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築古物件の修繕積立はいくら必要?設備故障・空室・大規模修繕に備える考え方

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
5月11日
読了時間: 7分

更新日:9月29日

※本記事には広告・PRを含みます。


築古物件を買うとき、購入費と最初のリフォーム費だけで予算を使い切ると、その後の修繕で苦しくなりやすくなります。給湯器、エアコン、屋根、外壁、給排水、共用部など、築年数が進むほど修繕の発生時期は読みにくくなります。

そこで重要になるのが修繕積立です。ただし、毎月いくら積めば絶対安全という固定額はありません。物件の規模、築年数、設備、満室率、融資返済、直近の工事履歴を見ながら、自分の物件用の基準を作る必要があります。


▪️修繕積立は利益の残りではなく先取りで考える


家賃が入ったら返済や経費を払い、余ったお金を全部使ってしまうと、設備故障が重なった時に給与や別資金から補填することになります。修繕費はいつか発生する前提で、家賃収入から先に分けておく方が資金繰りは安定します。

特に築古物件では、毎月のキャッシュフローが黒字でも、大きな修繕が一度に来れば数か月分の利益が消えることがあります。月単位の黒字だけでなく、数年単位で現金が残るかを見ます。


▪️最初に設備を一覧にする


修繕積立額を決める前に、物件内の設備を一覧にします。給湯器、エアコン、キッチン、浴室、トイレ、換気扇、照明、インターホン、ポンプなど、故障時に家主負担となる可能性があるものを確認します。

戸建なら外壁、屋根、雨樋、給排水、アパートなら共用灯、階段、廊下、防水なども加えます。設備数が多いほど一度に複数故障する可能性があるため、戸数だけでなく設備総数を見ることが大切です。


▪️直近5年の修繕履歴を確認する


購入前なら、売主や管理会社から取れる範囲で修繕履歴を確認します。最近交換した給湯器やエアコンが多ければ、短期の修繕リスクは下がる一方、長年未更新の設備が集中していれば積立を厚くする必要があります。

履歴が分からない物件は、悪いと決めつける必要はありませんが、未確認部分を保守的に見る必要があります。購入直後の予備費を多めに残し、最初の入退去で設備状態を把握していく方法もあります。


▪️小修繕と大修繕を分けて考える


水栓、換気扇、照明など比較的小さな修繕と、屋根、外壁、防水、給排水などまとまった費用が出る工事を同じ財布で考えると管理しにくくなります。日常修繕用と大規模修繕用に分けて考えると資金計画を作りやすくなります。

毎月の積立だけで大規模修繕を全額賄えない場合もあります。その場合は、何年後にどの工事が来そうかを見て、年単位の積立額を決めます。


▪️空室と修繕が同時に来る前提で考える


現実の賃貸経営では、満室のまま修繕だけが発生するとは限りません。退去が出て原状回復が必要になり、同時に給湯器が壊れ、募集期間中は家賃も入らないということがあります。

そのため修繕積立は、工事費だけでなく空室中の返済や固定費も含めた現金余力として持つ方が実務的です。最低何か月分の返済と経費を手元に残したいか、自分の基準を決めます。


▪️リフォーム予算と修繕積立を混ぜない


購入直後のバリューアップ工事と、将来の故障に備える積立を同じ予算にすると、最初のリフォームで現金を使い切りやすくなります。見た目を良くする工事と、今後の修繕余力は分けて考えます。

家賃アップが期待できる工事でも、回収前に別設備が壊れる可能性があります。投資効率だけでなく、施工後も現金を残せるかを確認します。

購入時のリフォームでどこまで直すか迷う場合は、将来の修繕積立を残したうえで工事範囲を比較することが重要です。最初から全面改修に寄せすぎない方が資金繰りを守りやすくなります。


▪️戸建とアパートでは積立の考え方が違う


戸建は戸数が少ない分、1件の空室や大きな修繕がキャッシュフローへ直接効きます。アパートは家賃が分散する一方、共用部や複数設備の交換が同時に発生する可能性があります。

同じ月額積立ではなく、物件ごとに設備数と家賃収入を見て決めます。複数物件を持つ場合は、物件別の修繕口座と全体の予備資金を分ける方法もあります。


▪️融資返済後のキャッシュフローから逆算する


修繕積立を増やしすぎて毎月の現金がほとんど残らないなら、購入価格や借入条件が重い可能性があります。逆に積立ゼロでしか黒字にならない物件も、実質的には余裕が少ないと考えた方が安全です。

家賃収入から返済、管理費、税金、保険、通常経費、修繕積立を引いた後にどれだけ残るかを確認します。この残額が実際に自由に使えるキャッシュフローに近い数字です。


▪️修繕積立を使ったら補充ルールを決める


積立は貯めるだけでなく、使った後の戻し方も決めておくと管理しやすくなります。たとえば大きな設備交換で残高が減ったら、一定期間は家賃収入から多めに戻すなど、自分のルールを作ります。

残高が少ないまま次の物件を買うと、複数物件で修繕が重なった時に資金が詰まりやすくなります。拡大ペースと修繕余力はセットで考えます。


▪️次の物件購入前に現金残高を確認する


不動産投資では、物件数を増やすこと自体が目的になると修繕余力を削ってしまうことがあります。頭金や諸費用を払った後に、既存物件の修繕資金が残るかを確認します。

次の物件を買っても、既存物件で大きな故障が起きた時に対応できるなら拡大しやすくなります。現金残高を投資機会のためだけでなく、経営継続のための資金として見ることが重要です。

修繕積立と次の物件購入のバランスを考えるなら、利回りだけでなく融資・手元資金・物件規模まで含めて比較する必要があります。


▪️購入前に修繕シナリオを3段階で作る


購入検討では、通常ケース、やや修繕が多いケース、大きな修繕が重なるケースの3段階で現金残高を確認すると判断しやすくなります。どのケースでも返済を続けられるかを見るためです。

満室想定だけでなく、1室空室、設備交換、原状回復が重なる年を想定します。それでも給与補填に頼らず持てるなら、投資としての耐久力は高くなります。


▪️修繕積立の基準は定期的に見直す


築年数が進み、設備交換履歴が増えると必要な積立額も変わります。家賃が下がった、保険料が上がった、返済条件が変わったなど、収支が変わった時も見直します。

一度決めた月額を固定するより、毎年の決算や確定申告のタイミングで修繕実績と残高を確認し、翌年の積立を調整する方が現実的です。


▪️まとめ


築古物件の修繕積立は、毎月いくらという固定額だけで決めるのではなく、設備数、修繕履歴、空室、返済、大規模修繕の時期を見ながら物件ごとに作る必要があります。

購入時に現金を使い切らず、日常修繕と大規模修繕を分け、使った後の補充ルールまで決めておくと資金繰りは安定しやすくなります。最終的には積立後でもキャッシュフローが残る物件かで判断します。


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