top of page

【MIRAIU|相続土地まとめ】相続した土地はどうする?登記・管理・売却・活用・国庫帰属の判断順

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
3月5日
読了時間: 12分

更新日:9月25日




※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️相続した土地は「売る・残す」の前に整理する

親が亡くなり土地を相続しても、どこに何筆あるのか、いくらで売れるのか、自分が使うのかまで最初から分かっているケースは多くありません。固定資産税の通知だけ届き、遠方の土地や山林の存在をあとから知ることもあります。


そこで最初から「売るか残すか」を決めるのではなく、土地を全部把握し、相続登記、共有関係、土地の種類、現在価格、年間維持費、利用予定を順番に確認します。そのうえで通常売却、活用、専門買取、相続土地国庫帰属制度まで比べると整理しやすくなります。



▪️① 親が所有していた土地を全部把握する

「田舎に畑がある」「昔買った土地がある」と聞いていても、所在地や筆数まで家族が把握していないことがあります。固定資産税の納税通知書、権利証・登記識別情報、売買契約書、登記事項証明書などを手掛かりに、まず所有不動産を洗い出します。


2026年2月2日には所有不動産記録証明制度も始まりました。登記簿上で本人や亡くなった親などが所有者として記録されている不動産を一覧的に確認できる仕組みですが、登記上の氏名や住所をもとに検索するため、古い住所や表記違いがある場合は注意が必要です。


大切なのは、見つかった土地を一括して「相続土地」と扱わないことです。まず全部を把握し、そのあと一筆ずつ利用・管理・売却の出口を考えます。



▪️② 相続放棄を考えるなら土地だけを見ない

まだ相続するかどうか決めていない段階では、土地の売却より先に相続財産全体を確認します。相続放棄は、売れない土地や山林だけを選んで放棄する制度ではなく、預貯金、不動産、株式、借金などを含めて相続人としての権利や義務を原則引き継がない手続きです。


相続放棄は原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。「この土地だけ不要」という判断ではなく、預貯金、ほかの不動産、借入や保証債務まで含めて全体で考えます。



▪️③ 相続登記は「売ると決めてから」ではない

2024年4月1日から相続登記は義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った場合、原則としてその日から3年以内に申請する必要があり、2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。


それ以前から相続を知っていたのに未登記の不動産は、原則として2027年3月31日までが一つの期限になります。「まだ売るか決めていない」「兄弟で話がまとまっていない」という理由だけで、親名義のまま何年も置いてよいわけではありません。


期限内に通常の相続登記が難しい場合には相続人申告登記という仕組みもあります。ただし、相続人申告登記だけで自由に売却できるという意味ではなく、実際の売却などでは最終的に権利関係を反映した登記が必要になります。


▪️④ 2026年4月から住所・氏名変更登記にも期限がある

相続登記とは別に、2026年4月1日から不動産所有者の住所・氏名等の変更登記も義務化されています。土地を相続したあとに引っ越した、結婚などで氏名が変わったといった場合は、原則として変更日から2年以内の申請が必要です。


遠方の山林や原野ほど、登記情報が何十年も更新されないまま次の相続を迎え、整理が難しくなりがちです。相続登記をしたら終わりではなく、自分の代で所有者情報を整えておくことも土地管理の一部と考えます。


▪️⑤ 兄弟で「とりあえず共有」にする前に将来を決める

兄弟で相続すると、「平等だから3分の1ずつ」と共有名義にしたくなることがあります。共有そのものが悪いわけではありませんが、その後の売却、活用、管理では複数人の意思調整が必要になる場面があります。


兄は売りたい、弟は駐車場にしたい、妹は親の土地だから残したいとなれば、方向性は簡単に決まりません。固定資産税、草刈り、境界管理、測量、造成などの費用を誰が負担するかも問題になります。


遺産分割では持分を同じにすることだけでなく、誰が土地を使うのかまで考えます。土地を使いたい相続人が取得し、ほかの相続人は預貯金など別の財産を取得する整理ができる場合もあります。



▪️⑥ 土地の種類で売却・活用の方法は変わる

相続した土地は、宅地、農地、山林、原野、別荘地、市街化調整区域などで扱いが変わります。土地の種類を確認せずに「いくらで売れるか」だけを先に考えると、必要な手続きや買主の範囲を見落とします。


