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古いブロック塀はなぜ危険?空き家・実家で確認したい6つの点検項目と撤去判断

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 6月18日
  • 読了時間: 14分

更新日:8月20日

実家や空き家を見に行ったとき、

「昔からあるブロック塀が少し傾いている」

「ひび割れがあるけれど、このままで大丈夫?」

「売却する前に撤去した方がいい?」

と気になることがあります。

古いブロック塀だからといって、築年数だけで危険と決めることはできません。

一方、長年そのまま使われている塀では、高さや構造が現在の基準に合っているか分からず、ひび割れ・傾き・鉄筋や基礎の状態なども確認する必要があります。

国土交通省は、既存のブロック塀について所有者が確認できる安全点検のチェックポイントを公開しています。外観で確認する項目に一つでも不適合がある場合や、分からない部分がある場合は専門家へ相談するよう案内しています。(国土交通省)

この記事では、

「古いから全部撤去する」でも「今まで倒れていないから大丈夫」でもなく、どこを確認して補修・撤去を判断するか

を整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|ブロック塀は「築年数」より6項目で確認する


古いブロック塀を見ると、

「30年以上あるから危険」

「50年倒れていないからまだ大丈夫」

と年数で判断したくなることがあります。

しかし、国土交通省の点検項目は築年数ではありません。

補強コンクリートブロック造の塀について確認する主な項目は、

・高さ


・厚さ


・控え壁


・基礎


・傾きやひび割れ


・内部の鉄筋や基礎の根入れ

です。(国土交通省)

つまり重要なのは、

何年前に作られたかだけでなく、現在どのような構造・状態なのか。

です。

外から見て分かる部分は所有者でも確認できます。

一方、内部の鉄筋や基礎の状態などは見た目だけでは判断できないため、必要に応じて建築士や専門工事業者へ確認します。国土交通省も、内部診断は専門家の協力を得ることが望ましいとしています。(国土交通省)



▪️なぜ古いブロック塀が問題になる?地震だけを見る話ではない


ブロック塀の安全対策が強く意識されるようになった背景の一つに、2018年の大阪府北部地震があります。

国土交通省は同地震による塀の倒壊被害を受け、学校だけでなく既存の塀全般について安全点検を促すチェックポイントを公開しました。(国土交通省)

ただし確認する理由は、

「大地震が来たら怖いから」だけではありません。

日常の時点ですでに、

ひび割れている。

傾いている。

一部が欠けている。

ぐらついている。

という状態なら、地震を待たずに状態確認が必要です。

特に道路沿いでは、塀が敷地内だけの問題で終わらない可能性があります。

国土交通省も、安全点検で危険性が確認された場合には、付近の通行者への速やかな注意表示と、補修・撤去などが必要だとして所有者への注意喚起を求めています。(国土交通省)

だから空き家管理では、建物の屋根や外壁だけではなく、道路側の塀・門柱・フェンスまで敷地全体を見ることが重要です。

空き家・土地管理全体の考え方はこちら。



▪️点検①|塀の高さは2.2m以下か


補強コンクリートブロック造の塀について、国土交通省のチェックポイントでは、地盤面からの高さを2.2m以下としています。(国土交通省)

ここで注意したいのは、

「自分の身長くらいだから問題ない」

と感覚だけで判断しないことです。

昔からある敷地では、

道路側と敷地側で地盤の高さが違う。

擁壁の上にブロック塀がある。

後からブロックを積み増している。

といったケースもあります。

見た目でかなり高いと感じる塀や、擁壁との関係が分かりにくい塀なら、単純にブロック部分だけを見て判断せず専門家へ確認します。

また、れんが造・石造・鉄筋のないブロック造などの組積造の塀は同じ基準ではありません。

国土交通省のチェックポイントでは、組積造の塀は地盤から1.2m以下が確認項目になっています。(国土交通省)

