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【MIRAIU|相続土地国庫帰属まとめ】いらない土地を国に返せる?条件・却下・負担金・境界・売却比較の判断順

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
8月7日
読了時間: 8分

更新日:9月25日



※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️相続土地国庫帰属制度は「いらない土地を無料で国へ返す制度」ではない

相続した山林、原野、田畑、使わない宅地を手放したいとき、相続土地国庫帰属制度は重要な出口の一つです。ただし、申請すればどんな土地でも国が引き取る制度ではありません。


申請できる人、土地の状態、境界、建物、担保権、崖、樹木、埋設物などを審査し、承認されたあとには負担金も必要です。


この記事では、制度対象→却下・不承認要件→費用→売却比較→国庫帰属の順に整理します。



▪️① まず申請できる人か確認する

制度を利用できるのは、相続または相続人に対する遺贈によって土地の所有権や共有持分を取得した人などです。制度開始前に相続した土地も対象になり得ます。


共有地の場合は、相続等で持分を取得した共有者を含む共有者全員で共同して申請します。自分の共有持分だけを国へ帰属させる制度ではありません。



▪️② 「申請できない土地」と「審査で不承認になる土地」を分ける

国庫帰属では、入口で申請できない却下要件と、申請後に通常管理へ過分の費用・労力がかかるとして不承認になる要件を分けて考えます。


建物がある、担保権がある、他人の利用が予定されている、一定の土壌汚染がある、境界が明らかでないなどは却下要件です。一方、一定の崖、地上・地下の障害物、追加整備が必要な森林などは不承認要件として問題になります。



▪️③ 建物がある土地はそのままでは申請できない

住宅、倉庫、物置など建物が存在する土地は、制度上の却下要件に該当します。古家付き土地をそのまま国へ渡すことはできません。


ただし『国庫帰属したいから先に解体』と決めるのは早い場合があります。解体費を払って更地にしてから国へ負担金を払うより、古家付きの現況で売却した方が手残りが多いこともあります。


▪️④ 境界は確定測量の有無だけで判断しない

制度では、境界が明らかでない土地や、所有権の範囲について争いがある土地は申請できません。一方で、すべての土地に確定測量が一律必須という整理でもありません。


申請者が認識する境界を現地で示せるか、隣地所有者との争いがないかを確認します。境界杭や図面がなく、隣地と認識も一致していない場合は先に境界問題を整理します。



▪️⑤ 崖があるだけで必ず不承認ではない

法務省は、勾配30度以上かつ高さ5m以上の崖がある土地のうち、通常の管理に過分の費用や労力を要するものを不承認要件として示しています。


つまり高低差があるだけで自動的に制度対象外になるわけではありません。崩落防止措置、擁壁、排水、周辺への危険など、実際の管理負担で確認します。



▪️⑥ 樹木・工作物・地下埋設物も審査対象になる

通常の管理や処分を妨げる工作物、放置車両、樹木などが地上にある土地や、除去しなければ管理できない埋設物が地下にある土地は不承認要件になる場合があります。


山林だから木があると全部不承認、宅地だから埋設物が少しでもあれば全部不承認という単純な話ではありません。国の管理に追加の負担がどの程度生じるかがポイントです。


▪️⑦ 農地・山林も制度対象になり得るが条件は同じではない

田畑や森林も、相続等で取得し制度要件を満たせば国庫帰属の対象になり得ます。ただし農地では利用状況や区域、森林では境界・管理状態・追加整備の必要性などを確認します。


特に森林は、適切な造林・間伐・保育がされず国による追加整備が必要な場合、不承認要件に該当することがあります。農地・森林はそれぞれの親記事で売却や貸付も含めて比較します。




▪️⑧ 審査手数料は一筆14,000円で、却下・不承認でも返らない

2026年時点の審査手数料は土地一筆当たり14,000円です。複数筆を申請する場合は、原則として一筆ごとに手数料が必要です。


申請を取り下げた場合や、審査結果が却下・不承認になった場合でも審査手数料は返還されません。そのため、明らかな却下要件がないかを申請前に確認する意味があります。



▪️⑨ 承認後は10年分の標準的な管理費を基にした負担金を納める

国庫帰属が承認されたら、国が管理する土地について10年分の標準的な管理費用を考慮した負担金を納付します。土地の種目・区域・面積によって金額は異なります。


一律20万円と覚えるのは危険です。一定の市街地の宅地、農用地区域等の田畑、森林などは面積に応じた算定となる場合があります。


通知された負担金は、通知到達日の翌日から30日以内に納付します。期限内に納付しないと承認が失効するため、費用を用意してから申請後の流れを考えます。



▪️⑩ 複数の土地は全部同じ出口にしなくていい

宅地、農地、山林、原野などを複数相続した場合、全部をまとめて国庫帰属させる必要はありません。売れる土地は売る、貸せる農地は貸す、出口のない土地だけ国庫帰属を検討する方法もあります。