農地は一般的な宅地のように、買いたい人がいればそのまま売れるとは限りません。農地法の許可や農地転用が関係する場合があり、農地区分、農振農用地、都市計画、接道、周辺状況などを確認します。


山林や原野では、道路、境界、傾斜、樹木、管理方法などが売却に影響します。同じ「土地」でも出口が違うため、一筆ずつ条件を分けて考えます。




▪️⑦ 売る・残すを決める前に現在価格を確認する

「先祖代々の土地だから価値がある」「田舎だからほとんど価値はない」と思っていても、査定する前には分かりません。地域の需要、接道、形状、面積、用途地域、建築制限、高低差、上下水道、周辺取引などで価格は変わります。


年間の税金や管理費が同じ土地でも、1,000万円で売れる土地と買い手がほとんど見込めない土地では、持ち続ける意味がまったく違います。売却を決めていなくても現在価格を把握し、そこから売る・残す・貸す・活用するを比べます。


普通に市場で売れそうな土地なら、まず一般的な査定で価格帯と売却の見込みを確認すると判断材料になります。



▪️⑧ 「相続でもらった土地=保有費0円」ではない

相続した土地は自分で購入していないため、取得費が目立たず「タダでもらった土地」と感じやすくなります。しかし、取得価格が0円に近いことと、保有費が0円であることは別です。


固定資産税等、草刈り、樹木や境界の管理、別荘地の管理費、遠方からの交通費などが毎年発生することがあります。さらに倒木、擁壁、不法投棄、測量、造成など、一時的に大きな費用が出る可能性もあります。


年間8万円なら5年で40万円、10年で80万円です。毎年同額とは限りませんが、1年分だけでなく5年・10年保有した場合の総負担を一度計算すると、「売らなければお金はかからない」という思い込みを避けやすくなります。



▪️⑨ 本当に使う人がいるなら残す選択もある

相続した土地は必ず売る必要はありません。自分が家を建てる、子どもが数年後に使う、隣接地と一体利用する、農地として使う、駐車場や貸地の需要があるなど、具体的な利用予定があるなら残す理由があります。


一方で「いつか使うかもしれない」と「5年後に子どもが住宅を建てる」では意味が違います。残すなら、誰が、いつ、何に使うのかを具体化し、そこまでの税金と管理費も含めて判断します。


土地活用も同じです。駐車場、資材置場、トランクルーム、太陽光、賃貸住宅など選択肢はありますが、土地があるだけで収益化できるわけではなく、周辺需要、初期投資、管理負担、回収期間まで確認します。



▪️⑩ 通常売却できる土地はまず一般市場を確認する

住宅地で接道に大きな問題がなく、周辺で取引がある土地なら、一般的な仲介売却を最初に確認できます。条件が合えば、専門買取より高い価格で売れる可能性があります。


ただし、売り出せばすぐ売れるとは限りません。価格や需要、土地条件で売却期間は変わり、相続土地では売れるまで固定資産税、草刈り、遠方管理などが続きます。


高い価格で長期間売れない方法と、少し価格を調整して早く売る方法のどちらが得かは、最終的な手残りで比較します。査定額だけでなく、その価格ならどの程度の期間で売れそうかまで確認します。



▪️⑪ 一社に断られても「売れない土地」と決めない

不動産会社に「この地域は扱っていない」「仲介では難しい」と言われても、それだけで土地そのものに買い手がいないとは限りません。低価格で仲介しにくい、営業エリア外、山林や農地、再建築不可などを得意としていないといった会社側の事情もあります。


まず、なぜ取り扱えないのかを確認します。一般仲介では難しくても、再建築不可、共有、接道、古家、山林、遠方、境界や未登記など事情がある土地なら、専門買取を比較する方法があります。



一般市場で動きにくい事情があるなら、処分できないと決めつける前に訳あり不動産の買取先へ相談すると、売却できるかどうかの比較材料になります。



▪️⑫ 国庫帰属は「無料で国が引き取る制度」ではない

相続や一定の遺贈で取得した土地には、条件を満たせば国へ引き渡せる相続土地国庫帰属制度があります。ただし、売れない土地なら何でも国が引き取る制度ではありません。


建物がある、担保権などが設定されている、境界が明らかでない・争いがある、土壌汚染がある、管理に過分な費用や労力がかかる一定の土地などは、申請できなかったり承認されなかったりする可能性があります。


