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空き家の固定資産税はいくら?「6倍」の本当の意味と住宅用地特例・管理不全空家を解説

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 3月10日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月17日

相続した実家が空き家になった。

誰も住んでいないのに、毎年固定資産税の納税通知書が届く。

そんなとき、

「空き家なのに、なぜ税金を払うの?」

「解体すると固定資産税が6倍になるって本当?」

「管理不全空家に指定されたら、すぐ税金が上がる?」

と疑問に感じる方は多いでしょう。

空き家の固定資産税を理解するときに重要なのは、土地と建物を分けて考えることです。

さらに土地には「住宅用地特例」があり、住宅が建っていることで税負担が軽減されている場合があります。

一方で、管理状態が悪化し、市区町村から一定の手続きを経て勧告を受けると、この特例を受けられなくなることがあります。

ただし、よく言われる、

「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」

という説明は正確ではありません。

この記事では、空き家の固定資産税がどのように決まるのか、「6倍」と言われる理由、管理不全空家・特定空家との関係、解体する前に確認したい税負担まで整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️空き家でも固定資産税はかかる



人が住んでいなくても、土地や建物を所有していれば固定資産税の対象になります。

固定資産税は、

・土地


・家屋


・一定の償却資産

などに対して課税される地方税です。

「空き家だから無料になる」

「築50年だから固定資産税はゼロになる」

という仕組みではありません。

土地と建物にはそれぞれ評価額があり、そこから課税標準額などを基に税額が計算されます。

固定資産税の標準税率は1.4%ですが、実際の課税内容は土地の利用状況や自治体によって確認する必要があります。


▪️まず納税通知書の「土地」と「家屋」を分けて見る



空き家の税金を確認するときは、毎年届く固定資産税の納税通知書や課税明細書を見ます。

確認したいのは、

・土地の評価額


・土地の課税標準額


・住宅用地としての扱い


・家屋の評価額


・家屋の固定資産税


・都市計画税の有無

です。

「年間10万円払っている」

だけでは、その内訳が分かりません。

土地でいくら。

建物でいくら。

都市計画税がいくら。

と分けることで、今後、

売る。

管理する。

解体する。

建て替える。

という判断をしやすくなります。


▪️住宅がある土地には「住宅用地特例」がある



空き家の固定資産税を理解するうえで、最も重要なのが住宅用地特例です。

住宅の敷地として利用されている土地では、土地の固定資産税を計算するときの課税標準額が軽減されます。

住宅1戸につき200㎡までの部分は「小規模住宅用地」とされ、

固定資産税の課税標準額は評価額の1/6

になります。

200㎡を超える一定の部分は「一般住宅用地」となり、

固定資産税の課税標準額は評価額の1/3

になります。

都市計画税についても住宅用地の特例があり、

・200㎡までの部分 → 1/3


・200㎡を超える一定の部分 → 2/3

という仕組みがあります。

ここで重要なのは、税率が1/6になるのではなく、税金を計算する基礎となる課税標準額に特例が適用されるという点です。


▪️「空き家になった瞬間」に特例がなくなるわけではない



親が亡くなり、昨日から実家が空き家になった。

その瞬間に土地の固定資産税が大幅に上がるわけではありません。

住宅用地として認められる状態であれば、空き家だからという理由だけで直ちに住宅用地特例が解除されるわけではありません。

現行記事には、

「管理されていない空き家になると税金が上がる」

という説明がありましたが、ここはもう少し正確に理解する必要があります。

単に、

・庭の草が少し伸びている


・数か月誰も住んでいない


・築年数が古い

というだけで、自動的に特例が解除されるわけではありません。


▪️重要|「管理不全空家になったら即増税」でもない



2023年12月に改正空家法が施行され、「管理不全空家」という仕組みが設けられました。

これは、適切な管理が行われず、このまま放置すれば「特定空家」になるおそれがある空き家などを、より早い段階から改善へつなげる仕組みです。

ここでよく誤解されるのが、

「管理不全空家と判断された瞬間に固定資産税が上がる」

という説明です。

正確には、市区町村から必要な措置について指導を受け、それでも改善されず、勧告を受けた場合に住宅用地特例の対象から外れる仕組みです。

つまり、

管理状態が悪い



市区町村による確認



指導



改善されない



勧告

という流れを理解しておく必要があります。


▪️特定空家でも重要なのは「勧告」



さらに状態が悪く、

・倒壊など保安上の危険がある


・衛生上有害となるおそれがある


・景観を著しく損なっている


・周辺の生活環境へ悪影響がある

など一定の状態にある空き家は、「特定空家等」として行政措置の対象になることがあります。

ここでも、

「特定空家と呼ばれたから、その日から6倍」

と考えるのは適切ではありません。

住宅用地特例との関係で重要なのは、法律に基づく勧告を受ける段階まで進んでいるかです。

自治体から連絡や指導を受けた場合は放置せず、何を改善すればよいのか確認しましょう。


▪️では「固定資産税が6倍」と言われるのはなぜ?



