」

という判断がしやすくなります。

空き家・相続不動産の現在価格を一度確認したい場合はこちら。




▪️一般的な売却が難しい空き家は別の出口も比較する


空き家バンクでも一般仲介でも動きにくい物件はあります。

例えば、建物の劣化が大きい、立地条件が厳しい、一般の住宅需要が弱いといった物件です。

こうした場合は、同じ売り方を続けるより、特殊な条件の不動産を扱う買取会社へ相談する方法もあります。

ただし、

「どんな物件でも必ず引き取ってもらえる」

という意味ではありません。

条件や費用、売買契約の内容を確認したうえで比較する必要があります。

他社で断られた空き家や訳あり不動産の買取可能性を確認したい場合はこちら。

ここでは出口の詳しい説明を繰り返しません。

売りにくい不動産の考え方は、こちらで詳しく整理しています。




▪️空き家バンク登録後に確認する順番


売れない状態が続いているなら、やみくもに値下げする前に順番を決めて確認します。

①自治体の運用方法を確認する

どこへ掲載され、誰が問い合わせや契約を担当するのかを確認します。

②名義・権利関係を確認する

相続登記、共有者、土地と建物の名義などを整理します。

③掲載内容を見る

写真、設備、残置物、修繕状況など、買主が判断する情報が不足していないか確認します。

④現在価格を確認する

民間査定も使い、掲載価格と市場価格の差を見ます。

⑤問い合わせ内容を振り返る

反応がないのか、内覧後に止まるのかを分けます。

⑥必要なら民間仲介・買取を比較する

空き家バンクだけに限定せず、自治体のルールを確認したうえで販売経路を増やします。

この順番なら、

「とにかく値下げする」

「とりあえずリフォームする」

という大きな決断を先にせずに済みます。




▪️まとめ|空き家バンクで売れないときは「制度」より物件ごとの原因を見る


空き家バンクは、地域の空き家と利用希望者をつなぐ重要な仕組みです。

ただし、登録条件や民間事業者との連携方法は自治体ごとに異なります。

登録後に動きがない場合は、

・掲載価格


・物件情報


・建物状態


・相続や権利関係


・地域の需要


・販売経路

を分けて確認します。

そのうえで、空き家バンクを続けるのか、民間仲介を併用するのか、買取まで比較するのかを決めます。

空き家バンクを使ったこと自体が失敗なのではありません。

反対に、登録したからといって何年も同じ条件のまま待ち続ける必要もありません。

空き家バンクを一つの販売経路として活かしながら、反応を見て次の方法へつなげる。

それが、売れない空き家を整理するときの現実的な使い方です。




▪️関連記事


空き家の悩み完全ガイド|売却・活用・管理・解体の判断方法



空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代の相続後の判断



相続した空き家をどうする?最初に確認したいこと



相続した空き家の売却方法|流れと失敗しないポイント



空き家を売るなら仲介と買取どちら?



空き家を解体する前に査定する理由



空き家を解体せず古家付き土地として売る方法



空き家を売る前に片付けは必要?



現状売却とリフォーム後売却を比較



空き家売却で失敗しない不動産会社の選び方



空き家売却にかかる費用はいくら?



空き家・土地・相続・訳あり不動産の総合ガイド



最新記事

すべて表示
空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代に実家が放置される5つの理由と相続後の判断

日本の空き家は、2023年時点で900万戸を超えています。 ニュースなどで、 「7軒に1軒が空き家」 「これから相続でさらに増える」 と聞くと、 「自分の実家もいずれ空き家になるのでは?」 と不安になる人もいるでしょう。 ただし、900万戸すべてが、 相続後に放置された戸建て住宅 というわけではありません。 賃貸募集中のアパート・マンション。 売却中の住宅。 別荘。 長期間使われていない実家。 な

 
 
地方で「管理してるつもり」が危険になるケース

■地方で「管理してるつもり」が危険になるケース 地方の空き家や土地では、 「ちゃんと管理しているつもりだった」 というケースがかなり多くあります。 特に多いのが、 ・たまに見に行く ・草刈りだけしている ・換気だけしている という状態です。 ただ実際には、 “管理しているつもり”でも、 問題が進行しているケースがあります。 今回は、地方で「管理してるつもり」が危険になりやすい理由を実務目線で整理し

 
 
空き家を見に行くだけで疲れる理由

■空き家を見に行くだけで疲れる理由 地方の空き家相談では、 「見に行くだけでしんどい」 という声がかなり多くあります。 最初は、 「たまに確認すればいい」 と思っていても、 数年後には精神的にも体力的にも重くなるケースがあります。 今回は、空き家を見に行くだけで疲れる理由を実務目線で整理します。 --- ■“何か悪くなっている気がする”が続く 空き家を見る時、 多くの人は無意識に緊張しています。

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page