相続登記はいつまでに必要?2024年義務化の期限と罰則を解説

更新日:10月2日
相続登記は、2024年4月1日から申請が義務化されています。不動産を相続で取得したことを知った場合、原則としてその事実を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
2024年4月1日より前に相続したことを知っていた未登記不動産も対象になる点に注意しましょう。この場合の経過措置では、2027年3月31日までに対応する必要があります。
タイトルでは『罰則』と表現していますが、法務省の案内上は、正当な理由なく義務に違反した場合に10万円以下の『過料』の適用対象となる可能性があります。刑事罰の罰金とは区別して理解しましょう。
▪️① 基本は「知った日から3年以内」
相続や遺言により不動産の所有権を取得した相続人は、自分のために相続が始まったことと、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請します。
死亡日から機械的に3年と決めるのではなく、法務省が示す起算点を確認することが大切でしょう。
相続した不動産が複数ある場合は、漏れがないよう一覧化しておくと進めやすくなります。
▪️② 2024年4月より前の相続も義務化の対象
義務化前に発生した相続でも、未登記の不動産は対象になります。2024年4月1日より前に相続で取得したことを知っていた場合、期限は2027年3月31日です。
古い相続だから対象外とは考えない方がよいでしょう。祖父母名義のままなど相続が重なっている場合は、早めに登記関係を確認します。
2024年4月以降に相続取得を知った場合は、その知った日から3年以内という基本ルールも確認しておきましょう。
▪️③ 遺産分割が成立した後にも3年の期限がある
遺産分割が成立して不動産を取得する人が決まった場合は、遺産分割の日から3年以内に、その内容を踏まえた登記申請が必要になります。
基本的な相続登記義務と、遺産分割成立後の追加的な義務は分けて考えましょう。
分割協議が長引いている場合でも、何もしないまま期限を過ぎないよう次の制度を確認します。
▪️④ 遺産分割がまとまらないときは相続人申告登記も確認
期限内に通常の相続登記を行うことが難しい場合、相続人申告登記により基本的な申請義務を履行できる仕組みがあります。
相続人申告登記は簡易な制度ですが、遺産分割が成立した後の追加的義務まで自動的に終わるものではありません。
まず期限を守るために使える制度として理解し、その後の登記が必要かも確認するとよいでしょう。
▪️⑤ 2026年は所有不動産記録証明制度も使える
2026年2月2日から、被相続人が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的に把握しやすくする所有不動産記録証明制度が始まっています。
相続した不動産がどこにあるか把握しきれていない場合は、こうした制度も確認すると漏れ防止につながるでしょう。
固定資産税の課税明細だけで全不動産を把握できるとは限らないため、公的な登記情報と合わせて確認します。
▪️⑥ 過料は「正当な理由なく義務違反」の場合
相続登記を期限までにしなかったからといって、直ちに10万円を支払うという仕組みではありません。法務省は、正当な理由なく申請義務を怠った場合に10万円以下の過料の対象となる可能性があると案内しています。
事情によって判断が異なるため、『3年を1日過ぎたら即10万円』のような理解は避けましょう。
期限が近い、相続人が多い、書類が揃わない場合は、法務局や司法書士などへ早めに確認するのが現実的です。
▪️⑦ 確認する順番
①相続が発生した時期を確認→②不動産取得を知った時期を確認→③2027年3月31日の経過措置対象か確認→④遺産分割の成立状況を確認→⑤相続人申告登記の要否を確認→⑥必要書類を揃える→⑦期限内に申請する、の順で確認します。まず自分の期限を特定することが重要でしょう。
最初に現在の登記名義と相続発生時期を確認します。昔の相続ほど、複数世代の相続が重なっていないかも見ておくとよいでしょう。
次に遺産分割がまとまっているかを確認します。まとまらない場合でも、相続人申告登記という選択肢があります。
最後に必要書類と申請方法を確認します。期限が近い場合は、自己判断で先送りせず法務局や専門家へ相談しましょう。
▪️⑧ Q&A
Q. 2024年4月より前に相続した不動産も義務化の対象ですか?
対象です。2024年4月1日より前に相続取得を知っていた未登記不動産は、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。
Q. 遺産分割が決まっていない場合はどうしますか?
期限内の通常登記が難しい場合は、相続人申告登記で基本的な申請義務を履行できる仕組みがあります。
Q. 期限を過ぎると自動的に10万円ですか?
自動的に10万円となるわけではありません。正当な理由なく義務に違反した場合に10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
▪️⑨ まとめ
相続登記は2024年4月1日から義務化され、基本は不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です。
義務化前から未登記だった相続も対象で、2024年4月1日より前に取得を知っていた場合は2027年3月31日が重要な期限になります。
遺産分割がまとまらない場合は相続人申告登記も確認し、期限が近い場合は法務局や専門家へ早めに相談するとよいでしょう。

