農地転用できない土地とは?農振青地・農地区分・農地法4条5条の確認順
- MIRAIU

- 3月11日
- 読了時間: 11分
更新日:8月18日
親から田んぼや畑を相続すると、
「自分の土地なのに家を建てられないの?」
「農振青地だから一生転用できない?」
「農地のままでは誰にも売れない?」
と戸惑うことがあります。
農地は、宅地や雑種地と同じように所有者の判断だけで用途を変えられる土地ではありません。
しかし、
「農地だから転用できない」
「青地だから永久に家を建てられない」
と一括りにするのも正確ではありません。
農地転用の可否は、
農用地区域に入っているか。
農地法上どの農地区分なのか。
市街化区域かどうか。
何の目的で転用するのか。
転用事業を実際に実行できるのか。
などを順番に確認して判断します。
この記事では、農地を住宅・駐車場・資材置場などへ変えたいときに、最初に何を確認すればよいのかを整理します。
※本記事には広告・PRを含みます。
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▪️「農地転用できない」は一つの理由で決まるわけではない
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農地転用では、主に二つの制度を分けて考える必要があります。
一つ目が、
農業振興地域制度。
二つ目が、
農地法による農地転用許可制度。
農業振興地域制度では、将来にわたって農業利用を確保する土地を農用地区域として定めます。
農地法では、農地の優良性や周辺の土地利用状況などから転用可能性を判断します。
つまり、
農振を確認しただけで転用可否が全部決まるわけではありません。
複数の制度を順番に確認する必要があります。
売れない土地全体の整理はこちら。
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▪️最初に「本当に農地法上の農地なのか」を確認する
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登記簿の地目が「田」「畑」なら、まず農地としての手続きを確認します。
一方、農地法では登記簿の地目だけではなく、土地の現況も重要になります。
たとえば登記地目が原野でも、実際に耕作されて農地として利用されていれば、農地法の対象になる場合があります。
逆に長期間農地として利用できない状態になっている土地については、非農地判断など別の確認が必要になることがあります。
そのため、
「登記が田だから必ず農地」
「何年も耕作していないからもう農地ではない」
と所有者だけで決めないようにします。
農地の所在地を確認したうえで、農業委員会や市町村の担当部署へ確認します。
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▪️「青地」と「白地」は正式名称ではなく通称
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農地について調べると、
青地。
白地。
という言葉が出てきます。
これらは通称です。
一般に「青地」と呼ばれているのは、市町村の農業振興地域整備計画で農用地区域に設定されている土地です。
将来も農業利用を確保する区域であるため、農業以外への転用は強く制限されています。
一方、一般に「白地」と呼ばれる土地であっても、
「白地=自由に宅地化できる」ではありません。
農用地区域から外れていても、農地法による転用許可の確認は別に必要です。
農地が売れにくい理由はこちら。
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▪️農振青地なら、まず「農振除外」が可能か確認する
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農用地区域内の農地を住宅など農業以外の目的へ転用したい場合、原則としてそのまま転用することはできません。
転用の必要が認められるケースでは、先に農用地利用計画を変更し、対象地を農用地区域から外す手続きが必要になります。
いわゆる農振除外です。
ただし、
「土地を使っていない」
「相続したから家を建てたい」
「高く売りたい」
という所有者側の希望だけで除外されるわけではありません。
除外には複数の要件があります。
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▪️農振除外には6つの主要な要件がある
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農用地区域からの除外では、主に次の点が確認されます。
・農用地区域外に代替できる土地がないか
・地域計画の達成へ支障を及ぼさないか
・周辺農地の効率的な利用へ支障を及ぼさないか
・担い手への農地集積へ支障を及ぼさないか
・土地改良施設の機能へ支障を及ぼさないか
・農業基盤整備事業完了後、一定期間を経過しているか
現在の制度では、農業基盤整備事業について完了後8年を経過していることも要件の一つです。
これらを満たすかは土地ごとに異なります。
そのため、
「青地だから絶対無理」でも、
「申請すれば外してもらえる」でもありません。
まず所在地の市町村で農用地区域の指定状況と除外可能性を確認します。
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▪️農振除外できても、それだけで家を建てられるわけではない
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ここは特に間違えやすいところです。
農振除外ができても、
農地法の転用手続きが終わったわけではありません。
農用地区域から外した後に、農地法上の転用許可が必要になる場合があります。