「ブロックっぽく見えるから全部2.2mまで大丈夫」と考えないことが大切です。



▪️点検②|ブロックの厚さは十分か


補強コンクリートブロック造では、塀の厚さも確認します。

国土交通省のチェックポイントでは、

高さ2m以下なら厚さ10cm以上。

高さが2mを超え2.2m以下なら15cm以上。

とされています。(国土交通省)

ただし、所有者が外から塀を見ただけでは、構造全体が現行基準に適合しているかまでは判断できません。

厚さだけ基準内でも、

鉄筋。

基礎。

控え壁。

施工状態。

に問題があれば、それだけで安全とは言えません。

そのため、

「10cmあったから合格」ではなく、6項目を一つのセットとして確認する

という見方をします。



▪️点検③|高さ1.2mを超える塀に控え壁があるか


住宅地を歩いていると、長いブロック塀の途中に、敷地側へ直角に突き出したブロックが付いていることがあります。

これが控え壁です。

補強コンクリートブロック造の塀で高さが1.2mを超える場合、国土交通省のチェックポイントでは、塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの5分の1以上突出した控え壁を確認するよう示しています。(国土交通省)

例えば、

長くて高いブロック塀なのに控え壁が見当たらない。

途中で控え壁が撤去されている。

物置などを設置したことで控え壁周辺が確認できない。

という場合には注意します。

ただし、構造計算によって安全性が確認されている場合など、仕様基準によらないケースもあります。(国土交通省)

そのため外観だけで、

「控え壁がないから違法だ」

と即断するのではなく、図面や現況を含めて専門家に確認します。



▪️点検④|基礎があるか


ブロック部分だけがしっかりして見えても、塀は基礎まで含めて確認します。

国土交通省の外観チェックでは、コンクリートの基礎があるかが確認項目になっています。(国土交通省)

さらに高さ1.2mを超える補強コンクリートブロック造の塀では、専門家が確認する項目として、基礎の根入れ深さ30cm以上などが示されています。(国土交通省)

ただし根入れは地中にあるため、所有者がメジャーを当てて簡単に確認できる部分ではありません。

「昔からあるけれど、どんな基礎か分からない」

という塀なら、外観だけで安全性を確定させない方がよいでしょう。



▪️点検⑤|傾き・ひび割れ・ぐらつきがないか


所有者が最も確認しやすいのが外観です。

国土交通省も、

傾きやひび割れがないか

を基本的な点検項目にしています。専門家向けの確認事項でも、老朽化による亀裂・傾き・ぐらつきが挙げられています。(国土交通省)

空き家や実家を見るときは、

一部だけ大きく傾いていないか。

縦や横へ長いひびが入っていないか。

目地が大きく開いていないか。

ブロックが欠けて内部が見えていないか。

以前より状態が変化していないか。

を確認します。

ただし、危険そうな塀を自分で強く押して「ぐらつくか試す」のは避けます。

すでに傾きや大きなひび割れがあるなら、無理に触らず専門家へ相談する方が安全です。

特に遠方の空き家では、久しぶりに訪れたとき初めて異常に気付くことがあります。

その意味では、塀だけを毎月点検する必要があるという話ではなく、空き家を確認するときの外回り項目に塀を入れておくことが現実的です。



▪️点検⑥|鉄筋は見た目では分からない


古いブロック塀で難しいのが内部です。

国土交通省が示す補強コンクリートブロック造の基準では、壁内に直径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で配置することなどが定められています。(国土交通省)

しかし鉄筋は通常、ブロック内部にあります。

そのため、

「ひび割れがないから鉄筋も問題ない」

「ブロックが厚いから中もしっかりしている」

とは確認できません。

国土交通省も、外観点検で問題が見つかった場合などには、ブロックを一部取り外して鉄筋の接合、配置、モルタル充填、基礎などを専門家が診断する方法を示しています。(国土交通省)