この言葉が広まった理由は、小規模住宅用地の特例にあります。

200㎡までの小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準額が評価額の1/6になります。

そのため、

特例あり


→ 評価額 × 1/6を基礎に計算

特例なし


→ 住宅用地としての1/6特例がなくなる

という関係だけを見ると、

「6分の1がなくなる=6倍」

と説明されやすいのです。

しかし、実際の納税額が必ずちょうど6倍になるわけではありません。

土地には税負担を調整する仕組みもあり、都市計画税の特例率も固定資産税とは異なります。

さらに空き家には建物自体の固定資産税もあります。

そのため、実際に確認するべきなのは、

土地の固定資産税だけの倍率ではなく、年間の税額合計がいくら変わるのか

です。


▪️単純計算するとどうなる?



仕組みを理解するため、かなり単純化した例で考えてみます。

土地評価額が1,200万円。

土地全体が200㎡以下の小規模住宅用地。

固定資産税の標準税率1.4%。

と仮定します。

住宅用地特例を単純に適用すると、

1,200万円 × 1/6


= 課税標準200万円

200万円 × 1.4%


= 2万8,000円

となります。

一方、1/6の住宅用地特例がないものとして単純計算すると、

1,200万円 × 1.4%


= 16万8,000円

となります。

この単純例だけを見れば6倍です。

ただし実際には、土地の負担調整、都市計画税、土地の区分、自治体ごとの課税内容などが関係します。

この計算をそのまま自分の土地の税額として使わないようにしてください。

一番確実なのは、現在の課税明細書を確認し、市区町村の固定資産税担当へ相談することです。


▪️空き家を解体すると固定資産税はどうなる?