さらに住宅を建てるなら、
都市計画法。
建築基準法。
接道。
上下水道。
造成。
盛土。
など別の条件も確認します。
つまり、
農振除外。
農地転用。
建築可能性。
はそれぞれ別の確認です。
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▪️農地転用では「甲種・第1種・第2種・第3種」を確認する
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農地法の転用許可では、農地の優良性や周辺状況などによって農地を区分します。
大きく整理すると、
農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地
は優良農地として、転用は原則不許可です。
ただし、農業用施設など一定の例外があります。
第2種農地
は、市街地として発展する可能性がある地域などにある農地で、他の土地へ事業目的を実現できない場合などに転用が認められる可能性があります。
第3種農地
は、市街地や都市的整備が進んだ区域内などにある農地で、転用は原則許可という考え方です。
この農地区分によって、転用可能性は大きく変わります。
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▪️第3種農地でも「必ず許可される」わけではない
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第3種農地は転用しやすい区分ですが、
「第3種だから何をしてもいい」
という意味ではありません。
農地転用では、農地区分による立地基準だけでなく、転用事業そのものを実行できるかを見る一般基準もあります。
たとえば、
必要な資金を確保できるか。
他法令の許認可を得られる見込みがあるか。
土地に賃借権などの権利が設定されていないか。
周辺農地へ悪影響を与えないか。
といった点も確認されます。
つまり、
農地区分が良くても、具体的な転用計画が成立しなければ許可されない場合があります。
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▪️自分で転用するなら農地法4条、売買を伴うなら5条
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農地転用では「4条」「5条」という言葉もよく出てきます。
所有者が自分の農地を、
自宅。
駐車場。
事業用地。
などへ転用する場合は、基本的に農地法4条の手続きを確認します。
一方、
農地を住宅会社や買主へ売却し、その買主が宅地などへ転用する。
転用を目的として賃借権などを設定する。
というように権利移転・設定を伴う場合は、基本的に農地法5条です。
「家を建てる」という結果が同じでも、
誰が転用し、所有権等が動くか
によって手続きが変わります。
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▪️市街化区域内の農地は許可ではなく届出になる場合がある
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農地が市街化区域内にある場合、農地転用については原則として農業委員会への事前届出で進める仕組みがあります。
市街化を進める区域であるため、市街化区域外の農地とは転用手続きが異なります。
ただし、
市街化区域だからすぐ建築できる。
届出だけで造成も自由。
という意味ではありません。
建築・道路・造成・上下水道などの条件は別途確認します。
農地転用できることと、希望する建物を建てられることは同じではありません。
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▪️農地のまま売る場合は「農地転用」と別の手続き
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農地を宅地などへ変えず、農地のまま売却・貸借する方法もあります。
この場合は、転用ではありません。
農地法第3条による許可や、農地中間管理機構を利用する方法などを確認します。
ここも、
「農家にしか絶対売れない」
と単純化しない方がよいでしょう。
買主が農地を適正に利用できるかなど、農地法上の要件を満たす必要があります。
農地として引き継ぐルートと、転用して売るルートは別物です。
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▪️転用できないと分かってから造成費を計算しても遅い
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農地を見ると、
宅地にするなら盛土。
上下水道を引く。
道路を整備する。
擁壁を造る。
といった工事費が気になります。
しかし最初にするべきなのは、工事費の計算ではありません。
法的にその用途へ転用できる可能性があるかの確認です。
転用可能性が確認できた後に、
造成費。
上下水道。
道路。
排水。
建築費。
などを見積もります。
土地条件によって費用は大きく異なるため、
「田んぼを宅地にすると必ず数百万円」
といった固定的な数字で判断しないようにします。
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▪️転用が難しい農地には3つの出口を比較する
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転用が難しいと分かったからといって、土地を永久に持つしかないとは限りません。
大きくは、
①農地として売る・貸す
農業委員会や農地中間管理機構などへ相談し、農地として利用する人へつなぐ方法です。
②条件を確認して転用を検討する
農振除外や転用許可の可能性があるなら、実際の用途と費用を確認します。