審査手数料は一筆ごとに必要ですが、一定の場合には隣接する2筆以上を一つの土地とみなして負担金を算定する特例もあります。土地ごとに出口と費用を分けて比較します。


▪️⑪ 相続放棄とは目的もタイミングも違う

相続放棄は、不要な土地だけを選んで放棄する手続きではありません。原則として相続全体について家庭裁判所で行う手続きで、国庫帰属制度とは別物です。


一方、相続土地国庫帰属制度は、一度相続した土地のうち、制度条件を満たす土地を国へ帰属させる仕組みです。『土地がいらない』という理由だけで両制度を同じものとして扱わないようにします。


▪️⑫ 実績を見ると却下・不承認だけでなく「別の出口が見つかる」例も多い

法務省の2026年8月31日現在の統計では、国庫帰属は3,119件、却下85件、不承認100件となっています。さらに取下げは1,139件あり、そのうち586件は土地の有効活用の見込みが生じたことによる取下げです。


隣地所有者から引き受けの申出があった、農地として利用される見込みができたなど、申請を検討する過程で別の出口が見つかることもあります。国庫帰属を考えた土地だから価値がゼロとは限りません。



▪️⑬ 国へお金を払って渡す前に通常売却できないか確認する

国庫帰属では売却代金を受け取るのではなく、審査手数料や負担金を支払って所有権を国へ移します。そのため市場で売れる土地なら、資金面の差は大きくなります。


国庫帰属のために解体・境界整理・撤去へ費用を使う前に、現在の状態で買主がいる可能性を確認します。査定額が高いかではなく、『現況で売れる可能性があるか』を見るための査定です。



▪️⑭ 普通に売りにくい土地は難あり買取も比較する

接道不良、境界未整理、古い建物、地方の狭小地などが重なると、一般仲介では扱いにくいことがあります。それでも国庫帰属の条件整備費をかける前に、現況買取の可能性を確認する価値があります。


通常売却と専門買取のどちらも難しく、貸付や隣地譲渡も見込めず、制度要件を満たすなら、そこで国庫帰属が現実的な出口になります。



▪️⑮ 国庫帰属はこの順番で判断する

① 申請できる取得原因か確認する。② 建物・担保権・境界など却下要件を確認する。③ 崖・樹木・埋設物・森林管理など不承認要件を確認する。④ 審査手数料と負担金を見積もる。


⑤ 現況売却・隣地譲渡・貸付の可能性を確認する。⑥ 条件整備にかかる費用も足す。⑦ それでも国庫帰属が最も負担を減らせるなら申請する。この順番なら、売れる土地を費用を払って手放す判断を避けやすくなります。


▪️よくある質問

Q. 売れない土地なら必ず国へ返せますか?


A. いいえ。建物、境界、担保権、土壌汚染、崖、障害物など制度上の要件を満たす必要があります。売れにくさと国庫帰属できるかは別です。


Q. 境界確定測量をしていないと申請できませんか?


A. 確定測量の有無だけで一律に決まりません。ただし境界が明らかで、所有権の範囲について争いがない状態であることが重要です。


Q. 審査手数料はいくらですか?


A. 2026年時点では一筆14,000円です。申請取下げ、却下、不承認でも返還されません。


Q. 負担金は必ず20万円ですか?


A. いいえ。土地の種目、区域、面積によって算定が変わり、20万円を超える場合があります。法務省の負担金ページで確認します。


Q. 国庫帰属を申請する前に売却査定した方がいいですか?


A. 現在の市場価値や買主の有無が分からない土地なら、一度確認する意味があります。国庫帰属は手数料と負担金を支払う制度だからです。


▪️まとめ|国庫帰属は「最後まで売れない土地」だけの制度ではなく、費用と管理負担を比べて選ぶ出口

相続土地国庫帰属制度は、利用予定のない土地を次世代へ残さず手放せる重要な制度です。一方で、申請要件があり、審査手数料と承認後の負担金も必要です。


制度を使うこと自体を目的にせず、売却・譲渡・貸付・保有コストと比較し、それでも国へ帰属させることが最も負担を小さくできる土地で使うと整理しやすくなります。


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