2026年時点では審査手数料は一筆14,000円で、承認後は土地の性質に応じた10年分の標準的な管理費相当額の負担金を納めます。多くの土地では20万円が基本ですが、一定の市街地の宅地、農用地区域等の田畑、森林などは面積に応じた金額になる場合があります。


そのため国庫帰属は、売却や隣地への譲渡、専門買取などを確認したうえで、売却収入より管理から離れることを優先したい場合の出口として比べると分かりやすくなります。



国庫帰属を考えるほど売却が難しい土地でも、訳あり買取で動く可能性はあります。申請費用や負担金をかける前に、売却できるかを一度比較しておくと出口を選びやすくなります。



▪️⑬ 相続した土地を売るなら税金の期限も確認する

土地を売って利益が出た場合は、譲渡所得に対する税金も確認します。相続や遺贈で取得した土地などを一定期間内に売却し、その相続で相続税を納めているなどの条件を満たす場合は、相続税額の一部を譲渡所得計算上の取得費へ加算できる可能性があります。


相続税額の取得費加算の特例は、一般的な相続で考えると相続開始からおおむね3年10か月以内が一つの目安です。相続税を支払っていない、譲渡益がないなど状況によって扱いは変わるため、「いつ売っても同じ」と考えず、期限が関係しそうなら事前に税務上の条件を確認します。


▪️⑭ 相続土地はこの順番なら整理しやすい

まず親名義の土地を全部把握し、相続自体を受けるのか、誰が取得するのか、相続登記をどうするのかを整理します。そのうえで宅地・農地・山林など土地の種類を確認し、現在価格と年間維持費を数字にします。


具体的な利用予定があれば保有を検討し、使わないなら通常売却を確認します。一般売却が難しい場合は専門買取を比較し、それでも出口が見つからない土地で国庫帰属などを検討する順番です。


この流れなら、感情だけで残す、最初から売れないと思い込む、いきなり費用をかけるといった判断を減らしやすくなります。相続した土地は価格だけでなく、年間負担、利用予定、管理する人、売却可能性を合わせて考えます。


▪️よくある質問

Q. 相続した土地はすぐ売るべきですか?


A. 一律には決まりません。利用予定、年間維持費、共有関係、売却可能性を確認し、保有・活用・売却を比較します。


Q. 相続登記が終わっていなくても査定できますか?


A. 査定相談はできる場合がありますが、実際の売却では権利関係の確認が必要です。売却を進める段階では不動産会社や司法書士などへ具体的な手続きを確認します。


Q. 売れない土地なら国庫帰属制度を使えば必ず手放せますか?


A. すべての土地が承認される制度ではありません。対象外となる条件、審査手数料、承認後の負担金などがあるため、土地条件と法務局の最新情報を確認します。


Q. 兄弟で共有して相続すれば公平ですか?


A. 持分は平等でも、将来の売却・活用・管理で全員の意思調整が必要になる場合があります。共有を選ぶなら、管理費の負担と将来の処分方法まで話しておきます。


Q. 遠方の相続土地は草刈りだけ続ければ大丈夫ですか?


A. 草刈りは管理の一部です。固定資産税、境界、樹木、近隣への影響、今後の利用・売却予定まで含め、年間の管理負担を把握して保有を続けるか判断します。


▪️まとめ|相続土地は結論より確認順が重要

相続した土地は、価格が高ければ資産、安ければ負債という単純なものではありません。現在価値、年間負担、利用予定、管理する人、売却可能性をそろえて初めて、残す・活用する・売る・国庫帰属を比較できます。


2026年は相続登記義務化に加え、所有不動産記録証明制度や住所・氏名変更登記の義務化も関係します。親名義の土地を何年もそのままにせず、まず不動産を把握し、自分の代で整理できるところから進めることが重要です。


▪️関連記事













最新記事

すべて表示
miramaru kusakari 3.png
bottom of page