③現状条件を開示して売却先を探す
転用の難しさを含めて評価できる不動産会社や買取会社へ相談します。
どの方法が合うかは、
土地の位置。
農地区分。
面積。
周辺農地。
接道。
需要。
によって変わります。
一般の不動産会社に断られた土地についてはこちら。
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▪️訳あり土地の買取でも「農地法を飛ばせる」わけではない
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転用が難しい農地では、訳あり不動産を扱う会社へ相談する方法もあります。
ただし、
専門会社なら農地法を無視して買える。
農振青地でも自由に宅地化できる。
という意味ではありません。
売買方法や利用目的に応じて必要な農地法上の手続きは残ります。
専門会社へ相談する意味は、
現在の条件を前提に、どのような売却方法が考えられるかを比較すること
です。
訳あり・売りにくい土地の買取を確認したい場合はこちら。
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▪️農地を売りたいときの確認順は5段階
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農地を相続したり、使わなくなったりした場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
①農地としての現況を確認する
登記だけでなく、現在どのように利用されているかを確認します。
②農振区分を確認する
農用地区域に入っているか、市町村の担当部署へ確認します。
③農地法上の農地区分を確認する
甲種・第1種・第2種・第3種など、転用上の位置付けを確認します。
④希望用途を具体化する
住宅。
駐車場。
資材置場。
事業用地。
など、何へ転用するのかを決めます。
⑤転用・農地利用・売却を比較する
法的可能性と費用を確認してから、どの出口が現実的か判断します。
この順番なら、
「青地だったから全部諦める」
「道路沿いだから絶対宅地になる」
という早すぎる判断を避けやすくなります。
現在の売却条件も合わせて確認したい場合はこちら。
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▪️よくある質問
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Q. 農振青地なら一生、農地転用できませんか?
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一律に「一生不可能」ではありません。ただし農用地区域からの除外には複数の要件があり、除外後も農地法の転用手続きが必要になる場合があります。
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Q. 白地なら家を建てられますか?
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白地であることだけでは決まりません。農地法上の農地区分や都市計画、接道などを別に確認します。
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Q. 第3種農地なら必ず転用できますか?
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第3種農地は原則許可の区分ですが、事業の実現可能性や周辺農地への影響など一般基準も確認されます。
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Q. 自分の田んぼに自宅を建てる場合は5条ですか?
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所有者自身が所有権を移さず転用する場合は基本的に4条です。転用目的の売買や賃借権設定などを伴う場合は5条を確認します。
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Q. 農地転用できなければ売却できませんか?
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農地のまま売買・貸借する方法もあります。転用売却とは別の手続きになるため、農業委員会などへ確認します。
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▪️まとめ|農地転用は「青地だから無理」で終わらせない
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農地転用を考えるときは、
農振青地か。
白地か。
だけで判断するのではありません。
まず、
農地としての現況。
農用地区域。
農地法上の農地区分。
市街化区域かどうか。
希望する転用目的。
を確認します。
農振青地なら、農用地区域からの除外が可能かを確認する。
その後に農地法上の転用可能性を見る。
さらに建築・造成・接道など別の条件を確認する。
という順番です。
また、転用できないからといって、
土地の価値がゼロになる。
農地を一生所有するしかない。
という結論でもありません。
農地として売る・貸す。
条件を整えて転用を検討する。
現在の条件のまま売却先を探す。
という選択肢があります。
農地で重要なのは、最初から「できる・できない」を決めることではなく、どの制度のどの条件が問題になっているのかを特定することです。
そこまで分かれば、次に確認すべき手続きや費用を整理しやすくなります。
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