ここも非常に多い質問です。

住宅を解体して、翌年1月1日時点で住宅用地として認められない状態になれば、原則として土地の住宅用地特例は受けられなくなります。

そのため、

土地部分の固定資産税等が上がる可能性があります。

ただし、これだけで、

「解体すると損」

とは判断できません。

建物を解体すれば、それまで課税されていた家屋分の固定資産税はなくなります。

したがって、

解体前


→ 土地の税金+建物の税金

解体後


→ 住宅用地特例がなくなった土地の税金

を比較する必要があります。


▪️「税金が上がるから解体しない」が正解とは限らない



古い空き家を所有していると、

「壊すと税金が上がるから残しておこう」

と考えることがあります。

しかし判断するべき費用は固定資産税だけではありません。

空き家を残せば、

・建物修繕


・屋根や外壁の補修


・庭木管理


・草刈り


・見回り


・火災や台風後の確認


・遠方なら交通費

などが必要になる場合があります。

年間の固定資産税が数万円増えるとしても、建物を残すことで毎年それ以上の維持費が必要なら、単純に「残した方が得」とは言えません。

税金ではなく、5年程度の総保有コストで考えることが大切です。


▪️解体を決める前に、まず現状で査定する



もう一つ注意したいのが、

「古いから壊してから売ろう」

と先に解体することです。

空き家によっては、

・古家付き土地として売れる


・建物を利用したい買主がいる


・投資用として検討される


・解体費を買主側で負担する条件で売れる

可能性があります。

先に解体すると住宅用地特例の扱いが変わる可能性があるうえ、解体費用を先払いすることになります。

そのため基本的には、解体前に一度査定してから判断する方が比較しやすくなります。

空き家を解体する前の査定についてはこちら。

複数社へ売却査定を依頼して現在の価値を確認したい場合はこちら。


▪️それでも解体するなら「解体費+増える税金」で考える



解体を検討するときは、解体費だけを見ないようにします。

確認したいのは、

・解体工事費


・残置物処分


・ブロックや庭木の撤去


・解体後の土地固定資産税等


・草刈りなど更地管理費


・売却までの想定期間

です。

たとえば、

解体費200万円。

解体後の年間税負担が増える。

売却まで2年以上かかる。

という土地なら、解体前売却の方が合理的な可能性があります。

反対に、更地需要が強く、解体することで早く売れるなら、先に解体する意味が出る場合もあります。

解体費用を比較したい場合はこちら。


▪️空き家の固定資産税は「売却したらすぐ止まる?」



固定資産税は、原則として毎年1月1日時点の所有者にその年度分が課税されます。

そのため、年の途中で売却したからといって、自治体からその年度分の固定資産税が月割りで買主へ再請求される仕組みではありません。

不動産売買では、引渡し日に合わせて売主と買主の間で固定資産税を日割り精算することがありますが、これは売買契約上の精算です。

税法上の納税義務者とは分けて考えます。

売却時には不動産会社へ精算方法を確認しましょう。


▪️相続した空き家なら、まず名義と納税状況も確認する



相続で空き家を取得した場合は、建物状態だけでなく、

・現在の登記名義


・相続登記の状況


・固定資産税の納税通知書の宛先


・土地と建物の評価額


・共有者の有無

も整理します。

「親名義のままだけど税金だけ払っている」

という状態では、売却や活用を進める際に相続関係を整理する必要があります。

相続した空き家の売却についてはこちら。

相続不動産全体の判断はこちら。


▪️固定資産税が高いから売る、だけでも判断しない



反対に、

「毎年税金がかかるから、早く売らないと」

と焦りすぎる必要もありません。

将来、

自分が住む。

子どもが使う。

賃貸にする。

土地として活用する。

という具体的な予定があるなら、管理しながら所有する選択肢もあります。

重要なのは、

何となく保有することと、理由があって保有することを分けることです。

今後5年間で、

・固定資産税等


・修繕費


・管理費


・草刈り


・保険


・交通費

がいくら必要か、一度合計してみます。

その金額と、5年後に使う可能性を比較すると判断しやすくなります。


▪️売却しにくい空き家でも出口は一つではない



築年数が古い。

建物状態が悪い。

接道条件が弱い。

再建築に制限がある。

一般の不動産会社に断られた。

こうした空き家でも、最初から「持ち続けるしかない」と決める必要はありません。

・中古住宅として売る


・古家付き土地として売る


・現状のまま売る


・買取を比較する


・条件を整理して活用する

などの方法があります。

古い家を解体せず売却する方法はこちら。

仲介と買取の違いはこちら。


▪️よくある質問



Q. 空き家になったら固定資産税はすぐ上がりますか?



空き家になったという理由だけで、直ちに土地の住宅用地特例がなくなるわけではありません。

土地や建物の状態、住宅用地としての認定、行政からの措置などによって判断されます。


Q. 管理不全空家に指定されると固定資産税は6倍ですか?



その説明では正確ではありません。

管理不全空家等について市区町村から必要な措置の指導を受け、改善せず勧告を受けると、土地の住宅用地特例を受けられなくなる可能性があります。

また、実際の固定資産税額が必ずちょうど6倍になるわけでもありません。


Q. 解体すると翌年の固定資産税は6倍になりますか?



住宅を解体すると、原則として土地の住宅用地特例がなくなり、土地部分の税額が増える可能性があります。

ただし建物分の固定資産税はなくなるため、土地と建物の合計額で比較してください。


Q. 築50年以上なら建物の固定資産税はゼロになりますか?



築年数だけで自動的にゼロになるとは限りません。

実際の家屋評価額は課税明細書で確認してください。


Q. 自分の空き家の固定資産税がいくらになるか計算できますか?



概算はできますが、現在の課税標準額や住宅用地の扱いを確認する必要があります。

最も確実なのは、納税通知書・課税明細書を確認し、不明点を土地所在地の市区町村へ問い合わせる方法です。


▪️まとめ|「6倍」という言葉より自分の課税明細を見る



空き家の固定資産税について、

「放置すると6倍」

「解体すると6倍」

という言葉だけが広がっています。

しかし、実際の仕組みはもう少し複雑です。

まず住宅用地には、

・200㎡以下の小規模住宅用地


・200㎡を超える一般住宅用地

に応じた課税標準の特例があります。

そして、管理不全空家や特定空家についても、

単に空き家になったことや、名称が付いたことだけで直ちに住宅用地特例が外れるわけではありません。

重要なのは行政による指導・勧告までの流れです。

また、解体すれば土地の住宅用地特例がなくなる可能性がある一方、建物分の固定資産税はなくなります。

だから、

「税金が上がるから壊さない」

「古いからすぐ壊す」

のどちらも結論を急がない方がよいでしょう。

まず、

・現在の土地の固定資産税


・建物の固定資産税


・都市計画税


・年間管理費


・修繕費


・解体費


・現在の売却価格

を確認します。

そのうえで、

管理を続ける。

売却する。

活用する。

解体する。

という選択肢を比較してください。

空き家の固定資産税で最も大切なのは、「6倍」という数字に怖がることではありません。

自分の土地と建物に、今いくらかかっていて、これからいくらかかるのかを把握することです。

それが分かれば、税金だけに振り回されず、その空き家を残すか手放すか判断しやすくなります。


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