利回りだけで物件を選んでいませんか?不動産投資は「逆算」が成功への近道

更新日:10月9日
利回りが高い物件を探す前に、毎月いくらの現金を残したいかを決めると、購入条件を整理しやすくなります。同じ表面利回りでも、修繕費や借入返済の違いで実際の手残りは変わるためです。
このページでは目標の手残りから年間必要収入を計算し、許容できる購入価格と改修予算へ逆算する順序を紹介します。数字は説明用の仮定として扱い、実際には賃貸需要と融資条件を確認してください。
① 家賃ではなく目標の手残りを決める
『月10万円の家賃がほしい』と『月10万円を手元に残したい』では、探すべき物件が大きく違います。収入から税金や管理費を引いた後の金額を目標にしましょう。
例えば月3万円の手残りを目指す場合、年間目標は36万円です。借入返済や空室の影響を見込み、満室家賃の額だけを目標にしません。
② 投資総額を購入前に積み上げる
投資総額には物件代金のほか、仲介手数料、登記関連費用、税金、残置物処分、修繕、初期の保険料などを含めます。安い戸建でも工事が大きければ総額は膨らみます。
仮に物件代300万円、諸費用40万円、改修120万円なら投資総額は460万円です。これに備える予備費は別に確保し、購入額300万円だけで利回りを計算しないようにします。
③ 空室と運営費から年間収入を逆算
月家賃6万円なら年間満室賃料は72万円です。仮に年間空室損失6万円、管理・保険・税金・修繕予算で年間18万円を見込むと、融資返済前の差額は48万円です。
さらに借入返済が年間20万円なら、納税前の現金差額は28万円です。例示した月3万円、年間36万円の目標には届かないため、価格・家賃・借入条件の見直しが必要です。
④ 改修費の上限を決める
家賃を少し上げるために大きな改修費を使う場合は回収期間を確認します。例えば100万円の追加改修で月額家賃が5,000円上がっても、単純な増収回収には200か月、約16年8か月かかります。
空室短縮効果や売却価格への影響も考えられますが、実現できる保証はありません。工事の目的を安全性・募集力・家賃増額に分け、必要な部分から見積もります。
⑤ 借入条件を変えて手残りを再計算
同じ物件でも頭金、金利、返済期間で毎月の返済は変わります。借入を減らせば返済額は下がりますが、手元の修繕資金が不足する可能性もあります。
固定資産税や空室が増える場合にも返済を続けられるか、複数条件で計算します。自己資金をすべて頭金へ入れるのは避け、予備費を残しましょう。
⑥ 売却を含めた総収益を考える
購入後に家賃が下がるだけでなく、売却価格も変化します。高利回りに見えても再建築や接道の制約があれば、売却先が限られる場合があります。
想定売値から仲介費用や税金、残債を引いた手残りも試算し、保有継続と比較します。単年度の収益だけでは投資全体の優劣を判断できません。
⑦ 逆算が成立しないときの停止条件
期待家賃に成約事例の裏付けがなければ、収支を確定しません。
改修範囲が不明なら見積もりを取り、投資総額を再計算します。
慎重な空室・修繕条件で目標手残りに届かないなら、価格交渉か見送りを検討します。
目標額から逆算した数字を現地の需要と照らし合わせ、納得できる物件だけを検討しましょう。
⑧ Q&A
Q1. 表面利回りだけで購入価格を決めてよい?
表面利回りは空室・維持費・借入返済を十分に反映しません。
手残り目標から実際の費用を差し引いて逆算します。
Q2. 改修費が増えたらどうする?
投資総額が増えるため、家賃と回収期間を再計算します。
必要な安全工事を優先し、予算が合わなければ見送ります。
Q3. 家賃と融資のどちらから考える?
地域の成約家賃を調べ、そこから返済可能な条件を考えます。
希望する家賃を前提にして借入を増やすのは避けましょう。
⑨ まとめ
利回りが高い物件を探す前に、毎月いくらの現金を残したいかを決めると、購入条件を整理しやすくなります。同じ表面利回りでも、修繕費や借入返済の違いで実際の手残りは変わるためです。
判断する前に費用や契約条件を整理し、将来の手残りまで比較することが大切です。分からない制度や個別の条件については、適切な専門家へ確認しましょう。