つまり所有者自身が行う一次点検と、専門家による構造確認を分ける必要があります。



▪️一つでも当てはまれば「すぐ全部壊す」ではなく専門家へ確認する


例えば、

高さがかなりある。

控え壁が見当たらない。

大きなひび割れがある。

傾いている。

基礎がよく分からない。

という塀が見つかったとします。

国土交通省のチェックポイントでは、一つでも不適合があれば改善し、分からないことがあれば専門家へ相談するよう案内されています。(国土交通省)

ただし、対応方法が必ず「全撤去」になるわけではありません。

状態に応じて、

補修する。

補強する。

高さを下げる。

一部撤去する。

ブロック部分を減らして軽量なフェンス等へ変更する。

全面撤去する。

など、複数の方法を検討できます。

大切なのは、

DIYで表面のひびだけ埋めて終わらせず、原因や構造を確認してから方法を決めること

です。



▪️道路沿い・通学路・避難路に面する塀は優先して確認する


敷地の奥にある低い塀と、多くの人が通る道路沿いの高い塀では、倒れた場合に周囲へ与える影響が違います。

国土交通省も、ブロック塀の安全確保では避難路沿いなどを重要な対象としており、一定の避難路沿道のブロック塀について耐震診断を義務付けられる仕組みも設けています。(国土交通省)

一般住宅のすべてのブロック塀に耐震診断が義務付けられている、という意味ではありません。

それでも空き家や実家を管理するときは、

通学路に面している。

歩道沿いにある。

交差点付近にある。

人通りの多い道路へ面している。

という塀から優先して状態を確認する考え方は合理的です。

問題が見つかったときは、補修まで時間がかかる場合でも、まず近づかないようにするなど安全確保を優先します。国土交通省も危険性が確認された場合、通行者への注意表示と補修・撤去を求めています。(国土交通省)



▪️自治体によってはブロック塀の撤去・改修に補助制度がある


危険なブロック塀を撤去したいと思っても、

「何十メートルもあるから費用が心配」

という場合があります。

国土交通省は、ブロック塀を含む耐震診断・耐震改修等について、国と地方公共団体による支援制度を案内しています。また、地方公共団体による住民向け支援制度の整備も進めています。(国土交通省)

ただし、

対象となる塀。

道路に面している必要があるか。

高さ。

補助率。

上限額。

工事着手前の申請が必要か。

などは自治体ごとに異なります。

そのため撤去業者と契約する前に、

「○○市 ブロック塀 撤去 補助金」

などで自治体公式サイトを確認するか、建築・耐震担当窓口へ問い合わせます。

補助制度がある場合、工事を始めた後では対象外になることも考えられるため、見積もり→制度確認→申請→工事の順番を確認してから進めます。



▪️撤去費は建物解体とは別に確認する


空き家そのものを解体する場合、

「建物の解体見積もりにブロック塀も全部入っている」

と思い込まないことも大切です。

解体見積もりでは、

ブロック塀。

門柱。

フェンス。

カーポート。

庭木。

物置。

土間コンクリート。

などが付帯工事として別項目になることがあります。

そのため見積書では、

どこからどこまで撤去する金額なのか

を確認します。

ブロック塀の追加撤去が解体費へ影響するケースについてはこちら。

空き家や古いブロック塀の撤去費用を具体的に比較したい方はこちら。



▪️境界付近のブロック塀は勝手に撤去しない


古い住宅地では、

「この塀は自分の土地にあるはず」

と思っていたブロック塀が、境界付近に設置されていることがあります。

売却や解体のため撤去するときは、

自分の所有物なのか。

隣地との境界はどこなのか。

隣地側と共有している扱いになっていないか。

などを先に確認します。

特に古い土地では、現地の塀と登記・測量資料だけを見ても判断しにくいことがあります。

危険だから早く壊したいという安全判断と、誰の塀をどこまで撤去できるかという所有・境界確認は別の問題として整理します。



▪️売却前にブロック塀を全部撤去した方がいい?


空き家を売却するとき、

「古いブロック塀があると印象が悪いから、先に全部撤去した方がいい?」

と考えることがあります。

安全上明らかな問題がある場合は、放置せず対応を検討する必要があります。

しかし、売却価格を上げる目的だけで、査定前に全面撤去する必要があるとは限りません。

例えば買主によっては、

現在の塀を一部利用したい。

外構全体を自分で作り替えたい。

建物ごと解体したい。

という可能性があります。

そのため売却も考えているなら、

現状で査定 → 安全上必要な対応を確認 → 補修・撤去費を取得 → 売却価格と比較

という順番が分かりやすくなります。

解体前に査定する理由はこちら。

現在の空き家をそのまま売却した場合の価格を確認したい方はこちら。



▪️空き家でブロック塀を確認する順番


久しぶりに実家や空き家へ行ったら、次の順番で確認すると分かりやすくなります。

①まず離れた場所から見る

大きく傾いていないか、道路側へ膨らんでいないか確認します。

②高さ・厚さ・控え壁を見る

国土交通省のチェックポイントと照らします。(国土交通省)

③ひび割れ・欠損を見る

以前の写真があれば、変化していないか比較します。

④基礎を確認する

見える範囲で大きな損傷がないか確認します。

⑤分からない内部は専門家へ任せる

鉄筋・モルタル充填・基礎の根入れなどは外観だけでは判断できません。(国土交通省)

⑥補修・撤去・売却を比較する

塀だけ直すのか、撤去するのか、空き家全体の売却や解体と合わせるのかを考えます。

この順番なら、

「古いから怖いので全部壊す」

でも、

「今まで大丈夫だったから放置」

でもない判断ができます。



▪️やってはいけない判断は「見た目がきれいだから大丈夫」


ブロック塀は塗装すると、表面だけはきれいに見えることがあります。

しかし塗装だけでは、

内部の鉄筋。

モルタルの充填。

基礎。

根入れ。

まで確認できません。

反対に表面に小さな汚れや変色があるからといって、それだけで倒壊すると決めることもできません。

つまり外観は重要ですが、

外観だけで安全性を保証するものではない

ということです。

国土交通省も、一次点検を外観で行ったうえで、問題がある場合には専門家による内部診断へ進む二段階の考え方を示しています。(国土交通省)



▪️まとめ|古いブロック塀は「怖がる」のではなく順番に点検する


古いブロック塀があるからといって、

すぐ倒れる。

全部撤去しなければならない。

とは一律に言えません。

一方、

「何十年も倒れていない」

という事実だけで、安全と判断することもできません。

国土交通省が示している補強コンクリートブロック造の主な確認項目は、

・高さ2.2m以下か


・必要な厚さがあるか


・高さ1.2m超なら必要な控え壁があるか


・基礎があるか


・傾きやひび割れがないか


・鉄筋や基礎の状態に問題がないか

です。(国土交通省)

最初の5項目は外観から確認できる部分があります。

内部の鉄筋や基礎など、自分では分からない部分は専門家へ確認します。

そして問題が見つかったら、

補修。

補強。

高さを下げる。

フェンス等へ変更する。

撤去する。

という方法を状態に応じて検討します。

自治体によってはブロック塀の耐震化や撤去などを支援する制度もあるため、工事契約前に所在地の制度を確認しておきましょう。国土交通省も地方公共団体による支援制度の活用を案内しています。(国土交通省)

空き家の場合は、ブロック塀だけを単独で考えないことも重要です。

今後も保有するのか。

建物を解体するのか。

そのまま売却するのか。

外構を含めて整備するのか。

これによって、塀へかける費用も変わります。

危険かもしれない塀を放置しない。


ただし、確認せず全部撤去もしない。

現状を点検し、安全性と空き家全体の今後を一緒に考えることが、古いブロック塀で後悔しにくい判断につながります。



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